Verde Africaが養鶏を始めた理由

こんにちは。Verde Africaの有坂純子です。少しずつ暖かくなりつつあるモザンビークです。新型コロナウィルスの感染者は今週8000人を超えましたが死者は59人に留まり、今月は一部の高等教育機関や娯楽施設が再開しました。一方で幼稚園などは年内は閉まったままではないかと言われていますし、多くの企業や政府機関が在宅とオフィスを組み合わせた勤務を継続しています。
最近、Verde Africaでは養鶏をはじめました。InstagramやFacebookでは養鶏の写真ばかりですが、ブリケット作りも日々続けています!モザンビークの食用鶏は屋内平飼いで30日で成長するものが一般的です。当社のお客様など大規模にビジネス展開している養鶏農家は1ラウンドで10000羽前後育てますが、当社は初めてということで100羽のひよこを購入しました。

養鶏をする目的は3つあります。
- 当社売上7割を占める、養鶏農家の仕事を理解する。
- 社員の福利厚生を改善する。ボーナスとして鶏が貰える。
- 自分たちで消費する鶏肉を出来るだけヘルシーで新鮮なものにする。
ひよこを健康に育てるために、暖房は大切な要素です。生後10日以内のひよこは寒いと死んでしまうからです。モザンビークは停電が定期的にありますし、まとまった設備投資資金の確保が難しい農家の大部分は木炭を暖房に使います。薪を使う農家さんも居ますが、煙による呼吸器疾患でひよこが大量死する場合があるのでおススメではないと認識されています。当社の再生炭を使うことで養鶏農家の悩みのネタである暖房をより安心に安価に出来ます。この部分をより説得力強く営業出来るように、データを集めていくことが目的です。
マプト市で育てた鶏を売り裁くのはなかなか大変です。売れ残った鶏は餌を消費するばかりか、味も落ちてしまい、赤字の原因にもなります。当社は…前々から従業員の満足度向上を図りたかったので、育てた鶏は従業員に原価で持って帰ってもらうことにしました。加えて、月末の給料日に鶏を1羽ずつプレゼントしたら、皆とても喜んでくれました。
よりヘルシーな鶏肉を食べたいと思うようになったのは、養鶏農家と密接に働く中で自分達が日頃食べている鶏肉について学んだことがきっかけです。モザンビークの養鶏協会は現在政府に鶏肉の輸入枠を撤廃し、国内養鶏産業を保護する政策を立案させるべく交渉を続けています。資源以外の国内産業が著しく乏しいモザンビークでは、国内の小規模農家が直接裨益できる効果的な政策だと個人的には考えてます。しかし、養鶏協会役員のアナさんいわく国内養鶏産業を脅かす真の問題は鶏肉の密輸です。南アフリカとモザンビークの最大の陸路国境 Resano Garcia では2020年上半期だけで170トンもの密輸鶏肉が差し押さえられました。生産原価が関係無い密輸品を相手に国産鶏肉には価格競争力が無いことが一番の問題なのです。
しかし、密輸された鶏肉にはどんな背景があるのか。盗品なのか賞味期限切れなのかどこかで大量に廃棄されたものかも知れません。このような背景を知って私達も製造元が記載されていない鶏肉を食べるのは止めることにしました。魚介類と同じように鶏肉もできるだけ新鮮なものを食べたいところ、自分たちで育てた鶏は新鮮で柔らかく美味しく感じます。
マプトで住む方達の需要があれば、このような鶏肉をお届けします。次回はマプトの孤児院に鶏肉や再生炭を寄付するようになった経緯についてブログに書きます。それでは、皆様良い一日を。
