新しい機械を使い始めて

6月上旬にAlibaba.comで買ったブリケットの形成機が到着しから3週間程度たちやっと生まれ変わったMacamanene(弊社ブリケットの名称 現地シャンガナ語でMacara ya manene 良い炭という意味)の販売が軌道に乗ってきました。

設定完了後、2週間目は製造スタッフが配合や新しい仕事の流れが掴めずに戸惑っていましたが、マネジメント側でテストをして仕事のルーティーンを作り実践してもらったところ、すぐに生産量が1日400キロ程度になりました。これまでの2.7倍です!現在の設備での目標は1日1トンですが、乾燥工程や原料調達や市場拡大と平行しながら少しずつ生産量を伸ばしていきます。

(機械作動初日の様子。作業に慣れておらずブリケットが超長くなってしまいました。)

 

新しい機械で作ったブリケットは圧縮度が高く、火力と持続時間が優れています。つなぎが少なくても固まるようになったので匂いと煙が減ったというメリットもあります。一方で密度が高いぶんだけ、同じ重さでも微妙に体積が少なく見えます。モザンビークの市場では肉や魚は量り売りしますが、豆や炭や塩や野菜は体積で値段が決まります。

馴染みのお客さん全員にフリーサンプルを配ったのですが、これまでと同量の新型ブリケットを持っていったところ『どうして量が減ったんだ』という反応ばかりでした。使用後は『すごく気に入った!火力も強いし持続時間も長いし最高だよ。』と皆さん言ってくれたのですが『でももっと量を増やして』という人ばかりで弊社側は『それじゃ定価割れだよ』となり堂々巡りの議論が続きました。その為、3週間目はフリーサンプルの感想を聞き、お客さんと話をすることに費やしました。体積が多く見える工夫をして、重量も少しだけ増やしたところお客さんにも受け入れてもらえて今は好調な売り上げを記録しています。

(弊社ブリケットを大袋で買ってくれているお客さんの台所。この食堂では火力の強い薪と弊社ブリケットを両刀使いしています。手前が弊社製品)

 

やはりお客さんが自社の製品に満足してくれている様子を見るととても嬉しいです。販売担当のアイレスさんもその気持ちは同じなようで、お金を超えたところにも仕事にやりがいを見出してくれている様子を頼もしく思います。

生産量と受注量が同時に増えているので大袋(40キロまたは80キロ)の販売も解禁しました。今日は大袋販売初日でしたが5袋売れました。これからは大袋も小袋も沢山売って、経常収支を黒字化して社員の給料を上げられるように頑張りたいと思います。

 

売上が鈍っています

マプトを含むモザンビーク南部では4月~6月は気温が低くて雨が少ない季節です。最低気温が15度程度になる日も度々あります。この季節を過ごすのは初めてなのですが、体を洗う時に水を浴びるのは寒く(我が家はバケツ風呂で自動湯沸かし器がありません)眠る時には毛布とスウェットが欲しいです。

モザンビークの皆さんに言わせると今の季節は『冬』だそうです。
最近弊社の売上が販売開始時に比べて鈍っています。

相変わらず生産したブリケットはすべて売り切れですが、2月~3月のようにお客さんが弊社商品を買うために喧嘩することはありません。これまで主要ターゲットとしてきた食堂(バラッカ)のみでは売りさばけない日もあるので、裾野を広げて新規顧客の開拓に励んでいます。今回は何故売上が伸び悩んでいるのか、またその対策を綴ります。

【何故売上が伸び悩んでいるのか】
① 木炭の値段が下がった
今年2月に至上最高価格を記録した木炭の価格は現在その半額に落ち着いています。80キロの大袋が1200メティカル(2,260円現在 XE.com)程度です。弊社のブリケットは80キロが750メティカル(1,411円)なので今でも価格勝負では歩がありますが、一時期のような圧倒的な魅力はないようです。
② 食堂(バラッカ)産業の景気が悪い
これまでほぼ固定客のみで売り切れていた商品が余るようになった理由として、バラッカの売上減少があると考えます。『買いたいけどお金がないのよ』というのが一般的な断り文句なのですが、木炭で間に合っている人と本当にお金がない人が半々くらいだと察しています。実際にお客さんの入りも少ないですし、『商売が厳しい』と言って元気のない表情をしているオーナーも度々います。今の時期店を閉めてしまっている人も少なくありません。弊社スタッフいわく『冬は仕事が終わったら家にまっすぐ帰る人が増えて、外食や娯楽に興じる人が減るので景気が下がる』そうです。
③ ブリケットの品質
馴染みのお客さんから『ブリケットの火力が弱くて困った。』という苦情を聞くことが4月中旬以降数回ありました。苦情を伝えてくれる人ばかりではないと思うので、購入をそっとやめてしまった人もいるでしょう。

