TOPISH Bakery No.94 ~コロナ対策 in ガーナ~

ガーナのパン屋の石本です。

前回の投稿からまたもや時間が空いてしまいました。書こう書こうと思いながら、一刻一刻と変わる状況への対応にバタバタし、漸くロックダウン最初の週末なり、時間を取ることができました。
今日は、ガーナの現在の状況について紹介できればと思っています。

3月中旬、ガーナ政府が国境封鎖及び空港封鎖を示唆した事により、3/22〜23にかけて青年海外協力隊及び一部の日本企業・駐在員のご家族の方々が日本に帰国されました。

3/23から2週間の国境封鎖・空港封鎖が宣言され、その一週間後の3/30から2週間のロックダウン(外出禁止令)となりました。

当初ロックダウンが宣言された時に、どれだけ食料が手に入るのか、水や電気や通信関係へのアクセスはどうなのか、と不安になる気持ちもあり、最低限必要となるものを2週間分ほど調達しました。

買い物の時には、入り口で石鹸で手洗い+エタノール消毒が基本。この店では更にお客さんに手袋までつけるように指示していました。

3/30から2日間は外出せず、簡単な運動と、できる限り野菜など缶詰を使わない料理を手作りする様か、デリバリーをしてくれる和食屋さんからご飯を取り寄せたりしていました。3日目に、徒歩圏内のスーパーに歩いて買い物に行きましたが、その時には殆ど通りに人はおらず、15分ほど歩いて4〜5人ほどしか会いませんでした。

いつもは沢山の物売りの人がいる交差点。ロックダウン以降はゼロ。

いつもは沢山いる物売りの人たちもおらず、許可されているはずのフードベンダーも出店しておらず、とても街は静かな状態でした。比較的車通りが多い道に出ても車はまばらで、いつも沢山走っている市民の足である乗合バスのトロトロも殆ど走っていませんでした。珍しくトロトロが走ってるな〜と見てると、メイツ(トロトロの集客・集金係)に”Go back to your country”と叫ばれたので、一瞬驚きましたが、よく分からないわ、不安だわ、ビジネスも下がったりでイライラしてるんだなぁと思い、ちょっと申し訳ない気持ちになりました。

いつもは人で賑わうモールも食料品と銀行と薬局と通信関係以外は閉鎖。

幸いにも、近所のスーパーではエタノール消毒液も食料品もお酒も販売してくれているし、八百屋兼お肉屋さんも稼働しており、食料品も十分な在庫がある様なので、物資が不足する心配はなさそうでした。

近所のスーパーにはビールの在庫が沢山あるので安心。

一方で、日銭を稼いで生計を立てていた人たちが沢山いることもあり、その方達がどの様に生活しているのかは心配であり、ロックダウンが長引く場合には彼らの不安・不満が爆発するのではないかと心配しています。ガーナ人の友達に聞くと、大丈夫だよ〜、皆んなで助け合うから何とかなるよ〜と楽天的な回答がありましたが、私もきっとガーナは助け合って何とかこの難局を乗り越えて行くのではないかと思っています。

4/5の大統領講話では、40万食の食料品が配られる他、3ヶ月間の水道の無償化、医療従事者への待遇の改善、GHS600Millionの民間へのローンの提供、マスクの自国生産などが取り上げられており、矢継ぎ早に対策が取られています。

4/5に解除される予定であった国境封鎖・空港封鎖についても、追加で2週間の封鎖となる旨の通達がありました。まだまだ人の移動が許可されるのは先の話になりそうですが、今の所、物資の輸送はokとの事であり、港湾も稼働率は下げながらも食料品や医療品、生活必需品については輸入もしていますし、工業団地でも生産しています。お酒のメーカーも、不足しがちだったエタノール消毒を作り始めるなどしています。

一時は一本50ghs(約1000円)で売る人もいましたが、今では価格も落ち着いています。

2週間前とは全く異なる非日常を生きていますが、意外と対応はできるもので、治安の悪化が起きない限りはガーナでの生活は何とかなりそうだと感じています。早期の終息を祈るばかりです。

初めて作った抹茶クッキー。Youtube見てたら焦がしてしまいました、、、

TOPISH Bakery No.93 ~ガーナの医療事情について~

ガーナのパン屋の石本です。

早速新制度で揉めていますが、最初の2週間は何とか合意した金額をマネージャーたちから納めてもらいました。創業からずっと手伝ってくれているKofiにはいつまでも苦労をかけているなぁと申し訳なくなります。

