引き続き密が心配なギニアから

銀行のドアに貼ってあったコロナ感染予防の為のポスター

こんにちは。ギニアからイヌワリアフリカ代表バー由美子です。
引き続き非常事態宣言発令後のギニアでの状況をお伝えさせて頂きます。

ギニアでは先月3月13日、初の感染者が報告されてから
現在感染者688 死者6 回復127 (すごい勢いで感染者増えて死者も出始めました)

ギニアの非常事態例は 5月15日までとされており(延長になりそうな気配)
現在は空港閉鎖、国境封鎖、首都コナクリから内陸部への移動の禁止、
コナクリ21時から翌5時までの夜間における外出の禁止となっています。
でも昼間は規制はなく、自由に外出ができる状態です。

いきなり銀行の状況が変わっていた

前記事を書いた後にいつも利用している銀行の支店に行ったところ、銀行入り口の状況が以前とすっかり変わっていました。
まず銀行入り口付近に、中に入るのを待つお客さん用のテントと椅子が設置されていました。ガードマンがお客さん1人1人に整理番号を渡し、自分の番号が呼ばれたら中に入れるということでしたが、なかなか順番が回ってこないので早く中に入りたい人たち20人以上が集まり入り口ドアの前でガードマンに抗議していました。

自分の順番がいつくるかも検討がつかない、ほとんどの人たちがマスクもつけていない、皆普通に密着して立っているのでそこにいたら絶対感染しそうな状態なので別の支店に行ってみると、待っているお客さんの数も少なく、そちらでは銀行の中には5人ずつ入れ替えで入れるようになっていて、割とすぐに中に入ることができました。

その銀行でも、外で待っているお客さんはマスクをつけていない人ばかりで、特に距離を開けることなく座ったり立ったり隣の人とお喋りしながら待っていいました。
それに対し、いつもはお客さんと冗談ばかり言っている顔なじみのガードマンはとても緊張した感じでいつもの様子とは全く異なっていましたし、銀行員の方たちはマスクと手袋をはめて完全防備の状態だったので、気をつけている人たちと気をつけていない人たちの危機感の違いがありすぎるのを目の当たりにし、ゾッとしました。

知り合いに会った時に、もっと距離を置こうよと伝えましたが、熱がないから大丈夫!と言われました。
熱や咳などの症状がでなくても実はコロナ菌を持っている人がいて、そういう人が他の人に移す可能性があるということがまだまだ知られていないようなので、政府はもっとこういった情報を国民に伝えて欲しいと思います。

銀行入り口に設置されたテント、この支店にはテントの中にお客さん用の椅子は置いてありませんでした。

マスク着用もしくは布で口を覆う事が義務化

その日は翌日からマスクが義務化されるということで、道路を歩きながらミネラルウオーターやテイッシュを売る売り子さんと共に、紙マスクや仕立て屋で製作されたカラフルなアフリカ布のマスクを売る売り子さんが沢山見かけられました。
もちろんそれは、ギニアで初めて見た光景でした。

紙マスクの価格は決まっておらず物によって異なりますが大体10.000〜30.000ギニアフラン(約120〜350円)
布のマスクの価格はもっと低価格の2.500ギニアフラン(約30円)

政府は、全国の仕立て屋に布マスクを製作するように声明を出し、それと共に誰でも買いやすいようにその価格を2.500ギニアフラン以下にしなくてはならないと決めたため、布マスクの方が紙マスクより安いのです。
マスクの材料の布は仕立てた服の布から出たハギレだからまだ良いかもしれませんが、制作する側の職人さんたちからはそんな金額は安すぎて無理という声があがっています。
イヌワリアフリカのパートナー工房でも、マスクの制作をしているそうです。

紙マスクには、悪い薬品が付いているから買わない方が良いとか、一度使用されて破棄されたものを拾い、それを洗ってまた販売しているから危険とか、いろいろな噂が出ています。

交通機関の乗員数の制限により乗車料金が2倍に

ガソリン代は1割だけ値下げがされましたが(現在ガソリン1ℓ約100円)
お客さんの乗車人数が半分に制限されたので乗車料金が2倍になりました。

タクシー乗車人数・今まで最大6人→3人
(助手席1人・警官がいないような場所なら2人の時もある、後部席4人)
バイクタクシー乗車人数・今までは最大2人→1人
ミニバス 乗車人数・今まで20人以上可能な限り詰め詰め状態→7ー10人まで

これに対し、大きなバス、電車の乗車代が無料になるという政策が出されましたが、このバスも電車も走っている道路、区間が限定され過ぎなもので多くの人が利用するものではないので、本当に一部の人だけのサービスになってしまう感じです。

乗車料金が高くなると物の移動の為の経費が多くなるので様々な物の価格が高騰するはずなのでそれも心配です。

今まではギューギュー詰めで乗っていたタクシー

電気、水料金が3ヶ月無料、12月まで家賃値上げ禁止

電気、水道料金が3ヶ月無料になるそうです。
ギニア全体で考えると、そもそも電気や水道のない家庭の方が圧倒的に多いし、意味がないのでは?という意見があります。
それと、地域によって全く違いますが、水道管に水がとおっているのは24時間ではなく、週に何回か決まった時間帯のみ水が来るのが通常パターンなのですが、本当かは分かりませんが(我が家では井戸水を使用しているので常に水がある状態)水道代無料が発表されてから前より水が来なくなったという家庭が増えているというのも聞きます。

水道がある家の外壁に設置された蛇口から水が出る時間になると、近所の住民がバケツなどの容器を持って水をもらい集まります。こうして自分の家の水道の水を近所の人たちに無料で提供している家も沢山あります。
給水車から水をもらいに集まる地域の住民たち。
この給水車が大活躍しているのをよく見かけます。

給水車についているこちらに注目!嬉しいですね。
生活用水を販売している場所 
容器に入った水をリヤカーで家まで運んでもらえます。

電気に関しては、私の暮らしている街ではの話ですが、今のような乾季の時期は毎年日の半分は停電だったのに、今年はとにかく24時間ほとんど電気がある状態なのでとても助かっています。

水道の無い近所の人たちの為に水を無償提供している家庭も多いし、電気会社は電気代の支払いを期限が過ぎるとお情け無しで速攻電線を切るくらい厳しいし、商売をしている人にとっても今は商売上がったりなのでこれは間違いなく良い策だと思います。

家賃12月まで 値上げ禁止についてですが、首都コナクリは以前から家賃が高く値上げも多いので政府に助けを求める声も多く出ている状況で、元々収入が少なくて家賃を払えない人が多いのですが、今すでコロナの影響で仕事がなく収入ゼロになった人たちが多い中、彼らはどうやって家賃を払えるのでしょうか。
(これは私自身も危ないですね!!)

ますます職、収入がなくなる!

バー,競技場,劇場,映画館などの娯楽施設の閉鎖となり
2月から3月にかけて開催していたギニア文化体験ツアーが終わったらプールと映画館に行こう!と娘に約束をしていたのですが、ツアーが終了した数日後にギニアでコロナ感染が確認された為、その約束もオアズケとなりました。

ギニアでは、ここ最近オシャレなホテルやバー、レストランなど前には全然無かったみんなが楽しむ為の娯楽の場所がどんどん増えていて、それによって大勢の若者たちが職を得ることができていたのに彼らも一気に職を失うのかもしれません。

ギニア文化体験ツアーのスタッフでもあるイヌワリアフリカと関わりの深いギニアの伝統芸能アーティスト達も危機状態です。
彼らの所属する国立舞踊団も私設舞踊団(劇団のようなもの)も練習もコンサートなど活動が全て禁止となり、彼らからダンスや楽器を学び来ていた外国人も帰国し、禁止となった結婚式や子供の命名式などの祭りでの演奏の仕事も無い為、皆非常事態宣言が出てから収入減がゼロとなっています。