【現状への対策】
① 信用取引(つけ払い)の受付
2ヶ月以上毎週弊社の商品を買ってくれるお客さんとは随分馴染みになります。このようなお客さん限定でつけ払いで商品を置いてくるようにしています。
② 販売時間の工夫
市場の小さなバラッカでは日々調理燃料を購入する人が多いです。彼らはいつも朝早くに近くの市場に木炭を購入しにいきます。弊社は8時就業で9時半以降に市場に行く日もあったのですが、これからは8時半到着を徹底します。また昼食ラッシュを終えて時間とお金がある、午後の販売も始めました。
③ 乾燥炉の導入
時間通りに販売に行けない主な理由としてブリケット乾燥を日光に頼っているという点があります。気温が下がった今の季節では尚更です。緊急対策としてDIYのかまど乾燥炉を作り、ブリケットの仕上げ乾燥をします。
これは品質担保の面でも大切です。ブリケットが乾ききっていないと、着火が遅く火力が上がりきらないからです。乾燥炉ができればすべてのブリケットをムラなく乾かすことができるはずです。
④ 原料品質の管理
原料調達では木炭屑を町の木炭売りの人から買っていますが、最近慣れ合いで気が緩んだのか砂が混じった袋が多く見れれるようになりました。『お客さんの苦情の一因は原料の品質に違いない』と指摘してくれてたのは販売マネジャーのアイレスさんです。生産マネジャーと連携してサプライヤーに説明し直し、迅速に改善することができました。
⑤ 固定客感謝グッズの配布
モザンビークではおまけのことを”バセラ”といい沢山買ってくれた人やお得意さんにバセラを渡す習慣があります。売行きが下がり、固定客のありがたみを再認識したこともあり1ヵ月に1度バセラを渡す日を設定しました。
⑥ 苦情があった場合の製品取替
苦情を言ってくれた人にはお礼を言って改善を約束するようにしています。しかし、最も怖いのは苦情を言わずそっと離れていくお客さんです。苦情を伝えてくれるお客さんがいるからサービスを改善できます。苦情を言ってくれたお客さんの話を聞いて販売マネージャーが妥当と判断した場合には製品の無料取替をします。調理燃料は継続して日々購入するものなので、固定のお客さんがついてくれる価値は計り知れません。

これらの対策はどれも商売の基本だと思いますが、始めたばかりの私達にとっては業務を改善する良いチャンスです。モザンビーク南部の冬もあと1ヵ月!春を楽しみに頑張りたいと思います。

社内懇親会(BBQ)をしました。

会社を立ち上げてから2回目の社内懇親会を実施しました。今回は正社員2名とパートタイム5名を含む、総勢9名で事務所の敷地で自社製ブリケットを使ってバーベキューをしました。モザンビークでは豚と鶏のバーベキューとレタスのサラダとシマ(メイズ粉を練ったもの)が典型的なパーティーの食事です。ビールやワインやコカ・コーラも飲んで皆で楽しくすごしました。

今回の懇親会を実施した主な目的は企業理念(ミッション、ビジョン、バリュー)の共有です。これまでパートタイムスタッフに企業理念を説明したことがありませんでした。弊社の企業理念は下記の通りに存在していましたが、(本文最下部に記載)ポルトガル語の翻訳はありませんでした。

3月に弊社を訪問してくれた元ザンビア青年海外協力隊員の友人は某日系大企業に勤め、MBAを履修中です。そんな彼に弊社の課題をまとめてもらったところ、全社員への企業理念の共有という指摘が含まれていました。このような背景があり、本企画が実現しました。

