エチオピアのチーズ“アイブ”について

どうも竹重です。

エチオピアのチーズ“アイブ”について書いていこうと思います。

 

アイブ(Ayib)とは

 

エチオピアでチーズというとまだまだアイブと呼ばれる伝統的なチーズが一般的です。

最近でこそ、ヨーロッパ式のチーズの需要がだだ上がりしているのは、すでに過去の記事でも触れたところですが、今回はこのアイブに注目してみたいと思います。

見た目

まずは見た目から。

写真のような感じで、豆腐を荒く潰した感じにも見えますし、リコッタチーズにも似ている感じですね。

袋詰で売られる“アイブ”

また、実際に食べる際には、スパイスや香草類と混ぜてディップみたいになっていたりします。

味は、いわゆる日本人の多くがイメージするチーズよりもヨーグルトに近いです。

よく言えば、ほのかな酸味とミルクの香りがすがすがしい感じです。

悪く言えば、コクや旨味があまりありません。

(スパイスなどを混ぜているのも、このコクの不足を補っている感じですかね。)

スーパーに並ぶ“アイブ”

食べ方

ワインのお供というよりは、インジェラのお供で、肉料理(エチオピア式のチキンシチュー、ドロワット)などに、お口直し的に添えられていたりします。

アイブそのもので食べるよりはインジェラと一緒に食べることを前提としていて、日本人的な感覚で行くと白米に添えられているお新香みたいなイメージでしょうか。

 

 

アイブの作り方とチーズの作り方

 

酪農事業を志すようになってからチーズの製造方法についても、素人ながら、本を読んだり、日本国内のチーズ工房を訪ねるなどして勉強をしてきましたが、アイブとヨーロッパのチーズとの間には製造方法にも結構違いがあることを知りました。

そんな中でも一番の違いは、チーズを凝固させる時の方法ですね。

ヨーロッパのチーズは簡単にいうと、生乳に乳酸菌を入れて乳酸菌発酵をさせてから、レンネットと呼ばれる酵素によって凝固させます。

その後、微生物の働きにより熟成させて行くことで色々なチーズに派生していきます。

一方で、エチオピアのローカルチーズ、アイブは乳酸菌を加えた上で、加熱をして、加熱により凝固させています。

エチオピアのチーズではこの熟成過程はありません。

そのため、コクや旨味が少ないのでしょう。

製造方法もエチオピアの方がはるかにシンプルですね。

 

熟成と保存期間

 

アイブとヨーロッパのチーズでは、このように製造方法に違いがあります。

で、ヨーロッパのチーズは、さまざまな熟成の方法を用いることによって旨味、コク、香りなどを引き出していますが、これって味だけでなく、保存期間にも大きな影響を与えていますね。

エチオピアのチーズ、アイブは生乳よりは保存もききますが、ヨーロッパのチーズのように数週間とか場合によっては数ヶ月とかは日持ちしません。

実は、僕がチーズがエチオピアで酪農を行う上ですごく肝になるのかなと思った理由にはこの保存期間という側面がとても大きいんですね。

というのも、エチオピア人の約40%がエチオピア正教徒で、エチオピア生協では年間200日超の断食期間があります。(エチオピアの断食は動物性の食品を取らない期間)

この期間って、結構、エチオピアローカルの小規模農家さんでも牛乳を絞っても無駄にしてしまっているケースが多かったりします。(もちろん、色々な宗教が普及しているエチオピアでは全てというわけではありませんが。)

現地の酪農家(加工会社)の方に聞いても最長で2ヶ月間あるこの断食期間の間は売り上げが落ちたり加工しても販売先がなくて困るといった話はよく聞きます。

そんな、現状無駄になってしまっている乳をチーズに加工して日持ちさせることができたら小規模農家さんの収入増に繋げられますね。

また、この断食期間を熟成期間に当てることができれば、断食あけに美味しいチーズをエチオピアの方々にもたくさん食べてもらうことができるかもしれませんね。

いずれにせよ、現状、無駄になってしまっているリソースを活用することができる。

この1点から見てても乳製品加工、特にチーズの加工は本当に大きなポテンシャルを持っていると確信しています。

エチオピアの方々もまだまだチーズの製造方法については、伝統的なアイブ以外についてはほとんど知らない状況です。

僕も素人ですが、少なくともチーズの製造方法を学ぶための情報や人脈へのアクセスは彼らよりもはるかに優れている。

そんなわけで、ものすごく奥の深いチーズの世界に足を踏み入れた僕ですが、将来的な利益の創出に向けて実践を持って取り組むのはすごく楽しいですね。

エチオピア、2つの物価について

どうも、竹重です。

今回は、エチオピアの物価事情について、考察していこうと思います。

 

