新しい波の兆し

ウガンダで宅配事業をしている伊藤です。

3月下旬からロックダウンに入っていたウガンダ。

乗り物での移動(公共交通機関、自家用車)が禁止され、夜間外出禁止で、スタッフがオフィスに来る事ができず、営業を停止していました。

5月26日に、自家用車での移動が一部解除され、

6月4日に、公共交通機関であるマタツが乗員半数程度で運行を再開した事を受けて、弊社のサービスも徐々にスタートしていきました。

7月初旬現在、いまだ、ボダ(バイクタクシー)での移動禁止は解けず、夜間外出禁止令が出ている事、地方都市などへの宅配は今だ多くの規制がある事から、

フルでの営業は難しいですが、通常の半数程度の運行体制にまで戻ってきました。

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『ティール組織』という本をどう扱うか?

ウガンダで宅配事業をしている伊藤です。

突然ですが、ティール組織をご存知でしょうか?
(今回はウガンダの事業とは直接的に無関係の内容です)

『ティール組織 ― マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』

2018年1月に英治出版から和訳版が出版され、日本でもベストセラーになった本。
新しい組織の形だ!と注目され、従来の組織モデルが抱えてきた問題点を克服できる可能性があると注目を集めている組織の在り方を問う本です。

私も2018年後半にティール組織を読み、大きな衝撃を受けました。
今までの常識を覆す組織運営を謳っており理想論を述べているだけ?という内容から、実際の12の大小様々な形態の組織での実例が紹介され、自分の常識を大きく覆してくれました。

こんな組織経営、組織体制があるのか!成立するのか!と驚く一方で、
ふと自分の経営する組織に当てはめた時に、あまりに前提やバックグラウンドが違い過ぎて、どうしたら良いのだろう?と感じていました。

ただ、そのままでは終わらせたくなかったため、事あるごとに起業家や経営に携わる友人と議論し、少しですが社内でも試行錯誤をしてみました。
が、あまりの前提の違いに、社内では対話にすらなりませんでした。。挫折以前の問題でした。


さて、あれから二年。

コロナ対応をきっかけに内省の機会がぐっと増えました。
市場環境の変化(外側)と経営体制の変化(内側)の両方に適応し、今後の時流に乗るために、色々な角度から世界を眺めています。

ティール組織についても、改めて考える機会を得る事ができました。
ティール組織に影響を受け、実践している方々の話を伺う中で、皆さんも似たような課題を感じていました。

『対話をしても、自主的に手を挙げてくれる人がいない。手を挙げる人がいないから、こちらからお願いすると、やらされ感になり、そもそもの自律性が崩れる。』


『ブレストして色々意見は出てくるが、そのアイデアを推進しようって人が出てこない。責任を取りたくない。と言われる。』


『そもそも、ティール的な考えを紹介しても、賛同が得られず反対意見が多い。とりあえず、やってみようよ!と強引に進めようとすると、それこそ、トップダウンになり本末転倒』

などなど。。
改めて、自分の常識を覆してくれる良書だなと思います。

改めて”ティール組織”という本とは?

良書ではあるのですが、あまりに常識から離れていて、コンセプトや概念だけが独り歩きしてしまい、色々な弊害が出ているように思います。

ティール組織という本は、シンプルに、あくまでも組織運営の常識を覆した組織を紹介する”事例集”として扱った方が自然なのではないでしょうか。

これまで慣れ親しんできた組織運営に内在する様々な問題。
その問題を、これまでの常識を覆す事で乗り越えてきた素晴らしい12の組織。その事例のケーススタディ。
ケーススタディーなので、時代、地域、セクター、利益構造、リーダーの特性によって様々。

ただし、あまりに常識からかけ離れているため、そのまま紹介しても『特殊な事例だね。』と見向きもされない。
そこで、著者のラルー氏は共通点を探り、普遍性を導き出そうとして、3つのキーワード(存在目的、自主経営、ホールネス)を紡ぎだし、整理していきます。
さらに、この3点を全て完璧に抑えている必要はなく、一つでも徹底的に実現出来ていればティール組織と言える。と説きます。

ティール組織がベストセラーになり、多くの方に衝撃を与え、単なるブームではなく、ムーブメントになり得たのは、まさにラルーさんが『ティール組織』という名付けをして、3つの要件(ポイント?)があると要点を紡ぎだしたことにあるのでしょう。

”ティール組織”と名付けた弊害

一方で、オレンジやグリーンの先にある全く別の組織形態としてティール組織を位置づけ、3つの要件に整理した弊害も多かったのではないかと思います。

ティール組織の中でも、一つの組織を一つの色に区分する事はできないし、分類する事の意味もない。と言われていますが、こういうキレのある分類を見せられてしまっては、オレンジやグリーンに整理したくなってしまいます。