Kofiについて話をすると、Kofiの両親は聴覚障害を持っており、小さい時におばあちゃんの下に引き取られて育てられてきました。(Kofiと弟は健聴者であった為、両親と一緒にいると話す機会が少なく、Kofi達も話せなくなってしまうのではないかとおばあちゃんが心配した為だそうです)

その為、deafの人たち為のパン屋を作ろう、と話した時に自分ごとの様に喜び、全力で応援してくれ、TOPISH Bakeryの草創期から支えてくれた、不器用ながらも信頼できる大事な人材です。2019年初頭、若いマネージャー達へ体制を移す事となり、KofiにはTOPISH Bakeryのマネージャーから退いてもらい、石本の代理人という立場で事業を見守ってもらう事となりました。

TOPISH Bakeryの為に色々動いてくれてはいますが、Kofiの給料はTOPISH Bakeryからは出ておらず、別にお願いしている仕事から支払われているのですが、それでも、deafのみんなの為、手がかかる弟分であるスタッフ達の為、何とかTOPISH Bakeryが存続できる様にと今も頑張ってくれています。

昨年秋頃、Kofiは奥さんとの間に子供ができたと嬉しそうに話をしにきてくれました。Kofiも子供ができたから頑張らなきゃ、まずは二人で住む家を借りたいと忙しい合間をぬって場所を探していました。

お給料や日当が出ると、せっせと奥さんにプレゼントを買ったり子供の検診費用にしたりと、幸せそうなKofiでしたが、嬉しい連絡をもらってから2ヶ月後、急遽奥さんの容態が悪くなって病院に入院することになってしまいました。言われた通りに妊婦健診に通っていた様ですが、どうやらお腹の中の赤ちゃんが亡くなってしまったとの事で、手術をしなければいけなくなってしまいました。

連日、仕事が終わると病院に行き、奥さんの側につき添うKofi。ガーナ第二の都市クマシであっても、手術をするとなると不安です。そもそもお腹の中の子供の異変も検知してもらえなかったとあって、病院に対する不信感もあります。Kofiはこのままでは奥さんまで失ってしまうのではないかとひどく心配して疲れきっていました。自分も同じ環境だったらと思うと胸が締め付けられる思いがしました。

数日後、Kofiから手術は無事終わり、赤ちゃんを埋葬してきたとだけ電話がありました。

翌週Kofiと会って話をすると、赤ちゃんの事は残念だったけど、きっとまた自分たちの所にきてくれると信じてるし、奥さんが無事だったことを神さまに感謝している、と言っていました。世界中どこでも子供や大切な人を失う悲しみは同じです。日本にいたら良い医療サービスを受けられて、医者や看護師の診断も信じられ、必要な薬も手に入るけど、そうではない場所はまだまだ多くあり、久しぶりに理不尽さを感じました。

奥さんの治療の経過も芳しくなく、しばらく出血が続いたりと1か月ほど家事もできずご飯も食べれないほどでした。Kofiの看病もあり、今年頭からは知り合いのご飯屋さんに手伝いに出れるほどに回復しました。その知らせを聞き、Kofiと二人でご飯を買いに行くと、奥さんが照れ臭そうに迎えてくれ、いつも私たちを支えてくれて有難うございます、とお礼を言われました。いつも私を支えてくれているのはKofiの方ですよ、頑張り屋さんのいい旦那さんですね、と伝えるとKofiが嬉しそうに笑い、奥さんを抱き寄せました。

翌日パン屋に顔を出すと、スタッフの一人から、昔働いていた同郷から来た女の子の一人が亡くなったとの知らせを受けました。その子は子供ができたから実家に帰ると言い、出産後は彼氏が消えた為、お母さんに子供を託して働きながら頑張っていた様です。スタッフの結婚式の時に一度だけ子供に会った事がありますが、その子にはIshimotoという名前がつけられていました。二人目を授かり、出産をする時になくなってしまったとの事でした。Kofiの奥さんのこともあり、母子ともに健康で安全に出産する事が当たり前ではないという事にガツンと頭を殴られる思いでした。

自分には何もできないけれど、多くの専門家の方々が、日々ガーナの医療サービスを良くしようと奮闘されている姿をみると、本当に尊いなぁと感じます。自分は、自分なりにできる事で貢献していけたらと思います。

