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Verde Africa インターン日記 ① モザンビークに来て感じる中国への印象の変化

最近のマプトでは雨が増え、日中の気温が上がり徐々に雨季の始まりを感じています。今回のブログではインターンの久保さんがモザンビークでの暮らし、弊社での業務の中で感じたことを報告してくれます。

 

モザンビーク然りアフリカには沢山の中国人が働いていますし、市場には中国製品が溢れ、政府間でも強い繋がりがあります。そのせいかモザンビーク人に中国人と間違われることは日常茶飯事です。そんな環境の中、ご自身の中国への印象を考えてみた久保さんの視点に納得すると同時に沢山の気づきもありました。それでは続く久保さんのブログをお楽しみください!

 

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こんにちは、Verde Africa インターンの久保劍将です。本日はモザンビークに来て感じる中国への印象の変化についてお話ししたいと思います。

 

先日、三連休を利用して隣国のスワジランドに旅行をしてきました。スワジランドは英語を主要言語として使用しているため、どこでも英語が通じる事、また外国人に慣れているためか、街中を歩いていても中国人と間違えられる事は一度もありませんでした。

(マプトからスワジランド首都のムババネまでは220キロ程度の距離です)

 

これとは異なりモザンビークでは、ポルトガル語とシャンガナ語を普段話すため、英語を話す人はあまり多くはありません。また街中を歩いているとアジア人が珍しいのか、「Hey China!(ポルトガル語ではチーナと読みます)」や「你好」、「チョンチョンチャンチー」とよく声をかけられます。

 

声をかけてくる彼らは親切心で挨拶をしているのか、それとも外国人をからかためなのか定かではありませんが、これらの呼びかけに対してモザンビークに到着して間もない頃は、なぜだか不快な気持ちになっていました。これは無意識的な日本人としての誇り、または無意識的な中国に対する偏見によるものなのでしょうか。いずれにせよ現在では、そういう声をかけられても不快な気持ちになることは少なくなってきました。むしろ「你好」や「我愛你」といった自分が知っている中国語で返答する時もあります。

 

恐らくこの気持ちの変化は、

  • 中国人と間違えられる事への慣れ
  • 自分自身モザンビーク人とスワジランド人を外見だけでは判断することができないという理解
  • 中国に対するリスペクト

によるものだと思います。

 

とりわけ③について、モザンビークに来る前と後では中国に対する見方が変化してきたと感じます。例えば、日本では安価で粗悪という印象を抱いていた「Made in China」に対して、モザンビークでは安心感を覚えるようになって来ました。

 

先週末、弊社に中国から遥々海を渡って新たな粉砕機が届きました。その際、機械と同時にドライヤー(ブリケットの天日乾燥台)の雨避けで必要なビニールシートも購入したのですが、1週間それを使用してみて、モザンビークの商店で購入したものより丈夫で、非常にコストパフォーマンスが高いと感じました。

 

モザンビークの商店で購入したビニールシートは薄く脆いため、数回使用しただけで、ドライヤーの木や金網、石と擦れて穴が空いてしまう程です。このビニールシートが脆いとせっかく生産したブリケットが雨に濡れて販売できなくなってしまうため、これから雨季に差し掛かって来るモザンビークでは、ある程度の丈夫さを兼ね備えた品質が重要です。

 

(朝一番にシートを外す作業を行うスタッフの様子)

 
日本製品と比較すると中国製品は確かに品質が悪いのかもしれませんが、モザンビークのような途上国で、求めている物を求めている品質で見つけることが難しい環境では、「Made in China」の存在は大変有難いことだと感じています。

 

日本からモザンビークヘやって来てみて、今まで気づかなかった新たな発見を多く見つけるようになりました。このような新鮮さを2ヶ月、3ヶ月経過した時にも感じること出来るように日々感じたことを大事にしていきたいと思います。

 

業務に関しては、出来ることを少しずつ進めている段階から、主体的にやりたいことを進めていくことができるようにしなければと感じています。モザンビークでの生活に慣れて来ると、当然時間感覚が段々と早くなっていきます。そういった中で、日々の時間を無駄にしないように心がけていきます。ありがとうございました。

(急遽雨が降り、ビニールシートをかけに行った時に見つけたカエル)

 

