4名の若者に希望を託して

ケニアのティカでは雨季に入ってますが、最近は大雨はほとんど降らずあんまり雨季らしくない毎日です。

4名の若者が3週間の有給トレーニングを終えて、はるばる遠く離れたKilifi County(海岸地域)の村に戻っていきました。彼らは村に戻り、パイナップルの乾燥加工の責任者として、弊社が注文した量を収穫シーズンの12月から3月まで毎月製造するという役割を担うことになります。

彼らとの協働が成功すれば、パイナップル農家はサイズに関係なく余剰分を売ることができるとともに、4、5名の若者の雇用がうまれます。衛生的に製造され、こちらが求める品質でなければ買い取れないことは重々伝えています。

彼らが生活する村は電気が整備されておらず、乾燥が激しく農業だけでは十分な収入が得られず、生活するには過酷な地域です。そんな地域での持続的なコミュニティビジネスに育つことを21歳から25歳の4名の若者に託して、ティカから彼らの地元に送り出しました。

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最終日には、「よく頑張ったね~!戻ってからも学んだことをフルに活かして、頑張ってね!!」と皆でピザを食べて、激励しました。

アクセルとブレーキ、攻めと守り

『何事もバランスが大事』という常套句通り、事業を進めていくにあたって、『アクセルとブレーキのバランス』を次第に意識するようになってきました。

私個人は、ビジョンを描いてアクセルを踏む傾向が強いと自覚しています。なので、論理的に考えてブレーキをかけてくれる人と一緒に組んで仕事をするのがいいのかなと考えています。内部にそういう人が現れるまでの期間は、意識的にブレーキをかけてくれる人達の意見を聞きに行きます。意見を聞いたうえで、総合的に判断して決めるようにしています。

事業の『攻めと守り』に関して言うと、攻めだけではなく、守りを固めることがとても大事だとケニアでコンサルタントをされている方からご助言を頂き、やるべきことを丁寧に教えてもらいました。ケニアで事業を進めていく上で必要なライセンス、税や法的な手続きをきっちり押さえておかないといけないという最もなご意見です。

日本と全然違うケニアの制度、完全に網羅しようとするのは容易ではなく、知らなかったことが後から幾つかでてきて、その都度慌てて対処してきました。守りに掛けられる経費も限られていて、高い費用を払って専門家にやってもらうことも現実的ではないので、いつも最小限のコストでやるようにしてきました。これまで以上に、守りもしっかり固める体制を築いていこうと思います。

創業時からの道のりを振り返って

来年一年間の製造と販売の計画を立てて、取引先に提出しました。フィードバックを頂いたので、それに基づいて製造体制を整えていきます。

取引スタート時の月間の販売数量は当初から定まっていますが、現時点ではまだ達成できていません。やるべきことをひとつづつやって、この状態を打開していきます。大きなチャレンジです!

ようやく、少し先が見通せるようになってくるまでの道のりはなかなかハードでした。いい経験ができたと思いますが、二度と同じことはできないです。

『できないとは思わずに、どうやってそこに到達できるのかと考えて行動するのみ』。この境地に辿り着くまで、何度か大海に飛び込むような経験を経て歩んできました。

『何とかなった!!』という体験の積み重ねでここまできています。ケニアで起業してから歩んできた私の2年半は、多くの経営者の先輩方の足元にも及びません。このままケニアで事業を続けていくとどんな境地に辿り着くのか・・。大いに、楽しみにしておきます。とにかく、続けていくこと!

『やります!』というひと言から今がある

昨年の11月に、初めて今の取引先の社長とお会いしたときに、その時点での製造キャパシティをはるかに10倍以上超えた量のドライフルーツの製造を合意しました。

そのうえ、「ココナッツは加工できるか」と聞かれて、一度も製造したことがないのに、「できます!製造します!」と即答していました。

求めていたチャンスです。「できるか、できないか」は、これぽっちも考えず、どうやって達成するかと考えて、即座に動き始めたと記憶しています。凄まじい集中力だったんだと思います。時々、電気ドリルのように突き進むスイッチが入るみたいです。(←そう言われたことがあります。)

私の場合、起業してゼロからかたちを創りあげていくために、相当なエネルギーを要しました。

ただ一つ言えることは、本気の本気で腹をくくって、周りに何をやるのかを明確に公言して、動き始めたらその時々で必要なことを協力してくれる人や、温かく見守ってくれる人が現れるなど、自然の流れで進んでいきます。とにかく考えすぎずに、行動!!『足を運んで目で見て確かめる、関係者に話を聞く、交渉する、電話をして聞いてみる・・等』

書いたことは単なる私自身の体験談に過ぎません。。もっと楽々と起業して進んでいく人もいると思います。いずれにせよ、先ずやってみないと始まりません!(分かりきったことを言って、すみません。)

まだ目標地点の1%くらいです。未熟すぎて、何も大きなことを言える立場ではありませんが、これまでの道のりを振り返って現時点で思うことを綴ってみました。

製造アシスタントと研修生

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先週からは、大学で食品製造を学んだ若者が製造部門のアシスタントとして新しく加わりました。なかなか適任者が見つからず、待ちに待った専門性をもった人材の登用!とても優秀で即戦力になってくれています。日々のオペレーションはドンと任せていきます。試用期間を経て正社員になってもらおうと考えています。

そして、連携している農村部のグループからは4名が研修生としてやってきました!