今日はポルトガル語版企業理念を大きな紙に書き出して、理念を支える想いと一緒に説明しました。それに対するスタッフ達のコメントは、
『木炭の値段がすごく高い時にMACAMANENE(弊社のブリケット)を木炭価格の半額以下で売っていて不思議に思っていたが、その理由が初めて納得できた』
『MACAMANENEを買いにくるお客さんには誰でも分け隔てなく丁寧に接していると感じていたが、それが会社の理念に沿ったものだと分かった』
『お客さんに必要とされているからVERDE AFRICAが存在できることをこれからも心に留めていきたい』
などどれも本当に嬉しいものばかりでした。

もう一つ全スタッフに時間をとって説明したかったことに”炭粉が人体に及ぼす影響”がありました。弊社の生産工程では炭屑を粉砕する際に黒い煙が出ます。社員は科学についてあまり知らないが故にその健康被害について過剰に心配してきたようです。炭自体は人体にとって有害なものではなくウィルスや毒物は一切含まないことと、粒子の大きな粉塵は肺まで到達しないのでマスクをつけていれば危険性は低いことを説明しました。黒い煙は危険という概念が先行して、ウィルスや化学物質などと混同されていたのが弊社での現状でしたが、同じ目線から考える大切さを改めて実感しました。

仕事中はあまりできない個人的な話も聞けて、ポルトガル語・英語・シャンガナ語・日本語の4か国と笑い声が飛び交う楽しい会でした。今日スタッフの皆に語った企業理念を実現していけるよう、これからも頑張りたいと思います。

 

 

(以下 Verde Africa, Lda.の企業理念)

≪ミッション(会社の社会的使命)≫
モザンビーク家庭に 『なくてはならないもの』 をより快適かつ安心にお届けする。それを通して健全で、緑溢れる持続可能な社会の実現に貢献する。

≪ビジョン(会社の目標)≫
・新しい産業を創り、中低所得層の経済循環を創る。
・零細起業家と一緒に成長する。
・緑に溢れる持続可能な環境の創造に貢献する。
・雇用、成長機会、正当な報酬と処遇を持続的に提供する。~すべての人に雇用を、すべての人にチャンスを

≪バリュー(行動指針、価値観)≫
・やみくもに自己利益の拡大を追求せず、中低所得層の経済活動と生活水準の改善に持続的に貢献することを是とする。
・地域社会、取引先、社員および従業員の個性と自立を尊重する。
・各人を、人格と熱意と能力で、公平公正に処遇する。
・正直な人、約束を守る人に報いる。

モザンビークから見える中国(2/2)

最近マプトでは涼しい気温と少量の雨という天気が続いています。寒くて水浴びはできないので、自社のブリケットでお湯を沸かしてお風呂に入っています。今回は機械を中国から機会を輸入した経緯の続きをお伝えしたいと思います。

信頼できそうな中国人数人に Alibaba.com について聞くと「大きな間違いはないはずだよ。独自で探した売主よりはリスクが少ない」という意見でした。また、Alibaba のTrade Asssurance というサービスでは商品の期限内受取りと品質確認をもって売主に支払いを移動するThird Party Paymentを使えます。

そこでAlibaba,comからブリケット形成機を選び出す作業が始まりました。まず好みの機会を選び出して売主に見積もり依頼のメールをします。Alibabaにはリストアップした機械を一覧比較したり、見積もり依頼をする定型文が自動作成される機能がありとても便利でした。加えて驚きなのが、中国の売主の返信の早さです。
今回の場合は9割の売主が1日以内にメールやスカイプに応答してくれました。

一方で分かりにくい点は、代理店販売と工場直接販売の混在です。マプトの中国人には代理店であっても工場販売のように見せかけているケースが多く、代理店利鞘の額や購入後の技術的フォローなどを考えると工場から直接購入するべきとアドバイスされました。しかし実際には工場か代理店かを断言するのは容易ではありません。

その状況を見た中国の運送サービス会社は中国国内向け Alibaba に載っている工場に連絡して、30%以上安い類似機械を探してくれましたが、そのような工場は英語ができるスタッフがおらず、海外向けの請求書も作ったことがありませんでした。その為、購入後のフォローや決済に不安が高まり支払い直前にキャンセルしまいました。

