TOPISH Bakery No.88 ~濃厚ガトーショコラ~

ガーナのパン屋の石本です。

2019年の年末に、友人の協力を得て、ガーナのチョコレートを使ったガトーショコラの試作をしました。

ここ数ヶ月、パン以外の商品開発をしたい、出来れば付加価値が高く、ガーナで手に入るもので、食パンのように市場価格に引っ張られない商品がいい、と考えていたのですが、中々試作の為の時間が割けず、もやもやしていました。

そんな時、友人から、「時間空いているから、女の子たちと一緒にガトーショコラ試作してもいいよ」と有難いメッセージをもらい、即座にお願いする事にしました。

ガトーショコラのレシピと作り方を送り(いつもお世話になっている、日本の英知を結集した○ックパッド先生)、材料と機材を買いに行ってもらいました。今回は、CPCという政府系チョコレートメーカーが生産しているGolden Tree dark chocolateと、ガーナ人オーナーのNICHEというチョコレートメーカーが生産している72% dark chocolateを使って2種類のサンプルを作ってもらう事になりました。

女子たちは耳が聞こえない為、ホワイトボードに絵や説明を書いてもらい、身振り手振り一緒にガトーショコラつくりをやってもらいました。作っている最中に、何度も様子を写真で送ってもらい、女性スタッフからも「楽しい!」とメッセージが届き、また女性スタッフたちが、材料を量るときにちゃんと1gまでメモリを合わせようと慎重に計量していると聞き、意外とケーキ作りに向いているのかもしれないなぁと思い、進捗を聴きながらニヤニヤしていました。

友人から「単位がgじゃなくて、poundだった!1個目のサンプルはちょっと砂糖が足りないかも!」と連絡があったものの、出来上がったサンプルを食べた女性スタッフたちからは「美味しい!」とポジティブな感想が多かった為(一人だけ、苦い〜という感想あり)、これからサンプル作りと試し販売をしてみたいと思っています。

後日、私も冷やしたサンプルを食べさせてもらいましたが、濃厚滑らかなガトーショコラとなっており、とても美味しかったです。自分と女性スタッフで同じように作れるかわかりませんが、こんな感じの濃厚ガトーショコラが商品化出来れば、きっと興味を持ってくれるお客さんがいるのではないかと思うのでした(少なくとも、自分はまた食べたいと思ったので、きっと甘い物好きな人は買ってくれるのではないかと、、、)

いつも応援してくれる友人たちには感謝しかありません。

試作品食べたい、購入しても良いよ、という方がいたらご連絡ください。

よろしくお願いします。

TOPISH Bakery No.87 ~引越し2~

ガーナのパン屋の石本です。

4年半パン屋を営んできたPatasiの工場から離れるべく、新天地を求めて候補地探しに励んでいます。
1月末に出ていけと言われ、自分たちの中で1/25までには工場の清掃をして、全員工場を離れるように指示し、そのスケジュールに合うように急ピッチで色々な準備を進めています。
そして、来るべき土地オーナーとの戦いに備え、弁護士、警察、町内会長、Rent Control Officeにもそれぞれ根回しをしながら、対策を練っています。

5件あった候補地ですが、その内3件は、住宅用としてはいいけど、パン工場はNGとオーナーから拒否されてしまいました。そして、1件はこちらが急いでいる事を知り、値段を釣り上げてきた為予算オーバーとなりNG。実質的に残った1件は、うちのスタッフのご近所さんでした。

意外にパン屋に使える物件がなくて、探すのも一苦労

値段は許容範囲内で、家のサイズも十分、パン作りをしてもok!

リビングルームをリノベして、工房にします。

ところが、家賃は2年分前払いじゃないと貸せない、と。。。1年分の家賃は頑張ってかき集めたものの、2年分は流石にきつい涙

配送車両を2台置けるだけの十分なスペースあり

既に、現土地オーナーから半年分の家賃が帰ってこない事が明白な上、新しい工場の家賃を二年分前払いせよ、とは。1/25までには今の工場も出なければいけない、もしそれまでに新しい工場が見つからなければ、スタッフたちには一度実家に戻るか、知り合いの家に世話になっててもらうしかありません。

女性スタッフからも毎日のように、「パン屋は1月末でやめてしまうの?私たちの仕事はどうなるの?実家に帰っても仕事はないから、引き続き雇ってください。」と悲痛なメッセージが送られてきました。