ローカル市場、外国人市場

 

基本的にエチオピアでは、現地人の中間層以下をターゲットとしているローカル市場と現地人の富裕層以上と外国人をターゲットにしている外国人市場の2つに分ける事ができます。

 

この2つの市場というのは、明らかに分断されていて、例えばローカル市場は青空市場みたいな感じだったり、専門店(八百屋、肉屋)といった感じで小さな商店が乱立している感じです。

 

一方で、外国人市場、最近ではいわゆるスーパーマーケットも増えてきています。こうしたスーパーマーケットでは、肉、魚、野菜、日用品など基本的に全部揃います。

また、価格もローカル市場に比べるとかなり割高な印象を受けます。(輸入品が多い影響もある)

 

僕は日頃節約のため、現地の方々の生活を理解するために基本的にローカル市場にいっていますが、野菜や肉などの生鮮食料品については特に価格差が大きい印象で、スーパーの半値くらいでローカル市場では食料品が調達できている感覚です。

 

また、こうした小売店以上に価格差が顕著に現れているのがレストランですね。

看板も無いローカルレストラン

 

例えば、エチオピア人の国民食であるシロ(ひよこ豆の粉末をトマト、玉ねぎ、スパイスなどで煮込んだ料理)ですが、外国人向け(現地富裕層含む)レストランでの価格が60〜80ブル(300円〜400円)くらいですが、現地のレストランでは20〜30ブル(100円〜150円)と半値以下になります。

しかも、安いだけでなく何故か味も現地の方が美味しかったりします。

伝統食『シロ』
@看板の無いレストラン

 

現地の料理を食べるならやっぱり現地のレストランがいいですね。(多少見た目で抵抗を感じる方もいるのでしょうが。。)

ちなみに、欧米料理は外国人向けレストランの方がはるかにクオリティーが高いです。。

 

狙いはどこか?

 

さて、こんな感じでマーケットでの価格帯が明確に二極化しているエチオピアですが、ビジネスとして儲けを取りに行こうとするとやっぱり外国人向けに商売をする方が儲かります。

ターゲットとなるマーケット自体は小さくなってしまいますが、事業立ち上げのタイミング、製品の製造キャパを考えてもマス向けの商売は難しいですね。

そんなわけで、外国人向けマーケットでのチーズの価格を少しだけみてみましょう。

現地スーパーの乳製品売場

 

例えば、スライスチーズ。

日本ではスライスチーズって、7枚入りのパックが一般的なようですが、価格はだいたい1パック200円前後。

一方でエチオピアのスライスチーズ10枚入りで600円超します。

もちろん外国人向けの価格帯ですね。

また、少ないながらも存在する現地企業の製造したチーズの価格は1kgで1,200円とかですかね。。

でも、美味しくない。。

 

この辺りの隙間をうまいこと埋めていこうと思っています。

 

友達からも引き合いが、、、

 

かれこれ1年半くらいエチオピアで暮らしているわけですが、エチオピア人の富裕層、ピザ屋オーナー、ホテルマネージャーなどから、早くチーズ作ってよ、なんて話が舞いこんでいます。

一方で、欧米人の友人からも、バカ高い輸入チーズは買ってられない、頑張って美味しいチーズ作ってくれとせっつかれています。

まだまだ、先進国とは比較にならないほど、いろいろなものが足りていないエチオピア、地道に着実に乳製品加工を始めるべく精進します。

 

 

 

 

新年あけましておめでとうございます。

どうも、竹重です。

新年あけましておめでとうございます。

皆様の益々のご活躍を祈念しております。

(✳︎何故か、画像ファイルがアップロードできないため。文章のみの投稿です。)

 

ということで、

 

エチオピアは、本日9月11日新年を迎えました。

今日からエチオピアは2010年です。

はっ?と思われる方々も多いと思いますが、エチオピアには、まだまだ、独自で不思議な文化があるわけです。

こうした文化は基本的にエチオピア正教による、影響が大きいようです。

エチオピア正教のルーツに当たるコプト教なんかでも、教会暦としてエチオピアと似たカレンダーが用いられているなんて話を聞いたことがあります。

 

まぁ、とにかく新年です。

 

エチオピアのカレンダー

 

エチオピアのカレンダーにはかなり不思議な点が多いです。

そんなわけで、今回は中でも不思議要素を列挙してみましょう。

 

・9月11日に新年がやってくる。(年によって、日にちも多少ずれる模様)

・クリスマスが1月頭にやってくる。

・1年が13ヶ月ある。

 

などなど。

 

特に13ヶ月あるってどういうことって感じですが、エチオピア正教のカレンダーでは、1ヶ月が30日です。

 

で、30日が12ヶ月あると、360日ですね。

1年の日数というのは変わらないので、365日、この端数の5日が13月となって存在しているんです。

 