運送会社が甲斐甲斐しく仲介作業をしてくれたのは裏マージンを取っているからなのか、サービスの一部なのか分かりませんが、迷った末によりフォーマルに決済される Alibaba.com を選ぶことになりました。クレジットカードで Trade Assurance 決済をした形成機は運送会社の倉庫に運ばれ、運送会社のコンテナに積みこまれました。

今回中国の会社2社と取引した感想は”仕事が速い”ということです。仕事が速い背景に仕事熱心さと細かいリスクに不必要にこだわらないという点があると思います。どうしてあるのかわからない規定に縛られて顧客が望むサービスを提供できないというケースに遭遇することがありますが、小さなリスクより大きな利益を優先しスピード感を持って動く姿勢がアフリカでのビジネスに合っているのかもしれないと感じます。私もモザンビークビジネスの先輩から学ぶ姿勢を忘れないようにしたいです。

このような過程を経て、明日には形成機がマプト港に到着します。
待ちにまった増産なので、張り切って臨みたいと思います。

モザンビークから見える中国(1/2)

アフリカにいると中国の存在を強く意識している自分を感じます。
アフリカでの中国の意欲的な投資については知る人が多いと思いますが、モザンビークも例外ではありません。モザンビークの輸出相手国は1位 南アフリカ(30%)2位 中国(12%)3位 オランダ(7%)です。(出典:外務省HP平成29年) 町中では食料品や種子やサービスは南アフリカ製が多く、機械類(電子機器、工具、工業器具)や衣類は中国製が多いように見受けられます。市内にはそれらの商品を扱う中国人の店が並び、中国の投資で建てられた大きなホテルや医療機関も目立ちます。

日本も含めて他国の投資と比べて中国投資が特徴的だなと思うのは、個人レベルでの起業が多いことです。私達の住むマプト郊外の街でも中国人オーナー自らが店主を務める小売店が3つはあります。この点についてはハワード・W・フレンチ著(白水社)の『中国第二の大陸アフリカ 100万の移民が築く新たな帝国』という本がとても面白かったです。

ザンビアでも中国の存在は日本でよりは強く感じましたが、モザンビークでは商売をしているからこそ見える側面があり面白いです。モザンビークでは日常的に中国人と間違えられます。街を歩いていて『シーナ(ポルトガル語で中国)』とか『チネーゼ(ポルトガル語で中国人)』と知らない人に呼びかけられるのは日常茶飯事です。こういう人々は純粋に異国人と会話したい人、中国に複雑な感情を持つ人、何も考えていない人など様々です。こういう表面的な側面に加えて、現地で商売をする今抱くようになった印象は”中国人はやっぱり仕事ができる”ということです。

 

(商品を販売しているZIMPETO市場)

(食材を買いに行く魚市場、貝が安いです)

 

モザンビークに来た直後の私達は手動の形成機と現地で手に入る製粉機で試作を始めました。そして、客さんに弊社製品を気に入って頂けたことを後押しに、増産の為の自動形成機導入を決めました。

最初そのつもりはなかったのですが、最終的には製造~販売~輸送~通関のすべてで中国企業のお世話になりました。ブリケット製造機械についてはウガンダ、中国、インド、南アフリカの4ヵ国の企業を時間をかけて調べてきました。その結果、ウガンダまたはインド製に決めていたのですが、問題になったのは輸送及び通関サービスでした。

 

(現在使っている手動の機械と生産担当の女性スタッフ達)

 

通関会社はモザンビークに幾つかあり、弊社はその中でも老舗と言われるMANICAという企業に見積もりを依頼しました。輸送会社は通関会社より紹介してもらったのですが、MAERSK LINEMSCといった超大手2社しか探せませんでした。それらの会社に見積もりをお願いしたところ、数週間待たされた後に輸送費約1500ドルと通関費約2,500ドルを提示されました。上記の大手輸送会社ではフル・コンテナ・サービスのみで混載輸送サービスはやっていないのです。輸送費及び通関で4,000ドルという額は、必要なだけ輸入したい中小企業には厳しいです。弊社も現時点では形成機を1台だけ輸入したく、フル・コンテナ輸送しか見つけられない状態に困りました。

