TOPISH Bakery No.52 ~賃貸更新~

ガーナのパン屋の石本です。
最近、土地のオーナーと仲良しになって来ました。毎日私たちのビジネスを暖かく見守って(監視して)いるオーナーに手を振って挨拶してから外出するのが日課となって来ました。

さて、新体制となり、新しいマネージャー達にはせっせと色々タスクを与えていますが、少しずつ良い方向に機能しているように見えます。もう、旧マネージャーたちがいた時の様に、彼らを言い訳に出来なくなり、自分たちで数字の管理や生産・配達の改善について話し合いをする様になって来ました。

先日も、土地のオーナーとの値段交渉を控え、マネージャー達に翌日のオーナーとのアポイントの取得をお願いしました。2018年は1600ghs/月であり、オーナーからの要求は2000ghs/月程度であると思われた為、1800ghs/月を落とし所に交渉しようと考えていました。

すると、その夜、マネージャーの一人から

「オーナーと交渉して来て、16,000ghs/年でokもらって来たぞ!」

と連絡があり、昨年よりも安い値段で契約更新をまとめて来てくれたのでした。

オーナーからは「明日には振込め!」と要求があった為、身の回りのお金をかき集めて指定された口座にすぐさま振り込みました。これで取り敢えず後一年はこの場所で頑張ろう、と気合いを入れたのも束の間、オーナーが「口座番号間違えた!こっちにすぐ送り直せ!」と怒鳴り込んで来ました。

焦るマネージャーに、「口座番号と名前が一致してなければ、返金されるから、返金されたら正しい口座に送り直すから大丈夫だよ」と伝えるも、毎日の様に「入金はまだか?」と取り立てに来るオーナーにマネージャー陣もタジタジでした。

その後、オーナーが持って来た契約書を見ると、16,000ghs/年で合意したはずの家賃が、19,200ghsとなっており、どうした事か?と確認すると、オーナーが1600ghs/月と言った家賃を、マネージャーが16,000ghs/年と勘違いしていたとの事が発覚。追加で3200ghsを払わなければいけないものの、現金が手元になかった為、2ヶ月間待ってもらう事になりました。(16,000ghsが3日後に振り込まれてからは土地のオーナーもご満悦)

色々、脇がまだまだ甘い新マネージャー達ですが、自分たちでパン屋を回していこうとする姿勢・成長が少し見えて来て嬉しい限りです。他にも生産ロスの対処、販売スタッフの売掛金回収についても積極的に対応する姿勢を見せており、経費削減・キャッシュフロー改善にも取り組んでいます。

金曜日からまた暫くパン屋を空ける為、自分達でちゃんと事業を管理できるのか楽しみです。

TOPISH Bakery No.51 ~新しい取り組み~

ガーナのパン屋の石本です。

有難い事にうちのパン屋には短期長期を合わせて1年間で9名のインターンが来てくれました。

大体いつもパン屋のスタッフ任せで放り込むか、石本の無茶振りに翻弄されているインターン生達ですが、現在もインターン生の中村さんが頑張ってくれています。

今回、売掛金の回収問題というテーマで論文を書くために、うちの販売スタッフ達に同行調査している中村さんですが、2回目のガーナという事もあり、いつも通り放置プレイで頑張って頂いているわけですが、4月の若手クーデター事件以来、色々サポートしてもらっており大変助かっています。

若手スタッフへのデータインプットの指導、そして各販売員の記録の取り方の違いの指摘など、石本不在時に中村さんが奮闘してくれたお陰で、繋ぎとめられた部分は非常に大きかったと感じています。感謝です。

毎朝6時前から配達に出ている中村さんですが、お昼すぎに配達が終わると工場に帰ってきて爆睡している姿をよく見ます。いつもお疲れ様です、と心の中で労いの言葉をかけ、そして

「頼みたい事があるんだけど、、、」

と、ブラック企業さながらのタスクを送りつけます。

今回のタスクは、聴覚障がいを持つ女の子(Cynthia)と一緒に、カフェ的なものを立ち上げてください(インターン残り時間1週間程度)。

早速、Whatsappでやり取りを始めるも、Cynthiaがカフェ的なものがイメージできていない事がわかり、

「中村ちゃん、Cynthiaと旦那さんを連れて、ローカルのカフェとイケてるカフェを巡ってらっしゃい!」

とクマシ市内の幾つかカフェ巡りをしてもらってきました。

カフェを巡る中で、Cynthiaと旦那さんは、おしゃれなカフェは良いけど、この値段設定じゃ一般人には高すぎるよ!と、カフェのイメージを掴みつつ、かつ問題点も理解した模様。