社員を大切にするということ

アフリカで起業をする際の社会的意義を議論すると”雇用創出”について触れる方が少なくありません。私もモザンビークで起業する前にはそう思っていましたし、今でも部分的に同意します。しかし、実際にアフリカで起業して現地の人を雇ってみて思うことは”雇用するということは基本的に日本と同じ”だということです。雇用創出はもちろん大切ですが、雇っている側としては 『雇用を生み出しているという満足感』 などは微塵も感じませんし、雇用を生み出していてもそれが良いものでなければ意味がないと思うからです。日本でこれまで自分を雇ってくれていた上司の方、日本で企業を経営しておられる方のことを思い、改めて頭が下がる思いです。

良い社員は企業の成長の為に欠かせない、企業の宝ともいえるものです。長く会社で頑張っている社員は可愛いくて、そんな社員の頑張りとか誠実さとかで本当に一喜一憂します。私の場合やはり社員とは友達という感じではなくある程度距離はあるのですが、子供の話・婚約者の話・奥さんの話などを聞くたびに”幸せな人生を歩んで欲しい。そしてその時にVerde Africaで働いていてくれたらいいな。”と思います。

昨年10月に起業し2月から機械生産を始めた今、Verde Africaには計7名のモザンビーク人社員がいます。採用の際に公募はしておらず、友人や社員の紹介を中心に雇ってきました。パートタイムの社員は最初は日雇いで週2回程度働き様子を見ます。その後、仕事ぶりにより固定メンバーに加えます。最初の頃は”時間通り来ない””無断欠勤をする””嘘の報告をする””チームリーダーの指示を聞かない”など問題のあるスタッフが多く、解雇と採用と訓練を繰り返してやっと現在のメンバーが定まってきました。

モザンビークの労働法は比較的労働者寄りの内容になっており、病欠・有休・冠婚葬祭に関わる特別休暇や試用期間(基本的に90日、技術職・役職の場合は180日)や争議に持ち込む場合の手順などが記載されています。弊社は担当弁護士や労務専門家がいないこともあり、労働監督基準局の踏み込み捜査とか考えただけで怖いです。

一方でモザンビークの失業率は24.3%(出典;外務省HP)と高く、 『なんでもいいから雇ってくれ』 と弊社を訪れる人も後を絶ちません。労働法はインフォーマルセクターでは最低賃金も含めて全く遵守されておらず、やはりモザンビークの現実にそぐわないものなのではと感じる時もあります。

弊社の仕事はいわゆる 『3K – きつい、汚い、危険』 です。危険は当てはまらないかもしれませんが、一日中炭を扱い社員の手は爪の間まで真っ黒ですし、商品も原料も炭なので女性でも50キロくらいの袋を運んでいます。でもそんな3Kの仕事が産業発達の基盤を支えてきたのは日本でもイギリスでもアメリカでも一緒で、モザンビークにとっても価値のあることだと考えています。

 (炭屑を粉状に砕く仕事。体中真っ黒になります)

いかに3Kな仕事でも給料が良ければ不満が生まれにくいはずです。弊社も給料を将来的には増やしてあげたい気持ちは一杯なのですが、生産量と売り上げを伸ばそうと奮闘している現在赤字を拡大してでも給料を増やすべきかは慎重になります。

でも先日6ヶ月ほど連勤した社員が突然辞めてしまい、とても正直で働きものの良い人だったのでショックを受けています。弊社の社員待遇や接し方について見直す良い機会と捉えていますが、彼が腰を痛めていたことを知らなかったなど反省点ばかりです。

最後にモザンビークの人を雇う際にこれまでやってみて良かった点を挙げてみたいと思います。

  1. 信頼できる人の友達を紹介してもらう (良い人の紹介は基本的に良い人が多いです)
  2. 素直な人が過半数以上になるように雇用する (全体の雰囲気はすごく大事)
  3. 食事で不満を抱かせない (給料が安くても、空腹にならないようにする)
  4. リスペクトを持って穏やかに接する (感情的になって言葉尻が鋭くなるのは絶対だめ)
  5. 決まりごとは文字化して全体に丁寧に周知する
  6. 育ってきた環境やそれに伴う価値観の違いについて相手の目線から考える
  7. お葬式に関わる欠勤(事前連絡があるもの)関してはできる限り理解と同情を示す