そして私が始めたのは、インド系や中国系の工具及び機材店の訪問です。彼らはどこから輸入しているのか、コンテナ・サービスしかないならば彼らのコンテナに弊社製品を混載させてもらう交渉をしたかったのです。最初に訪問したインド系の工具店は『うちにはそういうのは無理だと思う』と断られ、2件目に訪問した中国系の工具店の店主は英語もポルトガル語も話せなくて、拙いポルトガル語で必死に話す私をポルトガル語ができる中国人仲間に紹介してくれました。紹介されて訪問した中国人店主はポルトガル語が堪能だったのですが、今度は私のポルトガル語が拙すぎて『貴社のコンテナに私の買った荷物を積ませてほしい』という意図が伝わりませんでした。結局、隣にいた英語のできるモザンビーク人のお客さんに通訳してもらい意図が通じました。(勉強します 汗)

そこから彼はとても親切で『自分もコンテナは持っていない。コンテナを持っている中国人仲間を紹介する。彼は英語も堪能だ。』と言いました。そしてその仲間と彼の店で面会する翌日アポを設定してくれたのです。

翌日やっと会えた中国人のサムさん(仮名)は、日焼けした笑顔で流暢な英語を話す爽やかな男性でした。颯爽と握手し、テキパキと英語を話し、交換した連絡先を丁寧に再確認するサムさんの姿はカナダの大学にいた中国人留学生達を彷彿とさせました。

サムさんの会社は中国全土からマプトへの混載海上輸送サービスを提供しています。毎月平均8回のコンテナ輸送があるそうです。輸送物の概要を説明して見積もりをとったところ、弊社にとっても持続的な価格で胸をなで下ろしました。同社は中国の倉庫からマプトの倉庫までの輸送サービスを提供しています。

この一連の出来事で私が中国人について思ったことは、ごちゃごちゃ言わず仕事をする姿勢がある、自分のメリットになるかどうか分からないことでも大きなコストがなければ親切にやってくれる、起こるかどうか分からないような細かいリスクを気にして目の前のビジネスチャンスを逃すことはない、小さな商談でもキチンを拾いあげるなど『一緒に仕事しやすい』ということでした。モザンビークでビジネス周辺サービスが少ない中、尚更そのように感じるのかもしれません。このような背景があり、最終的に機械は Alibaba.com で購入しましたが、その様子は次回のブログで書きたいと思います。

(続く)

 

モザンビーク

こんにちは!モザンビークで起業してから6か月が経ちましたが、今回”何故モザンビークを選んだのか”そして”モザンビークを選んでどうだったか”をお伝えしたいと思います。

私と事業パートナーである夫は2010年から2年間ザンビアに青年海外協力隊として赴任しました。それが私達のアフリカとの初めての出会いで、それをキッカケに大きな可能性を持ったアフリカに深く魅了されている自分達に気付くことになります。青年海外協力隊の後東京で5年ほど働きましたが、その間に自分達の夢とゆっくりと向き合い決断しました。

でもそもそも何故モザンビークなの?!という質問は良く頂きます。モザンビークに決めた理由は主に下記の4点です。

① ブリケット製造販売の競合他社がいない。
② 木炭の値段が高く、ブリケット事業の市場がある。
③ 現地の人が優しくて、受け入れてくれそうな気がした。
④ ここなら『ずっと住みたい』と思える、文化や環境の土壌があった。

①②   『アフリカの庶民の生活において、なくてはならないもの』『ないと生きていけないもの』を扱いたくてブリケットに決めた事は以前のブログで紹介しましたが、その後私達は ザンビア、ケニア、タンザニア、モザンビークでブリケット市場の調査をしました。その結果、木炭の値段が最も高かったのがタンザニアで安かったのがザンビアでした。ザンビアではブリケットは商売になりそうにないと判断し、ケニア・タンザニア・ウガンダ・モザンビークで調査を進めました。

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(タンザニアで木炭価格調査をした2015年。)

 
結果、モザンビーク以外どの国でもブリケットを事業ベースで展開している現地起業家がいると分かりました。これらの企業では工場を見学させて頂いたり、事業計画に関するアドバイスを頂いたりとその後長くに渡り勉強させて頂きました。ケニアを除いては各国1つや2つブリケット企業があるのみで、現地に定住している外国人または外国を見てきた現地人による起業でした。一方、モザンビークはブリケット市場としてはブルーオーシャンだったのが決めてとなりました。(現時点では留学帰りのモザンビーク人青年やモザンビーク人環境コンサルタントなど数名のライバルがいるようですが…)