一般のガーナ人も楽しめる様なカフェはどんなものだろう、どんな食事を幾らで提供したらいいだろう、コストはいくら位かな、1日に何人のお客さんが来たら十分な利益が上がるだろうか、そんな事を筆談で静かだけど熱く議論していました。

Cynthiaがサンドウィッチとフレンチトーストを知らないという事で、中村さんと後日試作してもらう事になりました。石本はもちろん試食役。出来上がった頃につまみ食いしにくるだけですが、サンドウィッチもフレンチトーストも美味しく、他の朝食屋さん(卵焼きをパンに挟んでいるだけ)との差別化にもなりそうな出来栄えでした。ガーナ人スタッフからの評判も上々だったらしく(フレンチトーストは美味しかった為、自分たちで全部食べてしまった様)、今後の展開が楽しみです。

個人的には、色々な具材のサンドウィッチが食べれるお店を試して見たいと思っていたので、これからCynthia達のCaféを一緒に盛り上げていけたらと思っています。もう少しメニューを検討した上で、6-7月頃にオープン出来ると良いな〜と思っています。

いつも、スタッフ、インターン生、協力隊やガーナ在住の日本人の皆様に助けてもらってばかりで、どう御礼をしていいかわかりませんが、クマシにお越しの際には是非TOPISH Bakeryにお越し頂ければと思います。焼きたてのパンくらいしかありませんが、是非お立ち寄りください。

TOPISH Bakery No.50 ~変化~

ガーナのパン屋の石本です。

飲みニケーションから帰って来てから思うままに書き綴っていますので、乱文かと思いますがお付き合いください。3週間ぶりにパン屋に帰ってきました。

やっぱりクマシは落ち着きます。自分の部屋、スタッフ達、ご近所さん、行きつけのご飯屋さん、アクラの楽しさとはまた違うガーナの良さがクマシにはあるな〜と感じます。

5/10で、ガーナで最初にパンを作り始めてから4年が経ちました。当時10代後半だったガキンチョのスタッフ達もいつの間にかしっかり経営や調達にモノを言うまでに成長しました。色々摩擦はありましたが、世代交代の時期だったのかもしれません。

新体制では、事業の核は23-25歳の若者達が担います。そして、今まで経営全般を担っていた30台のマネージメント陣は退き、主にサポートと営業サイドを担う事となりました。若手スタッフ達も悪戦苦闘しながらも、今までマネージメントが苦労していた事を少しずつ理解し始めた様です。(コメントを聞いていると、「そうそう、今までマネージメントは君たちに同じ事をずっと言っていたんだよ」と思う事があり、ニヤニヤしてしまいます)

若手達は飲み込みが早く、新体制化で早くも結果を出し始めました。役職と責任は人を育てると聞きましたが、ここまで変わるものかと、驚くくらい業績が改善しまじめました。毎日、新しいマネージメントとは1-2時間、経営に関するディスカッションをする場を持つ様にし、彼らが自ら答えを導き出し行動を起こす様に働きかけています。

毎週水曜日は掃除と草刈りの日。石本はヘタレすぎて戦力外通告。

4月のどん底から後は這い上がるだけ、と言わんばかりに次々と打つ手が明確となり、スタッフ達にも自信が垣間見えてきました。これから暫くはスタッフ達のトライ&エラーを見守りたいと思います。

そして、今晩は、over 30sで近所の飲み屋で飲んできました。

4年前にパン屋を始めた時は売れなくて大変だったよね、ちさとは最近何してんだ、インターンの子達はどうしているかな、NYのT子さんと路肩でパンを売ったのは楽しかったね、俺実は2歳になる娘がいるんだ(急なカミングアウト)、あ、俺も実は最近男の子が生まれてさ(芋づる式カミングアウト)、なんて話をダラダラ飲みながら話している時間がとても幸せで、パン屋は儲かってないけどパン屋をやっててよかったなぁ〜と思う時間でした。

「石本、股関節柔らかくない?俺脚組めないんだけど。」とKofi以外もみんな足組めず。これってうちのスタッフだけなのか、、、?

