「ルワンダでタイ料理屋をひらく」

ルワンダからこんにちは!アジアンキッチンの唐渡です。

ご無沙汰してしまいました。2021年も、気づけば4月…!
ルワンダは年明け1月・2月にまたロックダウンとなり、今度は飲食店はラストオーダーが17時という今までで一番短い営業時間を強いられ、かなり厳しい状況でした。ディナーが吹っ飛んだ形ですね。
その後3月4月とまた門限が20時、21時に戻り、売上はまずまずです。
昨年のちょうどこの時期が初のロックダウンでしたが、その頃に比べて外国人も戻り、何より人々が「ニューノーマル」に慣れてきた観がありますね。

ワクチンの接種状況ですが、周りにも空港関係者や、大手ホテル・飲食店従業員などは、ちらほら接種した人が出てきています。
政府は現時点ででは2022年末までに国民の60%に接種をすることを目標としているようです。

さて6月に、昨年開催が中止されてしまった英連邦首脳会談が、やってきます!
それに向けてルワンダ政府は威信をかけて感染者数の抑え込みなど、対策をしてきました。このまま無事に開催されるといいのですが。
(実際は開催されるとほぼ幹線道路が全て通行止めになり、アジキチも空港とコンベンションセンターを結ぶ道路沿いにあるため漏れなく通行止めの対象となり、けっこう大変になります。学校も1週間閉校。。)

さて今日は、皆様にご報告があります。
実はこの度、左右社より、初の著作「ルワンダでタイ料理屋をひらく」が刊行されました!

2015年に息子と移住し、アジキチを開くまで、そして開いてからも起こり続ける数々の珍事。困難に負けてくじけそうになった時。育児との葛藤。それでも歩き続けるうちに、店はなんとか軌道に乗り、娘も生まれる。そして2020年春、新型コロナという未曽有の危機がルワンダにも訪れ、そこで生きる人々の強さに心打たれつつ、なかなか肯定できなかった自分自身の人生と再び向き合う。
以上が話の大筋です。
(もう少し詳しい内容が素晴らしくまとまった内容がこちら。編集協力の大洞敦史さん(実はなんと小学校の同級生)が書いてくれた紹介記事です。チェックしてみてください)

書く際に一番参考になったのが、実は自分自身がこちらのアントレブログに綴っていたブログ記事!でした。
当時、お店を深夜に締めて帰ってきて、疲れながらもパソコンを開いてブログを書くことで、当時の憤りやモヤモヤ、興奮を昇華させていたように思います。
それがこの度こうした一冊の冒険記としてまとまり、感無量です。

また、今回出版のお話をいただけたのも、こちらのブログを見て私を応援してくれていた小学校の同級生、大洞敦史さんが、左右社の社長さんに話を持ちかけてくださいました。そしてブログを読んでぜひ、とお声がけいただいたのです。
なのでこのブログがきっかけになったと言っても過言ではありません。

アントレAFRICAのことにも触れています。
実は、一期生として選出いただいていたにもかかわらず、大きなトラブルが立て続けに起こり、心が折れてしまい、事業中断を決定。辞退させていただくこということが2016年にありました。
それから時は流れ、再度チャンスを下さった事務局の渋澤さんをはじめとした関係者の皆様には、感謝してもしきれません。
改めて、アントレの皆様、そしていつも応援してくださっている皆様に、心よりお礼申し上げます。

人生の岐路に立つ、またはなんとなく自分の人生を肯定しきれない方々の背中を押せたら。
「アフリカのどこか」だったルワンダを、少しでも身近に感じてもらえたら。
これほど嬉しいことはありません。
ぜひ、全国の書店またはアマゾンでチェックしてみてくださいませ!

裏表紙(帯)はこちら。そう、ルワンダフル・ライフ!なのです。
ところで、表紙(文中の画像)には隠されているもの(隠れてないけど)が2つあります。見つけてみてください〜!

クレームはチャンス(アジキチブログ)

ルワンダはキガリよりこんにちは!アジアンキッチンの唐渡です。

10月の状況

10月も末に近づいてきました。
ルワンダのコロナの状況ですが、最近は新規感染者は1桁台の日が続き、あまり不安を感じません。
が、ヨーロッパが大変なことになっていますね。
ルワンダと直通便のあるベルギーでもついに第二波宣言が出てしまい、日本とは比べものにならない新規感染者数、死亡者数が日々出ています。
前回のように、ヨーロッパの流行の後にルワンダでも流行しないことを願うのみです。

さて、前回の記事にも書いたように、9月は初旬まで、19時以降外出禁止となっていました。
後半が盛り返した感覚があったがゆえ、月締めの数字を見てちょっとガッカリ……やはり初旬の規制の影響は大きかった。

10月は、いい感じです!
雨季にも突入しており、通常雨季は売上が落ちますが、それでも9月よりもかなり数字としてはいいです
少しずつ戻ってきた常連さんや、密かに新しく着任した人で早速気に入ってくださった方も見受けられます。
嬉しい限りです。

テーブルの上板を少しずつリニューアルしています!友人が写真にロゴを入れてくれました☆

ミスの報告

先日、こんなことがありました。
22時以降の外出は禁止なので(厳格です。本当に警察に捕まります)、21時に営業終了、スタッフは22時前までに撤収、としています。
大体いつも売上報告が21時半頃来るのですが、22時を回った頃に来て、ちょっと嫌な予感。

報告と一緒に、こんな文章が送られてきました。

“The customer was not happy, we tried to do something and it was too late”