 

③ 南部モザンビークの人達はザンビアの人達と同じでおおらかで人懐こいと思います。また、控えめで平和主義な人も多いというのが個人的感想です。市場調査の際に炭売りや食堂の人達と話した時にもそのような印象を受けました。今でも親切でパワフルで現地語を話すと大喜びしてくれる市場の食堂のお母さん達が、私達を受け入れてくれている懐の深さを感じつつ通っています。最近、モザンビークとアンゴラとタンザニアでエネルギー関連事業(ガソリン販売など)を展開するインド系実業家に会ったのですが、彼は『人の面で言えば、モザンビークが圧倒的にビジネスがやりやすい。モザンビークに戻ってくるとホットする。』と言っていて妙に納得してしまいました。

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(市場の食堂の様子。大きい市場には20件~30件くらいこういう食堂が集まっています。)

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(人懐こいモザンビークの人お母さん達。)

 
④ ザンビアの地方都市で2年過ごして余暇の過ごし方はランニングと海賊版DVDを見る事に定着していました。再びアフリカに住むことを考えた時に自分達の時間も大切にしたいと考えました。私達の共通の趣味はサーフィンなのですが、マプトからは2~3時間の距離でサーフィンできるスポットがあります。東京から通っていた千葉外房に比べると波がある確率や波の質が劣る時もありますが、海の綺麗さや人の少なさや波が決まった時のダイナミックさは断然優れています。

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(マプト市から約2時間で行けるサーフスポット。波を独り占めできます。写真に写っているのは私です!)

 

モザンビークでは私が大好きなブラジルの格闘技カポエイラも盛んです。
マプト市だけで30程度のグループがあり、競技人口やレベルも高く、その気になれば練習に毎日参加することができます。JAZZやダンスや絵画などの文化活動も盛んなように思います。もう既に色眼鏡かもしれませんが、自己のアイデンティティーを追求する心がモザンビーク人には比較的強いのではと考えたりします。

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(Capoeira Ginga de Maputo というモザンビークで一番歴史あるグループで練習させてもらっています。)

 
モザンビークを選んだ際、一番迷ったのは言語です。モザンビークの公用語はポルトガル語です。マプトには英語が話せる人も沢山いますが、政府や学校など人が集まる場面ではすべてポルトガル語です。半年で何とか日常会話を話したり、会話のトピックを察することくらいはできるようになりました。もっと話せるようになって、モザンビークの人の生き方とか生活とか考え方とかいろいろ知りたいなと思う毎日です。

【結論】 モザンビークにして良かった!

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雨と炭の関係

マプト市内で木炭の価格が急上昇しています。昨年の10月の当社聞取り調査では80KGの大袋が800~950メティカルで小売されていました。2017年3月現在の聞き取り調査では同じ大袋が2100~2400メティカルで小売されています。(1ドル=69.7メティカル現在 XE.com)

食堂のオーナー達のコメントからも困っている状況が伝わってきます。『今の木炭は値段が高いだけじゃなくて、品質が低くて価格に全然見合っていない。燃焼時間が短いんだ。火がついても10分くらいで燃え尽きてしまう時もあるよ。木炭に適した木じゃなくて(モザンビーク南部ではモパネという木炭に非常に適した木が一般に使われています)カシューとかマンゴーの木を使うからじゃないかな。こんな状態だから木炭の代わりになるオプションがあれば積極的に試してみたいんだ。』

このように木炭の価格が急上昇している主な理由が雨です。モザンビーク南部では11月~4月が暑い雨季で、5月~8月が涼しい乾季ですが、今年は例年に比べて雨量が多いそうです。現在マプト市で販売されている木炭の大部分はイニャンバネ州やガザ州の奥地から運ばれてきます。例えば木炭の産地としてマプト市民の間でも有名なChicualacuala(ガザ州)は約650キロの距離があります。