Over 30sは30sで若手に思う事が沢山あるけど、暖かく見守って彼らに任せて行こうぜ、と言う事でまとまりました(たぶん)。今までいがみ合っていた関係から、これからは支え合い、協力しあう関係に向かうのでは、と感じる夜でした。

明日は、聴覚障害を持つ女の子の一人が独立してパン屋をやりたいと言う事で、ご家族と面談をしてきます。今、パン業界はとても厳しい状況ではありますが、彼女はこの2年間お給料を貯め、家族からサポートを受けて独立の準備をしてきました。

独立の希望をこの3月に打ち明けられてから、どの様に彼女をサポートできるか社内で話し合い、資金的な援助の他、レシピの提供、材料調達先の紹介、経営指南、販売サポートをする事となりました。ちゃんと彼女の事業が立ち上がるまで応援していきたいと思います。

TOPISH Bakery No.49 ~新体制~

ガーナのパン屋の石本です。 一難去ってまた一難。今は生まれ変わりの為の変革の痛みと思い受け止めています。インターンの中村さん、青年海外協力隊の皆さんにとても助けて頂いています。


新体制発足後、3日で事件がおきました。 生産チームと一緒に事業を管理するはずだったマネージャーのAugustineが、生産マネージャーのBrightと喧嘩し、辞職する事になりました。


「俺、もう仕事こないんで給料はMobile Moneyで振り込んで下さい。尊敬もUnityもない、ストレスフルな環境でもうこれ以上働けません。」
そうメッセージを送った後、月末まであと1週間ほどあったのに、急に仕事にこなくなりました。


Augustineには材料の在庫管理や売上管理・エクセルへのインプットという大事な仕事を任せており、データ入力をする事をパン屋継続の条件としてい為、これはいよいよもうダメか?と思い始めました。


生産チーム・配達チームのスタッフ達は今まで何度も
「俺たちにインプットの仕方を教えてくれたら、自分たちでやるから任せてくれ!」


と言いながら、一切学ぼうとしてこなかった為、彼らがこの機に変わる事は難しいかなと思っていました。その為、スタッフ達には
「自分たちが喧嘩してAugustineが仕事を辞めてしまったのだから、自分たちでデータ入力を出来ないのであれば4月末でTOPISH Bakeryを止める!仕事を続けたいのであればデータインプットをしてExcelを送るように!」


と何度も伝え続けました。勿論、データインプットなどした事ないスタッフ達は焦り、事業を継続するために、日々の売上データなどを紙に書いて写真で送ってきたり、Whatsappにベタ打ちでデータを送ってきたりしましたが、全てNo!!と受け取り拒否しました。


その内、配達チームのNana Yawという一番実直で真面目なスタッフが、
「俺がインプットをするから、やり方を教えて欲しい」


とメッセージを送ってきました。Nana Yawは売上・売掛金管理も一番しっかりしており、忍耐強く真面目で責任感も強いスタッフである為、彼に最後のチャンスを託す事にしました。


石本がパン屋を離れている期間中だった為、インターン生で配達チームのサポートをしてくれている中村さんと、学校でPCを教えている青年海外協力隊の皆さん(たまたま良いタイミングでパン工場見学に来てくれる事になっていた為、急遽無理なお願いをしました)にお願いし、Nana YawへExcelの使い方を教えてもらう事になりました。皆さんの助けに感謝です。


3月末にAugustineがパソコンを落としてから、モニターが壊れてしまい、今はテレビに繋いでインプットするようにしています(もし使わないパソコンがあれば寄付して頂けると有難いです!)


中村さんからも協力隊の皆さんからも、Nana Yawは頭も良く飲み込みが早い!と報告をもらい、徐々にですが信頼できる数字をインプットできるようになって来ました。そして、2週間経つ頃には在庫管理・売上管理・現金管理ができるようになり、今までのマネージャーとのやりとりと遜色ないレベルまで事業について理解するようになってくれたのでした。


正直、今の生産・販売チームでは管理が難しいと諦めつつあったのですが、この嬉しい誤算には希望を感じ、再度新体制での立て直しに明かりが見えて来ました。


引き続き、材料費高・市場の過当競争など厳しい面がありますが、5月中には内側のゴタゴタを解決し、外との戦いに生き残れるように新体制を強固なものにしていきたいと思います。
来週には土地のオーナーとの値段交渉が待っているので、また胃が痛くなりそうですが、早々に決着をつけたいと思います。

TOPISH Bakery No.48 ~Fight~

ガーナのパン屋の石本です。 パン屋という小さい組織の中でも渦巻く思惑と昼ドラの様な問題の連続に辟易していましたが、この5年間の生活の中で幾度となく「もうダメだ」という場面を経験してきた事から、腹が決まれば持ち前のねちっこさで再び立ち上がって次の行動に動けるタフさが身についてきた様です。


生産チームとマネージャー達とのミーティングがうまく行かなければパン屋を閉じればいい、と腹を括ってからは頭がスッキリし、「なぜ生産チームはここまでマネージャー達を毛嫌いするのだろうか?生産チーム主体で自分たちがマネージメントできる形で経営できたら何か変わるんだろうか」と考え、ミーティングではいっそ双方を焚き付けて腹の中で思っている事をぶちまけさせてみようと考えました。