1月中旬、マネージャーの結婚式があり、新しい工場候補のオーナーがお祝いに来てくれました。その席でスタッフたちがオーナーに

「1月末までに全額払うので、今は1年分だけ払って、とりあえず荷物と設備の移転をさせてください」

と、直談判し、とりあえず1/25までに新工場に全てのスタッフが移動できることになりました。ただ、マネージャー達も追加1年分の家賃の工面については頭を悩ませており、困った時の石本頼み、と

「頼むから何とかしてくれ!」

と嘆願してきたのでした。。。スタッフ12名(年末で3名卒業した為)の将来を考えると、何とかしなければと取り敢えず売れそうなものは売り、資金を作るように指示しました。

月末までに残り30万円。どうにか資金繰りを考えなければと思います。

TOPISH Bakery No.86 ~引越し~

ガーナのパン屋の石本です。

2020年1月末をもって、4年半事業を行ってきたPatasiの工場を離れることにしました。

きっかけは、クリスマス前に土地のオーナーからの金をよこせ、という要求を拒否したことに端を発します。

激怒した土地のオーナーは執拗にスタッフたちを口撃し、嫌がらせをしてきました。また、契約上、工場を訪問するには手紙で事前に伝えなければいけないにも関わらず、勝手に工場内に入り、スタッフたちが建物を汚し壊していると、土地・賃貸を管理している行政機関に申し立てをし、レターを送りつけてきたのでした。

「1月末に出ていけ、修繕費用として100万円支払え。」

因みに、こちらは1年分の家賃を前払いしており、1月末に工場を出る場合半年分の家賃を返済してもらわなければなりません。また、年間の家賃は40万円ほどで、100万円の修繕費は法外な要求です。

マネージメントからも、ここは中心地に近くて便利でいいけど、この土地のオーナーのストレスを考えると別の場所に工場を移した方がいいよね、という事になり、引越しを決めました。

友人の弁護士に今後の手続きについて相談し、次の物件が決まり次第土地のオーナーに対して正式に書面で回答する事を決めました。要求に応じ1月末で退去する旨、そして同時に半年間の家賃の返金を要求する旨を記載してもらう事にしました。半年間の家賃が返金されれば、そのお金でこちらが建物をリノベーションする事とし、返金がされなければ(おそらく使い切ってしまっているから返金される可能性はゼロに近い)リノベーションせずに工場を出る事にしました。

中心地から少し離れていますが、幸いにも工場に使えそうな家が何軒か見つかったので、現在家賃の最終交渉をしており、年明けと共に新しい工場との賃貸契約を締結し、土地のオーナーにレターを送る事になりました。

2020年は、新しい土地でパン屋をスタートし、事業の立て直しに努めたいと思います。

TOPISH Bakery No.85 ~対立~

ガーナのパン屋の石本です。

例年のクリスマス・シーズンは、生産量が通常の2〜3倍になる業務的な忙しさに工場はてんやわんやになるのですが、今年はまた違った問題で忙しくしていました。

長い事一緒にやってきた年長の配達員Eの売掛金の増加と、12月頭から生産チームに対する非協力的な姿勢が目に余る様になり、どうしたもんかと考えていた所、決定的な対立が起こってしまいました。

事の始まりは、配達員Eがいつも通り翌日配送分のパンの生産を発注したのに、翌日連絡もなく配達に来ず、そのまま1週間ほど仕事を休んだ事でした。家族に問題があり急遽実家に行っていた、というのですが、他のスタッフ達はパンを腐らせるわけには行かないと、彼の不在を穴埋めするために頑張ってくれていたのですが、特に謝罪するでも感謝するでもなく、しれっと帰ってきたのでした。

また、毎日配達の後に売上を持ってきてもらう約束になっているのですが、配達員Eは度々売上を持ってこず、その度に「売上金を持ってこないと翌日の配送分のパンは作らないからね」と石本から注意勧告していました。

配達員Eとの連日の問題に、マネージメントと生産チームのイライラは募り、ついに「売上金を持ってくるまでは、配達員Eの為にはパンを作らない」とマネージメントと配達員Eがぶつかりました。

配達員Eとは、コミッション制で仕事をしている為、販売するパンがないと配達員Eは生活費が稼げません。売上を持ってくれば良いだけの話なのですが、配達員Eは生産チームをしきりにグループチャット上で非難し、挑発し、いつまで経っても売上金を持ってこないのでした。また、その数日間、配達員Eは勝手に配達車両を工場から持ち出し、返さないという暴挙に出ました。