イヌワリアフリカではアパレル商品も楽器も当社独自のアトリエは持たず、現在約7箇所のパートナー工房の職人さんたちに製作を委託で依頼し一緒に製品作りを行っていますが、どのアトリエでも普段よりお客さんからの注文が減っているということでした。

アフリカ布も価格高騰中

私がいつもアフリカ布を仕入れている行きつけの布屋さんに行くと、国境が閉鎖、首都コナクリと地方を自由に行き来できなくなった為、空輸や陸路で輸入されていた布がなかなか手に入らなくなり布の価格が上がっているとお店のマダムが悲しそうに話していました。
実際その時に私が購入した布は、6ドル値上げされていました。

私が最近注目している化繊のプリント布地
コロナの影響で仕入先のベナンから輸入できなくなっているということで
約6ドル値上げされていました

もうすぐラマダンなのに

国民の約90パーセントがムスリムのギニアは25日からラマダン入りだそうです。
ムスリムの家庭ではラマダン前には、米や砂糖、玉ねぎ、じゃがいもなど毎日必ず使う食材をまとめて買い出しをするようですが、今年はいつもより金銭的に大変なので買い出しも難しいようです。

逆に村の野菜の生産地では、国境封鎖や各地への行き来が難しくなり、買い付けに来る業者が村に来れなかったりこちらから売りに行けなかったりで、野菜は保存がきかない為にマルシェで一般のお客さんに安く販売するしかない状況になっている、村の農家の人たちがコロナがなければ今は一番の稼ぎ時なのに!と嘆いているというニュースも見ました。

今まで通りを変えるのが難しい

ギニア国営放送やネットを通してもコロナに気をつけようという情報は流れてはいるものの、とにかく私が完全防備で外出した時に見る光景は、消毒液入りバケツやマスク、タクシーがいつもみたいにお客さんがギューギュー詰めで座っていない以外は今まで通りのまるでコロナなんか無いようなものです。

通りがかった民家の庭では、近所の人たちがみんなで集まって団欒したり、サッカーくじ売り場の前で男性たちが集まって番号の予想をしていたり、小さな商店の前に置いてあるテレビをみんなで座って見ていたり、ローカルマルシェでは人と人との感覚なんか全く気にしないでマダムたちはお喋りしながら商品を売り、その横では赤ちゃんが寝転んでいたり子供たちが走り回っています。

コロナが入る前のローカルマルシェの燻製魚を売る女性
夜間外出禁止となったので、今は店じまい時間が早くなりました

どちらにせよ人と人の距離を置くにしても一部の裕福層を抜かせば、ここでは狭い家に大家族で住んでいる家庭がほとんどで、壁のない家の敷地内には他にも何家族も住んでいて、敷地内のトイレが共同だったり、そこには水道も無くてどこかから運んでくる水を使っていたり、感染の可能性大な環境で皆暮らしています。

ギニアには1人でいると、考えすぎで悪い考えに支配されるとか、邪悪なスピリットが頭に入ってくるという考えがあるそうです。
こういうことも人と人が距離を置くのが難しい要因になるのかもしれません。

今までも先が見えず、その日を生き延びるのに精一杯な人たちばかりのギニアですが、これ以上難しい状況になったら暴動や犯罪も増えるだろうしどうなるのか?

コロナ感染を防ぐには、いっそのこと24時間外出禁止にして欲しいところですが、国民のほとんどが、家族全員がその日に稼いだお金を集めてその1日1日を食いつないでいく、もしくはお金に余裕がある人に援助されながらなんとか生きながらえているという生活をしている人たちです。
24時間外出禁止になったら、その日の稼ぎを得られない人たちは生きていけなくなるし一体どうしたらいいのでしょうか?

海外に出て仕事をしている家族からの送金をあてにして暮らしている人も多いですが、今は海外にいる人だってコロナでもっと厳しい状態にいる可能性もあるしギニアにいる家族に送金も出来ないかもしれません。

とにかくみんなで生き残らねば!

当社の仕事に関わってくれている人たちとその家族の生活もどうなるのだろう?ここ最近いつもそればかり考えています。

GWや夏休みに予定していたギニアツアーもダメ、観光業は当分は無理です。
アパレルや楽器の販売に関しては、荷物を輸出するのに問題があるので新商品を製作の目処が立ちません。
現在は空港は閉鎖でも、貨物を乗せる飛行機が時々飛んでいるので、荷物の輸送は可能だそうですが、輸送費が相当値上がりしているらしく、いろいろと先の見通しがつかない為、職人さんたちにまとまった数の新商品の製作の依頼も出来ません。

みんなで今日よりも良い暮らしを送れるように!
そして自分自身が自滅しないようにも!!笑
なんとか良い方法を探さねば!と思っています。

そんな中、唯一停止せず稼働出来ているのは、昨年から始めた小さな漁業ビジネスです。
始めてからずっとトラブル続きで大変なことばかりではありますがお陰様でなんとか続けることができています。

次回はこの私たちの新たなチャレンジ《漁業》についても書かせて頂こうと思います。

漁から帰ってきた舟から獲れた魚をみんなで陸にあげる作業

バー由美子
Inuwali Africa Guinée Conakry SARLU 代表
NPO法人一期JAM ギニア支部代表
NPO法人一期JAM 理事  

Inuwali Africa イヌワリアフリカ HP  
Inuwali Africa イヌワリアフリカ ネットショップ
イヌワリアフリカのギニアツアー専用 HP
NPO法人一期JAM  https://www.ichigojam.org

ギニアでコロナ確認から1ヶ月

エボラの時は買わなかった消毒ハンドジェル
今回はコロナの感染の可能性が計り知れないので
外出中用、自宅玄関用と大小購入しました。
ラベルにはコートジボワールの会社の名前が書いてあります。 
小容器は60ml 旅行用シャンプーくらい本当に小さいくせに約320円もします。
大きな方 350ml で2000円前後、もっと高く売っているところもあるらしいです。
ギニアの一般家庭にとってはとんでもない金額です。
(私にとってもかなり厳しいです!)

こんにちは。ギニアからイヌワリアフリカ代表バー由美子です。

今日はギニアのコロナの状況をお伝えさせて頂きます。
コロナの影響で世界中で大変なことになっているようですが、こちらギニアでも日に日に急激に感染者が増えてきており、先の見えない危機感を感じています。

先月3月13日に初めてギニアで新型コロナウイルス感染者1名が確認されてから昨日でちょうど1カ月経ちました。
昨日の発表では、現在は感染者 363  回復者31 死者0(公式発表はされていませんが死者1名が確認という記事も先ほど見ましたが)だそうで、ギニアでは急激に感染者数が増えている状態です。

3月27日には2週間の非常事態宣言が出され、先週4月9日には、21日間 5月15日までの非常事態延長が発令されました。

ギニアにはもともと整った医療体制が無いのと、今後の政情不安も見込まれる為、外務省からは日本帰国を即するメール、在ギニア日本大使館からは、日本へ帰国可能なチャーター機のお知らせを頻繁に頂いている状態ですが、エボラの時と同様、私たちはギニアが自分たちの居場所であり守り守られる仲間もここにいると考えているので、ここを去ることは考えていません。

そもそもギニアでは、コロナよりも先に3月22日に行われた国民議会選挙と憲法改正に関する国民投票で心配されていた暴動回避の為に学校も休校、お店も閉まり仕事も休み、皆自宅待機を余儀なくされていた状態で、その間に今度はいきなりコロナで空港閉鎖、非常事態宣言がいきなり出され、そのまま学校は休校のままになり、国境閉鎖、バー,競技場,劇場,映画館などの娯楽施設、14日間の閉鎖、すべての国際会議を延期、スポーツ大会や文化イベントを禁止、
宗教施設(モスク,教会)を閉鎖,宗教上の行事を禁止する、となりました。