基本的にはガーナ人スタッフ達は年長者を敬い、不満があっても直接文句を言うことはありません。大体の後で個別に告げ口しにきたり、メッセージを送ってきたりしますが、自分が年長者を非難していたという事実を他者に知られる事をひどく嫌がります。その為、このアイデアを実行するには、自分自身が感情を爆発させて役者にならなければいけないと思いました。


2時間に及ぶミーティングの中、最初はマネージャーから土地のオーナーとの会議の結果報告があり、生産チームが言っていた「マネージャーが辞めないと工場を継続利用させない」というコメントが捏造だった事が明らかにされました。生産チーム達はバツが悪そうに俯いていましたが、ポツリポツリとマネージャー達の今までの問題点・不満について語り始めました。


ただ、それが本心ではなく、腹の中で思っていることの半分も言ってないことは明白でした。「オーナーがそう言っているなら、今まで通りマネージャー達がビジネスを管理すればいい」そう投げやりに答えてミーティングを終わらせようとする生産チーム。その態度に遂に堪忍袋の緒が切れた(半分本気)石本がまずは感情剥き出しで生産チームと販売チーム(半分とばっちり&日頃の不満をついでにぶつける)にブチ切れました。


そこからは、マネージャーも生産チームも石本もストレートな物言いで相手を非難する言い合いになりました。生産チームは、今までの会社のロスはマネージャー達の管理ミス・不正・無関心が引き起こしたものであり、このまま責任感のないマネージャー達が居座るのであればパン屋が黒字化する事はない、生産の大変さを担っている自分たちにマネージャーの仕事を任せて欲しいとぶちまけました。


マネージャー達は、パンの質・生産ロス・売上や経費などに全く関心を持たず、利益が出なくても給料がもらえると思っている生産チームの怠惰・無関心を非難し、また生産チームのスタッフには管理能力がないと非難しました。そして、マネージャーの一人のKofiは全てを言い切った後に、「自分がうまく生産チームとやってこれなかった原因であるならば、自分が身を引く。」と泣きながら辞意を表明しました。


Kofiには元々別の事業の手伝いと2足のわらじを履いてもらって頑張ってもらっていた為、その後Kofiには別事業の専任となってもらう事となりました。また、データの管理はTOPISH Bakery継続の為の肝である為、生産チームが全ての責任を持ちつつ、もう一人のマネージャーのAugustineが記録をつける係として残ることになりました。(ただ、Augustineもこの生産チームのやり方には不満が募っており、後々別の問題が起こる事に)


こうして、生産チームのクーデターを認め、生産チーム主体の事業体制への移行が決まりました。そして、その日の夜、私は色々な複雑な思いをお酒で流し込むべく、飲みに飲みました。


翌日、二日酔いでグロッキーな中、マネージャー達に連れられて土地のオーナーに挨拶に行きました。本来なら顔も見るのも嫌な相手ですが、今はそれ以上に二日酔いがひどく、酒による胃のむかつきの為、神妙な面持ちでオーナーの話を聞いていました。


「お前達は土地のオーナーである私を無視している、尊敬していない!私の家はお前達のせいでゴミだらけ、草ボーボーとなっていて、知らない若造(スタッフの友達など)達が出入りしていて、何の規律もない!こんな会社に家を貸せるか!」


と、一気にまくし立てた土地のオーナーはいつも反抗的な石本が今日はやけに静かに話を聞いており、オーナーの言う通りだと相槌を打っているのを見て、急に態度が変わり


「だが、君がガーナの為にやってきてくれたこともわかっているつもりだ。君がパン屋をやめたらあの若者達の働き口が無くなることも理解している。ただ、君はもっとスタッフ達をしっかり教育しないといけない。あの若者達と仕事をする事は簡単な事じゃない、私は君達が心配なんだよ」


と優しい物言いになりました。 二日酔いの体調不良により、一刻も早くその場を辞退したかった私は、

「オーナーの仰る通りです。今までの私たちの態度を改め、これからは色々相談させて頂きたいと思います。どうかこれからもご指導下さい」

と握手を求めました。その態度に満足したオーナーは


「今日は、体調も悪そうだし、忙しいようだから、工場の賃貸継続の話は5月にまたしよう。継続して使えるように前向きに検討するから安心しなさい。家賃は、よく考えておくよ」