不思議ですよね。

 

カレンダーについて、これまであまり興味を持つこともなかった僕ですが、エチオピアのカレンダーの不思議に触れてから、なんとなく考えてみた結果。

 

月ってやっぱり月の満ち欠けの周期で決まっていると、だから、月=moonで1ヶ月が表記される。

日ってやっぱり日=sunということで、お日様が地球を回る周期で区切られているんだななんて、月日の基準と実際の尺度としてのmoonとsunの関係に思いを馳せていました。

 

その他、エチオピアでは、時間の区切りも違っていて、もちろん1日は24時間ですが、朝6時が1日の始まり、太陽が登った時を基準に1日が始まるわけです。

 

ややこしさもありますが、太陽が登ったところからカウントを始めるってなんだか前向きな感じがするな、なんて思っています。

 

今回は、エチオピア新年のお祝いと、エチオピア文化の紹介を少しだけしてみました。

では、また。

 

 

パートナーシップの検討、そして。。

どうも、竹重です。

少し前の話になりますが、僕がエチオピアでの事業展開に向けて、現地の乳製品加工会社とのパートナーシップを検討していた時の話です。

ヒロトゥ・ヨハネスさん(酪農家)

エチオピアでの法人設立準備を現在進行形で進めている僕ですが、当初、僕は現地の同業者の方とパートナーシップを組むことも視野に入れて検討していました。

そんな現地のパートナー候補だったのが、ヒロトゥ・ヨハネスさん。

チャチャにあるヒロトゥさんの工場

彼女は、もともとエチオピアの農業省に勤務していたのですが、今から約15年前、勤務していた農業省をやめて2頭の牛を購入し酪農家に転じています。

その後、2013年8月に規模の拡大とともに事業を法人化『Rut & Hirut Milk Cow Breeding Dairy Production & Processing PLC』を設立しています。

ヒロトゥさんは、首都アディスアベバから北東に100kmに位置するデブラブラハンという中規模の町の郊外チャチャに工場を持って主に首都アディスアベバに向けて乳製品を販売しています。

主な製品は殺菌乳、ヨーグルト、バター、エチオピアローカルチーズ「アイブ」、その他一部ヨーロッパ式チーズです。

バターの包装作業をするヒロトゥさんの従業員

前回も書いた通りエチオピアではまだまだ乳製品は需要に対して供給が全然足りていない状況の中で、地場の乳製品加工業者としては、中堅から大規模の間のスケール感ですね。

彼女とパートナーシップを組むことで、僕自身、事業の垂直立ち上げが可能かな?といった思いから当初パートナーシップを組む前提で面談を重ねていました。

当初、僕の思い描いていた双方のメリット・デメリットは以下のような感じでした。

僕のメリット

・ヒロトゥさんが構築している小規模農家さんからの原料乳買取ネットワークの活用

・現状、余剰感のあるヒロトゥさんの設備の活用により、初期投資を抑えられること

・法人設立に伴う最低資本金が現地パートナーを入れることによりUSD200,000からUSD150,000に抑えらること

ヒロトゥさんのメリット

・チーズ(欧州型)やアイスクリームなど商品ラインナップの拡充と技術へのアクセス

・追加の設備購入

僕のデメリット

・管理方法などすでに確立しているものがあるため生産プロセスの効率化などに対する反発

・シェア及びプロフィットシェアリングの問題

ヒロトゥさんのデメリット

・USAIDやSNVなど援助団体からの援助に対する影響

結果ダメだった。。

ざっくりと以上のようなメリット・デメリットが双方にありました。

また、ヒロトゥさんはすでにUSAIDやSNVからの援助を受けている経緯があり、僕がビジネスパートナーという前提で話をしているものの、どこかこうした援助機関と混同している節があり、別途ヒロトゥさんの会社で製品のラインナップとして弱いチーズ、アイスクリームなど範囲を限定しての別会社の設立を提案してもピンと来ていない様子。

ヒロトゥさんとしても、需要が大きいのは常日頃感じていて、追加のファンディングを得て設備を拡充するという意欲は旺盛だったため、とにかく僕に金を持って来てもらって設備拡充をしていきたいという思いは強く感じましたが、プロフィットシェアなどについては議論がおざなりに。。

現地の方とのパートナーシップを組むことの難しさを痛感しました。

また、この経験は、エチオピアでの事業を構築していく上ですごく有意義な経験になったのですが、中でも強く感じたのが、『自分本位の提案』だったなという思い。

もちろん、パートナーシップを組む上でヒロトゥさんにも利益がある形というのはすごく意識していましたが、0からビジネスを立ち上げて現在の規模まで拡大したヒロトゥさんの苦労というのは計り知れません。