え、何しちゃったの? お客さんは何にハッピーじゃないの? 全くわからない。抽象的すぎて報告になってない。

即店に電話し状況を聞き出すと、起きたこととしては、Uber Eats的なデリバリーサービスで、鶏肉のグリーンカレー炒めの代わりに誤って牛肉のレッドカレー炒めを届けてしまい、気づいたお客様から店にすぐ直電があり、慌てて鶏肉のグリーンカレー炒めを作って、スタッフがお宅へと向かったものの家を見つけられず、時間切れとなってしまって引き返した、というもの。
お客様はそのスタッフに電話を何度もかけたものの、いかんせん英語が話せないスタッフ故コミュニケーションがうまく行きませんでした。

お客様が一番お怒りだったポイントは、違う商品が届いたこと自体ではなく、その後の対応なのだと思います
最終的にこちらから明確な説明がなかったことに、お客様は一番怒ってしまった訳です。

5年間頑張ってくれたテーブル(奥)

挽回のチャンス

まずは、内容不明かつ諦めの事後報告だとしても、私へ報告があったのは、良いことだとします。
私はすぐその方にご連絡し、謝罪の上、代金をお返しするのと、ご指定の時に再度鶏肉のグリーンカレー炒めをお届けするの、どちらがよろしいでしょうかとお伺いしたところ、フォローアップありがとう、じゃあ明日持ってきて!今夜のディナーで食べたくて楽しみにしてたのに、配達員、電話出なくなっちゃうんだもん!とのこと。

お客様がお怒りの時って、やっぱり当然「わぁやだなぁ、怖いなぁ」と思うものですが、思い切ってしっかりと向き直して耳を傾ける、これに尽きると思います。
これもやはり前職で学んだことですが、大物営業パーソンはよく「クレームは最大のチャンス」と言って、お詫びアポで大きな商談を決めてきたりするのでした。
確かに、クレームって、お客様がダイレクトに本音の要望を伝えてくれるチャンスです。一番怖いのは、何も言わずに来なくなるお客様なんですよね……

翌日無事スタッフが届け終わると、お客様からわざわざお礼のメールをいただきました。

スタッフだけでここまでの対応を完了させ、私は事後報告のみをもらえるようになる日が来るべく、また頑張ります。
多分そこが一番難関なのだと思うものの。

よく、「リクルート時代の経験が、ルワンダでの飲食店経営に活きていると感じることはありますか?」とご質問いただきます。

基本的に全て活きているのですが、中でもクレーム対応が一番そうかもしれません。
クレーム対応って、客商売の全てがそこに凝縮していると思います。

売れっ子営業ウーマンではありませんでしたが、「お客さんから逃げない」という当たり前だけど結構覚悟のいるスタンスをおしえてもらう機会に恵まれたのは、本当に良かったと思います。

マズいことは即隠蔽! だったスタッフも、恐る恐るではありますが、お客さんと向き合うことを学んできているなと感じる今日この頃です。
10月最終週も頑張っていきましょう!

門限厳守で営業中(アジキチブログ)

ルワンダはキガリよりこんにちは!アジアンキッチンの唐渡です。

久々の更新となってしまいました。
お店は変わらず毎日営業中です。
前回からの変化としては、まずは8月1日、国際便の復活
最初はかなりの混乱が見られましたが、ここ最近は、ルワンダへの入国時も出国時も必要である、PCR検査の実施もかなり安定してきました。

9月、ルワンダでは新学年のはじまりです。
ルワンダでは、まだ対面での(通常の)学校再開が認められておらず、全てオンラインです。そう、息子は毎日自宅からオンライン学習です…。

そうこうしているうちに9月も下旬となってしまいましたが、最近のルワンダのCOVIDー19の状況は以下。(数字は9月23日現在)
・感染者累計4,779人、新規感染者41人(検査2,273人中)
・回復者累計2,995人
・死者累計27人
(参考までに、ルワンダの人口は日本の約1/10)

最近はもうピークアウト、と確信を持てるような状況ですが、8月下旬にいっとき、緊張が高まりました。
8月23日あたりから、一日中の新規感染者が200人を超える日がしばらく続いたのです。

それまでは、外からの持ち込み、陸路の国境を超えてくるトラックドライバーでのクラスター、国内拘置所でのクラスター、と発生箇所が追えていましたが、今度はローカルマーケットでついにクラスターが発生
ローカルマーケットでクラスターが発生するとさすがに追いきれず、ここにきて一気に高まる緊張感。

複数のローカルマーケットが閉められ、都市間の公共交通機関も停止、そして、また外出禁止時間が、21時から19時に前倒しになりました…!

恐らく、経済的には再度のロックダウンは不可能だという判断だったのだと思います。完全ロックダウンはなんとか避け、ギリギリのところで踏ん張るという判断に見えました。(9月10日まで続きました。現在はまた21時までになっています。)

飲食店でラストオーダー18時

この2時間の前倒しは、けっこう響きました。
ラストオーダーは18時。
飲食店で18時ラストオーダーって、ディナーに中途半端過ぎて……。

これまでも書いてきた通り、アジキチはデリバリーのお客さんの割合が元々高いので、お客さんたちが意識して前倒しで頼んでくれている感じはありました。
でも店舗での空間を提供することに重きを置くレストランは、実質ディナー営業ができずかなりの打撃になったと思います。

19時以降の外出禁止というのは、19時までに家にたどり着かないと、逮捕される恐れがあるということです。(マジ)

スタッフを無事19時までに帰宅させるには、どんなに近所のスタッフでも18:45には店を閉めて出発せねばならず、例えば17:55にオーダーを頂いた場合、そのオーダーを完了させ、在庫の確認、片付け、掃除、安全点検、会計の閉め、それらを最低限、でも確実に終わらせて、家路に着く必要があるのです。

配達員、運ぶべきものを自分で食べちゃった事件

やはり18時前に、オーダーが立て込みます。
ラスト10分で入ったオーダーを、UBER EATSと似たデリバリー会社がルワンダにもあるのですが、そこのドライバーが取り違えてしまうというスワッピング事件が起きてしまいました。