二日酔いのおかげで、土地のオーナーとの仲が今までよりも近くなり、共に歩み寄ることができた様な気がします。(二日酔いも悪いことばかりじゃない。)

TOPISH Bakery No.47 ~企み~

ガーナのパン屋の石本です。
土地オーナーとの早朝攻撃から数日、社内でも様々な動きがあり、先が見えない状況に流石にちょっと参ってきました。


まず、最初検討したのは、もういっそパン屋を辞めるか、という事でした。マネージャー陣の反応は、それも一案と納得の様子も、生産チームは絶対継続の構え、聴覚障害を持つ女の子達は半分は継続・半分は「別の仕事を探すのに時間かかるから早めに言ってね〜」といった様子。


次に検討したのは、パン屋を生産マネージャーに譲渡すると言うものでしたが、彼に一任した場合、パソコンも使えず生産・販売・会計データ管理も出来ない事が目に見えている為、最善策ではないと考え直しました。


その後、生産チームから、「俺たちが土地のオーナーと交渉してくるから、工場の利用がokだったら継続してくれ」と申し出があり、彼らが交渉に向かう事となりました。


2日後、生産チームが土地のオーナーとの交渉が上手くいったと報告にきました。ただ、彼らが言うには、「賃貸を継続しても良いが、マネージャー二人と配達員1人の合計3名が工場から出ていく事が条件だと言われた。彼らは、土地のオーナーからの呼び出しも無視し、彼に対してrespectをしていないから、彼らが工場に残るならこの話は無しだと言われた」と言うのです。


土地のオーナーが他人の会社の人事に口を出すとは何事か、と頭に血が登り、そんな条件飲めるか!と生産チームを追い出しましたが、その後マネージャー達と話し合いをし、原因がマネージャー達の態度にあるのであれば、ちゃんと謝りに行けば賃貸継続の可能性もあるのではないか、と言う結論になりました。


ここ数年、冷戦状態だったオーナーとマネージャー陣。その日の夕方、2時間ほどのミーティングをしてきた後、電話で驚くような内容を報告してきました。


「石本、オーナーと話してきたが、オーナーは継続の条件としてマネージャー達が工場から出て行く事、なんて一言も言ってないし、寧ろ生産チームの連中が、これから石本がマネージャー達をクビにするから今後は自分たちがちゃんとオーナーの対応をします、と言ったらしい。配達員のスタッフに限っては、オーナーは名前すら知らない。おかしいと思ったんだ、、、」


生産チームがこの機会を使って、普段から折り合いの悪いマネージャー達を追い出そうと画策した事がわかりました。何とも複雑な思いを抱えたまま、生産チームとマネージャーに翌朝石本の部屋に集合するように伝えました。その日の夜は、今後どう進めて行くべきなのか、全く方向性が見えず、頭の中で色んな考えや感情がぐちゃぐちゃになって中々寝つけませんでした。

TOPISH Bakery No.46 ~退去勧告~


ガーナのパン屋の石本です。 久々にパン屋に戻って来たその日に、不在中にあった色々な問題をマネージャー達に聞かされ、頭がいたいな〜と思っていたのも束の間。 いきなり工場の土地のオーナーから退去勧告が。全ての問題がどうでも良くなるような衝撃でしたが、前向きに捉えていこうと思います。


さて、もう今の工場でパン屋を始めてもうすぐ4年が経ちます。 敷地内の小さなスペースと、ミキサー&ローラー&オーブン一個ずつで始めたパン屋も今では屋根を拡張し、倉庫を作り、少しずつ生産能力に合わせて投資をして来ました。


中心地にもアクセスしやすく、大通りまで徒歩3分、近くにはKIOSKやご飯屋さんが色々ある為、ロケーション的には申し分なく、この場所が好きなのですが、どうしても土地のオーナーとは折り合いが悪く、いつかは引っ越したいと考えていました。


土地のオーナーはずっと向かいの家からこちらの動きを監視しており、スタッフ達が友達などを連れて来ると怒鳴り込んで来たり、草が伸びて来ると「お前達の金で草刈りをしろ」と騒ぎ散らしたり、「俺は土地のオーナーなんだから、パンをよこせ」と勝手にパンを持っていったりします。


今回、7月末で一年間の契約が終わる為、土地のオーナーとしてはこの機会に①家賃の大幅な値上げをしよう、②1年分の家賃の前払いではなく、2年分を搾り取ってやろう、と考えた様で、その伏線として退去勧告書を持って来たのでした。


通常、私は土地のオーナーと顔を合わせたくないので、自分は居留守を使い、スタッフに契約系はお願いしていました。しかし、オーナー的には気に食わず、石本と直接交渉をしたい、と言う思いが強かった様で、居留守を使えない朝6時前に無断で工場に入り突然私の部屋をノックして来たのでした。