また、あくまでも3つのキーワードとして整理しただけにも関わらず、それが要件のように独り歩きしてしまった感は否めません。
どの組織もこの3つを考えて目指してきたわけではなく、自分達の理想の組織を作ろうと試行錯誤してもがいてきた先に具体的なプロセス、チーム、オペレーションが生まれて、それに対してラルー氏が『これこそが存在目的から来るものだよね』と後付けで分類したに過ぎません。

これまで親しみのある組織を段階(レベル)別に整理し、その上位概念としてのティール組織を謳う事で、私も含めて多くの人に広まる機会を与えてくれた一方で、
ティール組織自体が独り歩きして自己目的化していることの弊害も多いです。

このように名づけをして、定義をすると、人は少なからず、お手本を目指そうとします。
が、ティール組織というお手本があるわけでもなく、それに向かおうとするから混乱する。


単なる読み物として扱うのであれば、それでもいいのですが、
実際にこの本を参考にして自分の組織を変えていこう!と実践するものにとっては、一旦引いて考える必要があります。

例えば、ティールを共通解として扱うと、以下ような質問になります。

『ティールにおいて、経営者・リーダーは何をすればいいのか?』

当然ですが、ティール組織では経営者はこうあるべき。なんて答えはありません。
そもそも、全く違う生き物(組織)で、全く個性の違う経営者がいる時点で、こうしたら良いという答えはありません。

それこそ、自分の組織、構成員、リーダーの環境で、自分達の目的を描いていくほかありません。


『存在目的はどう作ったら良いのか?浸透させたらよいのか?』

”存在目的”という概念に整理したのはラルー氏であり、概念の理解としては非常に役に立ちますが、
自分が実践する立場の時に、”存在目的”という言葉にあまり囚われると本質を見失います。まして、ブレストで『うちの存在目的とは何か?』なんてお題をつけたら余計に混乱します。。

こんなこと言われなくても分かってるよ!と指摘されそうですが、一旦この整理をする事で、
このような問いが的外れなのだと気づきます。

自分の価値観を崩すインプットとして、『この組織はこう考えて、こういう失敗をして、こうしたら上手くいったらしいよ。でも、ここは苦労しているみたい。』という生身のある事例に向き合う事が大事であり、抽象度を上げても余計に混乱するだけのように思います。


教科書ではない。

『ティール組織はボトムアップであるべきだ。』
『ティール組織では、現場にもっと権限を持たせるべきだ。』

など
『~べきだ』という発想も見当違いだと分かります。

こうすべきなんて事はなく、
考えるべきは、うちの組織にとっての理想は何か?の追及です。

同じく、
『要は、フラットな組織にすればいいんですよね?』
『要は、現場にもっと自由で働いてもらう事なんですよね?』
『要は、皆が自分に合った役職で生き生き働くことなんですよね?』

のような、『要はxxx』というのも見当違いです。。
本を読み始めて、ティールって何?って考えているフェーズでは、整理しながら考えていった方が理解が深まりますが、
実際に自分の組織に向き合った時に、この概念化、一般化、抽象化の行為は、自己目的化に繋がります。


12の事例で示された組織が理想形で、その組織を目指そう。と、組織作り自体が自己目的化したり、
ティール組織に書かれている3つのポイントを教科書的に扱ってしまったり、

ここに書かれた組織を目指す。こうなったらいいよね。的に目的化する、教科書みたいに扱ってしまう事に元凶があります。


箱の外に出るためのインプット集として捉えるくらいが良い

挙がっている事例は、どれも自分の常識からかけ離れているもの。
自分の組織やチームとは前提条件が異なり過ぎるからこそ、容易に思考停止して理想を求めようとします。

ただ、組織は機械ではなく生き物。
ティールとは組織を機械ではなく生き物のように扱う事。
にも拘らず、『こうあるべき』『この要件を満たす必要がある』のように、機械的に扱おうとします。

結局、具体的に取り組んでみた時に役立つのは、一つ一つのケーススタディーの中に埋め込まれている実例の数々。
そして、実際に取り組んでいる人たちの苦労話、失敗談と、そこからの成功事例。

『xxって組織は、こういう風にやってみたら、給与体系と評価体系を区別できたみたいよ。報酬決定権限とモチベーションとしての評価を切り分けられたみたいよ。』
という具体例の数々なんだなと改めて気づくことができました。


実践にあたり、ティールという言葉から離れ、3つのポイントから離れ、
まずは自分の観点で、12のケーススタディーを参考に考えていく方が上手くいくなと思います。

具体的には?