TOPISH Bakery No.92 ~主体性~

ガーナのパン屋の石本です。
前回投稿から時間が空いてしまいましたが、ガーナのパン屋は今日もマイペースでやっています。前回は新しい工場での生産がスタートした事について書きました。

今回は、どうしたら主体性を持って取り組んでくれるか、という事について考えた結果とそのトライアルについて書きたいと思います。

今までのTOPISH Bakeryでは、基本給があり、生産量が減少した場合には一定額を減額、Missing breads(良く焼いたパンが消えます)があった場合にはそのロス分を減額、とここ最近は減点される方が多かった状況があります。競合が増えた事で、残念ながら生産量が減り、また材料価格が上がった事で利益率も下がり、中々加点式に皆んなの給料を上げることが難しかった状況があります。

そんな中で、もっと売上を増やせ〜!もっとロス&経費を減らせ〜!とやって来たわけですが、どんなに頑張っても給料が増えない中では、スタッフたちも給料以上に頑張る気になりません。石本に言われているうちは神妙な顔をしていますが、その数分後にはサッカーボールを蹴って、きゃっきゃ騒いでいるので、これは仕方がないなぁと呆れていました。

ただ、もし自分が皆んなの立場だったら、確かに一定以上は頑張らないよなぁ、と思ったこともあり、どうすることが会社にとってもスタッフにとっても良いのだろうか、と考えました。今までの仕組みは、お前が作った利益は会社のもの、お前が作ったロスはお前のもの、という、普通に考えてジャイアンよりタチの悪いものでした。これは根本的に考え方を変えなければいけないと思いました。

一般的な会社経営者からするとダメ出しされる事ばかりかと思いますし、恐らく批判的なご意見を頂く事もあるかと思うのですが、会社の設立方針からして、聴覚障害を持つ人・仕事を求めている若い人たちが働ける場所を作る、というものなので、利益を最大化するというのは、より多くの人の雇用を作ることの1つの方法論であり、ゴールではないと考えました。

勿論利益を増やせれば、より多くの人を雇えるし、新しい事業を行えるので、利益が多い事に越したことはありません。ただ、現状利益を増やす為に、会社がスタッフたちに無理強いすることが果たして正解なのか、と思った時に、このやり方は良くないなぁと反省をしたのでした。一方で、会社を回して行く為には、一定の利益を上げてもらう必要がありますが、逆に言えば、その利益さえあげてくれれば、他は頑張った社員たちが山分けしてもらえばいいのではないかと考えました。

会社の利益を拡大しない。会社がスタッフたちの業務量を管理しない。

頑張って利益を上げたらあげた分だけ、自分たちの給料が増え、自分たちが必要と思う設備投資もできる。

めちゃくちゃを言っているようですが、5年間一緒に働いて来たスタッフ達だからこそ、任せてみようとやってみる事にしました。起業家マインドの高いガーナ人スタッフたち。まずは数ヶ月ほど現在の体制でやってみようと思います。

TOPISH Bakery No.91 ~再開~

ガーナのパン屋の石本です。

てんやわんやの引越し劇も終盤になり、新しい工場を訪問して来ました。出来るだけ早く事業を再開しないとみんなの給料も払えないし、借入金の返済にも支障が出るということで、のんびりやってるうちのスタッフ達に喝を入れに来ました。それも、敢えてアクラからクマシにくる日程を伏せて、朝イチで襲撃する形で向上に向かいました。

「ヤベェ、石本が抜き打ちで工場に来やがった!」

という反応になるかなぁ、と思っていたら、いつも通りのほほ〜んとしているスタッフ達。

「おお〜、石本!お帰り!」

といつぞやの嵐の日々、怒りをぶちまけてた日々が嘘のように新居でくつろぐスタッフ達。アクラであんなにイライラしながら指示を出していた俺の時間とエネルギーはなんだったのか、と拍子抜けする感じでしたが、これから2年間は安心してスタッフ達が住める家が確保できたと思えば、まぁいいかと受け入れる。受け入れようとする。

それにしても、家がでかい。そして、生産現場は結局外側に作ってるのかよ!と突っ込みたくなる。大きい家を借りて、その家の大ホールで成形や焼き上げの工程をやるもんだとばかり思っていたら、前のパン工場と変わらず、屋外での生産だと。。。オーナーさんがパン工場をやるのはいいけど、家の中に機械を設置したり、タイルを割ったりすることは許さないと言い出した為、結局外で作ることになったと。頼むから先に確認しておいてくれ、、、