ホールを担当していたスタッフは、取り違えに気づきましたが、ドライバーが「自分たちで連絡とりあって、正しい場所に届けるから大丈夫!」という言葉を信じて、私に報告はなし。

私が気づいたのは、その二件分の売り上げが、デリバリー会社から入金されていないことに気づいた、翌週のことでした。

連絡をすると、会計担当者は
「あぁ、店が注文内容間違えたからね、支払いはないよ!
と明るく言ってきたのですが、そんなはずはないとよくよく確認すると、なんと、最終的にドライバーたちは届けることができず、「食べちゃった」とのこと。

いやいやいや、例えば日本でピザの配達員のお兄さんが、お客さんのところに届けずに、数日後に異変に気づいて聞くと、
「あぁ、あれね、届けられなくて、自分で食べちゃった」って言ってきたら相当びびりますよね。

ただ、19時以降外出禁止という状況では、18:55くらいに、あぁ、これは正しいところに届けるの無理だ、この5分で爆走して自宅に帰らねば警察に捕まる。。という状況に陥ってしまったことは、想像はできます。

食べられた内容は、生春巻きやグリーンティーケーキといった、あまりルワンダ人には馴染みがない=好物ではないものだったのですが、うーん、相当お腹空いてたんだろうなぁ。。

でも報告・コンペンセーションがないのはプロとしてアウトです!!

何より、お客さん側は、アジキチに注文したけど届かなかった、というところで終わってしまっているので、直接お詫びのご連絡を差し上げました。みなさん心の優しい方々で救われました。

なかなか門限がツラいところではありますが、4月の完全ロックダウンよりも、全然マシ。ということで、みんな頑張ろー!

1月に撮影した写真。アフリカのユニコーン企業jumiaが運営していたサービスは撤退、今はVuba Vubaという名前のルワンダ企業のデリバリーサービスになっています。

コロナ禍でのルワンダの観光業

ルワンダからこんにちは、アジアンキッチンの唐渡です!
さて、前回の続きです。国境は依然閉じられているものの、厳格なロックダウンは徐々に緩まっていき、国内の活動はかなり通常に戻ってきました。7月15日には、3月14日の初の感染以来禁じられてきた、教会での活動の再開にも条件付きでGoサインが出ました。

娯楽の少ないルワンダでは、市民にとっては日曜の教会は大きなエンタメです。ルワンダはキリスト教、その中でもカトリックが多く、国民の過半数を占めます。敬虔な方も多く、日曜に礼拝に行けない日が続いたのは、なかなか鬱憤が溜まったことでしょう。日曜日は、色とりどりの正装に身を包んだルワンダ人たちが道を歩いているのが見られます。

限られる国内の購買力

先週、ルワンダの六本木ヒルズ(と勝手に呼んでいる)「キガリハイツ」に入っている、ケニア発のコーヒーチェーン店に行ってみました。席はこれでもかなり間引かれていますが、こんな感じでアフリカ系の方々で賑わっています。例えばコーヒーは300円くらい。利用できるのは富裕層に限られますが、そうした方々は街に戻ってきたと言えるでしょう。

ただ、いかんせん、こうしたコーヒーが買える富裕層は国民のうちのどの程度かで言うと、極々一部です。(そもそもコーヒーは、輸出して外貨を稼ぐものであり庶民の嗜好品として浸透していません。紅茶文化です。)ワンダは国内の購買力がかなり低く、内需が小さいです。特に観光業やその周辺のホスピタリティ部門は、アウトバウンドが命。ここにお金を使える層が国内ではかなり限定されるからです。(そのかなり限定された方々がお客様のボリュームゾーンなのがアジキチなのですが。)

延期されたイギリス連邦首脳会議

ルワンダでは近年、MICE (Meetings, Incentives, Conferences and Exhibitions) Strategy を掲げ、安定した治安を生かした国際会議や展示会を積極的に誘致してきて、それに関連してホテルやレストランなどのホスピタリティ部門も成長してきましたが、この辺りもコロナで根こそぎやられてしまいました

3月、4月、5月にはかなりの会議がキャンセルになり、それに加えて6月にはCommonwealth Heads of Government Meeting 2020(イギリス連邦首脳会議、CHOGM2020)がなんとルワンダのあのコンベンションセンターで開催される予定だったのです…!

政府はそれに向けて1,050億ドルかけてインフラ整備をすると宣言、キガリのあちこちで中国の建設会社が突貫工事を行っていました。

またさらなる景観整備のため、キガリ中の道路の中央分離帯にはせっせとお花の球根を植える作業。それにはたっぷりの牛ふんが使われるので、空港からのメインロード沿いのアジキチ前にももれなく、強烈な牛ふんの臭いが一時期流れてきていたのですが、それに耐えた努力も虚しく、もちろん開催は延期…。

店の前の道路。下に植わっているのは、今回植えられたお花です!

牛糞臭はさておき、現実的な損失を数字で見ると震えます。こちらの記事に詳細がありますが、CHOGM2020では、それによる関連取引額も含めて、観光業の年間収入の2倍近く、実に7億ドル近くの収入を見込んでいました。52か国から集まる約1万人の使節団員は8,000万ドルをルワンダに落としてくれると読んでいました。(https://www.newtimes.co.rw/news/rwanda-resumes-conference-tourism

7億ドル飛んだ…
使節団の3%が一回ずつアジキチをテイクアウトしてくれるだけでも、300人×10ドルで3,000ドルの売り上げが立ったのにな…(遠い目)

The National Institute of Statistics of Rwanda (NISR)によると、訪ルワンダ外国人がもたらす収入は、今年の1−3月では昨年同時期比で35%減だそうです。ロックダウンが始まったのは3月下旬ですが、深い関係にある中国でパンデミックが先行して始まったこと、またロックダウンのインパクトが巨大なことが分かります。4−6月はまだ集計中と思われますが、目も当てられない結果が出そうです。