そんな、彼女の苦労に対する敬意が足りなかったのと彼女の利益を意識していたとはいえ、すでに援助関係で無償の設備投資を受けている彼女にとっては、僕の提案は魅力に欠けていたのでしょう。

エチオピアにお邪魔させていただいているという意識をしっかりと持ってエチオピアの方々に敬意を払うこと、これはやはりエチオピアで円滑に事業を進める上ではすごく大事だなーとの思いに至ったわけですね。

エチオピアの既存の事業者さんとの競合は避けるべき。

そんなこんなで、結果的にパートナーシップを組むというのは、100%日本側で資本を用意しての法人設立をしようという結論に、マネージメントやガバナンスについて僕の描くビジョンが実現しやすい方向に舵を切ったわけです。

また、この経験から、立地としても出来る限り現地の既存事業者さんとバッティングしないようにということを意識するようになりました。

やっぱり、エチオピアという国全体で考えた時にまだまだ需要が足りていないわけで、同業者さんとも情報交換をしながら業界全体を押し上げていくのが、この国での『協力体制』の作り方かなと思います。

ヒロトゥさんの工場から見える風景

そんなわけで、バッティングしない土地選び。

エチオピアという国は、歴史的に北部のティグライやアムハラと呼ばれる地域・民族が国の中枢を支配して来ています。

そんな理由もあって、外国投資もやはり北部やアディスアベバ周辺に集中しています。

酪農事業者も基本的にはアディスアベバ周辺に集中しがちなのですが、あえて僕は南部で事業を開始しようとしています。

また、南部地域での事業立ち上げに向けてご協力をいただいているアワサ大学のシンタイヨ教授も僕のこの考えには賛同してくれています。

南部も気候的にはすごく酪農に適した地域があるのですが、やはり、同分野での海外投資というのは皆無で、小規模農家の方々に安定的な収入をもたす可能性のある事業計画にすごく期待いただいています。

やはり、まだまだ、マーケットに対する供給がショートしているこの国では、同業の方々とも意見交換しながら、みんなで産業を育てようという意識がすごく重要だなと改めて思った、そんな経験でした。

実際、同業者の方々と競合するよりも、地域であったり品目であったりという部分で差別化しながら産業全体をボトムアップしていく動きが広い意味での『協力体制』だとの認識に思い至ったわけです。

日本での牧場研修について

どうも、竹重です。

 

今回は、もともと銀行員だった僕が酪農家になる決意を持った経緯について少し書いていこうと思います。

 

酪農家になる決意

 

これまで、書いてきた通り、エチオピアの酪農事業に並々ならぬ意義とポテンシャルを感じている僕ですが、もともと銀行員だった僕に果たして本当に酪農家になることができるのか疑問をお持ちの方々も多いかと思います。

 

やはり、どんな事業を始めるにしても、やはり、しっかりとした準備というのはすごく大事ですね。

どんな道にもやはりその道のプロというのは、必ず存在していると思います。

また、どんな道のプロも当初はその道の素人だったのもまた事実だと思っています。

 

そんな訳で、酪農のプロを目指すべく僕も勉強を始めようと決意したわけですが、酪農事業にポテンシャルを感じた当初、コンサルタントから農家に転じた大先輩に酪農事業をやるのであれば、この人のところで勉強して来てはどうかと勧められました。

 

中洞牧場での研修

 

それが、岩手県の岩泉町にある牧場『中洞牧場』の牧場長、中洞さん。

中洞さんは、猶原恭爾博士によって提唱された山地酪農を実践する酪農家です。

中洞牧場にて、牧場長中洞さんと。

 

エチオピアで酪農を行うに当たって、僕は当初から日本式の舎飼いの酪農よりも、オーストラリアやニュージーランドなどで行われている放牧型の酪農の方が適しているのではと思っていました。

 

2016年8月から中洞牧場で約2ヶ月研修をさせていただきましたが、この経験を通して、やはりこの放牧を行なっていくという考え方は確信に変わりました。

 

中洞さんの実践する山地酪農は、基本的に牛にまかせる酪農ということができます。

美しい中洞牧場の景色

 

人間によって故意に乳量を増やす方法を取るのではなく、本来の牛の姿を尊重して、健康な牛に健康な牛乳を分けてもらうという発想。

 

これは、エチオピアの小規模農家の方々が行なっている形にとても近いなと感じていました。

技術的にも未発達な国であるがために、牛本来の姿を尊重した小規模農家さんがとても多いわけです。

実際、エチオピアの小規模農家の方々は大家族に牛数頭なんて家族構成も多く、牛を家族の1員として考えているような節があります。(もちろん、牛耕などを行なったり、牛乳を絞っていたり経済動物の一面はありますが、生活に必要不可欠な存在として)