時間がない中で、新しい工場を探していたので、色々条件を詰め切れなかった事はあったのかもしれないが、外で生産するならもっと安い家を借りてやればよかったんじゃないかとか、色々思う事がありすぎて、くらくら。

「まだ、ローラーとミキサーが設置できてないし、下のコンクリも壁も作れてないから生産できないよ」

と能天気な事を言ってるマネージャー達を一括し、

「オーブンはもう使えるんだろ!ミキサーとローラーならCommercial mill行ってやってこい!」

*Commercial millは、ミキサーとローラーの有料サービスを提供している場所

材料を持たせて今日から生産をさせる事にさせました。ミキサーとローラーの足場を固めて、壁作って、、、といったら1週間以上時間がかかるため、その間休む気だったのかと思うと呆れて来ます。

とりあえず、自分にできる事はスタッフ達のケツを叩く事、これから起こりうる事をスタッフ達に伝えて準備をさせる事、金を工面することくらいしかありません。

基本的にはうちのスタッフ達は良くやってくれていると思うのですが、どうも呑気にやっています。どうしたらもっと自分ごととして頑張ってくれるかなぁ、と思った時に今の給料体系じゃ誰もやる気にならないよな、と思い、給料体系というか根底から考え直してみようと考えました。

次回は、新しい取り組みについて書きたいと思います。

TOPISH Bakery No.90 ~引越し3~

ガーナのパン屋の石本です。

一体何回引越しについて投稿するんだ、と思う方もいらっしゃるかと思いますが、それだけ引越しって大変なんだと思って優しく見守っていただけたら嬉しいです。

さて、前回1月中旬までの状況をおさらいすると、新しい土地のオーナーに頼み込んで1年分を前払いする事で、とりあえず荷物と人の移動を許可してもらい、無事1/25中に全員が古い工場から出て行くことができました。

最後の最後まで、古い工場の土地のオーナーが嫌がらせにきて、機材の持ち出しをさせない、私たちが買って備え付けたトタン屋根などについても取り外しさせないなど、ストレスMaxな状況でしたが、弁護士に相談しながら適宜マネージャー達に指示を与えて、乗り切りました。今の所、裁判所からのレターなども届いていない為、土地のオーナーも諦めたのか、はたまた何か画策しているのか、、、このまま縁を切れると良いのですが。

さて、新しい工場にとりあえず移れたものの、営業許可は降りていません。

土地のオーナーが残額(30万円ほど)を月末までに支払わなければ、機械の備え付けも営業も開始させん!と意固地なので、なんとかせねば、と暗澹たる思いでいたわけです。が、捨てる神あれば拾う神ありで、前回Facebookで「30万円なんとかしないと。。。」と投稿した所、多くの方からサポートするよ!というご連絡を頂き、翌朝には30万円をご支援頂ける目処が立ち、月末までに送金して頂くことになりました。

遠くガーナの地で、小さなパン屋を営んでいる自分をこんなにも応援してくれるのか、と朝から目頭が熱くなりました。

これで新しい工場で直ぐにパン屋を再開できる!と、行かない所が我々TOPISH Bakeryでして、月末に家賃を振り込んだのを待っていたかのように、マネージャー達が今度は、「小麦粉を売掛金で売ってくれていた小麦粉会社が、2月からは小規模パン屋に対しての売掛金販売をやめるから、現金で材料を買わなければいけなくなった!」と今度は運転資金問題が発生。

また、古い工場のトタン屋根と柱を新工場に持って行く計画だったのに、土地オーナーの嫌がらせで泣く泣く置いてこなければならなくなった為、新しくトタン屋根と柱を買わなければいけなくなりました。

色々ありますが、TOPISH Bakeryのスタッフ達が自走していける様に、一つ一つ環境を整えていけたらと思っています。仕事をストップさせてしまっていた2週間ほど、お客さんたちからクレームの電話が沢山入っていたようなので、これからしっかりお客さんたちを取り戻し、売上も拡大すべく攻めに転じていけたらと思っています。

TOPISH Bakery No.89 ~恨み~

ガーナのパン屋の石本です。

日々色々あるガーナのパン屋ですが、投稿では色々語れないこともあり、中にはすったもんだの末に喧嘩別れになるスタッフや関係者達もいます。

昨年末に、パン屋の配送車両を無断使用して他社のパンを売っていた配送員Eを首にして2週間ほど経った頃、パン屋のマネージャー達から、警察と一緒に配送員Eに向かっている、との電話がありました。