具体的にどうするのか?シンプルに以下の3つでしょうか。

1.小さくてもいいから、実践で試行錯誤を繰り返す。そこから気づき、学びを得る。
2.その学びと気付きを、同じように実践してきた人同士でシェアする。抽象概念ではなく、具体的事例としての学びの共有。
3.迷った時のインプットの一つとして、『ティール組織』の中に書かれている具体的な事例を読み返し、インスピレーションを得る。(インプットなので、本を読む以外にも色々あると思います。)

に尽きるのかなと思います。

2か月ぶりの営業再開

ウガンダで宅配事業している伊藤です。

3/26からロックダウンしていたウガンダですが、今週から少しずつ解除されております。

3月下旬より自家用車を含む乗り物での移動が禁止されていたのですが、

5/26からドライバー含め3人の定員であれば自家用車での移動が可能になりました。

ただ、庶民の足であるマタツ(乗り合いバス)、ボダ(バイクタクシー)は引き続き禁止されており、19時から翌朝7時までの夜間外出禁止令(Curfew)も残っています。

オフィスの近くに住むスタッフについては、会社で手配した車を用いて、送迎する事で、2カ月ぶりに営業を再開する事ができました。

通常営業の3割程度の人員からスタートしております。

スタッフによると、明朝の出勤時はそこまで渋滞していないようですが、夕方の渋滞は酷いようです。

19時までに帰宅となると、16時くらいには店じまいをして送迎に利用する車に乗らなければ、ドライバーも家に帰宅できないため、限られた時間での営業となっています。

予定では、6/2から半分程度の乗員で、庶民の足であるマタツが運行するするとの事で、来週からは6-7割の稼働率に戻せるのではないかと淡い期待を抱いております。

独裁政権からみるコロナ対策

ウガンダで宅配事業をしている伊藤です。

ここ数か月、ニュースやSNSの投稿の大半がコロナ関連になっていますね。
当初はいわゆる感染症対策や医療・保健問題であったのが、どんどん経済的、政治的、そして社会的な問題へと発展しています。

多くの方の関心は、『いつまでこの状況が続くのか?』であり、
世界の様々な賢人が、世界の現状を整理しながら推測を共有してくれています。

多くは先進国かつ民主政治が前提となっているため、
途上国かつ独裁政権の場合にはどうなのか?を考察したので共有したいと思います。

先進国VS途上国(新興国も後進途上国も) × 民主国家VS独裁国家の掛け算で状況は異なるかと思います。
もちろん、ウガンダは独裁政権による途上国になります。

4つで場合分けした際のシナリオについて纏めてみました。
皆さんから、フィードバック貰えると嬉しいです。

4象限での纏め

(1)民主主義な先進国:
報道に多く出てくる国々はこちらでしょうか。
以下の慎さんの記事にあるように、体力のある先進国は人権・医療・ポピュリズムと経済・社会不安・治安の狭間で政策が二転三転しながら2年から数年にわたり長期化する可能性が高そうです。

もちろん、民主的に最善策を出し、早期に解決してくるような国も出て来るとは思います。(台湾はそうなりつつあるのでしょうか?)

COVID-19と世界のこれから
https://note.com/taejun/n/n89c97045d123?


(2)独裁的な先進国:
経済的な体力もあり、強権をもつ独裁的な先進国は、ポピュリズムに左右される事なく、医療・人名と経済損失のバランスを上手く取ってくるのではないでしょうか。

※独裁政権の良し悪し、長期的に繁栄するかはここでは議論の対象とはしません。
現時点で独裁的であれ先進国としての発展をしているならば、コロナ対策の数年は上手く打ってくるように思います。

(3)民主主義的な途上国:
体力のない途上国で民主的に政治をしているところは、大きく揺れ動く可能性もリスクも秘めているように思います。

上手く短期間で国民を納得させながら解決する道もあれど、ネガティブケースとしては、
右往左往する中で、これをチャンスと捉えて、人命優先を大義に政権が独裁的に走る可能性もあれば、
社会不安の増大からのクーデターや大規模デモに発展する可能性もありそうです。

(4)独裁的な途上国:
社会不安が高まる中、早期に感染防止を諦め、元々医療リソースがないのだから、他の疫病と同じく感染対策は最小に行い、普通に経済を回す。方向に一気に舵取りする可能性が高そうです。

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5日間のファスティング体験と隔離生活

ウガンダで宅配事業をしている伊藤です。

2週間ほど前にウガンダから日本に退避便に乗り帰国しました。ウガンダは3/21から国境封鎖しており、特別の退避便が出た事で国外に出る事が出来ました。

国の方針に従い、14日間の自主隔離生活を送っておりました。

隔離といっても、食料の買い出しや人と接触のないウォーキングなどは可能との事です。

最初の数日間、体調不良などもなく体調も万全でした。

ウガンダに感染者が少ない事(4/19現在でも60名弱、死者はゼロ)、ドーハ経由の飛行機・成田の検疫待ちでもウガンダからの邦人に囲まれていた事から感染の可能性は非常に低いと考えています。