 

当然、ビジネスである以上、一定の効率性を求める必要があることは認識していますが、一足飛びに舎飼いの日本的な酪農にいくというのは、エチオピアの酪農に適した気候の有効活用という観点からも、カルチャー的にもフィットしないのではと思っています。

大人しくて可愛い中洞牧場の牛たち。

 

実際、2ヶ月間の中洞牧場での研修の際にすごく感じたのが、牛をすごく好きな方々が多く、酪農の基本は牛を好きになることなのかなぁなんて個人的には感じています。

 

2ヶ月くらい研修して何になるのと思われてしまいそうですが、この研修を行なった2ヶ月で少なくとも、僕はすごく牛が好きになれましたし、今後も牛に関わっていこうと感じたわけです。(中洞牧場の牛が特に可愛いというのも多分にありそうですが。。)

 

なにをするにも大切な『好き!』という原動力

 

僕がアフリカにいこうと決意したのも、漠然とアフリカが好きだからというのがありましたが、酪農についてもこうして牛が好きだからという感情を抱くことができたわけですが。

 

もちろん、自分はこれまで、酪農について学問としても学んだ経験はないわけですが、やはり、『好きこそものの上手なれ』を信じて、日々勉強していきたいなと思っています。

 

また、困った際にはお世話になった中洞牧場の方々に助けを求めたり(ずうずうしくて申し訳ございません、中洞牧場のみなさま)、自分自身で勉強していくことはできますからね。

 

牛の命を扱う事業を始めようというのは、下手をうったら牛を殺してしまう結果にも繋がりかねないわけですが、『好き』という感情を大切に大好きな『エチオピアの方々』や『牛』と一緒に稼げる仕組みを作っていこうと考えています。

エチオピアの食文化について。。

どうも、竹重です。

今回は、僕がエチオピアでの酪農事業に対するポテンシャルを感じた経緯についてエチオピアの食文化をベースに書いていこうと思います。

 

スーパーフードインジェラ

 

まず、最初にエチオピアの主食はインジェラです。

ほとんどの方々が何それって感じだと思いますが、テフと呼ばれる穀物から作られるクレープみたいな食べ物です。

インジェラと名物ドロワット
右の白いのがエチオピアのチーズ『アイブ』

独特の食感と発酵過程で発生する独特の酸味から賛否両論というか、外国人からはやや不人気なインジェラですが、実はグルテンフリーのスーパーフードとして知られています。

また、高タンパク、高食物繊維で本当に優れた主食みたいです。

僕自身エチオピアに関わるようになるまではインジェラについてはほとんど知らなかったのですが、インジェラがスーパーフードだという話は、どうやら世界でも最大の在外エチオピア人コミニティーのあるアメリカからだったようです。

そんなスーパーフード、インジェラを愛するあまり、食文化が保守的だなんて言われたりします。

 

食文化の変化

 

さてさて、保守的なエチオピア人の愛するインジェラを中心とした食文化ですが、実は、昨今エチオピア首都のアディスアベバではかなり変化が出てきています。

というのも、アディスアベバ市内には昨今欧米系や中華系などかなり食のバラエティーが豊富になってきています。

友達のイスーくんのピザ屋
『アフォイ』にて

特に、ハンバーガー屋、ピザ屋などは、価格レンジも幅広く店舗数もかなりあります。

とはいえ、『マクドナルド』や『KFC』といったグローバルブランドは一切ありません。

あっ、ピザ屋で南ア発の『デボネアーズピザ』がありました。

それと、ぼちぼち『ピザハット』がオープンするといった話もありました。

いずれにせよ、グローバルブランドの有無に関わらず、欧米系の食文化が確実に広まっていることは感じますね。

 

チーズの不足

 

そんなこんなで、ピザ屋の拡大とバーガーショップの拡大などなどから、チーズがない!!ってなことに最近のエチオピアはなってきています。

実際、僕の友人でピザ屋チェーンを経営しているイスーくんもピザ屋のチーズ調達には悪戦苦闘しています。

インジェラと牛のナマ肉

また、ピザ屋を新規でオープンしようとしている人ってのも意外と数がいるようで、イスーくんの基には度々ピザ屋を始めようとする人が訪ねてきて、チーズをどこから仕入れてるのかなんて聞いてくるみたいですね。

イスーくんもチーズの確保は死活問題なので、基本的にはスルーしてチーズの仕入れ先を内緒にしているようです。

そんなこんなで、食文化の変化がチーズのマーケットのポテンシャルを高めているわけですね。

 

まとめに、、

 