続いて新たに21時から翌5時までの夜間における外出の禁止、首都コナクリから内陸部への移動の禁止のお達しが出て、

既に発出されているギニア全土へ非常事態宣言を21日間 、5月15日まで延長へ

昨日は「4月18日からマスク着用か布で口を覆う事の義務化、違反者には罰金30.000ギニアフランを課す」という発表がされました。

以下がその経緯です。

2月17日から3月8日までの3週間開催した「ギニア文化体験ツアー」
参加者の皆さんとツアースタッフのアーティストたちと

3月13日  
ギニアで新型コロナウイルス感染者1名

当社が毎年この時期に行っている「ギニア文化体験ツアー」を2月17日から3月8日までの3週間開催し、ツアー期間中はまだギニアではコロナは入っておらず、コロナは中国や韓国で起きている事というようなイメージでしたが、13日にベルギーからギニアに入国した方から感染が確認されたというのを知り、やっぱり飛行機での移動を通して入ったか・・とエボラの時の恐怖が蘇りました。

3月16日  
国際空港にて新型コロナウイルス感染症の監視強化。流行国から出国した旅行者がギニアに入国する場合,2週間の自宅でのモニタリング(1日2回の体温測定)

すぐに空港を閉鎖して欲しいと思っていたところでした。
閉鎖でないにしろ政府がすぐに動いてくれた事がとても嬉しかったです。

3月19日
新型コロナウイルス感染拡大に伴い,ギニア発着の一部国際航空便の減便,停止。


この頃は、コロナよりも22日に行われる国民議会選挙と憲法改正に関する国民投票の影響で起こる暴動や犯罪に巻き込まれないように、事前に数日分の食料の買いだめをし5日間くらい自宅にこもっていました。
娘の学校も数日前から休校になっていました。
買い出しに行った時や、仕入先の布屋さん、パートナー工房の職人さんたちなど会った人々は「22日は暴動が起きるかもしれないから家から出ないでね、気をつけようね」と言っていましたが、誰もコロナに関してはまだなにも気にしていないようでした。

ローカルマルシェの中古ブラジャー屋さんとアフリカ布屋さん

3月22日
ギニア全国において,国民議会選挙及び憲法改正に関する国民投票が行われました。一方,首都コナクリの一部地域を含む全国各地で投票所への放火や治安当局との衝突があり,多数の死傷者が発生した模様。


私たちは自宅から出なかったので実際街中がどうだったかは分かりませんが、(選挙関係の暴動は外にでなければ問題は起きません)
警察との衝突や街を荒らす暴動などがあったそうです。


わたしは国民投票に投票する – アフリカの統一と統合のために
と書かれた看板

3月23日 (いきなり当日発表)
コナクリ国際空港を次の指示が出るまでの間,閉鎖

この日も選挙関係の暴動の可能性を考え自宅待機をしていたのですが、今度はいきなりコロナでコナクリ国際空港を閉鎖したと当日に発表がありました。
ヨーロッパから入国した人がコロナ感染をしていたというケースが立て続けに起きていたので、空港閉鎖が当日発表とはあり得ないでしょとは思いましたが、この決定はとても有難かったです。


3月26日 (前日発表)
ギニア全土へ非常事態宣言の発令
・27日0時より,30日間(更新の可能性あり)陸路の国境を封鎖し,商用トラック以外の出入国は不可とする。
・コナクリ市交通機関の乗員数の制限・運転手の他,乗客は車一台につき3人,バイクは1人,ミニバスは7ー10人までを上限。
・全ての教育機関を14日間(更新の可能性あり)休校とする。
・バー,競技場,劇場,映画館などの娯楽施設を14日間(更新の可能性あり)閉鎖する。
・市場,レストラン,銀行において衛生対策を実施(手洗いや2メートルの距離確保)する。
・全ての会合は最大20名を上限とする。
・すべての国際会議を延期する。また,スポーツ大会や文化イベントを禁止する。
・50名以上感染者がいる国への重要ではない旅行を延期する。
・宗教施設(モスク,教会)を14日間(更新の可能性あり)閉鎖,宗教上の行事を禁止する。
・規則違反者は追跡の対象となる。


この非常事態宣言が出た日に、選挙関係の暴動回避の為に買いだめしていた食料のストックがなくなったので、初めてマスクを付けて出かけました。
その頃他の国ではアジア人に対する差別が起きているのをネットでよくみかけていたので、別の意味でマスクをつけて外出するのが少し怖かったのですが、出かけてみたら、驚いたことに道路脇でマスクを売る人が沢山いたのと、マルシェやスーパーマケーケットでもかなりの人がマスクをつけていたのでとても安心したのと同時に、コロナが現実味を増してその恐怖を感じるようになってきました。
フランスのニュース番組では、この頃フランスではスーパーマーケットでパスタやトイレットペーパーが品切れになっているというのを見ましたが、この日に買い物に行ったスーパーでもいつもは棚にしっかり詰まって陳列されているパスタやスパゲッティソース、トイレットペーパーが品薄になっていたので、ヨーロッパから来てギニア駐在をしているお客さんが多いスーパーだから同じことが起きるのかしら?と思いました。

スーパーのトイレットペーパーのコーナー(右)、いつもなら棚にキツキツに並べてあります

3月30日 
新たな措置として,大統領令により措置が追加
・21時から翌5時までの夜間における外出の禁止
・首都コナクリから内陸部への移動の禁止


私たちは非常事態宣言が出てからは自宅待機を続けていましたが、この頃外の様子がガラッと変わりました。
外国人や裕福層のギニア人がいくようなお店、銀行などの前には消毒液入りのバケツが設置され、熱の測定器を持ったガードマンが立っていること、消毒液のバケツがいたるところで販売されている、それはまさしくエボラの時と同じ光景でした。

路上販売されている手の消毒液用バケツ(右下)
マスクをしたバイクタクシーの運転手さん(右)
小さな商店の入り口に置かれた手の消毒水入りバケツ

4月9日 
既に発出されているギニア全土へ非常事態宣言を21日間延長

食料の買い出しの為に外出した際に仕入先の布屋に行くと、ほんとなら今はラマダン前で結婚式がひっきりなしに行われる時期で(ラマダン中は結婚式ができないのでラマダン前は結婚式ラッシュとなります)結婚式の祭りに行く為の服を仕立てる布が沢山売れるはずなのに、非常事態宣言で祭りが禁止されたから布も全然売れないと布屋のマダムが嘆いていました。
路上でマスクを売っている人が見当たらず、薬局でもマスクが売り切れになっていましたが、車で通りがかった仕立て屋のアトリエの扉に、そこの職人さんがハギレで作ったアフリカ布のカラフルなマスクが販売用にぶら下がっていました。
この頃には、利用しているスーパーでは、前のようにパスタその他の品が不足してる感じは見られませんでした。
最近はアメリカやフランス人の為に国外退去用の特別チャーター機が来ていたようですし、そういうお店に来る外国人たちは既にギニアからいなくなった為、買いだめをしに来るお客さんもいないし、今となっては品切れになる事もないのかもしれません。

非常事態宣言が出た後はこうして綺麗に着飾って行くお祭りも禁止となりました

4月13日
4月18日からマスク着用か布で口を覆う事の義務化 
違反者には罰金30.000ギニアフランもしくは通行禁止

昨日いきなりお達しが出たのがこのマスク着用の義務化です。
これは本当に嬉しかったです。
というのも、最近買い出しに出かけた時に、家から完全防備で出た私と、外にいる人たちとの意識が全く違うことに気がついたからです。
マスクをしているのは本当に1部だけの人で、人と人との間隔を2メートルは離そうという意識も全然なくて、みんな普段通り密!に人と接していて、見ているこちらがハラハラしてしまう感じで、出先で知り合いに会ってしまったらもう最後、マスク無しでめちゃくちゃ大きな声で喋りながら近づいてきて握手しようとするしこれは恐怖でしかありません。
そんな時はすかさず、ストップーーー!!と一歩引いて優しく「2M Distance Sociale!」と社会的距離をお願いしています。
挨拶をしっかりすることが大切とされている、人と人とがぴったりくっついて生活しているようなここギニアで、人と距離を置くということがどれほど大変なことか、実感しています。