不穏な状況に、急遽パン屋に戻ってマネージャーとミーティングをしようとタクシーに乗っていると、マネージャーから配達員EとクビにしたはずのMが一緒にパンの配達をしているのを見た。取り押さえようとしたが車に乗り込んで逃げた、という電話がありました。

7月についで二度目なので、またこの展開か、と笑えてきました。

そこから先は、この状況で対処すべき事(優先事項としては、車を壊される前に回収する事と、望みは薄いが売上金を回収する事)とこの機会にどう会社組織を改善するかを検討しながら、警察への手配を進めました。

警察と連携を取りつつ、早朝6時に配達員Eの家に行き、車両を確保、そして配達員Eとの話し合いに臨みました。配達員Eの筋の通らない言い分や生産チームに対する身勝手な非難、そして無駄に高い自尊心などを目の当たりにし、こいつはもうダメだ、話すだけ無駄だな、と思い、その場でクビを通告し、後日警察と訪問する旨を伝えて帰ることにしました。

ガーナで雇用を作りたい、ガーナの人たちと一緒に何かやりたい、という思いを持って、問題があっても中々決断できずにいたここ数年と違い、この1年間でパン屋とそれ以外の仕事で多くのガーナ人の裏切りに会い、戦い、必要な決断をしてきました。非情な決断であっても、守るべき人・事の為に、自分自身がどう振る舞わないといけないかを客観視し、必要な手段を講じられるようになったのは成長なのか、諦めなのか。

来年からの体制についても、一通り整理がついたので、次回は2020年の体制について書きたいと思います。

TOPISH Bakery No.84 ~治安の悪化 ~

ガーナのパン屋の石本です。

クリスマス前後、クマシの街は電飾を飾ったり、お店ではクリスマス用の商品を飾ったりと、賑やかになり、人々もクリスマスモードでウキウキしています。

一方で、クリスマスシーズンは沢山お金が必要となる為、この時期は盗みや賄賂が横行する時期でもあります。

TOPISH Bakeryとは別に、私はトゥクトゥクをドライバーに貸し出したりもしています。以前、仕事を手伝ってくれていたオート3輪のドライバーが、こちらの仕事を頑張って応援してくれていたせいで失業したのをきっかけに、彼にトゥクトゥクを買い与え、毎週売上の一部を収めてもらっていました。

先週、クリスマスという事もあり、そのドライバーが地元に帰る間、友人のドライバーに私のトゥクトゥクを貸して営業してもらっていました。ここ最近、Uberのドライバーが強盗にあって売上金を巻き上げられたり、同業のトゥクトゥク・ドライバーが人気のない場所に連れて行かれて暴行&車両の乗っ取りにあったりというニュースがあり、自分たちも何か対策をしないとな〜と考えていました。

トゥクトゥクの輸入会社に、GPSで追跡できるデバイスを紹介してもらい、調達をお願いしていた所、昨晩Kofiから

「ドライバーが強盗に襲われて、今一緒に病院にきている。これから警察に行ってトゥクトゥクの捜索依頼をしてくる」

と連絡がありました。

まだクリスマスの余韻が残るクマシの夜に、2人組の男たちの客を乗せ、街の外れの方まで連れて行った時に、カトラスと呼ばれるナタで左手を切りつけられたのでした。ドライバーを突き飛ばし、痛みに倒れるドライバーをそのままに、2人組の男たちはトゥクトゥクに乗って逃げて行ったのでした。

クリスマスモードの警察の対応は適当で、Kofiも「正直、警察がトゥクトゥクと犯人を見つけてくれるかは期待できない」とネガティブなメッセージを送ってきました。

これからKofiは、ドライバーとその家族と盗まれたトゥクトゥクの補償について話してもらう事になっていますが、責任の所在・補償能力を考えると彼らに負担させるのは難しいし酷だなぁと思っています。(治療費がないというので、治療費もこちらで負担)

ガーナのクリスマス&ニューイヤーシーズンは、賑やかな一方で、治安が悪くもなるので、要注意です。

TOPISH Bakery No.83 ~全ての問題の原点~

ガーナのパン屋の石本です。

基本的に、日々のオペレーションはスタッフ達に任せており、石本の業務は問題が起った際の仲裁やトラブルシューティングとなります。ストレスフルですが、トラブルが起きないように日々状況を確認したり、進捗を報告させたりしているのですが、5年間パン屋をやってても毎日のように問題が起こります。