今の目標は現在のコスト体制で経常収支が黒字化したら、社員の給料を上げて一部の社員をフルタイム化することです。社員待遇と収支のバランスは鶏と卵のようなものなのかもしれません。人を雇うということについて周りには先輩方ばかりだと思いますので、モザンビーク人からも日本人からももっといろいろ学んでいきたいと思う今日この頃です。

 

 

 

 

 

 

 

Verde Africa スタッフ全員紹介

こんにちは!工場の引っ越しとインターンの方の参入により上昇中のVerde Africa, Lda.です。6ヶ月の間弊社で頑張ってくれる久保さんのミッションは 『従業員の労働環境を改善し、生産性を高める。』 に決まりました。工場を持つ弊社には安全・効率・環境面など様々な分野で改善点があります。そんな課題について従業員の意見を取り纏め、経営陣の決定を促してもらうという役目です。

Verde Africa, Lda.は立ち上げたばかりの小さな会社ですので労働環境の改善は常に予算とのバランスですが、基本的な改善事項が山積みなので結果が目に見えるやりがいのある仕事になるはずです。まずはスタッフ全員にインタビューをして、下記とおり紹介ブログにまとめてもらいました。日頃から弊社を応援してくださっている皆様にどんなスタッフが働いているのかお伝えできれば嬉しいです。

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前回のブログでご紹介いただきました立教大学4年久保劍将と申します。インターンとしての勤務期間の約半年間こちらのブログに登場する機会があると思います。宜しくお願いいたします。

さて今回は、Verde Africaで働くスタッフ紹介を行います。来たばかりの自分自身がスタッフの人を知るために、またブログをご覧の皆さんにVerde Africaをより知っていただくために、スタッフに以下の6つの項目でインタビューしました。

  1. 役職または業務内容
  2. 年齢
  3. 好きな食べ物
  4. 好きな飲み物
  5. 好きな音楽・歌手
  6. 仕事について感じていること、コメント

まずは、改めて自己紹介から行います。

・久保劍将(くぼ けんしょう)-写真右から2番目

  1. インターン
  2. 21歳
  3. ハンバーグ、わさビーフ
  4. コカコーラ、チャイ
  5. きっとラット
  6. まずは仕事の流れを掴むためにサポートとして入っている状況ですが、早く新しい環境に慣れて、Verde Africaに貢献していきたいです。

・Aires(アイレス) -写真左から2番目

  1. 販売マネージャー
  2. 30歳
  3. フェイジョワーダ (豆と豚肉、牛肉を煮込んだ料理)、 フェイジョアオン(煮豆)
  4. 2M (モザンビーク産のビール)
  5. Michael Bolton-Soul Provider
  6. 自分のスキルを高めることができるので、非常に楽しい。また日本人である有坂さんご夫婦と働くことは、やりがいを感じることが多い。

・Robert(ロベルト)

  1. 生産チームリーダー
  2. 32歳
  3. 野菜料理
  4. ビール(モザンビーク産or南アフリカ産)
  5. Jazz-John Legend
  6. 答えることが難しい

・Vasta(ヴァシュタ)-写真左から2番目

  1. 給事、袋詰め、その他生産業務の補助
  2. 46歳
  3. 牛肉・豚肉
  4. ワイン
  5. ゴスペル-教会で聖歌隊に所属しており、教会の歌が好き
  6. 働くこと自体が好き

・Martha(マーサ)-写真左から4番目

  1. ブリケットの生産
  2. 22歳
  3. チキン・フライドポテト
  4. アマルーラ-ミルクとアマルーラリキュールを混ぜたもの
  5. ビヨンセ-XO
  6. まあまあ、黒い炭の粉塵が気になるのと少しハードな仕事が多い

・Seleste(セレシュティ)-写真左から5番目

  1. ブリケットの生産
  2. 25歳
  3. フェイジョワーダ
  4. ジュース
  5. 好きではない
  6. 好きだが、炭の粉塵が気になる

・Belinha(ベリーニャ)-写真左から3番目

  1. ブリケットの生産
  2. 24歳
  3. フェイジョワーダ・豚肉
  4. HUNTER’s(南アフリカ産のビール)
  5. Chris Brown
  6. 働くこと自体は好き。だが炭の粉塵がとても気になる