1−2月の好況感はアジキチでも実感値としてあり、2019年の成長率は9.2%とこの10年でも最高値を出していただけに、コロナでの減速が悔やまれます。

実際観光業はコロナ禍による被害をもろに被ったセクターと言えますが、4月にルワンダ政府が出した”Economic Recovery Plan May 2020- December 2021”にはロックダウンによって収入と消費がほぼ100%なくなる人が人口の60%にのぼるという衝撃的な数字が出ていました。そしてコロナが直撃するのは、やはり貧困層です。そうした貧困層には、食料配布などが実施されていますが、根本的な解決はまだまだ先が見えません。

先日の投稿で、4月の売上作対比は59%減と書きましたが、ルワンダ税務局のレポートによるとサービス業の4月の売上は60%減(製造業は45%減)と出ていて、実態とかなり一致しています。アジキチは、希望的観測を含めて、9月に昨年の30%減までに戻ると見ています。

商業便、いよいよ復活!

さて、いよいよ来月8月から、止まっていた国際便が復活します。そうです、アジキチの売上の回復には空の便の復活が必要条件です。

ルワンダ入国には、72時間以内に受けたPCRの陰性結果が必要で、かつ入国時にも再度検査、所定の場所で待機、などなどかなり厳格なルールのもと運用がされる見込み。ルワンダ発の飛行機でさえ、陰性結果がないと搭乗できないことになっていて、情報が錯綜しています。本当に、旅が大変な時代になってしまいました。。

初動で厳格なロックダウンを断行して、封じ込めはよくやってきたルワンダですが、いかんせん内需が小さいと閉じた後の経済政策が難しい。7月後半、新規感染者数はずっと二桁台で、これまでよりも多い日が続きます。それでも8月国境を再度開けるのは、初動は上手く行って時間を稼げたので、今度は感染拡大のリスクをギリギリのところで取りながら、経済を回すという意志の現れですね。

アジキチ的には、8月はもともとホリデーシーズンなので、おそらく一旦アウトバンドへ流れてお客さんが更に国内から流出し、9月の学校再開と共に、徐々に戻ってくるかなと見ています。今できることを地道にやっていきたいと思います。

コロナ禍でのルワンダの観光業① (アジキチブログ)

夏ですね!ホリデイですね!いつもなら!
こんにちは、ルワンダはアジアンキッチンの唐渡です。

日本はGo To キャンペーンで揺れているのがルワンダからも伺えますが、ルワンダの観光事情についても、観光関連産業の端くれとしてしたためてみたいと思います。今は空港が封鎖されているというのに、国内で”Visit Rwanda”のマスクをしている人が多くいて微笑ましいです。キガリの街中の看板にも、広告主がいなすぎて”Visit Rwanda”の広告が出ていることがよくあります。2018年には、イギリスのサッカーチームのユニフォームの広告枠に4,000万ドルとも言われる金額をかけたことも炎上気味に話題になっていました。3年かけて2億ドルのリターンを読んでいましたが、コロナが訪れてしまいました…

コロナ禍恒例、これまでの流れ

  • 3月14日 初の感染者確定
  • 3月16日 学校は閉校(再開は早くとも9月で確定)
  • 3月20日 空港封鎖
  • 3月22日 外出禁止(食料や薬の買い物等以外は外出禁止)、公共交通機関ストップ、飲食店はテイクアウトに限り営業可
  • 5月4日 5時から20時まで、マスク着用の上外出可能に。飲食店は19時までイートイン営業可能に。
  • 6月2日 バイクタクシー解禁、都市間移動再開
  • 6月16日 外出可能が、5時から21時までに延長

限定されるフライト

3月20日に空港が閉まってからと言うもの、commercial flightが停止され、cargo flight 及び repatriation flight, charter flightというものだけになってしまったのです。ややこしいですよね。一つ一つ見ていきましょう。

Cargo

cargo、「カーゴ便」というのは、人ではなく、モノを運ぶ便です。国内で生産しているものは野菜・果物、コーヒーに紅茶くらいで、かつ製造業が本当に乏しいルワンダにとって、外からものが入らなくなるというのは由々しき自体です。例えば赤ちゃん用品でいうと、ミルクやミルク瓶、オムツ、ベビーソープなど、全部輸入品です。(まぁ大半のルワンダ人はそんなのなしで育てられるのですが…)日用品で見ても、歯ブラシや歯磨き粉一つとっても、国内産のものは見たことないです。地元の人はよく草みたいなのを噛んでいます。なので、モノを運ぶ便は運行が認められています。価格の高騰はやはり起きましたが…。ちなみに、陸の国境ももちろん閉じられていますが、こちらも物資の輸送のみ可能。ただし、感染のかなりの割合が、この国境を超えてコンゴ、タンザニア、ウガンダから入ってくるトラックドライバーで占められることになります。

Repatriation Flight

そしてrepatriation flightとはなんぞや、とお思いでしょう。こちらは、ルワンダ国籍保持者、または有効な滞在許可証を持った者のみを、祖国・暮らす国に戻してあげましょうという、ナショナルフラッグ・ルワンダエアによる特別な便です。週に一度、ブリュッセルなどから飛んでいます。乗る資格についてはかなり厳格にチェックされ、私ごとではありますが、3月にルワンダを出たパートナーは法的にも証明できる実の娘がルワンダ国内にいるにも関わらず、大使館含め関係各所に当たりましたが、 VISAが切れているため、入国不可でした。厳しい…。私たちはお互い日本人、スペイン人と言う立場でルワンダという第3の国に住んでいるので、やはりこういう時は国籍やパスポート、VISAがモノを言うのだなぁと痛感。