スタッフ間のケンカや、告げ口などは日常茶飯事。生産日なのに一部のスタッフが連絡もなしにチャーチのイベントに行って帰ってこない、生産と配達のdaily reportを報告するように言っていたのに3日経つと報告を忘れる、配達車両が壊れたから他の配達員の車を借りたいと言ったら無視されパンが腐りそうだ、と、毎日何かしらの電話やメッセージが届きます。

毎日諸々の問題解決のために指示を出しているのですが、もう少しスタッフで考えて自分たちで解決して欲しいなぁと思いつつ(5年前に比べれば格段に進歩しているけど)、なんでこんなに日々問題が起こるのだろう、と根本的なところを考えて見ました。

すると、どの問題も全てスタッフ間のコミュニケーション・連携不足による不信感に起因するものと思えてきました。ずーっと、しっかりと連携するように、コミュニケーションを取るように、と機を見ては伝え、そしてお互いに腹を割って話せるようにと場を用意するのですが、未だにガーナ人同士の関係性や協調性については理解する事が難しく、日々どうしたら良いマネージメントができるのかと、頭を悩ませています。

入社歴、年齢、役職、職種、派閥、指示系統、立場(誰が誰より上で、下かなど)などを非常に気にするので、「一緒に仲良くやろうぜ!」では上手くいきません。誰を上に立たせ、誰の指示が優位なのかを明確にしないと言うことを聞かないので、定期的に役割や指示系統を明確にしているのですが、年齢が若くて優秀なやつを上にすると、それはそれで年上の連中が文句をいうので堪りません。そんな時は、若いマネージメントの話を聞いてくれるように、石本自らが電話し、マネージャーの話を聞いてやってくれとお願いしていきます。

今日も、ある配達員の車が壊れたので誰かから車両を貸りる必要がある、という問題があり、マネージャーが年長の配達員にお願いした所、

「マネージャー頼み方が気に入らない、いつもは全然supportiveでもないくせにこういう時だけ頼みに来てなんなんだ。配達できなくてパンを腐らせるのはその配達員の責任で、俺には関係ない。俺だって一個だって多くのパンを売らなきゃ行けないんだ」

と、揉めた為、マネージャーから電話が掛かってきました。マネージャーと車を壊した配達員と年長の配達員にそれぞれ電話し、事態の収拾を図りました。困った時に助けてもらえるように、日頃からちゃんとコミュニケーションをとって、助けえる下地を作っていけるといいのですが、中々上手くいきません。友人のガーナ人からは、

「ガーナ人スタッフの自主性に任せようなんて石本のマネージメントは夢物語のようだね。事業を成功させたいなら厳しいマネージメントを上において、徹底的に力で管理する仕組みを作らないとダメだよ。」

と言われ、レバノン人の友人からも同様のアドバイスをもらいました。

難しいとわかっていても、常にパン屋で一から十まで管理していく事は現実的ではないので、スタッフ達で上手く調整していけるように関係性を改善していけるように努力していこうと思いました。

ガーナ人スタッフ同士の関係性改善というテーマで、取り組んで見たい稀有な方がいたらご連絡いただけたらと思います。

TOPISH Bakery No.82 ~次なる策を~

ガーナのパン屋の石本です。

日々、色々な問題があるものの、クリスマスに向けて売上も順調に上向いてきました。また一月にどーんと売上が下がることを考えると、出来るだけ12月中(特にクリスマスの1週間前後)に1月・2月分くらいまでの利益を先取りしたいところです。

さて、石本の体重と為替は順調に右肩上がりの傾向にあり、なんと最近ではUSD1=GHS5.7までセディ安に振れてしまいました。小麦粉にマーガリン、砂糖など全ての原材料が輸入品であり、またガス代やガソリン代なども為替に応じて高くなる為、再度のコスト増が濃厚となってきました。

全く、どうやって他社は利益を出しているのか、不思議でしょうがないのですが、他社のことを考えていても仕方がないので、今後どうしていくか検討していくことにしました。

ガーナの中でも、クマシという第二の都市でパン屋をやっていく場合、どうしても大きな市場は一般ガーナ人向けのお土産&日常食用の食パンとなります。以前、食パンの販売だけでなく、カフェ的なものを作ろう、と動いた事もあるのですが、クマシで唯一と言って良いStarbite Caféですら、人はまばらで殆ど入っていない様子。アクラでならまだしも、クマシでは時期尚早と判断し、別の方向性を探す事にしました。

食パン@クマシ、という軸で動こうとするとどうしても今の価格競争に巻き込まれる為、全く異なる軸を探そうと思い、現在はレストランやホテルに卸せるもの、また外国人に手に取ってもらえるようなものを作っていけないかと考えています。