こちら私がギニアで初めて買ったマスク 10.000ギニアフラン
この時は価格約110円、その後価格が2倍になっていました。
ギニアの一般家庭の収入を考えたらとても高価です。

これがコロナが出てからの1ヶ月の経過です。
次回は、この非常事態令が出た後の問題、政府から提示された国民の為のサポート政策や、そんな中での当社の事業の状況などお伝えしたいと思います。

(こちらの記事では在ギニア日本大使館から頂いた情報の転載もさせて頂きました)

バー由美子
Inuwali Africa Guinée Conakry SARLU 代表
NPO法人一期JAM ギニア支部代表
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ギニア移住後9年ぶりの日本③ギニアと日本の子供たちが太鼓の演奏で国際交流

今回日本へ行ったギニアの4名の子供たち
鹿児島三島村と長年の交流のあるギニアのバランドゥグ村の子供3名と我が家の長男

こんにちは。ギニアからイヌワリアフリカ代表バー由美子です。

8月末に横浜で開催されたTICAD7に合わせ、ギニアの子供たち4名が日本へ行き、オリンピック・パラリンピック開催時のギニアのホストタウンとして登録された鹿児島三島村の子供たちを中心とする日本の子供たちとギニアの太鼓ジャンベの演奏を通し交流するというプロジェクトがあり、この企画においてギニアの子供たちを日本へ招聘する為のサポート等を昨年から弊社イヌワリアフリカでさせて頂いていました。

そして、弊社の日本業務パートナーであり今年から私が理事を務めさせて頂いているNPO法人一期JAMがこの企画の日本側でのイベント開催における様々なサポートをする事になった事、そしてジャンベ奏者の我が家の長男もこの4名のギニアの子供の中の一人として日本に行かせて頂く事になっていた事や、とにかく私自身がギニアと繋がるキッカケとなったジャンベを通し今回いろいろなご縁が蜘蛛の糸のように見事に繋がっていったこのプロジェクトに私の思い入れも相当強くなっており、

このギニアと日本の子供たちが太鼓で繋がるプロジェクトが実現されるのを是非ともこの目で実際に見たいというのが、今回の9年ぶりの日本帰国の1番の目的となっていました。

KAAT神奈川芸術劇場でのジャンベワークショップ会場に到着したギニアの子供たち

私が日本到着後の翌日にギニアの子供たちも日本に到着し、まずはKAAT神奈川芸術劇場で子供向けのジャンベのワークショップが開催され、そこで練習したものを翌日のコンサートでみんなで発表するというイベントで大盛り上がりしました。

ジャンベワークショップやコンサートではNPO法人一期JAMが
楽器演奏その他のサポートを致しました
ギニア×鹿児島三島村の子供たちとのコンサートに向けてのジャンベ練習
ギニアの女の子2人は日本到着したばかりなのにさすが子供!元気いっぱいに頑張っていました。
男の子マムドゥも三島村のお兄ちゃんたちに混ざって頑張っていました!
三島村の子供たちはみんな普段からジャンベを演奏しているすごい子たちなんです!

ギニアと日本の子供たちみんなで練習をした成果がこちらです↓!!

こんなに沢山の子供たちが参加したコンサート大盛況でした!

KAAT神奈川芸術劇場でのジャンベワークショップとコンサートの様子はテレビや新聞でも取り上げられました。
テレビの映像でも観れるように、ワークショップやコンサートの後に参加した子供たちが、ギニアの子達と一緒に太鼓を叩けたのがとっても楽しかったと話していたのがとても印象的でした。

神奈川新聞

TICAD7が開催されていたみなとみらい地区でも、三島村×ギニアの子供たちがジャンベの演奏で大活躍しました。


鹿児島三島村×ギニアの子供たち!彼らはこの後で、天皇皇后両陛下も出席された「野口英世アフリカ賞」の授賞式でジャンベ演奏もしたんですよ!


彼らが横浜みなとみらいを拠点にして過ごしていた約1週間、私は日本での取引先訪問などの傍、彼らの追っかけをしていました。

みなとみらいのクイーンズガーデンでのミニライブの合間に。
この日はアフリカ起業支援コンソーシアムのTICAD7サイドイベントの日でした。
右から3番目の方は三島村の村長さん、25年間もの間、ギニアとの交流を続けてこられ様々な活動をされているすごいお方です!


彼らはこの後、鹿児島三島村を訪問し、島の皆さんとの交流をしギニアに帰国しました。

三島村に行くには鹿児島の港からフェリーで4時間かかるんだそうです!

このプロジェクトでギニアの子供たちが決定された後に、子供たちに「日本に行ったら何がしたい?」という質問をした時に、彼らなんと答えたと思いますか?

女の子2人の答えは「勉強がしたい」だったんです。
私はその答えにかなり衝撃を受け、正直泣きそうになりました。
実は女の子たちは、ギニアで小学校に通っていませんでした。
彼女らは自分の名前すら書けませんでした。
ギニアでは首都コナクリでは以前よりも随分と女子も学校に行くようになりましたが、村の女の子たちはまだまだ学校には行かずに家事手伝いをして1日を過ごすのが現状らしいです。

それを知った三島村の方達が、彼らにも学校体験をしてもらおうと、彼らが三島に行った時に島の学校での授業に彼らが参加する機会を作ったそうです。

そして、彼らがギニアに帰国した後に起きたこと。
なんと女の子たちの家族が彼女たちを学校に行く事にさせたそうなんです!!
それを聞いて私も本当に嬉しかったです。

今回このプロジェクトに参加させて頂いた我が家の長男にとってもこれは人生忘れられない素晴らしい体験となったようです。
日本で知り合った皆さんにとても優しくして頂いたそうで感動していました。

彼はギニア移住した後に私たち親に無理やりギニアの伝統楽器のジャンベ修行をさせられて育ったわけですが、日本に行ってこうしてジャンベで大勢の人たちと楽しく繋がれたことは、みんなで楽しい幸せな時間を共有できるギニアの大切な伝統文化ジャンベの偉大さを知る良い機会になったはずです。

三島村にて 息子は日本では神社がとても好な場所だったそうです。

私も、今回昨年から関わらせて頂いていたこのプロジェクトがこうして実現された場に実際に立ち会うことができたこの喜びは言葉では表せないものでした。

そして、遠く離れた国から来た人種も性別も習慣も言葉も違う人と人がこうして楽しく繋がってお互いの理解を深めていく、こういうプロジェクトこそが、これからの子供たちの平和な未来の為に1番必要なものなのではないか?と強く思ったのです。

今回ギニアから日本に行った子供たち、日本でギニアの子達と繋がった子供たち、そしてそれを見た大人たち、きっとそれぞれが多くの事を感じた事でしょう。そしてその想いがまた次の楽しい繋がりに続いていくのかもと思うとワクワクしてきます。

こんな素晴らしい国際交流に関わらせて頂き本当に有難かったです。
プロジェクト実現の為に並々ならぬ苦労をされたはずの三島村の方々、その他このプロジェクトの全ての関係者の皆様に感謝です!
本当にありがとうございました。
これからもこのギニアと日本の繋がりがどんどん続いてこんな素敵な交流が広がっていきますように!


バー由美子
Inuwali Africa Guinée Conakry SARLU 代表
NPO法人一期JAM ギニア支部代表
NPO法人一期JAM 理事 


Inuwali Africa イヌワリアフリカ HP  
Inuwali Africa イヌワリアフリカ ネットショップ
イヌワリアフリカのギニアツアー専用 HP
NPO法人一期JAM  https://www.ichigojam.org

こちらコナクリのパスポート申請所の一角
永遠に続くと思われた日本へ行くギニアの子供たちのパスポート取得の為に奔走していた今では懐かしの昨年のとある日の写真です!