もう既に手切れ金も渡し、過去の負債もチャラにし、関係を断ち切ったと思ったのに、まだ続いていたようです。事件は、その前日の深夜に起きました。

パン屋が休みで人があまりいない日を見計らって、配達員Eは工場に忍び込み、パンの型を盗みに来たのでした。たまたま起きていたスタッフの一人が配達員Eが盗み出しているところを目撃し、翌朝マネージャー達に報告したのでした。また、パンの型を盗み出すだけでは飽き足らず、他の配送車両のタイヤのボルトを抜いて行ったのでした。スタッフ達が気づかず運転していたら大事故になる可能性がある行為に、マネージャー達がブチ切れました。

この頃になると、現場にいなかった事と、一年間に3回目の警察沙汰という事で大分手順も心得、心情的にも余裕を持って対処することができるようになってきたような気がします。警察に宜しく御願いします、伝え、スタッフ達に逮捕後にどうするのかを決定させ、後は逮捕の報告を待ちました。

配達員Eは、先に着いたマネージャー達と口論の末、警察が来ると気づいて逃げ出しました。警察が到着してからまずは家宅捜索をし、盗まれたパンの型を回収、そして以前返されなかった配送車両の鍵も回収しました。その後、何度も配達員Eに電話するも電話に出ない為、一緒に配達員Eとパン作りをしていた配達員Eの兄を逮捕することにし、兄から配達員Eヘ電話させることにしました。

観念した配達員Eが家に戻ったところで、逮捕し、警察署へ連れて行くことになりました。

*警察署に送っている所を後ろから追跡している写真

配達員Eは自分が無罪で、配送車両は石本が彼に買い与えたものなのに、マネージャー達に盗まれたと騒ぎ立てました。深夜に、TOPISH Bakeryの相談役のKofiに電話をかけて、車の書類と鍵を持ってこい、と指示したのですが、これを見たマネージャー達は、Kofiも配達員Eとグルだったのか!と憤り、Kofiに疑いの目を向けたのでした。

皆んなが疑心暗鬼になっている中で、これは良くないと思い、すぐにKofiに電話して事情を説明し、その後マネージャー達にKofiの無実を説明し、落ち着くように伝えました。結局、マネージャー達は「紛らわしいんだよ」と謝らず、Kofiは無実の罪で罵倒された事に傷つき落ち込んでいたのでした。最近、Kofiの今までの頑張りをなんとかして良い形で返しえてあげたいなぁと思い、彼が報われる方法について考えています。

配達員Eは警察に絞られた後、翌朝には解放されたそうです。

TOPISH Bakery No.88 ~濃厚ガトーショコラ~

ガーナのパン屋の石本です。

2019年の年末に、友人の協力を得て、ガーナのチョコレートを使ったガトーショコラの試作をしました。

ここ数ヶ月、パン以外の商品開発をしたい、出来れば付加価値が高く、ガーナで手に入るもので、食パンのように市場価格に引っ張られない商品がいい、と考えていたのですが、中々試作の為の時間が割けず、もやもやしていました。

そんな時、友人から、「時間空いているから、女の子たちと一緒にガトーショコラ試作してもいいよ」と有難いメッセージをもらい、即座にお願いする事にしました。

ガトーショコラのレシピと作り方を送り(いつもお世話になっている、日本の英知を結集した○ックパッド先生)、材料と機材を買いに行ってもらいました。今回は、CPCという政府系チョコレートメーカーが生産しているGolden Tree dark chocolateと、ガーナ人オーナーのNICHEというチョコレートメーカーが生産している72% dark chocolateを使って2種類のサンプルを作ってもらう事になりました。

女子たちは耳が聞こえない為、ホワイトボードに絵や説明を書いてもらい、身振り手振り一緒にガトーショコラつくりをやってもらいました。作っている最中に、何度も様子を写真で送ってもらい、女性スタッフからも「楽しい!」とメッセージが届き、また女性スタッフたちが、材料を量るときにちゃんと1gまでメモリを合わせようと慎重に計量していると聞き、意外とケーキ作りに向いているのかもしれないなぁと思い、進捗を聴きながらニヤニヤしていました。