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また、木炭を生産者は主に地域の農家で、自動車を持たない彼らは買付けの車が来なければ出荷ができないのです。木炭生産者が住んでいる地域へ続く道路の多くは未舗装で、雨が続くと通行不可能な状態になってしまいます。木炭卸売り業者は4トントラックで生産地まで買付けに行き、積めるだけの木炭袋(80~100袋)をマプト市に運び小売業者に販売します。この大きなトラックが進入できる道が少なくなってしまったのが、木炭が不足している主な理由なようです。

img_0458(木炭卸売りのトラック)
これは弊社にとっては大変な追い風です。現在、マプト市の幾つかの市場でプロモーション販売をしていますが歳末バーゲンのように売れてしまいます。できるだけ多くのお客さんに弊社商品を知ってもらう為に個数制限しながら売っています。

私達はこの機会をお客さんにブリケットを使い慣れてもらう時間として活用したいと思っています。ブリケットは同じ調理ストーブを使えたり、着火方法も同じだったり、最も木炭に類似した代替エネルギーだといえます。

しかし違いもいくつかあります。例えば、モザンビークの人達は木炭で料理する際に調理ストーブを振ったり、火箸でかき混ぜたりして火力を強めます。燃焼開始後のブリケットは木炭に比べて柔らかいので、手荒に動かすと割れて火持ちが悪くなってしまいます。食堂では幾つもの調理ストーブを使うので木炭を別のストーブへ移し替えるのが一般的です。
ずっと木炭を使ってきた人達にとってはもどかしいはずですが、大体のお客さんは何度か使ううちに慣れて『もっと沢山持ってきて』と言ってくれます。木炭不足の間に、『木炭とは微妙に違うけど安いから使ってたら、結構良くなってきた。これからもずっと使おうかな。』とお客さんに思ってもらうえるようプロモーションしています。雨が降ると弊社のブリケット製造も難しくなるのですが、それはまた次回お伝えしたいと思います。

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(木炭小売りの女性と。)

売れています!

現在プロモーション価格で弊社ブリケット『MACAMANENE』を販売しています。商品名『MACAMANENE』は皆で話合って決めました。モザンビークの公用語はポルトガル語ですが、各地域では部族ごとに現地語が使われています。マプト周辺では”シャンガナ”という言語です。『MACAMANENE』はシャンガナ語で “良い炭”という”Macara ya manene ” を短くしたものです。ポルトガル語が堪能な人が大部分を占めるマプトでも弊社のお客さんの多くは普段シャンガナを話す人達です。『MACAMANENE』ってどういう意味なの?と聞かれて ”Macara ya manene ” っていう意味だと説明すると、賑やかな笑いがはじけます。

 
現在はMacamaneneの最小販売単位の1キロの小袋を10メティカル(プラスおまけの着火剤)で食堂のオーナー達に売っています。80キロの米袋での販売も予定しているのですが、試作段階で生産キャパシティーが少ない中でできるだけ多くのお客さんに気軽に使ってみて欲しいと思うからです。マプト市内の3つの市場で活動する安食堂(BARRACA)にターゲットを絞り、無料サンプル配布に続くプロモーション販売を展開しています。
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(無料サンプルとプロモーション販売で弊社商品を使ってくれたお客さん全員から評価をもらうようにしています。)

 
アフリカ起業の大先輩から聞いて、大切にしている考え方があります。『ビジネスにおいて周りからのアドバイスや助言を活かすことは大切。だけど、最も大切にするべきなのか商品にお金を払ってくれる人の意見。いろいろな人が意見や助言をしてくるけど、まずは少なくてもいいから商品にお金を払ってくれる人を見つけてその人達の意見を徹底的に考えること。』

 

起ち上げたばかりの弊社にとって商品やサービスをお客さんに評価してもらえる環境ができたことは貴重な進歩です。また、今後の弊社ビジネスが軌道にのっていくかどうかは貴重なお客さんの評価をどのように経営に反映できるかにあると考えています。

販売ライセンスが取れました

念願のブリケット販売ライセンスを2ヶ月越しで取得できました。モザンビークでは企業の法人登記をした後に商業産業活動のライセンスを該当省庁より発行してもらう必要があります。このライセンスは ALVARÁ (英訳: Company trading or operating license) と呼ばれており、主に産業貿易省 (MINISTRY OF INDUSTRY AND TRADE) が管轄しています。産業労働省は BAU (Balcão de Atendimento Único) という商業または産業ライセンスの発行機関を設立しており、申請希望者は同機関でライセンスを取得したりアドバイスを受けることができます。