Charter Flight

さて次がcharter flight。日本語で言う「チャーター便」です。こちらは航空会社が定期運行してしている便ではなく、多くの場合は旅行代理店が航空会社と契約し、飛ばしてもらう便です。repatriation flightも、定義としてはここに含まれるかと。いかんせん最初の感染者が出た6日後に空港が閉まってしまったので、ルワンダに取り残されてしまった人が多くいました。そうした人が自国へ帰るための手段として、月に数回、キガリ発のチャーター便が運行されました。今週末日本へのチャーター便が出るらしい、韓国へのチャーター便が出るらしいと聞くたびに、あぁまたお客さん減る…(遠い目)と思っておりました。ちなみに6月に出たキガリから成田までのエチオピア航空のチャーター便は、なんとお値段$4,750…片道です。エコノミーです。いかんせんキガリでチャーター便を扱う旅行代理店が一つのみだからか、ちょっとやりたい放題な気がしてなりません。

ひっそり再開された General Aviation

上記三つとは別に、ひっそりと、珍しく事後報告の形で再開されたもう一つの便、それが”general aviation”。あまり聞き慣れませんよね。

ゼネラル・アビエーション(General aviation, 略称 GA)あるいは一般航空とは、航空の分類のひとつで、軍事航空と定期航空路線を除いた航空の総称である。」

https://en.m.wikipedia.org/wiki/General_aviation

ややこしいですが、要はここでは主に「プライベートジェット」を意味します。このおふれを見た在ルワンダエキスパッツ界隈は、自分が脱出できるのか、会いたい人がルワンダに入れるのか、”general”というなんだか裾野の広そうな響きに希望をもって一瞬どよめきが起きますが、おいおいまったく、パンピーの乗り物とは程遠いぜ。。

パンピーの願いをよそに、超ド級のセレブから「明日ゴリラ見にパパのプライベートジェットでルワンダ行っていい?」みたいに、急な問い合わせが入ったのかなぁと思ったり。そりゃ開けますよね。ゴリラを1時間見せるだけで一人当たり$1,500取れるし(ゴリラに失礼だけどこれが実際のビジネス)、そういう方々は一泊$3,000の all inclusive resortにも気軽に泊まってくれるし、今は他にお客さんもいないのでソーシャルディスタンスもバッチリです。マウンテンゴリラは新型コロナは大丈夫なのでしょうか。

ちなみにプライベートジェットに空港が開かれてからの話ですが、息子と久々に、ルワンダが誇るマリオットホテルでコーヒーでも飲みながら高速インターネットを満喫しようと行くと、門前払い。コーヒーも持ち帰りしかやってない、と。なるほど…おそらく、マリオットは今、プライベートジェットで入ってくるセレブの定宿となっていて、そうなると、外部から低単価とコロナリスクしかもたらさないお客さんは入れませんってことか…ちーん。と退散したのでした。このコロナ禍で資本主義について改めて考えさせられることが増えました

ちょっと前段が長くなってしまったので、続きはまた次回。6月に開催が予定されていたCommon Wealthの大きな国際会議が延期になったことや、8月の国際線解禁に向けた観光業・関連業界の動きを書きたいと思います。

上半期総括 (アジキチブログ)

ルワンダはキガリからこんにちは!アジアのキッチンの唐渡です。もう境目が分からないけど、7月になって息子が夏休みに突入しました。毎年、2ヶ月家にいるとか無理!プログラム組まなきゃ!ってなっていましたが、ここまで3ヶ月半家にいる+オンライン授業だったので、家にいるだけならまだマシと感じるという革命。オンライン授業、本当に消耗しました。。。

理科の授業で引力について勉強中。
見張ってないとゲームとyou tubeして終わるので、隣にいる必要あり


本日のルワンダのCOVID-19の状況

さてルワンダの状況ですが、7月8日時点で累計感染者は1,194名死者3名、となっています。例えば昨日は、2,644の検査のうち陽性が22名ルワンダの人口は日本の1/10ということを考えると、なんとなくイメージをもてるでしょうか。

おそらく日本では「アフリカ」として一括りに報道されていることが多いと思うのですが、ルワンダはアフリカ諸国の中では、初動の厳しい封じ込めが奏功して、比較的感染が抑えられていると言えると思います。例えば隣国タンザニアでは、もはや感染者カウントをやめ、コロナ勝利宣言という狂気。街の写真では本当に誰もマスクしてない…。また別の隣国ブルンジでは先月大統領が亡くなり、最初は心臓発作という報道でしたが、実はコロナらしい…と見せかけた暗殺説…もうよくわからないけどとりあえず怖い…。

ちなみにルワンダで一日の新規感染者が2桁で増えるのは最近になってからで、今はなかなか緊張が高まっている時期です。首都キガリの一部のみが完全ロックダウンになってたりしています。例えば東京で「では今から2週間、中央区銀座をロックダウンとします。出れないし入れません。その中ではタクシー、バス、動きません、店閉まります」って22時にいきなり発令されるようなビックリする対策なのですが、こちらでは普通にこういうことが起きます。ケニアでは年内学校は休校、全員自動的に留年、入試もなし、というすごいニュースも入ってきました。私も近隣国で小学生を持つ親として震えています。

これまでのルワンダのCOVID-19対策

さてここで、対策の一部を時系列でまとめてみます。

  • 3月14日 初の感染者確定
  • 3月16日 学校は閉校(再開は早くとも9月で確定)
  • 3月20日 空港封鎖
  • 3月22日 外出禁止(食料や薬の買い物等以外は外出禁止)、公共交通機関ストップ、飲食店はテイクアウトに限り営業可
  • 5月4日 5時から20時まで、マスク着用の上外出可能に。飲食店は19時までイートイン営業可能に。
  • 6月2日 バイクタクシー解禁、都市間移動再開
  • 6月16日 外出可能が、5時から21時までに延長