ギニア移住後9年ぶりの日本 ②Tokyo Africa Collection

イヌワリアフリカ日本オフィスの仲間たちも一緒にブースに立ってくれました

こんにちは。ギニアのイヌワリアフリカ代表バー由美子です。

前々回の記事の続きとなりますが、日本一時国では、9月1日に開催された「Toky Africa Collection」
(アフリカ起業支援コンソーシアム協賛)にて、イヌワリアフリカの出展ブースを出させて頂きました。

Tokyo Africa Collection

アフリカ各国の日本では知られていない魅力を、日本の10-20代のアフリカ無関心層に向けたブランディング・キャスティング・企画演出の下行われるファッションショー「Tokyo Africa Collection」を通して伝えていくことを目的としています。

アフリカの伝統衣装や音楽を取り上げるのではなく、アフリカ各国の魅力を反映したオリジナルの衣装を制作し、10-20代の若年層のニーズを反映したモデルキャスティングや演出に力を入れています。

Tokyo Africa Collectionホームページから引用 https://www.tokyoafricacollection.com


確かに、私がギニアの楽器やダンス、ファッションを紹介する活動を何年もしてきてずっと感じて来たのは、アフリカに興味を持つ人たちはなかなか増えず、いつも同じ層だけということでした。しかも若者にはなかなか関心を持ってもらえないという思いを持ってきて、私の周りの人たちも全く同じ意見でした。

ですから、このTokyo Africa Collectionのアフリカに興味がない層の若者をワザとターゲットにしてアフリカっぽくない演出で逆にアフリカに興味をもってもらえるような企画はとっても良いと思いました。

ちゃっかりモデルさんと一緒に写真を撮ってもらいました

そして、ブースを出させて頂いた事で何よりも驚いたのが、ショーの関係者、スタッフさんの皆さん達の私たちやお客様へ対する気配りと配慮の素晴らしさでした。
彼らの姿を見てこれならきっとアフリカに関心を持つ若者が絶対増えるだろうなと思いました。

ブースでは沢山の方がイヌワリアフリカの商品をご覧くださいました!
渋澤様も!!
お買い物をして下さったお客様
それぞれアフリカンプリントの素敵なお洋服で来場されていたお3人!ワンピース、トップス、シュシュをご購入下さいました
お買い物下さったまたまた素敵なお2人、何度もブースに立ち寄って下さいました。
ジャケットをご購入下さった方!とってもお似合いでした。

普段ギニアにいるので、お客様とはメールでのやりとりとなりますが、こちらではブースに自分が立って自分でお客様とやりとりのできる楽しさを久しぶりに体験することができました。

とっても沢山の方がイヌワリアフリカの商品に興味を持って下さり、本当に嬉しかったです。
そして、ギニアに住んでギニアの人たちとものつくりをしている事をお話しすると、もっと私の話しを聞きたいとおっしゃって下さる方が結構多く、後日メールでご連絡下さる方もいらっしゃって、こういう事に関心を持っていられる方が今とても多いのだなという事も今回分かりました。

そして、その若い皆さんがとってもキラキラとした目でギニアでの事を知りたい教えてください!とか、アフリカに興味があるんです、とか、国際協力に興味があるんですとかおっしゃる姿を見て、やっぱり熱い若者いるんだ・・ちゃんといるんだ!とここで気がついたわけです。

今までギニアから長年出てなかったしそういう方に接する機会もなく、今の若者は熱くないという声しか聞いていなかったけれど、実際日本でそういう熱い想いを持つ若者たちに会えたことがかなり嬉しく、未来の希望を感じ、自分も良い刺激を受けました。

そんな素敵な出会いやいろいろな気づきを沢山頂いた
「Tokyo Africa Collection」!主催者の皆様に感謝です。
そして出展の機会を下さったアフリカ起業支援コンソーシアムにまたまた感謝です!ありがとうございました。

こちらは出展ブースにてイヌワリアフリカ日本オフィスの熱い大人たち笑

バー由美子
Inuwali Africa Guinée Conakry SARLU 代表
NPO法人一期JAM ギニア支部代表
NPO法人一期JAM 理事 

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不覚にもマラリアに・・

数ヶ月前にもらった蚊帳の無料提供用クーポン

忘れられた蚊帳の無料配布クーポンを見つけて

こんにちは。ギニアのイヌワリアフリカ代表バー由美子です。

前回の記事を投稿後に、部屋の片付けをしていたところ、数ヶ月前にもらった蚊帳の無料提供用のクーポンを発見しました。

このクーポンは年に1回くらいの頻度で我が家にやってきます。
毎回自宅に突然この担当者がやってきて、「蚊帳の無料配布をするのでこの用紙にこの家に住んでいる蚊帳の希望者の名前を記入するように、いついつくらいまでに町長さんの家に蚊帳を引き取りに行くように」と言われます。

でもこのクーポンをもらった後は、引き取りに行くのを毎回忘れてしまうのです。私たちは蚊帳は使わないけれど、網戸のない家で暮らしている知人たちにあげたかったので(蚊帳はそれなりのものだと安くてもマルシェで18ドルくらいはするので、一般庶民にはかなり高い買い物になります)、また今回も引き取りに行くのを忘れたクーポンを発見してもやもやした気持ちでいました。

いきなり高熱

そんな夜にいきなり悪寒がし関節が痛くなり高熱が出ました。

私は熱が出るといつもまずこのエフェラガンという薬を飲みます。街のどんな小さな商店にでも絶対に売っている薬で、ギニアの誰もが知っているはずの薬です。

エフェラガン 原寸大

アフェラガンを飲んだら、夜は熱にうなされながらも、朝には熱が下がって何事もないように動けたのですがまた夜に同じように悪寒がして高熱が出たので、翌日朝イチで病院に行きました。
すぐに血液検査をして、点滴となりました。

点滴を約4時間
看護婦さんは注射針刺すのは結構上手です

病室が持ち寄りパーテイ会場状態に

とにかく熱で頭の先からつま先まで痛くて、疲労感も辛くヘトヘトな訳ですが、こちら個室ではないので、仕切りはあるものの、奥の患者さんのお見舞い付き添い?者の数が半端なく、さっぱり休憩できないのです。
みなさん入れ替わり立ち代りやってきて、しかもみなさんそれぞれがバケツみたいな入れ物に食事を入れてじゃんじゃん持ってきて、そこでみんなでそのご飯を食べるんですよね。それが油っぽい強烈な香りを放ち、こちらは吐き気もあるもんだからたまったもんじゃありません。
おまけにみなさん話声がデッカいんです。
病室なのにまるでここは持ち寄りパーテイ会場?大宴会?といった感じになってて、看護婦さんが「他の患者さんもいるんですからね!」と注意しようにも全く効果はありませんでした。ギニアらしいといえばギニアらしい話ですが、これには本当に泣かされました。
ちなみに、みなさん病室に手洗い場があるのにもかかわらず、食事前に誰も手を洗わずそのまま素手でご飯食べてました。
病原菌いっぱいの場所で手を洗わず素手でご飯・・これにはゾッとしました、本当に大問題だなと思いました。

その後1週間自宅でうなされながら寝てました


こちら病院でもらった血液検査の結果、請求書、領収書、処方箋です。
病院ではちょうど100ドル請求されました。(処方箋の薬代は含みません)

処方された薬のうちの一部、上が抗生物質、下はマラリアの薬です。
ちなみに処方箋の薬を買うのに約30ドルくらいかかりました。

病院で点滴をしたら熱も出なくなったのですが、とにかく頭痛や関節痛やとにかく自然にうなされてしまうような痛みがやってきて、マラリアの薬を飲むとこれはいつもの如くなのですが(マラリア感染は始めてではありません)目を閉じていると変なものが見えてくるんですよね。変な話ですが、今回も全然面識の無いいろんな人が大丈夫?と挨拶にきていました笑。

そんな感じで、あの蚊帳無料配布クーポンを見つけたのが変なシンクロを起こしたのか??それから1週間様々な幻覚を見ながら寝込んでおりました。

マラリアは病院で治療すれば治るのに

マラリアは、ギニアでは絶対になくならない病気なはずですが、病院代、薬代があまりにも高すぎます。私が支払った病院代100ドル、薬代30ドルって、ギニアで考えたら、すごい大きなお金なんです。
病院代も薬代も日本みたいに国から補助される何かはありません。