そこでまず思いついたのが、私の結婚式の引き出物でもお世話になったケンズカフェ東京(https://kenscafe.jp/)さんの特撰ガトーショコラ。兎に角美味しい、濃厚、まだ試した事のない方は是非一度トライしてみて下さい。幸せな気持ちになれます。

という事で、折角ならカカオの産地でもあるガーナで、カカオベースの商品を作れないかと模索しています。とはいえ、ガーナのカカオ豆はCOCOBODという政府機関が一括して取り扱いしている為、TOPISH Bakeryの様な小さい会社では取引が難しい為、ガーナ国内で加工している業者からカカオマスやチョコレートを買わせてもらうべく、これからアプローチしていきたいと思っています。

他にもカカオ・チョコレートベースでオススメがある方は、是非石本までご一報ください!

TOPISH Bakery No.81 ~土地探し~

ガーナのパン屋の石本です。
ここ五年程同じ場所でパン屋を営んでいますが、いい加減土地のオーナーとのいざこざが耐えないので、来年6月頃を目処にこの物件から出ていきたいな〜と考えている今日この頃です。

ガーナ第二の都市、クマシも土地価格の上昇が甚だしく、1plotで数千万円するようになってきました。

この値段では弱小パン屋は賃貸でも精一杯です。一方で、クマシの郊外に出るとまだ土地が安く手に入ります。

今までは、自分が長い時間パン屋で過ごしていたので、クマシ市内がいいなぁ〜と探していたのですが、とても手が届かないレベルでした。ただ、自分たちのお客さんたちは、地方に行く道路沿いに多く、クマシの中心地の工場を置く必要はないよね?という結論に至りました。

であれば、高いお金を払って工場となる家を買い取るよりも、自分たちで土地を買って、切り開いて、工場を作る方が面白いんじゃないか、と思うようになりました。幸いにも、ずっと一緒にパン屋をやっているKofiの叔父が5年前に購入した土地があり、その土地を売ってもらえる可能性が出てきた為、今日はその土地を見に行ってきました。

クマシからトゥクトゥクに乗る事30分。Kuffor元大統領の地元にほど近い大きな土地に到着しました。

「5年くらい放置していたんだよね〜」

というKofi。知らない人たちが、オレンジの木と、メイズを植えていました。

とりあえず、端から端まで歩いて土地のコンディションを確認し、どこにどんな感じで宿舎と工場を立てるのがいいかを話し合いました。

その後、Kofiはおもむろにオレンジ畑の中に入り、オレンジを収穫し始めました。

「見たところ、収穫にもきてないし、うちの土地を無断で使ってオレンジを育ててるから、もらってしまおう」

と木に登りはじめ、20個ほどオレンジを持って帰っていました。

帰りに、偶然オレンジの木のオーナーにあった為、事情を話し、将来的にパン屋をその土地でやる場合には、オレンジの木を抜くか売るかするように話していました。

クマシの中心地からはちょっと遠いですが、近隣には田んぼやカカオ畑などもあり、色々な取り組みができそうなので、是非この土地を前向きに検討できたらと思っています。

工場の建設費用の捻出が問題ですが、まずはワクワクする方向に一歩踏み出して見たいと思います。

TOPISH Bakery No.80 ~小さな幸せ~

ガーナのパン屋の石本です。
日々大変な事の中にも、小さな幸せがあるもんで、その瞬間に救われている自分がいます。大きなインパクトがなくたって、誰かが自立したり、結婚して家庭を持ったり、そういう時間を一緒に過ごせていることに小さな幸せを感じています。

ここ一年、パン屋を牽引してきてくれているManagerのNana Yawの結婚が決まりました。未来の奥さんも紹介してくれ、来年1/19に結婚式を挙げるそうです。出張の可能性がありますが、出来れば結婚式に参加したいと思います。

また、5年間ずっと一緒にパン屋や米事業を担当してくれているKofiも結婚予定で、7ヶ月後には赤ちゃんも生まれる予定です。今朝、奥さんを連れて挨拶しにきてくれました。奥さんと子供の為にも、さらに頑張らないとね、と発破をかけておきました。

流石に2連ちゃんの結婚式は金銭的にも辛いものがあるのですが、彼らの一世一代のイベントなので、できる限り応援したいと思います。

また、7月に独立したAbrafiから、頑張ってるよ!というメッセージをもらったので、Kofiと一緒に訪問してきました。2年間、独立のために資金を貯めていたAbrafi。最後に足りない資金を提供し、9月から念願の自分の店を構える事になりました。若干資金が足りなかった為、オーブンを作っているメカニックに1万円ほど借金していたのですが、それも無事返済し、「来月からは石本に借りた分の返済もするからね」と嬉しいコメントもありました。

