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ケニア事情② -この5年の社会の変化-

協力隊員としてケニアに初めて来てから、もうすぐ5年が経とうとしています。

5年の月日でケニア社会・経済で数え切れないほどの変化が起きていると思いますが、どんな変化があったかな~と考えたときにでてきたのは次の5つです。

1.County制度の導入による地方分権強化

2013年に、全国47の各Countyで知事が選出され、知事が地方行政を担う仕組みに変わりました。知事の手腕が大きく影響します。Machakos CountyのMutuaさんという知事が注目度No.1で、County内の道路の修繕、People’s Parkという公園の新設、病院に最先端の検査機材の導入、道路に太陽光発電による電灯の設置など数々のプロジェクトがかたちになりました。ただ、やはりケニアです。業者への支払い滞納が大きな問題になっていました。

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(↑2013年にオープンしたMachakos people’s park)

2.乗用車数の増加

ケニアでみられる乗用車は90%以上が日本からの中古のTOYOTAです。経済の発展にともない、5年前に比べると車の数は増えており、平日のナイロビ近郊の渋滞は酷い状態になっています。

3.中国人の数が明らかに増加

中国政府による鉄道開発や民間の投資も増えており、ナイロビではいたるところで中国人を目にします。特に中国の若い人たちや女性たちが5年前より増えています。町を歩いていると「チャイナ、チャイナ」といわれることは5年前から変わらないですが・・。

4.観光業が下火

テロの懸念があり、ケニアへの海外からの観光客数は減少傾向です。ケニアの海岸地域のDianiという20以上の大型リゾートホテルがある地域に昨年、お土産用に弊社のドライフルーツを置いてもらえないかと調査にいきました。そのとき、半数以上のホテルが観光客が来ないため営業を停止していました。観光業に携わる多くの雇用が失われているようです。

5.ショッピングモールの建設ラッシュ

ナイロビのKaren地区にHUBという大型のショッピングモールが昨年末にオープンしました。Carrefourというフランス資本のスーパーがはいっていることがケニアでは話題になりました。Two riverというショッピングモールもナイロビのRunda地区に建設中です。

次の5年でどんな社会の変化がみられるか楽しみです~♪

ケニア事情① -日本企業-

ケニアでのTICAD6の開催まで一週間を切りました。ケニア事情に関してです。

一般的にケニアは治安が良くないという印象を持たれていると思います。カージャックや路上での強盗など外国人を狙った犯罪が起きているのは事実です。普段の生活のなかで治安の悪さを感じることは全くないですが、夜には外を歩かないというような基本的なことは守っています。

バングラディッシュでテロがあり日本人技術者が犠牲になったという報道も、ケニアで暮らす日本人にとっては他人事ではありません。

治安が安定しているとはいえないケニアで仕事をしている多くの日本人たちは、JICAや民間企業関わらず、強い使命感を内に秘めてお仕事をされているように感じます。

どこの国にもあると思いますが、ケニアにも日本人会や商工会(JETROケニア事務所が事務局)というネットワークがあり、他の業種の人との交流の機会もあり、学びが多いです。ケニアの商工会の会員企業は現在は46社。豊田通商、三井物産、丸紅、三菱商事、ロート製薬、日清食品、トリドールなどなど。

今後、ケニアで日本企業が50、60社と増えていくのには、それ程時間は掛からないと思います。アジアには、既に日本企業が100社以上が進出している国は幾つかあると思いますが、アフリカはまだこれからです。多くのハードルを乗り越えながら、日本企業が現地の人々とともにアフリカで創出する社会へのインパクトを楽しみにしています!

個人的には、アフリカの市場に出す商材に日本企業であるということをもっと分かりやすくアピールして、JAPANESE QUALITYの認知度を高めていってほしいと思います!!

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↑トリドール(丸亀製麺)のTERIYAKI JAPANの第一号店。テリヤキチキンとご飯/麺のセットが500ksh(約500円)。

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↑ケニアで販売されているNissinのヌードル。

乾燥地域のパイナップル農家との連携

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コーストのマリンディの街から北に約70kmに位置する農村地帯のグループを訪問しました。地域の人々の暮らしを良くしたいという情熱的なリーダーのもとに、68のパイナップル農家が結束し、共同販売のためのひとつのグループを形成しています。

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(グループのリーダーに初めて会ったときに撮影。2015年10月)

昨年10月にWorld Visionのオフィサーから電話をもらい、このグループとの連携の可能性を感じて、2週間後にグループを訪問。その後、World Visionのオフィサーがドナーを見つけて、天日乾燥の施設が先月、見事に完成しました。それを受けて、この地域の農家が製造したドライフルーツを買い取るという可能性に賭けて、加工トレーニングをWorld Visionのオフィサーの協力のもと、実施しました。真剣に学びたいという農家の方々が大多数でした。

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彼らが直面している問題は、収穫期に雨が降ると道路がふさがり、トラックでパイナップルが運送できないということです。運送できずに腐ってしまうということに何度か直面しており、農村部で乾燥加工して、販売することに大きな希望を託しています。