私が行く病院はそれなりに高い病院なのでもっと安く診療してくれるところもあります。それでもそういう病院は不衛生だったり、汚い中長時間待たないといけなかったりきちんとした治療を受けれない可能性もあります。

病院で点滴しながらベットで寝ている時、奥でご飯を食べて騒いでいる見舞客の人たちの声を聞きながら、ギニアでもお金持ちはこんな風にお見舞いにご飯いっぱい持ってきてキャーキャーやってる人もいる、でもお金がなかったらマラリアになったら薬が買えなくて死ぬしかない人も沢山いるなあ、私お金持ちになってそういう人をなんとかしたいなあ、とか、多分自分が弱っている時だからそんな夢見たような事を考えてるんでしょうが、人って本当に物事が他人事でなく自分ごとになった時に始めてハッと我にかえるというか、強く何かそういう事を考えていくのかなと思いました。そしてその時の気持ちを忘れずにちゃんと実現していけたらいいなと思ったのです。

私ももういい加減寝てる場合じゃないので、今日こそはこの記事を書いて気合を入れよう!という思いでこちら書かせていただきました。
引き続き宜しくお願い致します。


バー由美子
Inuwali Africa Guinée Conakry SARLU 代表
NPO法人一期JAM ギニア支部代表
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ブルビネ港 当社ではこちらで新たなビジネスを開始致しました。
こちらも追ってご紹介されて頂きます!

ギニア移住後9年ぶりの日本 ①TICAD7 公式サイトイベント

こんにちは。ギニアのイヌワリアフリカ代表バー由美子です。

8月末から日本へ2週間の一時帰国をしたのですが、ギニアに戻る飛行機で目に激痛が走り、それからというもの頭痛と眼痛にやられ1ヶ月くらいパソコンができない状態になりこちらの投稿も滞っておりました。

飛行機頭痛とは、飛行機の着陸時に気圧の変化で起きる症状らしく、風邪気味で鼻水が出てる時や、海岸沿いの空港に着陸する時になりやすいものなんだそうです。これ結構厳しいです!皆様もお気をつけください!


さて、今回の日本帰国には5つの大きな目的があったのですが、その一つが
TICAD7で開催されたこちらのアフリカ起業コンソーシアム様主催公式サイドイベントに参加させて頂くことでした。

サイドイベントでは、スポンサーの企業の皆様へ、ご支援下さっている皆様へのお礼を皆様のお顔を拝見しながらお伝えできたことがとても嬉しかったです。


スピーチでは緊張のあまり頭が真っ白になりましてお話しするのを忘れてしまいましたが、今回の日本帰国は、実はギニアに移住して以来、丸9年ぶりの帰国でした。

2010年にギニアへ移住してすぐに大統領選挙で政情不安になり大使館には国外退去を勧められ、その後はエボラ出血熱で非常事態になりまた国外退去を勧められ、そのあとも平和になったと思いきやまた危険な状況に、、という生活を繰り返してきました。

現に最近は平穏だったギニアですが、現大統領アルファ コンデ大統領の次の大統領選出馬に反対するグループが昨日から無期限のデモを開始し、昨日も今日も死傷者が出ているそうで、学校も仕事も休みで普通の生活がストップした状態です。外では何が起きるかわからないのでもちろん私たちも自宅から出ていません。

それでもそんな簡単に日本とギニアを行き来しながら生きていこうと思ってギニアに移住したのではなかったし、ギニアでの可能性を信じていたのでギニアでどんなに大変なことが起きても好きな土地でみんなで幸せになれるようなことがしたいという思いで9年間ギニアから出ないままずっとやってきました。


ですから、そんな途方もなく先の見えない土地でビジネスをする起業家側の立場になって暖かい目で支援の形を考えておられるこちらのコンソーシアム様からのサポートは私にとって本当に大きな支えとなってきました。
改めてお礼を申し上げます。


そして、サイドイベントでの同じくアフリカで頑張る起業家の皆さんのスピーチでは、ご自分のビジネスについて、そしてそれに対する想いを語られる皆さんお一人お一人の生き生きと輝く姿がとても印象的で、見ていてジーンとくるものがありました。


今回はどうしてもこのタイミングで日本に帰国をしたい大きな目的があったのと(それが何かは後ほど記事でお伝えいたします)そしてこちらのサイドイベントに是非参加させて頂きたかったので帰国を決めたのですが、参加させて頂き本当に良かったです。
とても貴重な体験をさせて頂きました。どうもありがとうございました!


次回の記事では、アフリカ起業支援コンソーシアムが協賛となり
9月1日に開催された「Toky Africa Collection」にてイヌワリアフリカのブースを出させて頂いた時の事をお伝えさせて頂きます。

「Toky Africa Collection」にて
澁澤様!いろいろと本当にありがとうございました!

バー由美子
Inuwali Africa Guinée Conakry SARLU 代表
NPO法人一期JAM ギニア支部代表
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ギニアと日本の三島村の子供達がジャンベを通して友達になったテレビ番組

今回テレビ出演をしてくれたギニアの才能豊かな小さなジャンベ奏者たちとその先生


こんにちは。ギニアのイヌワリアフリカ代表バー由美子です。
昨夜は激しい大雨と雷で、朝起きたら庭に折れた木の枝や落ちたマンゴーが散乱していました。ギニアはついに本格的な雨季に入ったようです。


さて、年始のギニア文化体験ツアーに始まり、大型10連休GWに開催したギニアツアー開催を終え、その間もアフリカ布屋さんとイヌワリアフリカの製品を製作している仕立屋の工房を行ったり来たりと全ての業務を並行で行っている為、休みもなく今年も半年があっという間に過ぎて行ったような気がします。


自社で企画している観光業以外にも個人的な旅行案内の依頼も増えており、私たちが企画している小さな旅の主催でさえ、それに関わる普段は仕事がなく困っているスタッフの収入にこれだけ繋がるのだから、ギニアの観光業が全体的に盛り上がる事は、普段仕事がなく困っている多くの現地の人の生活に大きな変化をもたらすのではないか、と感じることが多くなり、沢山の方に安心してギニアに来ていただく為に、ギニアの今の状況、その魅力をもっと知って頂けるようなギニア情報サイトの製作を進めています。



そんな中、とてもワクワクする事に関わらせて頂きました。
こちらのNHK国際放送のテレビ番組のギニア現地撮影ロケのコーディネートをさせて頂いたのですが、とても素晴らしい番組なので是非多くの方にご覧頂きたいと思います。

「The Rhythm of Friendship: Mishima Meets Guinea」

Kids Meet the World | NHK WORLD-JAPAN On Demand

ギニア出身のジャンベ奏者ママディ ケイタさんが来島したことをきっかけに、25年前からジャンベを通してギニアと交流を深めて来た日本の三島村で暮らす子供たちと、ギニアで暮らすジャンベ奏者の子供たちがそれぞれの暮らしや文化を紹介し合い、ジャンベの演奏を通し友達になるという素敵な番組です。
三島村は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催にてギニアのホストタウンに登録されています。
これを機にもっともっと日本とギニアが近くなること間違いありません。
これからの三島村の動きに大注目です!


現在こちらの番組は下リンクから視聴出来ますので、是非ご覧下さい。
「The Rhythm of Friendship: Mishima Meets Guinea」
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/ondemand/video/2071014/?fbclid=IwAR1wWw29yojKfyGF5UlaBgILocbn_TBR5KuVOCi6xdaUQzm78TRs6OdeeVw




バー由美子
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あの「Perfume」さんのカレンダーにギニア発のイヌワリアフリカのお洋服を起用して頂きました!