しかし、弊社は BAU で初めて申請に挑戦し始めて2ヶ月もかかってしまいました。その理由としては弊社商品ブリケットが木炭と類似していることに加えてモザンビークにとって新しい商品だったということがあります。商品の説明をしても担当者に正しく理解してもらえず、他政府機関をたらい回しにされて暫くの時間がたってしまいました。

たらい回しにされた政府機関を一つ一つ訪問していった結果、やはり販売ライセンスは産業貿易省の BAU で取得すると判明しました。今回は JETRO (日本貿易振興機構) のモザンビークコーディネーターの方が同行し、弊社が取得希望のラインセンスについての説明に協力してくださいました。

結果25分程度で申請が完了して、3日後には販売ライセンス証を受領出来ました。BAU ではライセンス登録の為の専用ソフトウェアが使用されており、提出書類もシンプルで、支払いもクレジットカード決済でとても進んでいる印象を受けました。

弊社商品はフリーサンプルの配布を経て、プロモーション販売の段階にあります。販売ラインセンスも取れたのでこれから頑張って販売していきたいと思います!

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サンプル配布

製品販売を控えて今週から無料サンプルの配布を開始しています。配布しているのは炭屑で作ったブリケット(形成炭)とオガ粉で作った着火剤です。ブリケットのサンプル配布は12月上旬から始める予定だったのですが、炭粉の細かさにより決まるブリケットの圧縮度合と上げる為に粉砕機の稼働を待ち2月上旬となりました。

img_20170207_104301(乾燥が終わったブリケットを袋詰めしています。)

 

でも、やっと完成したブリケットはこれまでの試作品に比べてずっと火力が強く、燃焼中に型崩れしにくい物に仕上がりました。木炭は燃えるときに全体が透明がかかった赤金色になり、空気を送ると小さな炎を出します。そういう特徴も木炭に近づいているので、現在木炭を使っているお客さんも親しみやすいはずです。

弊社の主なターゲットは市場などで食事を売っている女性達です。モザンビーク庶民の食堂は”BARRACA(バラッカ)”と呼ばれ、炭焼き鳥、ココナッツカレー、鳥のトマト煮、レバー煮、煮豆(フェイジョアーダ)などを出しています。価格帯はマプト市内で130~70メティカル(1ドル=約70メティカル現在)で主食はシマかご飯を選べます。店舗を構えない露店タイプだと炭焼きコーン、サモサ、串焼き鳥やソーセージなどがあります。家庭レベルだと様々な統計があるようですが弊社調べではマプト市内のバラッカは99.5%木炭を使っています。(一部ガス等使用の場合も含む)
img_20170207_112455(食堂で営業する弊社スタッフ。原色のシャツが好きなようです。)
モザンビークのいわゆるインフォーマルセクターで商売を営む女性達は本当にパワフルで働き者です。朝早く起きて仕入れをして、暑い日も雨の日も祝日も遅くまで商売をします。家に帰れば子供達が待っていて夕飯を作ります。1日中働いて稼いだお金は自分の為でなく子供達の為に使います。私達は彼女達のように懸命かつ謙虚に努力をする人達が報われる世界を作る力になりたいです。

弊社ブリケットは木炭より安価で火力が長時間持続しますし、良品と悪品が見分けにくい木炭に比べ、安定品質を確保することで差別化できると思います。また商品の受取りや支払いも既存競合より便利にしたいです。この数週間でマプト市内の木炭小売価格は急上昇しています。ガソリン不足と雨期と販売ライセンスの問題が影響しあってのことだそうですが、弊社にとってはチャンスです。(下写真;右から 市場で10メティカルで売られている木炭、弊社ブリケット1KG(予定最小販売量)、木炭1KG(参考)*従来は小袋1つ1KGだったのですが価格上昇で量が減ってしまったようです。)
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着火剤はモザンビークのお母さん達にとっては全く新しい商品です。ですので最初の掴みはいつも良く、市場でデモをすると一瞬で人だかりができます。一日働いて子供の面倒を見ながら夕飯を作るお母さん達が火をおこす時間を節約して欲しくて着火剤を作りました。

サンプルについていかにお客さんの正直な意見を引き出すかが今後の課題だと思います。やっとお客さんに商品を届けられるところまで来ることが出来たので、これからも頑張っていきたいと思います。

img_20170207_112538(近所のバラッカにて)

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