今回現地に行って、初めて聞いて驚いたことは、World Visionのオフィサーは、管轄下の2グループに対して、2つの天日乾燥施設を完成させていたんです。凄い実行力、、、。しかも、天井に2つの排気口が設置された文句なしの出来ばえ。

今回のトレーニングの目的は、グループが衛生的な製造方法を理解し生産体制を整え、質のいいものを将来的に弊社に供給するようになるということ。彼らの甘~いパイナップルの製品化はとても魅力的。

グループ加工の運営を見守りながら、一緒に最善策を考えて、彼らとのビジネスを成功させていきたいです。

ケニア半乾燥地域のマンゴー栽培の可能性

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今回は、ケニアの半乾燥地域の農業事情、特にマンゴー栽培に関して。

ケニアは乾燥地が大部分
ケニアの国土の大部分の地域は農業には適さない乾燥地(下図の水色の部分)です。農業に適しているのは、下図の緑と黄緑色に塗られた西部と中央部のムエア周辺の2地域だけです。

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私が対象としているのは、図の黄色で塗られた半乾燥地域の農家です。降雨量は約400m~800m。年に2回の雨季がありますが、近年の気候変動の影響で雨の降り方が安定せず、主食のメイズや豆の収穫ができないという状況を協力隊員のときに何度か目の当たりにしました。WFP(世界食糧計画)が貧しい農民を対象に、メイズ粉や豆を無償配布している現場も見ました。

ケニアの乾燥の激しい農業に適さない地域には、1日1食しか食べれない人たちが、過去の話ではなく今も、多数生活しています。

マンゴー栽培に大いなる可能性があるのでは!?
農業省は干ばつに強いメイズの品種や干ばつ耐性のあるソルガム・緑豆・カウピー(ササゲ)・サツマイモなどの栽培を推奨しています。マンゴーも干ばつに強い作目のひとつです。私はこのマンゴーにケニアの半乾燥地域を活性化する大いなる可能性を秘めていると考えました。

私が隊員のときに考えたケニアのマンゴー栽培の可能性は次の4つです。

1.マンゴーは栄養価(ビタミン・ミネラル類)も高く、農村部での良質な栄養源になる。
2.安定した売り先が確保できれば、農家のいい収入源になる。
3.マンゴーの樹を植えることにより、地域の環境を保全できる。
4.干ばつ耐性が強く乾燥の激しい地域での栽培に適している。

なぜ同じ国の仲買業者が別の民族の農家を苦しめるのか・・この仕組みを変える方法はあるのか。
マンゴー農家の現状は、ブローカー(仲買業者)への販売が一般的です。キクユ族というビジネスに長けた部族の人たちがカンバ族の農家から安く買い叩くということが長年続いており、農家の方々を悩ませています。

なぜ同じ国の商売人が他の地域の農家たちを苦しめるのかと理解に苦しみますが、長年この状況は続いています。仲買業者の健全化が必要不可欠です。安定した適正な価格で買い取るバイヤーが必要数いれば、農家の人たちは結束して、安く買い叩く業者には売らないと決めて、悪質な仲買業者を排除することができます。

シーズンの前に農家と契約を結ぶ健全な加工業者や輸出業者が増えていく必要があると考えています。

これからのマンゴー産業の発展に期待
既に近年、国・地方政府・外国援助機関・NGO・協同組合等が様々な取組みを始めています。まだ大きな変化はみられないように感じますが、あと5年、10年すれば少しづつ良い変化が見られてくるのではないかと予想しています。マクエニ・カウンティ(群)では、協同組合が群政府の支援で大規模な工場を既に建設して、来年からマンゴーのパルプ(ジュースの原料になる果汁)加工を始める準備をしています。

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(↑マクエニ群に建設中のマンゴー加工工場)

安定した売り先を確保したいというマンゴー農家の人たちの切実な想いを何とかしたいと事業を始めましたが、加工の品質が安定せず、製造量が思うように上げられないという現実に直面しています。この問題を乗り越えるためにもっと集中していこうと思います。
解決できる知識と経験をもった人たちがいるはずです!
ご意見があれば、是非お聞かせ頂ければ幸いです。info@kenyafruitssolutions.comまでお気軽にメールください。

スタッフが急にぐっと成長することがある!

昨日は、協力隊経験者でケニアでビジネスに関わっている他の6名とともに集められて、総理大臣の補佐官、ケニア大使、JICAケニア事務所長さんたちとの昼食会に参加しました。補佐官は、総理からは海外に進出する日本企業が他国の企業より秀でている次の3つの特徴をアピールしてほしいと言われているということでした。

『1.長期的に関わる。2.現地の人に寄り添う。3.人材を育てる。』

アフリカの今後の発展には、援助だけではなく今後は民間による投資が必要という考えのもと政府はアフリカの日本企業の進出を支援していくといことでした。民間の投資による、アフリカの発展に大いに期待したいと思います。

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前置きが長くなりましたが、第2回目は現場のスタッフの成長がみられた!という嬉しい前進に関してです。