「Perfumeカレンダー 2019-2020」

こんにちは。
ギニア共和国、コナクリからイヌワリアフリカ代表 バー由美子です。


ギニアは、普段は観光目的の外国人はほとんどおらず、雨季が終わる年末から4月くらいの雨の降らない乾季の間だけは、ギニアのアフリカンダンスや太鼓ジャンベなどの西アフリカ伝統楽器を学ぶ目的で訪れる外国人が多くやってくるという、まさしく今がギニアがしばしの観光で盛り上がっている時期となっています。

一昨日のギニア国立舞踊団”Les Ballets Africains”の公演


今日はマルシェのアフリカンプリント屋さんに布の仕入れに行くと、「ギニアまでダンスしに来ました!」と一目で分かるようなアフリカ布の巻きスカート姿の外国人たちが、布屋のマダムに布を安くしてくれるよう値段交渉をする姿が見られました。笑



さて、そんな海外から来た人たちにも人気なギニアのアフリカンファッションですが、本日はとても嬉しいお知らせがあります!



イヌワリアフリカがギニアの女の子達と製作したアフリカ布のお洋服を、
世界中で大人気の日本のテクノユニット-「Perfume」さんの民族衣装をテーマにした
「Perfumeカレンダー 2019-2020」 の衣装として起用して頂きました!



世界中の人々にポジティブな影響を与えるPerfumeさんが、こうした形でアフリカンファッションを紹介して下さる事は、こんな楽しいファッションがアフリカにあるんだという事を多くの人に知ってもらう良い機会になるに違いない!と、私はとてもワクワクしています。
本当に有難いことです!


カレンダーに起用された服を製作したアトリエの製作者の女の子たち


起用して頂いたお洋服を製作してくれた女の子たちとその先生にも早くカレンダーを見せてあげたいです。
みんなとても喜ぶだろうな〜と思います。
私もまだ実際には見ていないので、とにかく見れる日が待ち遠しくてたまりません!


気になる「Perfumeカレンダー 2019-2020」はこちらから購入可能だそうです。

「A!SMART」内 Perfume SHOP 
http://www.asmart.jp/perfume/


それでは!ここ最近インスタグラムからばかりの投稿となっておりましたが、
今週からどんどんこちらにもギニアでの様子を投稿させて頂くつもりです。


どうぞ宜しく御願い致します。

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イヌワリアフリカ代表 バー由美子 
Yumiko Bah / Inuwali Africa  CEO



ギニアで毎日のようにしている事

こんにちは。ギニア共和国、コナクリからイヌワリアフリカ代表 バー由美子です。

ここしばらくは雨は夜にしか降らなかったのに、今週になって雨季の最後の最後の雨を振り絞る様なすごい雨が昼間に降るという、雨季の終わりが近づいた時特有の気候になってきました。

最近パソコンのネット回線の繋がりが悪く、こちらの記事の更新も久しぶりになってしまいましたが、
今回は、私がここギニアでほぼ毎日している事とも言える、ローカルマルシェでのアフリカンプリント布の仕入れや、イヌワリアフリカの製品作りをお願いしているアトリエでの事などを書かせて頂きます!

マルシェに布の仕入れへ

雨の中、荷物持ちとして息子をお供にタクシーで巨大マルシェに向かう

タクシーの中から見る風景(窓ガラス割れてます)。インドに行った事のある人が、このマルシェの方がインドより100倍強烈過ぎると言っていたという相当覚悟のいるマルシェです笑。

布屋さんがズラーッと並んでいて、布の数は半端ありません。布好きの私には夢の様な場所です。 でもそこはカオス+無法地帯という言葉がぴったりな場所でもあります。

買いまくった重い布を担ぎながら限りなく広いマルシェ内をウロウロ歩きすぎてお疲れモードな我が息子。隣に座る布屋のマダムは携帯を見ながら留守番。

探していた布をちょうど見つけた時の喜びは格別です!こちらのマダムのお店には、この事業を始めてから8年間ずっとお世話になっています。

もう荷物が持ちきれなくなったら仕入れ完了。息子と2人で仕入れた40キロ分くらいの布を担ぎタクシーを探して数十分。この地域は夕方はタクシーを捕まえるのも至難の技です。

この柵をまたいでマルシェからタクシーをつかまえる道路へ出ました。この道路脇のゴミ、すごくないですか?これがコナクリの現状です。

ミネラルウオーター売りの女性。タクシーを探している間にいろんな物売りの人々が通り過ぎます。

こんな風に仕入れた布を、イヌワリアフリカパートナーの仕立て屋のアトリエに持って行き商品の制作をします。

イヌワリアフリカのパートナーのアトリエにて

いつも商品を制作してもらっているアトリエにて。親方と縫製修行をしながら働いている女の子たちがいます。

日本の取引先様から制作依頼を頂いたスカートが出来上がった日。 女の子たちはいつも写真は恥ずかしい!と言って照れるので、親方だけ毎回カメラ目線です笑。

アトリエ内は狭いので、アトリエの外の入り口の小さなスペースで商品チェック。

その横では親方のパートナーの職人さんが、オーダーメイドの学校の制服を縫っていました。ここもアトリエの外です。

外に置かれたテーブルにはカーキ色の制服布地と子供達の体の寸法が書かれたノートが置いてありました。10月から新学期が始まったので、制服もオーダーメイドが主流のギニアではこの時期は仕立て屋のアトリエでは制服の注文制作に追われ忙しいのです。

アトリエのドアにミシン用のオイルが並べてあるのが、なんだか微笑ましかったです。

ギニアでは、このように好きな布を買って、オーダーメイドで仕立てるという文化が根付いているのですが、最近は以前よりもアフリカの布で仕立てた服を着ている人が減ってきて、欧米から輸入された新品、中古の既製服を着ている人が目立つようになってきました。

昔は日本人みんなが着ていた着物を、今は一部の人たちしか着なくなったように、ギニアの人たちもいつかアフリカの布で仕立てた服を着なくなってしまうのでしょうか。

私はこの素敵な文化が大好きなので、正直とっても寂しく残念な気持ちです。
ギニアにいて何が楽しいかって、アフリカンファッションに身を包んだ人々を見ることです。
だって本当に本当に素敵なんです!なんとかこのまま残して欲しいものです。

という事で、私はほとんど毎日このように布屋とアトリエを行ったり来たりの生活をしています。
来年はギニア国内での商品販売を開始する予定でいろいろと準備しています。
来年はまた一歩前に進む事ができますように!

こちら移住後まもない頃のアフリカンドレス着用の私。グリオ〔吟遊詩人〕の皆さんと。

おまけ・ギニアの学生の制服

こちら写真右下は、ローカルマルシェのアフリカンプリント屋さんの片隅で販売されていた小学生の制服用のギンガムチェック柄布地。上の職人さんが制作していた制服布地です。ギニアの学生の制服生地には、このギンガムチェック、カーキ、ネイビーの3種類があります。

ブルーのギンガムチェックの制服を着た小学生。各自学校で指定された布地を買い、仕立て屋で自分の好きなデザインのものを仕立ててもらいます。最近では既製品の制服も販売しているお店が出てきました。

バー由美子
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ギニア独立記念60周年と共に更にギニアの魅力をもっと発信したい気持ちが強まりました

10月2日、ギニアの独立記念日60周年の式典の模様がギニア国営放送RTGで生放送されました。

こんにちは。ギニア共和国、コナクリからイヌワリアフリカ代表 バー由美子です。

今月も布屋とテーラーのアトリエを行ったり来たり、日本のお客様方からオーダーを頂いた品の荷物空輸などでバタバタで、気がつけばもうすっかり10月後半に突入していました。

今年もあと残すは2ヶ月ちょっと、来年2月にイヌワリアフリカで企画しているギニアツアー2019の準備と広報にもっと力を入れなければなりません!