隔離期間中は退屈な日々が続くかと思っていましたが、14日間ずっと意外にバタバタ忙しい日々を送っておりました。

日中は3月末の会計を締める作業に加え、 ポストコロナの世界を考えたり、そのためのインプットを仕入れる時間として有効活用しています。

また、お陰様で、世界にいる色々な知人から声をかけて頂き、毎日1-2回はZoomでおしゃべりしています。

部屋の中でも、いつもより少し多めにストレッチや筋トレ、瞑想などを挟んで気分転換しています。

なぜ、ファスティング?

さて、ファスティング(断食)ですが、特に明確な目的などはありません。

体重も高校時代から変わらず、体脂肪も高校時代からずっと10%前後を保っています。

ではなぜやるか?

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コロナ対応 続編(3) 日本への退避

ウガンダで宅配事業をしている伊藤です。

先週土曜日に日本へ帰国しました。

COVID-19の感染自体はまだまだ少ないウガンダ(50名弱)、死者数も出ていません。

しかし、COVID-19の影響で国の経済が停止し、営業出来ない事、この期間に日本で進めなければならない事がある事、そして情勢不安からの治安リスクもあり、帰国する事にしました。

ここ2週間、一生に一度経験するかどうかの貴重な体験の連続でした。

3/22にウガンダでは国境が封鎖になり、陸路、水路、空路全てでの国境の行き来が禁止になりました。

その後、3/25にアメリカ大使館が交渉し退避便が出て、知り合いの日本人も多く帰国しました。

3/26に公共交通機関、ボダ、マタツが禁止になり、

3/31からは自家用車も含めて乗り物での移動も禁止になりました。

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コロナ対応 続編(2) 都市機能完全麻痺へ

ウガンダで宅配便をしている伊藤です。

ウガンダ、昨夜(3/30)の大統領発表で大変な事態になりました。。


日本の首相の会見や、東京の知事の会見と比較しても、また、欧米国家と比較しても、超独裁かつ軍事国家が本気出すと怖いです。。本当に恐怖です。


これで、都市機能が完全停止、市民生活が完全に停止しました。。

昨夜時点で、コロナウイルスによる感染者数30名、死亡者0名の状況ですが・・・

大変厳しい内容ですが、
この一週間、これまでの制限(マーケットでの非食材品の販売、公共交通機関であるマタツの運行など)に違反した人は、警察に鞭で叩かれたり、酷い時は銃で威嚇されたり、報道されているだけでも警察に銃で撃たれて数名が亡くなっています。。

昨日の発表の概要は以下。

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コロナ対応 続編(1)

ウガンダで宅配事業をしている伊藤です。

前回、ウガンダで初のコロナ感染者が出た前後でウガンダ政府が一気に国境封鎖、公共交通機関の制限をして、スタッフへの説明をして不安感を取り除くなどについてブログにしました。

あれから4日程度しか経っていませんが、事態が急激に変わっているので、アップデート含めて共有したいと思います。

前回の記事はこちら

前回は3/24(火)に全スタッフへ説明したところまででした。

翌日、3/25(水)は宅配チームは半減して営業。新規事業やITチームは在宅で仕事をしていました。

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緊急事態におけるリーダーシップの重要性を実感

ウガンダで宅配事業をしている伊藤です。

多くの方もあげていますが、アフリカでもコロナウイルスの感染者が出ており、ウガンダもここ1週間で事態が激変しています。

感染者は先週土曜日3/21に一名。その後、今週3/23月曜日に新たに8名、計9名となりました。

感染者がゼロの段階で学校が休校し、群衆が集まる施設が停止。感染者発覚と同時に国境が封鎖され、そして公共交通機関の使用に制限がかかりました。

このような状況で経営者としてリーダーとしてどう振る舞うか?が試されているように思います。

どう対応すべきか?など正解のない問いですが、弊社の事例について共有できたらと思います。

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世界は繋がっている

ウガンダで宅配事業をしている伊藤です。

世界経済は色々繋がっているな―って思う次第です。

1月に中国でコロナウイルスが流行した当初は、ウイルスの流行自体には心を痛めていましたが、極東から遠く離れたウガンダの地で大きな影響があるとは考えていませんでした。

特に弊社は国内のドメスティックな配送をしているため、ウガンダでの感染者も出ていない中(3/7時点でもゼロ)、特に実生活や事業には影響はないと考えていました。

しかし、2月に入り、弊社の事業にも大きな影響を与えています。

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