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8月末にマリンディ(海岸地域の街)の北、約70kmの農村部で加工トレーニングを実施したグループの21-24歳の若者です。グループのリーダーがわざわざ彼らをティカまで連れてきてくれました!4名のうち2名は、首都ナイロビ(ティカへの経由地)に出てくるのも初めて。

2名は実家がパイナップル農家、1名は実家がマンゴー農家です。

彼らの今回の研修のミッションは、原料の仕入れから出荷までの全ての工程を衛生的に行い、求められている品質のものを供給できるように、技術を習得することです。期間は3週間。

コースト(海岸地域)の人達はLazy(なまけ者)だよと周りのケニア人からは言われますが、今のところ、全員熱心で、特に男性1名はびっくりするくらい熱心です。昼ごはんは食べずに働くと言ってくれましたが、昼はしっかり休んでもらわないと困ります・・。作業効率と安全のため、昼食もとってもらいたいので、来週からは、ウガリ粉とスクマ(野菜のケール)の代金をこちらで負担して、毎朝交代で調理して、弁当として仕事場にもってきてもらうことにしました。

研修に来た彼らが村に戻ってからは定期的に現場を訪問して、衛生的に加工し品質のいいものを安定的に提供してくれるという目標を達成できるように取り組んでいきます。

 

 

ケニアのアボカドの未来予想

日本での短期滞在で、エネルギーを十分に充電してケニアに戻りました。日本であたたかく支えてくれている家族・友人・協力者がいることは事業を続けていく大きな力になっています。

さて、今回は私がこれまでケニアで関わってきた農業分野で、こうなればいいなと思い描いていることにふれてみたいと思います。

突然ですが、日本のスーパーで売られているアボカドは、どの国から主に輸入されているかご存知ですか。

メキシコからのアボカドが日本市場の大部分を占めています。

メキシコがアボカドの生産量世界第1位。ケニアは第8位。ケニアでもアボカドの栽培が盛んな地域が幾つかあります。中東・ヨーロッパにも輸出されています。気候が栽培に適した地域の農家にとっては、栽培は比較的簡単。農家化学肥料を使用せずとも、堆肥をまけば育ち、病害虫の被害もさほど問題ではありません。

問題はマンゴーと同じく売り先です。マンゴー程ではないですが、収穫時期になると市場に溢れ、値段は大幅に下がります。

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『メキシコとケニアが日本からほぼ同距離に位置しているなら、ケニアからも日本市場に輸出できる可能性はあるのではないか。』

現状はケニアのアボカドは、日本の植物検疫法では害虫(ウリミバエ)混入の危惧があり、輸入は認められていません。

一方、メキシコ政府は日本との関係性を早くから重んじ経済協定を結び、植物検疫上の策を講じた結果、毎年莫大な量のアボカドを日本に輸出しています。インターネットで調べると、数百ヘクタールという広大な規模で栽培している農家が主流で、品質管理も徹底されているようです。

果たして、アフリカの青果物が日本のスーパーで一般的に出回る日は来るのでしょうか。

輸入解禁のプロセスには、相手国政府が日本政府に要望を上げるところから始まり、両国の専門家による協議により、適切な防疫方法の選定と実地試験が実施されるというような流れだそうです。

アフリカでは、2000年以前からアボカドの日本輸出のための協議を開始した国が一つあるそうですが、手続きが難航しており、未だに解禁には至っていないという状況だそうです。

ケニア政府はヨーロッパ・中東市場を狙うだけでなく、日本政府に働きかけて、市場開拓を積極的にしてはどうかと勝手に想い続けています。先ずは、商社などの買い手が求める品質なのかというところが最重要で、生産側も最適な品質管理方法の確立などが必須になってきます。

マンゴーはアボカドよりも害虫が入りやすく、検疫が更に厳しいので、先ずはアボカドから始めるのが現実的なのかなと考えています。

一個人が動くことではないので、何もできないままでしたが、そろそろ声に出していこうと思い、日本滞在中に農林水産省を訪問してお話をさせてもらいました。とても丁寧に説明して下さいました。頂いた情報をケニアの関係者の方々にお伝えできればいいな~と思います。

 

明日からは、引き続き製造部門のレベルアップに取り組んでいきます!