・Rosendo(ロゼンド)-写真左から1番目

  1. ブリケットの生産、原料の買い付け
  2. 19歳
  3. フェイジョワーダ
  4. コカコーラ
  5. Westlife 
  6. 好きだが、炭の粉塵が気になる。

・有坂之良(ありさか ゆきよし)-写真右

  1. Chief Operating Officer (COO)
  2. 35歳
  3. うなぎ
  4. ビール
  5. かんぱち-いい日だね
  6. 自分たちで始めた仕事が様々な人の手によって支えられ、少しずつ実になっていく様子が手にとって分かり、やりがいを感じます。まだまだ手付かずな事や勉強不足な事、またお客さんをはじめ社員にとっても至らない事が多々ありますが、少しずつ改善し皆が成長できる場にしていけたらと思っています。

・有坂純子(ありさか じゅんこ)-写真左

  1. Chief Executive Officer (CEO)
  2. 35歳
  3. ハマチのお刺身
  4. 白ワイン-白ワインとお刺身の組み合わせが大好き
  5. Anthony Hamilton-So in Love
  6. 好きなことをしているので仕事は楽しいです。特に目の前の課題を1つ解決すると、仕事が前進していく様子が見えるので面白いです。Verde Africaの売上を高めて、社員の待遇を改善できるように頑張ります。

・ゴルゴ

趣味: 穴掘り

好きな食べ物:骨、肉、ココナッツ、キャッサバ、トマト、オレンジ

・マネキ

趣味: 家に籠ること

好きな食べ物:煮干し

以上がVerde Africaのスタッフ紹介になります。いかがでしょうか。個人的には、好きな食べ物や音楽からそれぞれの性格が表れているような気がして、非常に興味深く感じました。

これからの約半年間、自分自身は有坂さんを含めスタッフ全員と良い関係を築けるように努力していきます。そうした中で見えてくるスタッフの新たな一面を発見次第、こちらで発信していきたいと思います。

 

 

インターン到着!

Boa tarde (ボア・タルデ こんにちは)!最近はからりとした涼しい天気が続いているマプトです。先週月曜日から始まった引っ越しも金曜日にやっと完了して、今は新しい家でこのブログを書いています。生産も新工場で明日から開始できそうです。

そんな弊社にインターンの方が来てくれました。大学生の久保さんです。久保さんとは5月の一時帰国中に登壇させて頂いた Q’s Cafe というイベントで繋がることができ、モザンビークでのインターンに興味を持ってくれました。6ヶ月の間インターンをしてくれるのでこれからがとても楽しみです。続いて久保さんの自己紹介です。

 

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初めまして、立教大学4年久保劍将と申します。
現在1年間休学中で、Verde Africaにて有坂さんご夫婦の下でインターンとして約半年間働かせていただくことになりました。
発展途上国に長期滞在すること、また有坂さんの人柄に惹かれて、今回モザンビークへやってきました。
ポルトガル語の不自由さに撃沈した初日ですが、多くのことを経験して学んでいきたいと思います。宜しくお願いします。
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これから久保さんの視点からのご報告も載せていきたいと思いますので、楽しみにしていてください。
(久保さんの到着当日はモザンビークのCarne de Porco (豚肉BBQ)とビールでお祝いしました!)

工場を引っ越します

マプトでは8月24日25日にTICAD閣僚級会合が開催されます。こちらの会合は昨年ナイロビで開催されたTICAD VIで合意された開発目標の進捗を確認するフォローアップ会合で日本だけでなくアフリカの様々な国も参加予定です。既にマプトへの日本人訪問者が増えている様子です。弊社も民間企業向けのサイドイベントに参加させて頂く予定で、楽しみにしています。

今月の弊社ビッグイベントは引っ越しです。工場が手狭になったことに加えて、近隣住民や大家から炭の粉塵発生について苦情を受けて困っていたところ、同じ家賃で屋内屋外ともに作業スペースが10倍以上の物件に出会い決断しました。

(工場になる予定の建物)

 (自宅になる予定の建物。大家さんの使っていないミキサーも貸して頂けるそう)

現在の場所では限られた敷地で近隣に気を使いながらの生産しているので、新工場では生産効率向上が図れるはずです。また現在の大家とは電気開設や家賃交渉や物件メンテナンスにおいてトラブル続きで、安心して投資できる環境が必要でした。