こんな感じで、食文化の変化とともにチーズのマーケットでのポテンシャルも高まっていますね。

幸いエチオピアには、豊富な牛がいるのでこの需要をしっかりと満たしながら、現地の小規模農家さんとともにビジネスとしてしっかりとお金を稼げる仕組みづくりをしていくのは、本当に面白いです。

まぁ、チーズ以外にもまだまだエチオピアには目に見える需要と供給のギャップというのがあります、この辺りをいかにして事業化していくのかというのが、やはり先進国に生まれた人間の責務かなと思います。

しっかり稼いで、しっかりエチオピアの人たちにも利益を還元するこのあたりのポリシーを曲げずに、今後もじっくりとエチオピアの方々と向き合っていこうなと思っています。

是非、みなさんにも応援してもらいたいなと思います。

 

 

エチオピアの人口分布

どうも、竹重です。

 

今回は、エチオピアの人口という観点から酪農事業の将来見通しをどの様に捉えているのかについて書いていきたいと思います。

 

人口で捉えるポテンシャル

 

最後のフロンティア、アフリカ大陸なんて言われる様になってきた昨今ですが、そのポテンシャルをどの様に図っているかご存知ですか?

エチオピアの場合は、やはり約1億人いる人口を基にこのポテンシャルが語られることが多い印象を受けます。

まぁ、内需型の商売か、外需型の商売かなど、ビジネスモデルによってポテンシャルの測り方は変わりますが、世界中どこの国を見ても、やはり人口が1つのポテンシャルになっていることは間違いないと思います。

人口をその国のポテンシャルを測るのに用いる際には主に2つの側面があると思います。

消費地(マーケット)としての人口

1つ目は、消費地(マーケット)としての人口です。

銀行員の際に駐在していたインドネシアですが、最近はこちらの消費地として存在感を増している印象ですね。

人口が多ければ、その分消費財が売れるのは当然といえば当然ですが、この消費財の購入についても、生活必需品や食料などを除くとエチオピアで日本企業が販売対象とするような収入を得ている方々はまだまだ少ない印象です。

なにせ1人あたりGDPがまだ年間で1,000ドルに満たないくらいなので。

労働力としての人口

2つ目は、労働力としての人口ですね。

国の発展過程で過去、日本を含めて多くの国が労働集約型の産業から国を発展させてきたと思います。

中国や東南アジア、インドなどへの日本企業の進出の多くが、やはり、安い労働力を求めてこうした地域に投資を進めていったと考えられます。

こちらの切り口で行くとエチオピアは、アフリカ大陸の中でも安い労働力というのはかなり魅力的だと思います。

実際、最近はエチオピアに対する繊維関係のFDI(外国直接投資)は増加傾向にあります。

世界有数のファストファッションブランドなどもすでに工場を持って製品の製造などを開始しています。

こうした外国直接投資の増加により民衆の収入がボトムアップされてくると1つ目に書いたマーケットとしてのポテンシャルも育ってくるのでしょう。

 

人口分布について

 

さて、ここまではざっくりとエチオピアの人口と現状の消費地、労働力としての人口について書いてきましたが、エチオピアを人口で捉える際にもう1つ大事な要素が人口分布かなと思っています。

エチオピアの人口は確かに1億人いますが、実際に都市部に住んでいる人口というのは人口の2割程度と言われています。

これってどういうことか?

エチオピア最大の都市で首都のアディスアベバでさえ人口は300万人。

日本と変わらないぐらいの人口がいる国でもっとも人口の多い都市でも横浜市より人口が少ない。

つまり、田舎にいっても人がたくさんいるんですよ。

地方の道を行き交う人々

これは、僕が実際にエチオピアの地方の農村を訪れる際に常に感じていたことですが、舗装道路もないような日本人の感覚からしたら辺鄙な土地にいっても、かなり人がいます。

どのくらいいるか、写真のような田舎でもひっきりなしに人が行き交っています。

私の地元長野県の山奥に風景こそ似ているものの、長野県の山奥では人なんてほとんど歩いていないので、最初の頃はすごく驚きました。

でも、これって地方でも労働力の確保がしやすいってことですよね。

日本の場合、地方では仕事が少ないこともあってどんどん都市部に人口が移ってしまっていますね、でも、ここエチオピアでは、まだまだ地方にもたくさんの人々がいて、そういった人たちが牛を飼っているんです!

これは、酪農やるしかないですよ!!

日本でも田舎に生まれ育った僕だから、やっぱりエチオピアでも田舎の人たちを盛り上げたいなと思うわけです。

去年ですかね、僕の地元上田市は『真田丸』ブームで盛り上がってましたが、エチオピアの田舎でも町おこしを頑張ります!