「ここでパン屋が出来なくなったら、困るだろう。断れまい。」と言わんばかりに、ニヤニヤしながら書類を渡してくる土地のオーナーは、「もしこの書類の内容が理解できなければ説明してあげるから、一人で私の家に来なさい」と言い残して去って行きました。


早速マネージャー達を集め、いくつかの対策・選択肢を検討する事にしました。これから2ヶ月ほどで新しい工場候補を見つけるか、新しいスタイルでの営業を模索するか、それとも閉じるか。これからスタッフ達と話し合いながら今後について考えていきたいと思います。

TOPISH Bakery No.46 ~コートジボワールのパン事情~

ガーナのパン屋の石本です。 折角コートジにきているので、パン屋さんを訪問すると共にパンの食べ方などについても見てきました。


今回滞在しているのは、ガーナとの国境に近いTandaという町になります。町には銀行もATMもありません。両替所もありません。すぐにガーナに帰る予定だったので、国境でも少額しかCFAを変えてきておらず、今朝には250円くらいと非常に危機的な状況でした。有難い事に、別の仕事の取引先から2000円ほど借り、ご飯に招待してもらい、何とかしのいでいます。


さて、CFAで色々買い物をしていると、ガーナに比べて若干物価が高いことを感じます。 ざっくりCFA100=GHS1=JPY20くらいですが、1.8Lの水がCFA500(100円)、ガーナならGHS2.5~3.0(50~60円)。


パンについては、Tandaではガーナの様な食パンはほとんど見かけないものの、フランスパンは至る所で売られており、野菜を挟んだり、卵焼きを挟んだりして売られていました。切り売りについてはサイズあたりの単価は、CFA100-200とガーナとそう変わらなさそうです。ただ、フランスパンなので、外はカリッと、中はもちもちです。ガーナのぎっしり詰まった重たいパンに比べ、原価は低く、利益率も良さそうです。心持ち、どこかパン屋のオーナーには余裕がある様に見えました。(フランス語がわからないので、そう見えただけです、、、)


今回訪問したホテル近くのパン屋では、フランスパン用の面白い形の薪式のオーブンがあり、また少し水分を含んだ厚手の布に挟んで水分が飛びすぎない様に発酵させている様子を見ることができました。その為、焼きに入る前の生地はガーナのパン生地よりもっちりと柔らかそうでした。その生地を木のヘラを上手に使い、焼きの鉄板の上に並べていきます。そして、その上にカミソリで斜めに切れ目を入れて行きます。あとは20分ほどオーブンで焼くと、外はサクサク、中はもっちりの香ばしいバゲットになります。


親切なパン屋さん達が焼きたてのパンを1個くれたので、その場で頬張ると何とも言えない幸せな気持ちになりました。軽いので、一人で一本まるまるいけてしまいそうでしたが、ガーナ人の仲間達にも食べさせたいと思い持ち帰る事にしました。早速ホテルでおすそ分けすると、「こんな固くて軽くて味のしないパンのどこがいいんだ?」と何ともガーナ人らしい感想と共に一口食べて返されてしまいました。食べ物の嗜好性は難しいと感じました。


最近は近所のCafeで朝食(パンと卵焼きと甘ったるいカフェラテ)を取る事が多いのですが、こういうのがガーナの自分の住む近くにもあればいいな〜と思い、ふと聴覚障害を持つ子に、「コートジにはこういうcafeがあるけど、ガーナにもあるのかな?」と写真を送りました。すると、「ガーナのスタイルではないけど、聴覚障害を持っている自分たちでもこういう店舗なら経営できそうだね」と返事がきて、いい場所があればどの位でオープンできそうか、試算してみようかという話になりました。


カフェ=おしゃれでいい立地=初期投資が高額=高単価の商品=高所得者層ターゲット、みたいなイメージがありましたが、こういう庶民派なカフェなら初期投資低めで始めて、自分たちで運営していけるのではと思いました。まだ先の話になりそうですが、これについても今後少しずつ検討していけたらと思います。

TOPISH Bakery No.45 ~値上げ~


ガーナのパン屋の石本です。
3-4日の出張予定でパン屋を離れて、コートジにて早6日目を迎えております。順調にけば10日目には帰れるでしょうか。こんなにガーナを恋しく思うとは、、、


さて、コートジにてweb newsを読んでいると、何とも衝撃的な記事を発見しました!