Abrafiは、Susuという貯金協同組合に参加し、毎日毎日100〜200円ずつ貯金しているのでした。そのノートを見た時に、嬉しくて泣きそうになりました。ちゃんと頑張ってるんだなぁと、とても感慨深くなりました。

Abrafiの作ったパンを買いたかったのですが、その日は売り切れてしまっていた為、彼女が焼いたクッキーを全部買わせてもらいました。また、このクッキーが素朴で美味しかったので、また注文したいと思っています。

今、TOPISH Bakeryのスタッフで2人ほど独立して自分の事業を持ちたいという女の子がいる為、その二人についても応援していきたいと思っています。TOPISH Bakeryはパン屋ですが、ここで培った人間関係・信頼により、スタッフたちは各々やりたい事業で独立していきます。パン屋で働いていたって、将来やりたいことは違う事の可能性があるし、それでいいと思っています。これからも皆んなが卒業して、自分ビジネスを作っていってくれることを楽しみにしています。

TOPISH Bakery No.79 ~工場問題再び~

ガーナのパン屋の石本です。

日々色々あるので、最近は色々な感覚が鈍って来ている気がします。図々しく、適当になって来ており、日本人としてのきめ細かさなどが徐々に消えつつあるように思います。どうか、日本人としての「当たり前」を期待しないで頂けると幸いです。

さて、前回投稿にあった、土地のオーナーからの嫌がらせですが、やはりその後次なる一手がきました。

事の経緯は、10月頃に土地のオーナーからうちのスタッフに、「(クリスマス前でお金がないから)家賃2ヶ月分を貸せ。」と迫って来た事に始まります。

家賃はすでに一年分(8月から)前払いしており、また、こちらとしても来年どうなるかもわからない状況なので、ここで家賃2ヶ月分を渡して、追加で2ヶ月賃借期間を延長するのもあまり得策ではなかった為、事業の状況が良くないので、現在貸せるお金はない、と返答したのでした。

その事に腹を立てた土地のオーナーは以下添付のようなレターを送りつけて来たのでした。

敬われるべき年長者がローンをお願いしているのに断るなんて!
外国人で金持っているくせに!
俺が家を貸してやってるから事業ができるんだろう!
汚く使いやがって!(経年劣化です。ローンの話の前には言ってなかったじゃない。)

きっと色んな思いがあるのでしょう。

最近は平穏無事で過ごせるように、2〜3ヶ月に一回挨拶に行ったり、ウィスキーを買って行ったりしていたのですが、このおじいちゃんオーナーは自分の思うように物事が進まないと騒ぎ立てる習性がある様です。

今回もうちのマネージャーから、「またオーナーが手紙持って来たよ。石本どうする?」とメッセージがきた為、

「どうしたらいいと思う?出ていかないとダメなら廃業しないとだね〜。1月末まで待ってくれるらしいし、クリスマスに一稼ぎして、出て行くか?残りの前払いした家賃を返してくれるかな〜。」

とマネージャー達に送ると、翌日

「町内会長に根回しに行って来たのと、友人の弁護士にアドバイスをもらって来た。今回のケースでは、土地のオーナーは賃借人を追い出す事はできないし、俺たちは前払いしているので契約期間満了まではこの工場を使うことができるって。無視してもいいらしいけど、また騒がれると面倒だね。」

との事だったので、友人の弁護士にレターを書いてもらって、こちらからも土地のオーナーに返答する事にしました。基本的に、内容やどのように交渉するかは、マネージャーたちに任せる事にしました。

一方で、Kumasiの中心地から少し外れる場所に、工場と宿舎として十分な大きさのある家を見つけて来たという事だったので、将来的なことも考えて、来週一緒に時期工場候補地を見に行く事にしました。

現在聞いている値段は、土地と建物つきで約300万円。修繕と工場移転費用を考えると350万円ほどは必要になるのではないかと思われます。

これだけの資金を準備する当てがあるわけではないのですが、とりあえず物件を見てみて、自分がその物件を購入してパン屋を継続している絵が見えるか、確認しに行こうと思っています。

クリスマスに向けてか、少しずつ生産量も販売量も回復して来ており、また売掛金管理を厳しくしたこともあって、収益性は改善して来ているので、もう一踏ん張りしたいところです。

1 2 3 9