やっぱり、アフリカビジネスはボトムアップのアプローチが面白いと思います。

では、また。

 

エチオピアの小規模農家の実情

どうも、竹重です。

 

今回は、僕がエチオピアで乳加工品事業をしたいと思った経緯に迫るべくエチオピアの小規模農家の実情について書いていこうと思います。

 

エチオピアの牛事情

 

小規模農家の実情を書くにあたり、まずは前回も少し書きましたがエチオピアの牛事情について書いていきたいと思います。

エチオピアには牛が多いという話ですが、もう少し具体的に示すとエチオピア国内における牛の頭数はおよそ5,000万頭言われています。

日本の乳用牛と肉用牛の頭数は合わせても400万頭ぐらいであることからも、このエチオピアにおける牛の頭数の多さが理解いただけると思います。

で、こうした牛なんですが、日本と違ってそのほとんどが小規模農家さんたちに飼育されています。

庭先で飼われる牛

右の写真のような感じで、エチオピアの地方に行くとほとんどの小規模農家さんが庭先で牛を数頭飼っています。

こうした牛たちは畑を耕す際に使われたり牛乳を絞って、日々の食生活の中で消費されたりしています。

エチオピアの農家さんにとって牛は切っても切り離せない関係なんですね。

そんなエチオピアの牛ですが、もともとエチオピアの牛というのは、ZebuやHorroと呼ばれるコブ牛がほとんどでした。

最近になって乳量が多いホルスタインなどとの交配も一部で見受けられるようになってきましたが、まだまだ、酪農の盛んな地域にでも行かない限りこうしたホルスタインなどを見かけることは少ないですね。

 

エチオピアの小規模農家

 

エチオピアでは、人口の実に80%が農業に従事しています。

また、そのほとんどが都市部ではなく農村部に住んでいるのもエチオピアの特徴と言えます。

エチオピアの首都アディスアベバでさえ人口は300万人程度と言われています。

人口が約1億人いるのに最大の都市で人口が300万人というのは、いかに地方の農村部に住んでいる人たちが多いのかを物語っていると思います。

さて、そんなエチオピアの国を支える小規模農家さんたちですが、どんな生活をしているかというと。。。

そのほとんどの方々が限られた収入で暮らしています。

これは、マーケットへのアクセスを持てない農家さんが極めて多いからです。

都市部や都市部の近くに暮らす一部の農家さんは自分たちの作った野菜や穀物、牛乳などを販売することができますが、先ほども書いた通り、エチオピアの農家さんのほとんどがいわゆる田舎に暮らしています。

そのため、なかなか商品をマーケットに置いて販売するといったことができないわけです。

先日、エチオピアの南部にある南部諸民族州アワサ市から東に60kmほど離れたGugumaという地方の農村を訪れました。

このGugumaという地域では、牛乳のコレクティングセンターを地域の協同組合で運営しているのですが、これがなかなか面白いですね。

写真の通りコレクティングセンターといっても冷凍庫と牛乳を入れておくプラスチックのタンクが数個、それに加えてバターを製造するバターチャーンが1台あるだけ。

ミルクコレクティングセンター@Guguma

でその牛乳の集め方はというと現地の農家さんがポリタンクに朝絞った牛乳を入れてこのコレクティングセンターまで歩いて持ってきます。

そんなわけで、このコレクティングセンターでは、周囲に暮らす約25軒の小規模農家さんからしか牛乳を集めることができていません。

それ以外にもこのGuguma地域には小規模ながら牛を飼っている農家さんが少なく見積もっても百数十軒は農家さんがいます。

そんな農家さんたちはせっかく牛乳を絞っても現金を稼ぐことができていないわけですね。

 

そんなこんなで、、

 

そんなこんなで、小規模農家さんの現実を知り、その課題を理解する中で、やっぱりこうした商売のチャンスが少ない小規模農家さんにもお金を稼ぐ場を作り出したいなと思い、現在、牧場・乳製品加工事業を開始しようと目下準備を進めているわけです。

小規模農家の方々をマーケットにつなぐお手伝いと、生乳を加工して付加価値をつけて販売することで、こうしたエチオピアの小規模農家さんの収入の増加に少しでも寄与できればなと思っているわけです。

実際に、エチオピアでの事業の立ち上げについては、なかなかルールとしても不透明な部分が多く法人設立だけでもかなり時間がかかってしまっていますが、そのあたりの話はまた別の機会にできればなと思います。

 

 

エチオピアからこんにちは。

初めまして、竹重 宇薫(たけしげ いえのぶ)と申します。

 

現在、エチオピアで牧場と乳製品加工の会社を立ち上げるべく目下準備を進めています。

 

そんなわけで、今回は初めての投稿ということで、簡単に自己紹介エチオピアについて書いていこうと思います。

自己紹介

 

竹重 宇薫(たけしげ いえのぶ)

 

長野の山奥で生まれ育った田舎者です。

 