友人から「単位がgじゃなくて、poundだった!1個目のサンプルはちょっと砂糖が足りないかも!」と連絡があったものの、出来上がったサンプルを食べた女性スタッフたちからは「美味しい!」とポジティブな感想が多かった為(一人だけ、苦い〜という感想あり)、これからサンプル作りと試し販売をしてみたいと思っています。

後日、私も冷やしたサンプルを食べさせてもらいましたが、濃厚滑らかなガトーショコラとなっており、とても美味しかったです。自分と女性スタッフで同じように作れるかわかりませんが、こんな感じの濃厚ガトーショコラが商品化出来れば、きっと興味を持ってくれるお客さんがいるのではないかと思うのでした(少なくとも、自分はまた食べたいと思ったので、きっと甘い物好きな人は買ってくれるのではないかと、、、)

いつも応援してくれる友人たちには感謝しかありません。

試作品食べたい、購入しても良いよ、という方がいたらご連絡ください。

よろしくお願いします。

TOPISH Bakery No.87 ~引越し2~

ガーナのパン屋の石本です。

4年半パン屋を営んできたPatasiの工場から離れるべく、新天地を求めて候補地探しに励んでいます。
1月末に出ていけと言われ、自分たちの中で1/25までには工場の清掃をして、全員工場を離れるように指示し、そのスケジュールに合うように急ピッチで色々な準備を進めています。
そして、来るべき土地オーナーとの戦いに備え、弁護士、警察、町内会長、Rent Control Officeにもそれぞれ根回しをしながら、対策を練っています。

5件あった候補地ですが、その内3件は、住宅用としてはいいけど、パン工場はNGとオーナーから拒否されてしまいました。そして、1件はこちらが急いでいる事を知り、値段を釣り上げてきた為予算オーバーとなりNG。実質的に残った1件は、うちのスタッフのご近所さんでした。

意外にパン屋に使える物件がなくて、探すのも一苦労

値段は許容範囲内で、家のサイズも十分、パン作りをしてもok!

リビングルームをリノベして、工房にします。

ところが、家賃は2年分前払いじゃないと貸せない、と。。。1年分の家賃は頑張ってかき集めたものの、2年分は流石にきつい涙

配送車両を2台置けるだけの十分なスペースあり

既に、現土地オーナーから半年分の家賃が帰ってこない事が明白な上、新しい工場の家賃を二年分前払いせよ、とは。1/25までには今の工場も出なければいけない、もしそれまでに新しい工場が見つからなければ、スタッフたちには一度実家に戻るか、知り合いの家に世話になっててもらうしかありません。

女性スタッフからも毎日のように、「パン屋は1月末でやめてしまうの?私たちの仕事はどうなるの?実家に帰っても仕事はないから、引き続き雇ってください。」と悲痛なメッセージが送られてきました。

1月中旬、マネージャーの結婚式があり、新しい工場候補のオーナーがお祝いに来てくれました。その席でスタッフたちがオーナーに

「1月末までに全額払うので、今は1年分だけ払って、とりあえず荷物と設備の移転をさせてください」

と、直談判し、とりあえず1/25までに新工場に全てのスタッフが移動できることになりました。ただ、マネージャー達も追加1年分の家賃の工面については頭を悩ませており、困った時の石本頼み、と

「頼むから何とかしてくれ!」

と嘆願してきたのでした。。。スタッフ12名(年末で3名卒業した為)の将来を考えると、何とかしなければと取り敢えず売れそうなものは売り、資金を作るように指示しました。

月末までに残り30万円。どうにか資金繰りを考えなければと思います。

TOPISH Bakery No.86 ~引越し~

ガーナのパン屋の石本です。

2020年1月末をもって、4年半事業を行ってきたPatasiの工場を離れることにしました。

きっかけは、クリスマス前に土地のオーナーからの金をよこせ、という要求を拒否したことに端を発します。

激怒した土地のオーナーは執拗にスタッフたちを口撃し、嫌がらせをしてきました。また、契約上、工場を訪問するには手紙で事前に伝えなければいけないにも関わらず、勝手に工場内に入り、スタッフたちが建物を汚し壊していると、土地・賃貸を管理している行政機関に申し立てをし、レターを送りつけてきたのでした。

「1月末に出ていけ、修繕費用として100万円支払え。」

因みに、こちらは1年分の家賃を前払いしており、1月末に工場を出る場合半年分の家賃を返済してもらわなければなりません。また、年間の家賃は40万円ほどで、100万円の修繕費は法外な要求です。