ギニアは観光地として大々的に宣伝がなされていないですし、第一にギニアってどこ?という感じで情報が全然ありませんから普段観光客は0に等しく、大陸を横断するバックパッカーさんが通り過ぎるだけかもしれません。

先日は、来年イヌワリアフリカのギニアツアー2019に参加をご希望されている学生さんから、「ツアーに一緒に参加しようと考えている仲間の親御さんがギニア行きを心配し反対している」というご連絡を頂きました。

この「親御さん、パートナーさんからギニア行きを反対されている」というお言葉、ツアー開催時期になると必ずどなたかからいただくお言葉なのですが、もうすっかり忘れていて、「あ!また来たかーっ!」となりました。

確かにその心配、反対するお気持ち分かります。その通りです。
だってギニアの情報ってエボラ以外は日本ではほとんど見つからないのですから。。

前回のイヌワリアフリカギニアツアー2018にて。実際にギニアに来ていただくと、こんな平和な毎日なんですよ。

多くの皆さんに安心してツアーにご参加いただく為にも、一人で来るのであれば不安材料もあるけれど、私たちと一緒であればギニアってそんなに心配ばかりするところではないですよ、むしろ”他のアフリカ大陸の国よりも人々の外国人に対するピリピリした緊張感もなく、皆好意的に接してくれるし、気候も良い、気分的にも身体的にも、かなりリラックスして過ごせるところなんですよ”ということをもっと発信しなければ!と改めて思いなおしました。

そのギニアですが、今月10月2日は、1958年にギニアがフランスから共和国として独立してから60周年の独立記念日という事で、私たちの暮らす首都コナクリでは街中がお祭り騒ぎ状態でした。

会場入りしたアルファ コンデ大統領

コナクリのサッカースタジアムで盛大に行われた独立記念式典にはアフリカ各国から大統領が招待され、その様子はギニア国営放送テレビで実況中継で放映されました。

式典の映像をテレビで見ていたら、この式典の為にギニア国立舞踊団や国立パーカッショングループで特別に構成されたミュージシャン、ダンサーたちのパフォーマンスが始まり、イヌワリアフリカの副代表兼ギニア国立舞踊団のメンバーでもある我が夫が、彼の部族に伝わるアフリカンマスク姿で出演しているのが画面に映りました。

国立の舞踊団とパーカッショングループのアーティストたちが集結し行われたパフォーマンス。

ギニアでは太鼓とダンスは国を代表する大切な文化として認められており、国の機関として作られた国立舞踊団もあり、外交の場や政治的な催し物があるときには舞踊団のアーティスト達がパフォーマンスを行うことが多いのです。

こちらは60周年式典の数週間前に人民宮殿行われた式典前の会合。アルファ コンデ大統領がアーティストたちを招き、独立60周年式典でのパフォーマンスをアーティストたちに要請する話をしたそうです。

ジャンベ奏者である私たちの息子もこの独立60周年記念式典のパフォーマンスの一員として参加しており、夫と息子が親子共に国を代表するアーティストの一員としてこの記念式典の同じステージに立つその姿を見て、私は本当に涙が出るほど嬉しかったです。

というのも、私たち夫婦は「ギニアの素晴らしい伝統音楽文化を子供達に現地で肌で感じながら学ばせたい」、「ギニアでギニアの人たちと物作りをしながらギニアのファッション、伝統音楽やダンスを通してギニアの魅力を日本に世界に伝えたい、それが私たちそしてギニアの人たち、世界の人たちのハッピーに繋がっていくかもしれない」という気持ちでギニアに移住したからです。

そしてテレビの式典映像には、イヌワリアフリカが行っているギニアのアーティスト&舞踊団サポート支援で日本の支援者の皆さんとの協力により製作された太鼓を叩くミュージシャンの姿も映し出されていました。

イヌワリアフリカのアーティスト支援活動の一環として、日本の支援者の方々からの支援金により製作されたこちらの太鼓が式典でのパフォーマンスに使用されていました。

テレビの映像を見ながら、ギニアで生活し仕事をしていくのは大変なことばかりだったけれど、今自分たちの思いが一つづつ形になっていっている感じがしてとても嬉しく思いました。

更には、最近嬉しいニュースがありました。
夫の所属するギニアの国立舞踊団「Les Ballets Africains 」の、2019〜2020年にかけての世界公演の仕事の契約が決まったのだそうです。これからギニアが誇る伝統音楽ダンス文化の魅力を世界各地で見せてくれることでしょう。
イヌワリアフリカでは先に書いたギニアの伝統音楽文化継承する役割を持つ舞踊団の保護、アーティスト支援活動にも力を入れてきたので、このニュースはまたとっても嬉しいものでした。

ギニア国立舞踊団Les Ballets Africains。先日フランス文化センターで行われた公演にて。

ギニアは金、ボーキサイトなど世界トップクラスの豊かな自然資源を持ち、水源にも肥沃な土地にも恵まれた国なのに政情が安定しないお陰で常に世界最貧困国のトップクラス。

その中で、希望の星なのが、ギニアの伝統音楽とダンスなのです。
世界中にギニアの伝統音楽とダンスに魅了された人たちがいます。

先に書きましたが、ギニアは観光地化されておらず普段は観光客がほとんどいないのですが、気候の良い乾季、特に年末年始になると実際に現地の太鼓やダンスを体験する為に遠くギニアまでやってくる外国人観光客が来るという面白い国です。

そしてイヌワリアフリカが毎年企画しているギニアツアー2019もそういった太鼓とダンスを目的にやってくるお客様を対象にしてその時期にツアーを開催しています。

ツアー期間中に、ギニア国立舞踊団Ballet National Djolibaの練習場を訪ねたときの写真です。パーカッショニストの皆さんが軽くご指導下さりました!

ギニアに楽しみに来て頂く事がそのままギニアの人たちの様々な収入となり社会貢献となります。
そして、私たちの企画するツアーでは、スタッフとして働いてくれた人たちへの報酬の金額は他と比較してもだいぶ多く渡すようにしています。

何故なら、私たちのようにギニアツアーを企画する人たちは他にもいますが、ギニアには仕事がないので、彼らは報酬金額を主催者側に安く安く叩かれたとしても、皆安い報酬でも仕方なく引き受けてしまう場合が多くあるそうです、その為にこうしたツアーの平均報酬金額がなかなか上がらないのです。

ギニアが独立して60年経った今も、ギニアの人たちは全然豊かにはなっていません。
ギニア、特にコナクリの物価は日々急激に高騰していますし、ほとんどの人たちが定職が無い生活をしているので現金収入がなくその暮らしは厳しくなるばかりです。

正直国立舞踊団のメンバーである夫も、普段国から支給される報酬は無いに等しいようなものです。
でも、夫は自分が舞踊団でしていることはお金の為じゃない、ギニアの為と言っていつも頑張っています。

イヌワリアフリカのアパレル製作をしてくれているアトリエの先生と生徒の女の子たち+我が娘

イヌワリアフリカは、物作りでも、ツアー開催でも、それで発生した仕事に対する報酬は、いつもフェアな金額でやっていきたいと考えています。
一人一人が仕事をしたことによって、それ相応な報酬を得て、自分の思い描く理想の生活に近づけていけるように。

わたしたちは、太鼓とダンス目的のギニアツアー以外にも、ローカルマルシェでアフリカンプリントを探す旅や、アフリカンママとお料理体験、染色体験ツアー、近場なのに秘境を体験できる自然満喫ツアー、キラッキラゴージャスなギニアなど、まだまだ知られざるギニアの沢山面白いことを体験していただけるような旅の企画を考えて観光業にもどんどん力を入れていくつもりで、イヌワリアフリカはまた新たに動き出しています!

ろうけつ染のバティックの製作をする村の女性たち

引き続き、イヌワリアフリカがギニアで事業をすることにより、ギニアの多様性にあふれた魅力と共に、ギニアの人たちの抱える本当の問題を日本の皆さんに伝え、みんなで一緒に考えて、行動を起こし、一緒に解決していくことを目指し少しずつでも進んでいきたいと思います。

バー由美子
Inuwali Africa Guinée Conakry SARLU 代表
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Inuwali Africa イヌワリアフリカ HP  
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人民宮殿の中入口正面に飾ってある絵。この絵がギニアの歴史を象徴しています。

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