 

農村加工支援の取り組み

現状の課題をクリアすることと同時並行で、農村加工グループの支援にも取り組んでいきます。10月半ばから2月末までの間に、4地域5つの農村加工グループからの研修生を計10名、3週間~3ヶ月の期間で受け入れます。

8月末にNHKで弊社の取り組みを取り上げて頂いた映像を見ると、農村加工のトレーニングをしたグループのリーダーは「アユミは神様だ」と語っていました。彼は、パイナップル・マンゴーの加工を開始することによって、貧しい地域の住民の収入向上につなげることができるのではないかと大きな希望を抱いています。車で12-13時間離れた地域ですので、輸送費も掛かるうえ、頻繁にモニタリングに行くこともできません。この壁を弊社と地域住民ががっちり手を組むことにより、将来的には農村部グループからの安定的な買取ができるのではないかと期待はしています。しかし、決して安易には考えていません。弊社が必要な品質と100%衛生的なオペレーションに固執してもらえるのかということが肝になります。

品質を維持するために自社生産を基盤とし、農村部からの買取は全取り扱い量の最大3割までという明確な基準を設けています。弊社の生産・販売規模が大きくなっていくことに比例して、農村グループからの取引量も増やしていくことができます。

 

現時点の課題

4月~9月の6ヶ月間、スタッフのトレーニングに注力してきましたが、まだ品質は毎回100点満点というレベルには到達していません。平均70点くらいのレベルです。サイズや色を均一にすることが求められています。求められている品質は毎回100点レベル。今の70点では生き延びられません。課題は品質だけではありません。

これからの重点的な課題は次の4項目。

1.品質を70点→100点に

2.ロス率20%→5%以下

3.やり直し率(再乾燥・再選別)15%→5%以下

4.上記1~3を徹底したうえで、月間生産量をこれまでの3倍以上にする。

これらを達成するためには、適した人材の登用と道具の使用が不可欠です。

10月半ばから、大学でFood scienceを学んだ専門性の高いケニア人2名を雇います。食品会社での職務経験がある日本人1名にも11月半ばから約3ヶ月間、来てもらいます。ティカの製造現場はこの3名に託します。

適した道具に関しては、パイナップルを均等にスライスするためのスライサーを購入します。通常の市販されているスライサーでは繊維の多いパイナプッルはうまく切れませんので専用のスライサーが必要になります。10万円以上しますが、必要なので購入します。

マンゴーに関しては、皮を剥く前に果実の糖度が計測できる赤外線を利用した非破壊の糖度計がどうしても必要です。仕入れ時と加工前の適した果実の選別に利用することで、原料の不良によるロスや熟度不足によるロスが軽減されます。スタッフが経験値で手で触れて、選別していますが、皮を剥いたらなかは熟れていないという誤差はでます。この機材は精能がいいものは約100万円。簡易版で約20万円。今の時点で必要ですが、買う余力はありません。どこからお金を工面すればいいか思案中です。

製造監督者と適した道具を確保して、現場のスタッフに対しては、『質・量・適切な手順の遵守』の3つを以下のような文言を掲示して、日々強調していきます。

○Sticking to the quality we need.

○Sticking to the quantity we need.

○Sticking to the standard operation procedure we use.

私が意識している事業継続・拡大の公式

1年1ヶ月ぶりに日本に一時帰国しています。10月半ばにケニアに戻って加工を再開させます。2014年12月に初めての製造スタッフを雇ってから、1週間以上製造を止めたことはなかったですが、今回は止めて気を休めることにしました。日本でやるべきことに集中できます。事業に関連したことで、今後の展開に必要な機材やその他調べたいことがあり、関係機関・研究所の方にお話を聞きに行く予定です。あとは家族や友人との時間も大事にします。

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さて、今回は先ず、弊社の現時点でのビジネスモデルの説明からさせてもらいます。上記の図のような流れになります。

現在は一部の農家に対してのみですが、将来的には全取引農家と事前買取契約を結び、一部前払いをする仕組みを作ろうとしています。それにより、農家は薬剤等を購入するなど高品質を確保するために必要な経費を捻出できます。

弊社は農家から、仕入れた原料を加工して、取引先のケニアの食品会社に販売します。そして、その会社が、確立している既存ブランドのひとつのラインナップとして、包装し小売店に販売します。一般消費者の方には既に高質感が醸成されているブランドなので、商品に対する期待値は非常に高いと言えます。求められる品質水準を維持することが生き残るための命綱となります。一社からの受注生産方式ですので、営業に経費は掛けず、取引先が必要な品質・量を提供することに全リソースを注いでいきます。当分は、主要一社のみとの取引で事業基盤を固めていこうと考えています。