感染者が出てすぐの3月後半、4月に一番厳しい対策が取られ、その後は徐々に緩和されていますが、いまだに21時以降の外出は禁止、出歩いていると本当に捕まります。また、マスクをせずに出歩いていても捕まります。ソーシャルディスタンスを保っていなくても捕まります。先日弊店の警備員も、隣の店舗の警備員と近い距離でおしゃべりしていたため、警察に連行されていきました。警備員が捕まる…。(実は過去にも夜警が逮捕されたことも笑。笑えないけど)幸い当日に解放されましたが…。

イートイン復活、お客さんの来る前に久々に店内で息子と食事

上半期総括

一言でいうと、昨年対比で非常に好調だったのがコロナで一気に転落した、という状況です。

1月2月と月間売上が昨年対比で152%、151%とかなり良く、2月の月商は史上最高値をつけていました。が、3月半ばにコロナが訪れ、前半も2月に引き続き好調だったものの、3月は作対比77%に。

4月・5月・6月の作対比はそれぞれ、41%、44%、57%となっています。イートイン解禁、営業時間の1時間追加、などで少しずつ上向いてきているものの・・・。飲食店で売上4割減が構造的にどの程度致命的なのかはご想像の通りです。

ちなみにここの売上は、税引き後、デリバリー会社(Uber Eatsのようなサービス)のコミッション支払い後、で書いています。デリバリーが堅調なことは前々回も書きましたが、デリバリー経由での売上額面は、コロナ前の8割をキープしており、お客さんの半数以上が国からいなくなってしまった状況を鑑みると、健闘していると言えますが、いかんせんコミッションが高いのです…涙。

今後の見通し

見通しというものがこれほど立てづらい時期はないですね。今外部要因で決まっていることとしては、8月1日からの国際線の復活。一見良い兆しに見えますが、(もちろんプライベート面では、パートナーがやっとルワンダに入れて私も少し楽になるのですが)出て行く人の方が多いのでは、と見ています。新年度の9月から少しずつ安定し始めるかな、というのが希望的観測です。

ドラスティックな戦略はないのですが、コストをかけても変わらずやった方が良さそうなことと、思い切ってカットしてみても意外と大丈夫なことや、売上につながりそうな細かい仕掛けなど、いろいろ試行錯誤してしています。またご紹介できればと思います。

下半期も希望を捨てずに迎えようと思います!引き続きよろしくお願いします。

ちなみにですが、コロナ禍でのスタッフの奮闘などを書いたコラムを、nippon.comさんに寄稿させていただきました。是非ご高覧ください。

絶望の過去を持つ国ルワンダの強さ———コロナ禍で見えてきたもの

ルワンダとBLM

ルワンダはキガリよりこんにちは、アジアンキッチンの唐渡です!

ルワンダではここ数日、これまでに見なかったレベルの感染爆発(一日新規感染者が40名など)が地方で起き始めていて、徐々に緩んできた規制がまた厳しくなる気がしています。空港は7月には開くだろうとの見方でしたが、この分だと、どうでしょうね…。

と、そんなコロナ禍の中ではありますが、今世界で巻き起こっているもう一つの大きな事柄、Black Lives Matter.日本での様子はどうなのでしょうか。今日はこちらに関して思うことを、ルワンダとも絡めて書きたいと思います。

私はBLMを表明します

①私はBLMを支持・表明します
②ALL lives matterをかぶせることの害悪
③アジア人だってコロナで差別された!はここでは違う
④デモはもっと平和的にやれ!も論点そこじゃない
⑤白人でも黒人でもアメリカ人でもない人たちがゲームチェンジャーになる
⑥BLM表明のその先
⑦ルワンダとBLM

全文はこちらの個人ブログに書いてありますので、お時間ある際にぜひ読んでいただけると嬉しいです。

アフリカと関わっている日本人の反応

普段アフリカをビジネスで利用しているのに、BLMについて黙っているなんて、と言う議論をアフリカに関わる日本人の間で見た。心情的にはとても理解できる。ただ、今回アフリカ系アメリカ人とアフリカにいる各国の人を全部括るのはあまりピンとこない。(追記に詳述)とにかくここで言いたいのは、やっぱり利害関係なんかなくても、自分を利する利さないに関わらず、動ける人でありたいということ。

ちょっと違うけど、94年にルワンダで虐殺が起きた時、世界は知りながらも「「怖いね」って言いながらディナーを続けて」いた。どの組織にも利用する意図はあっても助けるメリットなかったから。でも個人が発信できてそれが力になる時代になった。なので私は #blacklivesmatter  を表明します。

外の世界が自分の手の中のスマホでリアルタイムで見れる時代。それでも考えない、動かないって、何のためのテクノロジーだよって思う。

http://chisakarato.com/2020/06/14/blm%e3%81%ab%e6%80%9d%e3%81%86%e3%81%93%e3%81%a8/

上記にも引用しましたが、今回の件とアフリカの各国の人々の距離感が遠いことがまず一つと、私はアフリカに関わる者としてBLMを表明している訳ではなく、一世界市民としての表明です

ルワンダとBLM

今回のBLMについて、同じ人種の人があのように扱われるのを見て、アフリカでもきっと憤りはいかばかりか、と想像されるかもしれませんが、あまりアフリカで盛り上がっている感じは正直ありません。ルワンダのことしかわかりませんが、ルワンダでもあまり話題に上がってこない印象です。

背景が全く違う、そして自分に余裕がない

一つには、それこそ肌の色が物理的に一緒な以外はそもそも立場が全く違って、「先代が奴隷として連れてこられた過去から続く構造的な差別に、自国において苦しんでいる状況」が想像できない、なので簡単に「同士」という感覚を抱けずにいる人が大半だと思います。自国から出たことのない人がほとんどで、そして当然自国で肌の色で差別を受けることはないわけです。