いい人材が育つことが会社の成長につながるという想いから、スタッフのレベルアップに相当な力をいれてきました。

6名の加工スタッフに対しては、プロフェッショナルとしての自覚をもってほしいといつも伝えてきたんですが、いまいちピンときていないようで目覚しい変化がみられないまま、どうしたものかと思ってたら、ある日ヒラメキました☆

「オリンピックのアスリートのように国際舞台で勝負ができるプロになってほしい!」と言ってみたら、しっくりきたようで以前より気合がはいったようでした。プロのアスリートと同じで、絶え間ない日々の努力と高い意識が欠かせないということを意味しています。「質とスピードを兼ね備えたプロフェッショナルを目指そう!」と毎日のように言っています。

マンゴー加工のシーズンに突入すると、私たちにとってのオリンピックゲームが始ます。そのときには、今の少数メンバーが責任をもって、任された仕事をこなせるレベルにあがるために、日々一歩づつ前進してほしいと伝えています。といっても、現実は、月から金曜に3歩進んで、次の月曜日には1、2歩戻ったところからスタートということはよくあることです。

6月初めは、加工スタッフの指導に時間を使っている割には進歩がみられない・・、どうしたものかと考えてたときに、ケニアで会社経営をされている方からは「万国共通で、続けて指導していれば変化が直ぐにみられなくても、あるとき急にぐっと伸びることがある。」と助言をもらいました。その日が来るのが楽しみだ!と気持ちを切り換えて、続けていたら、

嬉しいことに、「スタッフのレベルが上がっている!!」と気づく日が7月についにやってきました。確実に以前よりはスピード・質・意識ともに上がっています。成長を見るのはとても嬉しいことで、私自身も高い意識をもった日々努力を惜しまない若者を育てていきたいという気持ちが一層強くなっています。プロが育ってきたら、現場はプロたちに任せて、安定生産ができるという日が来ることを信じて♪

はじめまして、Kenya Fruits Solutionsの山本歩です。

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皆さま、はじめまして。Kenya Fruits Solutionsの山本 歩です。ケニアのティカ(首都ナイロビから車で約1時間)で果物加工事業をやっています。

このような発信の機会を頂いたことに感謝しています!

先ずは自己紹介。

農学部を卒業後、農業高校で農業科の常勤講師などを経て、2011年9月にJICAの青年海外協力隊・村落普及員として、ケニアに赴任。マチャコス県の農業省の地方事務所で農業普及の支援に2年6ヶ月間携わりました。

ケニアで起業するとは思いもよらず・・。

協力隊の活動を通じて、ケニアの半乾燥地域の農家が抱える問題を目の当たりにしました。特に、マンゴーの収穫シーズンに農家が安定した売り先を確保できず、ブローカー(仲買業者)に安く買い叩かれる、農村部で廃棄がでているということを知って、何かできないかな~~と考え始めたことが今の事業につながっています。

初めてケニアに来てから、早いもので約5年が経とうとしています。ケニアに来る前は自分でビジネスを始めるなんて、これぽっちも考えてなかったですが、人生の巡り合わせでこうなっています。隊員期間中に起業を考えている隊員が近くにいたことや、ケニアナッツ創業者の佐藤芳之さんから「やってみなさい!」と背中を蹴飛ばされたことから、隊員期間を終えるときにはケニアで会社を作る準備を始めていました。

先ず、半年と決めて始めてみた・・。

隊員終了後すぐに、「先ず、半年間やるだけやってみよう」と思って、一歩を踏み出しました。その半年の間に日本の企業と取引できる可能性がみえ、急ピッチで生産体制を整えました。結果的には、乾燥機と包装資材の輸入に時間が掛かり、納期に間に合わず、チャンスを頂いた企業との取引は実現しませんでしたが、前には進んでおりケニアの首都ナイロビのスーパーマーケットでドライマンゴーとミックスドライフルーツを取り扱っていただけることになりました。

Mixed dried fruits

当時は、アパートの一室で、製造規模も限られていたうえ、私も指導の要領が分からずスタッフの技術もなかなか上がらない、ロスもたくさんという日々でした。

マチャコスからティカに移転。

そんななか、小売用ではなく卸販売をしたいと考え、売り先を探していました。ケニア国内で取引先が見つかり、その1社への安定供給をするために製造規模の拡大を図ろうと、今年の2月末に住み慣れたマチャコスからケニアの産業都市のひとつであるティカに移りました。

現在は、ティカにある約250人が働く食品会社の工場のなかに場所をお借りして、そこに大・小の乾燥機を2台設置して、製造させてもらっています。

ティカに移ってから、食品加工や機械に関するプロの協力を得やすくなり、今までの10倍くらい事業がやりやすくなっています。

農家からの果物の買取量を年々拡大していき、ケニアの農村社会に少しでもインパクトを創出していければと考えています。また、消費者の方に喜んでもらえるような、品質のいい安全なものを市場に安定的に供給していくいうことに挑戦していきます。

目前の大きな崖を登らないと次の地点にはいけないというくらい課題はたくさんありますが、周囲の協力を得ながら、ひたすら前に向かって進んでいきたいと思います。

多くの方のお知恵やお力添えを頂きながら、少しでもケニア社会に貢献できればいいなと思います。今後ともどうぞよろしくお願いします♪

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