ここまでを前置きとして、次に私が常々意識している考えを説明します。

何事も複雑に考えて組み立ていくのではなく、とことん簡素化しようとしています。

持っているビジネス本をペラペラめくっていたら、事業規模の拡大の要素として、【店舗数】【売上高】【収益力】【事業セグメント】【商品力】が挙げられていました。

業種によっても違うと思いますが、私はこの事業を続けていくために、いつも頭のなかで意識している式があります。

Kenya Fruits Solutionsの事業継続・拡大=【①消費者が喜ぶ】+【②取引先が喜ぶ】+【③農家が喜ぶ】+【④従業員が喜ぶ】+【⑤儲けがでる】

超シンプルで当たり前のことばかりですが、偏らず各要素を増幅していくにはどうしたらいいかな~と考えています。

そして、①と②に関しては品質、③に関しては買取量、④に関してはやりがい、⑤に関しては利益率と更に分解しています。また、①~④を向上させていくことで、⑤がついてくるというのが、理想的だと考えます。

経営のプロからみたら幼稚園児レベルだねーといわれるのも自覚しています。基本的な知識は頭にいれときたいと思って、たまにペラペラと本をめくりますが、素人レベルです。経営戦略と分析が得意な協力者を熱烈に求めています♪

 

KAIZENの効果

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弊社は「品質向上」・「経費削減」・「作業効率向上」・「安全向上」のために、専門家のご指導のもと、今年6月からKAIZENに取り組んでいます。

作業効率が悪い、トレーニングした作業工程通りに行われずに製造のロスがでるなどの理由で、製造費が想定以上に掛かっていました。日々の地道な取組みにより、少しづついい結果が出始めています。

軽度の食品加工ですが、作って売るだけというような簡単なものではありません。1歩づつ前に進み、来年度中には国際水準の食品衛生の認証を取得できるレベルに到達することを目標としています。

今週、日本からKAIZENの専門家が2度目の現場診断に来てくださいました。

第3者からのご意見は大変有難いです。前回、時間が掛かっていたトレイにスライスを並べる工程が、格段に早くなった!と評価してもらいました。一番上手にこの工程をこなしていたスタッフの手法を他のスタッフに数回トレーニングした後に、成果を見るために何度か競い合う機会を設けたのが効果的だったみたいです。毎回一等賞だったスタッフには、主食のウガリパウダーをプレゼント♪とっても喜んでました。

専門家の指導を受けたあとに、KAIZEN  Action Planを作成しようと、今やるべきことを書き出すと13項目になりました。写真をたくさん載せたより解りやすいStandard Operation Procedure(標準作業工程表)を作成することを含めて、全部やるには結構な手間と労力が掛かります。それでも、これらを全部やると必ず成果はでると思います。来週から日本に一時帰国するので、それまでにできるところまでは終わらせようと取り組んでいます。

KAIZENはお金は掛からないですが、継続して実行できるかどうかが問われる活動です。スタッフを巻き込んでいい結果を出していきたいです。

事業の根底に流れる考え

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一般的な果物加工会社とは全然違うアプローチをしているということに関して、書かせてもらいます。

品質のいいドライマンゴーを作って販売するという事業の母体に、『ケニアのマンゴー農家とマンゴー産業の発展のことを考えて実行する』という血液を循環させていこうと考えています。

5年後、10年後にケニアの半乾燥地域のマンゴー農家から、「収穫後のロス率や収入にいい変化がみられるという声がちらほら聞こえてくる」ことを思い描いています。

つながりのあるグループは、栽培規模・栽培管理のレベル・外部からの支援などで、先頭集団、二番手、三番手にくっきり分かれます。三番手のグループには一番手、二番手の地域の成功事例を紹介して、具体的なアクションプランに落とし込むところまで関与しています。ファシリテーター役に徹していますが、彼ら自身で具体的な行動を決定することにつながるので、大変喜ばれます。泥沼にはまって抜け出せなかったトラックを押し出して、動けるようにしてくれたと言われました。

3つの地域だけに絞っているので、1・2ヶ月毎にミーティングを持つということは可能です。各地域のグループリーダーとのミーティングを重ねるうちに、ビジネスとして新たに挑戦したいことが浮き上がってきました。

地域のマンゴー農家が一番必要としていることは、〈適正価格の安定した売り先をシーズンを通じて確保する〉ことです。弊社にその役割を担うことが期待されていると常々感じていました。これまでは、その個数は今の弊社の製造規模では買い取れないとお伝えするばかりでした。

農家の期待に少しでも応えられればと思い、輸出業者と農家の橋渡し役になる新たなサービスの提供に一歩踏み込んでみようと考えています。

社会的な側面も持ちつつ、企業として存続していくためには利益を出し続けることが最も重要です。ムダを失くすという経営努力を地道にやっています。

 

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