今回の引っ越しで多大な力添えをしてくれた方がいます。Chef do Quaraterao(以下省略 シェフ) という役所から任命されているコミュニティ・リーダーです。日本でいうと町内会長のようなポジションですが、役場から正式に任命され仕事をしていて、住所証明の発行から住民同士のいざかいの仲裁など幅広い業務を担当しています。役場に所属はしているものの、役場には必要に応じて出勤するのみで別に本業がある人もいます。

モザンビークに来たばかりの時はさっぱり理解できなかったこの仕組みですが、今では土地探し関係で何人かのシェフにお世話になっています。シェフはQuarateraoというモザンビークの最小行政地域を管轄し、大体数百~千戸の住民を組織しているそうです。

シェフもそれぞれに個性豊かで威圧的だったり酒飲みだったり様々です。私達が住んでいる地区のシェフは自身のNGOを経営する人格者です。

シェフの力添えは近隣家庭からの弊社に関わる苦情から始まりました。シェフは弊社の立場(土地探しが難航していること、大家とのトラブルがあること、炭の粉塵を減らすための投資を進めていること)などをじっくり聞いてくれたうえで『君たちの払っている家賃ならもっと生産に適した環境にある物件も借りられる』と物件探しを申し出てくれたのです。罰金を要求したり、退去を命じることもできたと思います。

引っ越し先は隣の地区だったので、シェフはご自身のネットワークを駆使して2週間程度で幾つもの物件下見に連れて行ってくれて契約締結まで面倒をみてくれました。交渉の最終段階で賃上げされて破談になった件もありましたが、その際も労を惜しまず最善のアドバイスをしてくれました。

地域行政の方には理解してもらえない場合もありますが、なかにはこのシェフのように弊社の活動を応援してくれる方がいます。こんなモザンビーク人の方との繋がりは本当に宝です。今あるご縁を大切にしつつ、今後も地域レベルでの関係構築に励んでいきたいと思います。

 (敷地内の送電網を整備しています。とにかく敷地が広い。)

 

 

 

 

可愛い仲間が増えました

Verde Africa, Lda. に新しいメンバーが加わりました。名前はゴルゴです。

 (モザンビークの砂浜を走るゴルゴ)

弊社の機械を守ってくれる強い犬になるように、さいとう・たかを先生の漫画”ゴルゴ13”にちなんで命名しました。

これを読んで『あれっ、犬を飼うのは経常収支が黒字化してからにするんじゃなかった?』と突っ込みたくなる方もおられるかもしれません。

私達は東京に住んでいた頃からずっと犬が飼いたくて、マプトでは子犬を探していた時期もあったのですが、犬を飼っている仲間に聞くと『犬はお金も時間もかかるから余裕ができてからの方がいいよ』とのアドバイスが多く、経常収支黒字化を目途に掲げました。

現在、弊社の経常収支はまだ赤字です。生産量が増えて70~80%程度は売上から捻出できるようになりましたが、あともう一息です。しかしゴルゴを飼うようになったことには理由があったのです。

6月上旬に中国からブリケットの形成機がやってきました。翌週の日曜日、機械を設定する為に電気技師を呼びました。設定後に動いている機械を見て喜び、電気技師を家まで送る為に車の通用口を開けました。

すると丁度開き戸の外側に子犬が震えながらうずくまっていて、開けた瞬間に弊社の庭に駆け込んできました。子犬はすべてに怯えていて発車しようとするうちの車を怖がり、車の下に隠れてしまいました。轢いてしまうので引っ張り出して抱きかかえたら、モザンビークによくいる茶色い雑種の子犬でした。

このタイミングでうちに駆け込んできたということは何か意味がある気がします。『It was meant to be.(それは起こるべくして起きた)』

 (ご飯を待つゴルゴと猫のマネキ。2匹は仲良しです)

犬を飼うということは責任あることで、これからもモザンビークで頑張って会社を成長させたいと決意を新たにしました。

初めての納税

本日初めてモザンビークで法人税を納めました。弊社は昨年11月に登記完了、今年2月に販売ライセンスを取得し、3月末に業務開始申請をしました。

モザンビークでは通常の法人所得税 (Imposto sobre os Rendimentos das Pessoas Colectivas;IRPC) では付加価値税 (VAT;日本の消費税と同じ)17%と年間利益の32%を納税する義務があります。IRPC は公認会計士によって纏められた領収書等の商標に基づく正式な会計方式に基づいている必要があり、年度ごとの監査も義務付けられています。(出典;JETROレポート「モザンビークの貿易投資制度および会社設立手続き(2017年3月)」