幼少期から人と同じことをするのがすごく嫌いで、どこかオリジナリティーを求めていました。

 

そんなこともあってか、中学までは競泳、高校からはハンドボールとマイナー系のスポーツに打ち込んできました。

 

こうしたスポーツ遍歴からニッチな領域で活躍することに味を占めた僕ですが、学生時代に観た映画『Hotel Rwanda』、『Last King of Scotland』などアフリカ大陸でも特に東アフリカを舞台にした映画に触発されて、アフリカでの独立を漠然と思い描くようになります。

 

銀行に入ったのも、当時銀行が海外展開を加速する中でグローバル人材の不足していた銀行であれば早めに海外にいけるかなと思ったのがきっかけでした。

 

結果的に4年目になってすぐに海外赴任が決まりインドネシアへ、新興国の元気な国民、市場を体感しつつ、兼ねてから思いを馳せていたアフリカへの思いが強くなってきたのもこのインドネシア駐在時代でした。

 

そんなこんなで、2016年1月に勢い余って銀行を退職、そのままエチオピアに飛んできて現在に至るといった感じです。

 

今後も、なぜアフリカ、なぜエチオピアかといった話を書いたりしようと考えていますが、以下にざっくりと僕の略歴を載せてみます。

 

どこかしらで共通点などを見出していただき共感を持っていただければなと思います。

【略歴】

1986年4月 長野県出身 現在31歳

2010年3月 横浜市立大学卒業

2010年4月 三井住友銀行 入行

2013年8月 インドネシア駐在開始

2016年1月 同行 退職

2016年2月 エチオピアでFS開始

2016年8月 中洞牧場(岩手県岩泉町)にて2ヶ月研修実施

〜現在   法人設立手続き進行中 (社名:Food for Future plc)

エチオピアについて

 

前職を退職してから、『なんでエチオピア?』ってそれはそれはたくさん聞かれてきました。

 

多くの方々がエチオピアについてあまり知らないと思うので、少しだけかいつまんでご説明させていただきますね。

サブサハラで唯一、独立を維持してきた国

 

そう!

 

エチオピアは実は、サブサハラで唯一西欧諸国による植民地支配を受けていない国なんですね。

 

そんなわけで、独自の文化がしっかりと残っていたり、世界遺産もアフリカ最多タイの9つなどなど、文化的背景の深〜い国なんですね。

 

まぁ、植民地支配を受けなかったことで、独自の文化を色濃く残している一方で、ビジネス面では西欧諸国の商習慣に対する馴染みが薄かったせいか同じ東アフリカの中でも、ケニア、タンザニアなどと比較すると発展度合いとしては遅れがちですね。

牛がNo.1!!

 

僕が始めようとしている牧場・乳製品加工事業ですが、実はエチオピア牛の頭数がアフリカ大陸No.1なんですね。

道路脇で草を食む牛たち。

 

ついでにいうと世界でもTop 5に入ってしまうくらい牛が多いんです。

 

しかも、他の国が行なっているような大規模な畜産設備なしにです。

 

人口の80%が依然として農業に従事していると言われるエチオピアですが、地方に行くと本当に多くの家庭で牛を飼っていることがわかります。

 

その用途は、牛耕のようです。

 

トラクターなど普及しているはずもないエチオピアで多くの農家さんが馬力ならぬ牛力で畑を耕しているんですね。

えっ、寒いの!? 〜エチオピアの気候〜

 

前の牛の頭数No.1にもかかってきますが、実はエチオピアは国土のほとんどが高地で、首都のアディスアベバの標高なんかは2,400〜2,500mくらいあります。

エチオピア南部アワサ市
(山の上から)

 

そんなわけで、赤道にも近いですが特に雨季なんかは寒いんですね。

 

観光客でもイメージ先行でエチオピアにやってきて寒い思いをしている人なんか見かけたりします。

 

でも、この標高が高くて冷涼な気候が牛にとってはすごく言い訳ですね。

 

さらに、ナイル川の源にもなっているエチオピア、アフリカというとカサカサと乾燥していそうですが、水資源にも恵まれていて、電力のほとんどが水力発電によって賄われています。

恐らく。。。

 

恐らく多くの方々は、エチオピアと聞いてもカレー屋さんマラソンランナーをイメージするばかりでしょうが、実はこんなとこだよっという点を僕の始める牧場・乳製品加工事業に絡めてご紹介させていただきました。

 

この記事でざっくりと僕、エチオピアについて知っていただければ幸いです。

 

次回以降は、僕の現在取り組んでいる事業について、現在に至る経緯や苦労、ポテンシャルなどなど気ままにご紹介していけたらと思います。

 

今後とも是非ご贔屓にしていただけると幸甚です。

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