マネージメントからも、ここは中心地に近くて便利でいいけど、この土地のオーナーのストレスを考えると別の場所に工場を移した方がいいよね、という事になり、引越しを決めました。

友人の弁護士に今後の手続きについて相談し、次の物件が決まり次第土地のオーナーに対して正式に書面で回答する事を決めました。要求に応じ1月末で退去する旨、そして同時に半年間の家賃の返金を要求する旨を記載してもらう事にしました。半年間の家賃が返金されれば、そのお金でこちらが建物をリノベーションする事とし、返金がされなければ(おそらく使い切ってしまっているから返金される可能性はゼロに近い)リノベーションせずに工場を出る事にしました。

中心地から少し離れていますが、幸いにも工場に使えそうな家が何軒か見つかったので、現在家賃の最終交渉をしており、年明けと共に新しい工場との賃貸契約を締結し、土地のオーナーにレターを送る事になりました。

2020年は、新しい土地でパン屋をスタートし、事業の立て直しに努めたいと思います。

TOPISH Bakery No.85 ~対立~

ガーナのパン屋の石本です。

例年のクリスマス・シーズンは、生産量が通常の2〜3倍になる業務的な忙しさに工場はてんやわんやになるのですが、今年はまた違った問題で忙しくしていました。

長い事一緒にやってきた年長の配達員Eの売掛金の増加と、12月頭から生産チームに対する非協力的な姿勢が目に余る様になり、どうしたもんかと考えていた所、決定的な対立が起こってしまいました。

事の始まりは、配達員Eがいつも通り翌日配送分のパンの生産を発注したのに、翌日連絡もなく配達に来ず、そのまま1週間ほど仕事を休んだ事でした。家族に問題があり急遽実家に行っていた、というのですが、他のスタッフ達はパンを腐らせるわけには行かないと、彼の不在を穴埋めするために頑張ってくれていたのですが、特に謝罪するでも感謝するでもなく、しれっと帰ってきたのでした。

また、毎日配達の後に売上を持ってきてもらう約束になっているのですが、配達員Eは度々売上を持ってこず、その度に「売上金を持ってこないと翌日の配送分のパンは作らないからね」と石本から注意勧告していました。

配達員Eとの連日の問題に、マネージメントと生産チームのイライラは募り、ついに「売上金を持ってくるまでは、配達員Eの為にはパンを作らない」とマネージメントと配達員Eがぶつかりました。

配達員Eとは、コミッション制で仕事をしている為、販売するパンがないと配達員Eは生活費が稼げません。売上を持ってくれば良いだけの話なのですが、配達員Eは生産チームをしきりにグループチャット上で非難し、挑発し、いつまで経っても売上金を持ってこないのでした。また、その数日間、配達員Eは勝手に配達車両を工場から持ち出し、返さないという暴挙に出ました。

不穏な状況に、急遽パン屋に戻ってマネージャーとミーティングをしようとタクシーに乗っていると、マネージャーから配達員EとクビにしたはずのMが一緒にパンの配達をしているのを見た。取り押さえようとしたが車に乗り込んで逃げた、という電話がありました。

7月についで二度目なので、またこの展開か、と笑えてきました。

そこから先は、この状況で対処すべき事(優先事項としては、車を壊される前に回収する事と、望みは薄いが売上金を回収する事)とこの機会にどう会社組織を改善するかを検討しながら、警察への手配を進めました。

警察と連携を取りつつ、早朝6時に配達員Eの家に行き、車両を確保、そして配達員Eとの話し合いに臨みました。配達員Eの筋の通らない言い分や生産チームに対する身勝手な非難、そして無駄に高い自尊心などを目の当たりにし、こいつはもうダメだ、話すだけ無駄だな、と思い、その場でクビを通告し、後日警察と訪問する旨を伝えて帰ることにしました。

ガーナで雇用を作りたい、ガーナの人たちと一緒に何かやりたい、という思いを持って、問題があっても中々決断できずにいたここ数年と違い、この1年間でパン屋とそれ以外の仕事で多くのガーナ人の裏切りに会い、戦い、必要な決断をしてきました。非情な決断であっても、守るべき人・事の為に、自分自身がどう振る舞わないといけないかを客観視し、必要な手段を講じられるようになったのは成長なのか、諦めなのか。

来年からの体制についても、一通り整理がついたので、次回は2020年の体制について書きたいと思います。

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