そして、ともすれば「でもゆうて我々より暮らしは裕福だよね」と言うイメージの方が強い人も見かけます。例えばルワンダは、産業がなく職がないので、今回の件で迫害を逃れたいアフリカ系アメリカ人を迎え入れたいと思ったところで、そもそもルワンダ人のディアスポラ(外国にいるルワンダ人)すら職がないから戻れない人が多い状況。ガーナなんかは呼びかけているみたいです。国によって様々です。こう言ってしまうと悲しいけれど、正直アフリカ系アメリカ人の方々を心配するよりも今日明日の自分の食い扶持の方を気にせざるを得ない人が多いのは確かなのです。

そういう「同士としての注目」というよりは、実質的に、今回の件が大統領選にも当然影響を与え、アメリカに大きな変化が起きた場合、当然中国との関係が変わり、そうするとアフリカを握っているのは中国なので、そこからの影響の方が大きそうだなと思います。

人種差別との戦いから、人種格差との戦いへ

今回のBLMに端を発した変化があるとすれば、その中でルワンダ、アフリカに影響がありそうだなと思うのが、アメリカと中国の関係性以外に、もっと大きな枠組みで、「資本主義そのものの変容」があるのかもしれないと思っています。

BLMは貧困問題と密接に結びついていて、人種差別は止めよう、ともし満場一致で決まったとしても、今日の社会システムに人種格差は組み込まれており、貧困層を苦しめる実質的な要因となっています。もうこれは、資本主義の限界だと見る見方もあります。

アメリカの中では白人とアフリカ系の方々に格差がありますが、世界では先進国と途上国という格差があります。その格差の上に、先進国の豊かで便利な暮らしが成り立っているのは、事実です。日本で暮らしているとあまり実感する機会はありませんが、例えば私の経営するアジアンキッチンでは、一番安いチャーハンでも、皿洗いのスタッフが8時間働いてもらえる日当の倍します。私の生活は、私が東京で一日で稼いでたお金が月給として支払われるナニーさんのおかげで成り立っています。ひどいって言われるかもしれないけど、でもこれが資本主義です。

長かった人種差別との戦いに決着をつける時がついに来ましたが、同時に人種格差との戦いも無視できない状況になったということです。先進国には不都合なことかもしれなくても。

とてもとても深い問題でキレイにまとめることができませんが、私は今回のムーブメントでアフリカ系アメリカ人の方々に思いを寄せつつ、ルワンダで自分の手と足を動かしてできることを、粛々と続けていきたいと思います。


イートイン再開 (アジキチブログ)

ルワンダはキガリよりこんにちは!アジアンキッチンの唐渡です。

気づけば5月も末。日本は少しずつ落ち着いてきたのでしょうか?第二波もあるのでスッキリおしまい!とできないのがコロナの辛いところですね。

離任の季節

今月から、ルワンダに住む外国人が集うFBグループに続々家具などの売り出し投稿が出始め、離任の季節の到来を感じている今日この頃。
スーツケースで移住したような私のような人々は、駐在組がコンテナで運んだスペシャルな家具(例えばIKEAはスペシャルな家具です)をここぞとばかりに買います。ルワンダは家具が高いです。ローカルメイドのちゃんとしたのは割高だし、安いのは素人大工です。ニトリはお値段以上です。
ナニーさんなどの、外国人家庭で働く人もマーケットに続々と出てきています。が、今年は離任する人は通常通り、またはそれ以上に多くても、着任する人は少ないのだろうなと感じています。。

つまり、アジキチにとって厳しい環境がまだしばらく続く、ということです。

アジキチのお客様

以前自分の個人ブログにてアジアンキッチンのお客様というタイトルでご紹介しましたが、 アジキチのお客様は、8割がルワンダに住まわれている外国人の方です。

肌感覚ですが、この8割の方のうちの8割が各国に帰ってしまったので、つまりは今顧客層の方は、普段の3,4割ほどしかルワンダに残っていない状況です。これは厳しいです。。

功を奏したデリバリー体質

アジアンキッチンはもともとオンラインデリバリーが売上の4割を占めている状況で、それが利益率の観点から課題でした。ルワンダにもUberEatsのようなサービスがあります。vubavubaというのが一番シェアが高いプレーヤーで、アジキチも利用しています。当然ですが、ここ経由の売上はコミッション(手数料)をvubavubaに持っていかれるので、利益率は低いです。

イートインの場合、お酒などのドリンクで高利益をあげることができます。ただアジキチは立地としては大通りに面していてやや車の音がうるさく、店内も狭いので、ゴージャスな雰囲気の中ワインを楽しむ、といったコンセプトができない、ランチはオフィス需要でにぎわうものの、ディナーは先のデリバリーに流れてしまって利益が少ない、というのが数年の課題であり腐心していました

それがこのコロナ禍でどうでしょう。

イートインが6週間全面禁止され、デリバリーしか許可されない状況で、それこそアジキチができなかった「空間を提供する」タイプのお店は軒並み苦戦し、高い家賃の取り立てに追われ、閉店してしまったお店も出始めました

アジキチは、それこそメニュー開発においてもデリバリーとの相性は前提としてチェックするほどデリバリーへの比重がもともと高かったので、ラッキーだったと言えるでしょう。

5月4日から段階的に外出禁止令が解除されていき(前回のブログ参照)、イートインも許可されたものの、店内のスペースにも限りがあるので、引き続きデリバリーは大事な柱です。

塞翁が馬

このコロナ禍で思うことは、本当に人間万事塞翁が馬失敗や課題と捉えていたことが、環境が変わるとプラスに働いたりするのです。そしてまた環境は変わります。なので今、目に見えている「事象」に一喜一憂してもあまり意味はなく長期的な視点で、我慢強く耐え忍びつつ、強かに未来を描いていくことが大事なのかなと思っています。

とはいえ、デリバリー体質が功を奏していると言っても、それが大当たりしていて儲かりまくりと言うよりは、打撃が少なく済んでいる、という話です。長期的な目線が大事とはいえ、日々は毎日毎日数字とにらめっこして削れるものは削ったり、非常にシビアに営業利益を見ています。またどこかで、この辺りのオペレーションについても触れたいと思います。