この納税義務を遵守するのは零細企業には正直重荷ですが、モザンビークにはISCPという嬉しい制度があります。ISPCとは小規模納税者向けの簡素化税制 (Imposto Simplificado para Pequenos Contribuintes: ISPC)です。ISPCでは日本でいう白色申告制度になっており、付加価値税も含めて売り上げの3%を納税します。業務開始後1年間は1.5%の税率という特典もあります。(出典;同上)

弊社はJETROコーディネーターの方のアドバイスを頂き、ISPCの利用を申請しました。申請時は税務署員に『”燃料の卸売り”ではISPCは利用させられないから”燃料の小売り”のライセンスを別途取得して来てください』と言われたり幾つかの回り道があったので、初めての納税で税務署の職員に絡まれないかどうかすっごく緊張していました。

結果、40分程度で即日納税することができました。しかも売上の3%相当の額を準備していたのですが 『1年目は1.5%でいいんだよ』 と親切に教えてくれました。

弊社の過去3ヵ月の売上(ISPCは四半期ごとに納税します)は18万円程度で約3千円を納税しました。弊社としての初めての納税がうまくいき嬉しい限りです。今は微力ながらもモザンビークへの貢献も少しずつ増やしていけたらと思います。

 

キャッサバの買付け

弊社のブリケットの原料として定期的に調達しているものが現在2点あります。1つは炭屑です。こちらはマプト市に点在する炭の小売り業者と弊社スタッフが価格交渉して購入しています。もう1つはキャッサバです。ブリケットを形成する際のつなぎとして使用しています。

モザンビークではキャッサバを育てている農家(特に中小規模)がとても多く、庶民の食生活にも深く根ざしています。キャッサバの葉とココナツで作った「マタパ」はモザンビークの人気料理です。しかし、首都マプトでもキャッサバ粉(別名 タピオカ粉)が市場に流通していないのです。(たまに市場で見つけても小麦粉より高いです)

(マタパ。キャッサバの葉をすり潰して煮込みます。健康に良いし、美味しい!)

その為、弊社ではイニャンバネ州の農家までキャッサバ芋を買付けに行っています。何故イニャンバネ州かというと①マプトから遠くはない②キャッサバ農家が多い③協力者がいるという理由です。その協力者とは、イニャンバネ州の青年海外協力隊(JOCV)の方々です。現在モザンビークには46人青年海外協力隊がいます。

(イニャンバネ州イニャリメ郡までの道のり。モザンビークの中では近いともいえる?)

弊社がどのようなご協力をお願いしているかというと、地域農業事務所で働いている協力隊経由でキャッサバ農家を紹介頂いているのです。効率よくまとめ買いしたい弊社にとっては有難い力添えです。

6月にはイニャンバネ州イニャリメ郡に赴任している小森田さんにご協力頂きました。小森田さんの同僚で国際NGO主導のキャッサバ・プロジェクト所属しているルイスに紹介して頂いたのです。

(キャッサバ・プロジェクト担当のルイス(左)と小森田さん(中))

まず弊社が1ヵ月前に電話でルイスに依頼内容を伝え、彼に農家の選定と交渉をしてもらいました。小森田さんは依頼内容をフォローして、買付当日もルイスと一緒に同行してくれました。

お蔭様で無事1,165キロの生キャッサバを日帰りで仕入れることができました。次回以降は同量の乾燥キャッサバを売ってもらえるように交渉中です。現地で伺った話では現在キャッサバの買い手はほぼ某地ビール企業限られてしまっているそうです。その為、農家はかなり低い買取価格に合意せざるを得ないとか。

私達2人も昔ザンビアの青年海外協力隊員だったのですが、こうしてモザンビークの協力隊員さんに協力して頂けることは本当に有難いご縁だと感じます。

 

 

お客さんから頂いた嬉しい言葉

今日6月25日はモザンビークの独立記念日です。モザンビークは1964年から10年に及ぶ独立戦争を戦い、1975年に旧ポルトガル植民地から独立しました。明日は振替休日で、近所のバーからも賑やかな音楽が聞こえてきます。