– Price of Bread to go up next week (Modern Ghana) https://www.modernghana.com/news/920870/price-of-bread-to-go-up-next-week.html?fbclid=IwAR2crLcB7Fr5KBucaFNZOM6irg47vX4uO1g2-JIUc3MZd_UHxaTvoUaTc3U

もう、この題名を見ただけで興奮してしまい、スタッフにメッセージを送りまくってしまいました。


昨年、Kumasi Bakery Associationを訪問し、最近の原料高騰に対して組合として動きましょう、という話をしに行った際に、全くの見当違いな議論をしていた為、これでは組合を通しての一律の値上げはないと落胆したものでした。


今回の記事では、Ashanti Regional Flour Users Associationなるものが、Kumasiでのパンの一律の値上げ(GHS1/piece = 20円/個、約20%の値上げ)がアナウンスされています。


2019年の原料高騰により、TOPISH Bakeryの経営も厳しく、1月、2月と赤字を強いられていました。なぜ他社はこの状況でやっていけるのか非常に不思議でしたが、どこも台所事情は同じだった様です。


3/18からのパンの値上げについて、TOPISH Bakeryとしてはすぐに動きたいものの、一度は他社の動きを見る事にしました。18日の週は一週間とりあえず様子見をし、可能な限り近隣のパン屋達と情報交換をする事に。


大手のベーカリーがいの一番に値上げしてくれると有難いのですが、薄利多売でも利益を出している大手にとっては急いで値上げに動くメリットも少ない様に感じます。体力のない中小のベーカリーにとっては引き続き厳しい状況が続きそうですが、4月以降に期待したいと思います。

TOPISH Bakery No.44 ~インターン・杉本くん②~

ガーナのパン屋の石本です。
短期でインターンに来てくれていた杉本くんの体験談パート2です。短期間で集中して頑張り、しっかり結果を出してくれた杉本くんは、側から見ても成長して自信を掴んだ様に見えました。それではどうぞ!

こんにちは!
佛教大学3回生の杉本陽介です!
3月1日〜3月8日までガーナのパン屋さんでのインターンシップに参加しておりました。

先日インターンシップを終えて私が学んだこと、感じたことをあげていきたいと思います。
○ガーナの第一印象
《①英語(発音)がほんとに分からない》
結局最後までガーナ英語が分からなかった、、。

《②チョコそんなにない》
思ったよりチョコに関するものが少ない。
(カカオ工場とは離れた都会にいたからだと思われる)
《③バイクよりも車の方が多い》
東南アジアのようなバイク、トゥクトゥクパニックではなくほんとに車が多い印象だった。
普通の道で100キロ近く出すことには驚いた。

○ガーナの第二印象
《①ほんとに暑い》
2週間で雨が降ったのは1度だけ。とにかく灼熱。1日に500ミリの水を6〜7本は飲まないと倒れる。
《②オブローニが珍しいのかまず声かけられる》
私を見つけると「China!」と声をかけてくる。日本からきたというとまたさらに質問ぜめになる。
《③ご飯がわりとおいしい》
辛いものばかりというイメージだったが、素朴な味付けのものも多く夏バテしていなければちゃんと食べられるものが多い。特に1つ丸々で60円のパイナップルは甘くて絶品。
《④ガーナ人サッカー大好き》
サッカーが出来るとガーナボーイズにめちゃくちゃもてる。私は出来なかったが一緒にやってあげるとすごく喜ぶ。

○ガーナ人の好きなとこ、嫌いなとこ
◎好きなとこ
・ガーナ人はガーナのことが大好きで、ガーナを知ってもらおうと色々買ってくれる。
・おしゃれ
・子どもたちがとにかくかわいくて純粋。
(肌の色が違う私たちを初めて見て泣き出す子もいる)
・女性たちは勤勉でよく働くし、困っていたら必ず助けようとしてくれる。
・目が合うと微笑んでくれる。
・男の子はとにかく元気でノリがいい。
・クラブに行けばダンスを教えてくれてスリから守ってくれる。

❌嫌いなところ(私の主観です)
・絶対に時間を守らない。(1〜3時間は当たり前)
・理解してないけどYesと答える。
・英語が分からないとバカにしてくる。
・「I’m coming.」=「Goodbye.」

○インターンシップでもっとも苦労したこと
インターンシップで最も苦労した事は大きく
分けて3つです。

①ガーナ人と共にビジネスをする上で最も苦労したのは「時間」についての捉え方についての違いです。ここに関しては日本人が細かすぎるのではないかとも感じる部分はあるのですが、とにかく時間通りに事が運ばないです。