ルワンダロックダウン、段階解除へ (アジキチブログ)

ルワンダはキガリよりこんにちは!アジアンキッチンの唐渡です。

日本はゴールデンウイークですね。
きっとこんなに普段と代わり映えしないGWもないって感じでしょうか…。

ルワンダはどうかって?
もう曜日の感覚すら全くないです。
息子は6週間敷地内から出てません。でも結構エンジョイしてます。
娘に至っては、多分世界に存在するのはママとニイニとナニーさんとガードさんとコイヌ(成犬ですが名前が「コイヌ」)、そして人間より圧倒的に多い鳥さんだけだと思っていることでしょう。
あと時々画面の中に映る男の人(パパ)。

庭から見えるこの木に、たくさんの鳥さんが住んでいます

ついに段階解除へ

そんな中!
ルワンダでは、5月4日(月)から、6週間続いた外出禁止がようやく一部解除となりました。

ここでは個人的にインパクトの大きな3つのポイントをご紹介します。

① 事前許可なしで外出が可能に

3月下旬から、essential service従事者の出勤、一般市民の買い物や通院など以外は全面的に禁止、
一人ジョギングすらNGでしたが、
5時から20時まではその規制がなくなりました

ロックダウン中は外出の度に警察官に呼び止められ、
どこからどこに何の用事で動いているのか説明する必要がありました。

自分はessential serviceのオーナーであり、テイクアウトを営業している自分の店に行くと言っても話がややこしくなることが多かったので、
助手席にオムツ1パックを常備しておいて
“Baby diaper shopping”
で突破していました。
(マジ)

ですが、4月末からは外出オンライン申請システムが爆誕。

例え本当に赤子のオムツを買うための外出でも、事前にオンライン申請をして、かつ許可を得ることが必要になったのです。。
システム自体は思ったよりも問題なく動いていましたが、
でも事前許可制はめんどくさ過ぎる。
ルワンダはもとからそこそこ管理社会ですが、ここまで行くとディストピア。。

なのでそこからすぐにこの段階解除は、
きっとみな安堵したのではないでしょうか。

タブレットで車のナンバーと事前申請をチェック

②レストラン、イートイン再開OK!

こちらは次回詳しく書きます。
再開と同時にガンガンイートインのプロモーションをするというよりは、
基本的にはテイクアウトを促進
しつつ、
イートインをご希望の方には安全安心第一でサービスをご提供する、
というのが基本スタンスです。

③学校の再開は9月に決定

いや、そうなるとは思ってましたよ。思ってましたけども。

よっしゃ9月まで学校ないっ!!と喜ぶ息子

学校からはメールで、

“Children can be feeling scared, confused, sad and angry. there is a deep sense of loss today, and it is important to acknowledge this. Please give your children a big hug”
(「子どもたちは今大きな喪失感の中にいます。抱きしめてあげましょう」)

と来ましたが、big hugが必要なのは私です…あと4ヶ月…白目 。

箱と人をもつこと (アジキチブログ)

ルワンダはキガリよりこんにちは!アジアンキッチンの唐渡です。

外出禁止令が出て丸ひと月が経ちました。
本来なら今日は空港が開くはずでしたが、まぁもちろん、空港封鎖は延長です。
外出禁止令は4月30日まで延長、と数日前に発表がありました。
5月1日から緩まっていくのか、期待を持ちたいような、過度な期待は禁物なような、複雑なところですが、とりあえず安全第一で日々過ごしていきたいと思います。

お店は、許可が出ているデリバリーと持ち帰りのみ営業しています。

売り上げは2月に比べると1/3
ロックダウン直前に見事に各種在庫をフルMAX装備してしまって超ウケる。(ウケない)
なぜ自分は箱と人が必要なビジネスを選んだのだ…
(ちなみにこの問いはコロナ禍に関わらず折に触れ頻繁に湧いてくるものでもある。笑)
日本でも、家賃と人件費が払えず閉めるしかない飲食店もだいぶ出始めているようですね。。

そんな時、こちらでの過去の自分のブログを見つけて納得しました。
当該の記事は、2016年8月、移住してちょうど一年経った時に書いた「開業のいきさつ」。

全体的には、人生詰んだのでルワンダ来てリセットすることにしました的な、
今思えばだいぶ恐ろしいノリでルワンダ来たな、と我ながら思ってしまいますが、
その中でも自分なりに箱と人にはこだわっていたのだな、と。

以下一部抜粋。

場をもつことは、顧客接点をもつこと。現地のカスタマーの声に日々直接触れないと。ルワンダど素人としては。
そして、一度「場」をつくると、人脈とか、情報とかのハブにできるのではないかと。思いまして。
 
そして、現地の人を直接雇うこと。
ってのがどういうことかも分からずに、とりあえずやってみると、これがまぁ苛立たしく、難しく、面白い。
 
現地の雇用創出に貢献!なんて聞こえはそれっぽいけど、
会社の意図と社員の要求のせめぎ合いに、イライラしたり気が滅入ったりしつつ、
とにかく今は、今の社員の雇用を守る、ことで必死です。
「雇用を創出し続ける」 ところまで行きたいと思います。


開業のいきさつ ASIAN KITCHEN@RWANDA
http://entre-africa.jp/chisa_karato/489.html

こだわっていたというか、ほぼ無意識というか、
自分の中では前提になるくらい大切にしている価値観なのかも。

顧客接点を抑えた「場」を持つこと。

現地の人を雇用すること。

やっぱりそこが原点なんだよなぁ、と。

改めて思い返せて良かったなと思うと同時に、
今回を機に世界が大きく変わる中で、特に「場」については
その在り方から進化・変容していく必要があるのかな
と思います。

では。

2016年当時の写真
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