弊社では最近新しい形成機が入り、商品の品質と生産量が上がってきました。手動の機械で生産していた頃に比べて売上が2.5倍になりました。今後3ヶ月で4.3倍(月10トン)増にする計画で夢が膨らみます。

一方で過去2週間で突然の警察視察が2回続き、大事には至りませんでしたが気力消耗しました。会社を守っていくために何が必要なのか。地元有力者との関係構築や法律理解などにも注力していかなければと思う今日この頃です。

この仕事をしていてすごく嬉しい瞬間はお客さんが弊社の商品を喜んでくれ、その気持ちが購買という行動に繋がる時です。今日は最近お客さんから頂き嬉しかった言葉を紹介したいと思います。

① 『普通の木炭に比べるとあなた達の炭なら1日の調理用炭のコストを半分に抑えられるよ。』 By 食堂経営の女性 (弊社のメインターゲットは食堂を経営するマイクロ起業家です)

(お得意さんと話す営業担当のアイレスさん)

② 『君たちにはいつも助けられているよ。この地域に住んでいる人は皆そう思っていると思うよ。』 By 弊社工場の近所に住む男性 (弊社工場近辺では家庭用に1キロの小袋を買いに来る人が多いです)

③ 『あなたたちの炭で Caril amendmin (モザンビークのココナッツカレー)を作って、ご飯を炊いて、その後お風呂用のお湯を沸かすこともできたのよ。最高だわ。』 By 市場で古着を売っている女性 (食堂向けに配達後に市場近辺でゲリラ販売しています)

 (最近販売しているシケレニ市場の裏側)

こんな言葉をかけてもらえると嬉しくて涙が出そうになる時もあります。そんな瞬間を噛みしめながら一歩ずつ前進していきたいと思います。

 

新しい機械を使い始めて

6月上旬にAlibaba.comで買ったブリケットの形成機が到着しから3週間程度たちやっと生まれ変わったMacamanene(弊社ブリケットの名称 現地シャンガナ語でMacara ya manene 良い炭という意味)の販売が軌道に乗ってきました。

設定完了後、2週間目は製造スタッフが配合や新しい仕事の流れが掴めずに戸惑っていましたが、マネジメント側でテストをして仕事のルーティーンを作り実践してもらったところ、すぐに生産量が1日400キロ程度になりました。これまでの2.7倍です!現在の設備での目標は1日1トンですが、乾燥工程や原料調達や市場拡大と平行しながら少しずつ生産量を伸ばしていきます。

(機械作動初日の様子。作業に慣れておらずブリケットが超長くなってしまいました。)

 

新しい機械で作ったブリケットは圧縮度が高く、火力と持続時間が優れています。つなぎが少なくても固まるようになったので匂いと煙が減ったというメリットもあります。一方で密度が高いぶんだけ、同じ重さでも微妙に体積が少なく見えます。モザンビークの市場では肉や魚は量り売りしますが、豆や炭や塩や野菜は体積で値段が決まります。

馴染みのお客さん全員にフリーサンプルを配ったのですが、これまでと同量の新型ブリケットを持っていったところ『どうして量が減ったんだ』という反応ばかりでした。使用後は『すごく気に入った!火力も強いし持続時間も長いし最高だよ。』と皆さん言ってくれたのですが『でももっと量を増やして』という人ばかりで弊社側は『それじゃ定価割れだよ』となり堂々巡りの議論が続きました。その為、3週間目はフリーサンプルの感想を聞き、お客さんと話をすることに費やしました。体積が多く見える工夫をして、重量も少しだけ増やしたところお客さんにも受け入れてもらえて今は好調な売り上げを記録しています。

(弊社ブリケットを大袋で買ってくれているお客さんの台所。この食堂では火力の強い薪と弊社ブリケットを両刀使いしています。手前が弊社製品)

 

やはりお客さんが自社の製品に満足してくれている様子を見るととても嬉しいです。販売担当のアイレスさんもその気持ちは同じなようで、お金を超えたところにも仕事にやりがいを見出してくれている様子を頼もしく思います。

生産量と受注量が同時に増えているので大袋(40キロまたは80キロ)の販売も解禁しました。今日は大袋販売初日でしたが5袋売れました。これからは大袋も小袋も沢山売って、経常収支を黒字化して社員の給料を上げられるように頑張りたいと思います。

 

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