一緒に営業に行くスタッフに「何時にどこに集合!」と、決めても、1時間〜3時間の遅刻は当たり前でなんなら疲れているから明日にしようと言い出すのが日常です。

当初私は“彼らには彼らの生活があるから。”と遠慮している部分がありました。しかし彼らの生活を毎日見ているとかなり省エネ(暇さえあれば寝るかスマホいじってる)で動いていることがわかり遠慮なく引っ張り出すことにしました。
ただ単に引っ張り出すと彼らも乗ってきません。あくまで彼らとの関係づくりの流れの中で営業に誘っていました。「あなたの彼女見たいからそのついでにサンプル持って営業行こ。」などと言うとかなりの確率でついてきてくれます。

②次に難しいのがやはり新規顧客の開拓でした。すでに市場は飽和状態。スリランカの時のように数打ちゃ当たる方式で行くと失敗することは確実でした。

そこで今回はターゲットを絞りました。すでにパンを売ってはいるが売っているパンにあまり特徴がなく、見た目に派手さを求めているようなkiosk等を狙いました。
またサンプルをあつあつの状態で持っていき試食してもらうことで、パン本来の味を確かめてもらうことにしました。

ただ英語が分からないので交渉は現地人スタッフにお任せし(こういうことを伝えてほしいという内容は共有し確認していた)、営業に行くまでの流れを私がアレンジし、顧客の開拓を行いました。

確実にニーズがありそうな店

➕

翌日売掛け金を回収する時に逃げられないように店をがっちり構えているところばかりを狙って営業をかけました。

結果として8日間の営業期間で5件の新規顧客を開拓することが出来ました。ただ大変なのはここからでした、、

③大変だったのは新規受注して頂いた顧客を守ることでした。
受注して頂いた顧客の方には
○大きいサイズor小さいサイズのパン
○いくつ
ということを伺ってそれを持ち帰り現地のスタッフと相談して、翌日に配送の流れだったのですが、そこでまた問題が起きるわけです。

新規を獲得した日にスタッフ(配送責任者)と、この内容で取れたから明日配送しましょうと話し合っても、翌日になるとパンが足りないという事件が起きるのです。

後々分かったことではあるのですが、彼は意図的に配っていなかったようです。

要因としては
○配送ルートの中に新規の顧客を入れると時間が調整できなくなる。
○売れ残りがでる可能性がある。
というものでした。

これを理解するまでは私はどーして配ってくれないんだと憤りを感じていました。配れなかった翌日、新規のお客様のところへ謝罪しに行くと案の定かなり怒っておられたので全力で謝りました。そして必ず次の配達日にはパンを持ってくると約束しました。

翌日の午前中にスタッフ(配送責任者)と筆談も交えつつ真剣に話し合いをしました。
結果的に手の空いているスタッフと私で歩いてその新規のところまで配りに行くという結論に落ち着きました。

コミュニケーションがなかなか取れないからと、逃げていては最悪の事態を招くということを痛感しました。
逃げずに向き合った結果、責任者の彼とは最終日一緒にクラブに行くくらい仲良くなることが出来ました。

○結果
約8日間の営業期間の中で、5件の新規顧客を開拓しました。
またスタッフと話し合い、今後誰がどこに何個配るかということも話し合い決めることも出来ました。

○インターンシップ前後の自分の変化
最も大きな変化としては、何事にも定量的な目標を立てることが出来るようになったということです。今まではなんとなくこのくらい出来ればいいなぁくらいの目標しか持てず、結果なんとなく終わるというのがパターンとなっていました。

しかし今回は初めてと言っていいほど、詳細に現実的な目標を定め事前の情報収集も入念にしました。さらに、現地に入ってからも日々変わる店の状況に合わせその日ごとに目標を再設定していました。

“結果の出し方”と言っては過言かもしれないですが、目標を立てそれを達成するプロセスを自分の力で学べたことがこれからの私にとって大きな糧であり、自信となると思います。

○最後に
本当にすごい人なのに、それを感じさせないくらいフランクに私の話を親身に聞いてくださり、契約獲得を特に喜んでくださったTOPISH Bakery代表の石本さん。

自分にも他人にも妥協を一切許さず、常に完璧なアシストをしようと努めてくれた現地サポーターの貝瀬さん。

様々な斬新なアイデアで競争相手として一緒に奮闘してくれた、人使いの天才、高橋さん。

たった1週間ちょっとしかいない私を仲間として迎え入れ、たくさんの学びをくれたTOPISH Bakery のスタッフの皆さん。

本当に皆さんの支えがあったからこそ過酷な環境下にて頑張れたと感じています。
本当にありがとうございました!

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