製造管理のツール
ケニアでは大統領選挙が一週間後(8月8日)に迫ってきており、緊張感が若干漂っているように感じます。混乱なくピースフルに選挙が行われることを大多数の人々が願っています。
今回は、ケニアで食品製造業を泥臭くやりながら模索してきた製造部門のマネジメント手法に関して書かせてもらいます。ごく普通のことで何も特別なことはしてないですが。とにかく、分かりやすくシンプルに噛み砕いて実践することを心がけています。
今後進化していくと思いますが、現時点では以下の4つのツールを重要視しています。
- Planning & Reviewing
- SOP (Standard Operation Procedure)
- KPI (Key Performance Indicator)
- Training
一つ目は、計画とその見直しです。毎週金曜日にその週の実績の確認と翌週の計画を立て、計画通りいかなったことはなぜ達成できなかったのかを話し合います。
二つ目は、標準的な作業手順書を作成し、監督者はその通りに製造することに責任を持ってもらい、細部に至るまで手順書通りに進めることを製造の核としています。製造スタッフには、商品の規格を守るという概念を理解してもらうことから始まります。食パンやスプーンなど身近なものを例に挙げて、味・触感・色・サイズなどは勝手に変更されることは製造者として、許されないということを完全に理解してもらうように努めています。注文をもらっている規格を個々の判断で変更することなど有り得ないということを知らなければ、そこから伝えることになります。
三つ目は、目標の達成具合を評価する指標を設定することです。単体ではなく、複数の要素を組み合わせて、適正な品質・生産性・コストで行われているかを確認しています。
四つ目は、スタッフに対する食品衛生と品質管理のトレーニングです。毎週20分程時間をとって、食品製造業で働くうえで大事なことを浸透させています。
人材育成に手間が掛かり、めげそうになることもありますが、幸いなことに「今は大きくなっている企業も最初は弊社が直面しているような問題に直面していた」と周りのケニア人が励まして下さるので大変有難いです。約40年前に未経験の人たちが月給約1,000kshで製造スタッフとして働き始めて、会社の成長とともに給与もあがり、約30年後の定年時には月給は約50,000kshになっていた人たちを実際に見てこられた人からの言葉に希望をもつことができました。