ココナッツ殻を炭化

農業廃棄物を使ったブリケット製造には主に5つの過程があります。

① 炭化
② 粉砕
③ 混合
④ 形成
⑤ 乾燥

現在これらすべての設備をパイロット生産用に整えています。
炭化とは有機物の元素を燃やしていき炭素のみが残る状態にする作業で、日本の炭焼きや籾殻を使った燻炭も同じです。

T-LUDストーブというのは様々な有機物を手軽かつクリーンに炭化できる優れた技術で、
タンザニアのARTI Energy を始めとして多くのブリケット企業が活用しています。
炭焼きの技術を日本の農業に活用するべく家庭レベルで活用可能なT-LUDストーブを普及されている Charcoal Blacks という非営利特定法人もあります。

何故T-LUDストーブが優れているのかというと3つの理由があると思います。

煙が出ない (煙をドラム缶の中で燃やす仕組み)
余熱を別用途に活用できる (パンを焼いたり、焼きそばを作ったり)
投入するだけで手軽に炭ができる

私達もT-LUDストーブを作り、ココナツ殻の炭化に挑戦しています。
まず、マプト市のシケレニ市場にドラム缶を買いにいきました。
アフリカの市場には様々なサイズにドラム缶(新品・中古)が販売されているセクションがあります。
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そしてタガネと金槌で叩いて空気穴を開けました。
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小さめのペンキ缶で煙突を作りました。
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蓋部分を切り離し可能にしました。
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しかし、ストーブの中身すべてを無駄なく炭化できるようには試行錯誤が必要な様子です。

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明日は全社員(3人ですが)そろって初めてのブリケット生産の予定ですので張り切って臨みたいと思います。

初めての原料買い付け

私達はブリケットを作るために下記3点の原料を調達する必要があります。

① 炭屑
② 特定の農業廃棄物(ココナツ殻、ナッツ殻、サトウキビ搾りかす など)
③ キャッサバ粉

炭屑はそのままブリケットに使い、農業廃棄物は炭化してから使用します。
キャッサバ粉は形成の際のつなぎとして全体量の3~10%加えます。

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高品質で安いブリケットを作る為には、品質の高い原料を安く調達することが不可欠です。
これまで、炭屑の調達先としては炭の卸売りや小売り業者、農業廃棄物の調達先としては農家や加工工場などを検討してきました。
いよいよモザンビークでこれらの調達先との交渉を始める段階にありますが、私達の最初の買い付け先となったのは『ゴミ捨て場で働く女性達』でした。

モザンビークの都市部では Lixeira (リシェイラ)というゴミ捨て場を政府が設けており、各家庭がゴミを捨てに来ます。
コミュニティごとの小さなリシェイラと都市全体用の大きなリシェイラがあります。
そしてどのリシェイラにもゴミから換金可能なものをあさる人達が働いています。
当社は現在、事務所近くの小さなリシェイラと都市用の大きなリシェイラで働く人達からココナツ殻と炭屑を買い取ることを試みています。
(大きなリシェイラで働く人達を写真家 José Ferreira が特集しています。)

昨日は初めて小さなリシェイラで働くお母さん達からココナツ殻と炭屑を買い取りました。
2日前に初めて訪れてお願いして以来、どのくらいの量を集めてくれるのかドキドキしながら待っていました。

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(小さなリシェイラで働く女性)

 
そして初めての買い付け日。
ゴミ捨て場で働く6人の女性達は私達を大きなハグで迎えてくれて、そして小さな体で持ち上げてくれました。(笑)

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(このリシェイラでは7人の女性が働いており、一人は足の不自由な方です)

 

結果、合計9人からココナツ殻84KGと炭屑154KGを買い取る事が出来ました。
たった2日の間に小さなリシェイラからこんなにも集めることができるのかと驚きました。
また、初対面だった私達を信用して作業を進めてくれた彼女達に感動してしまいました。

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(集めてくれた品物の品質を確認している様子)

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(各自への支払い価格を台帳で確認している様子)
買付コストや作業コストと品質を検討して上で調達モデルを最終決定しますが、リシェイラは今後も有力候補として検討継続していきたいです。
リシェイラで働く女性達はやはり、旦那さんと死別したりと家庭の大黒柱となり子供を養っている方が殆どです。
月にどのくらい稼げるのかと聞くと、『いい時で300メティカル(4ドル弱)くらいかな』と言っており、信じられない気持ちでした。

炭屑に砂を混ぜたりして、騙すこともできるのですが事前にお願いしていたこともあり、そんな人はおらず。
ここ最近で一番、仕事が予想を超えたスピードで前進した瞬間でした。

お母さん達!ありがとう! Senhoras, Muito obrigada. Canimambo!
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ケニアのブリケット老舗 Chardust Ltd.を訪問しました

ケニア滞在の目的の一つは既存のブリケット工場の見学でした。
10月17日にはナイロビ郊外に位置する Chardust Ltd. を訪問しました。
IMG_1388(養鶏場向けのブリケットを作っている様子)
Chardust はナイロビ市内の炭売場から買い取った炭屑でブリケットを作り続け11年になります。
アフリカのブリケット業界では11年操業している同社が最も老舗になります。
IMG_1384(完成したブリケットを天日乾燥しています)
最初は挽き肉製造機を自身で改造した手動の機械でブリケットを作っていたそうですが、
11年の間にシェル財団を始めとして多くの開発プロジェクトにも携わったそうです。
試行錯誤の結果、現在は中規模ビジネス(レストランやホテルや養鶏場)やスーパーへの卸に特化しているそうです。
木炭しか使ったことのない、貧困家庭における代替エネルギーへの転換は最もハードルが高いと伺いました。
IMG_1395(工場長から説明を伺う、事業パートナー)
Chardust は原料となる炭を「上質(純度が高い)」と「普通」に分けている点がアフリカの他ブリケット企業と異なっている点の一つです。
「普通」はぎりぎりまで製造コストを下げて養鶏場に卸していたりと顧客ニーズによって原料から選別しています。

また、自社で使用する機械をほとんど手作りしていることにも感心しました。
この点はウガンダの Green Bio Energy も同じです。
ブリケットのような基本的技術による機械は、アフリカで作り、アフリカで修理できるものが一番という教訓かと思います。

私達も今週末からいよいよ試験生産を始めることが出来そうです。
東アフリカで既に頑張っている先輩企業の方から学んだことを活かして、モザンビークのニーズに合ったブリケットを開発していきます。

機械がモザンビークに到着しました。(完結編)

10月19日にモザンビークの首都マプトに到着しました。
家を借りたりインターネットを繋いだりしており、更新が少し遅れてしまいましたが元気でやっています。
私達の機械(Manual Press)も無事到着しました。

マプト国際空港での関税を最も心配していたのですが、とても透明な感じでした。
空港から出る際の荷物スキャンで検閲に回されて、”これは何か?”と質問されました。
拙いポルトガル語で”モザンビークの環境と発展に貢献するプロジェクトを始めるために必要な機械”だと必死に説明しました。

結果、商品のインボイスの提出を求められ 買値の13%の約3000円程度を支払い領収書を受領しました。
かなり高額を要求されることを予想していたので、ホッとしてしまいました。
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続いて、分解した機械を組み立てました。
21日に新居の賃貸契約をして入居したのですが、マプト市の郊外にある古い一軒家で窓やドアの鉄格子を一部強化する必要がありました。
大家さんに相談したところ、材料費のみ払えば工事してくれると言ってくれました。
大家さんの弟さんが(恐らく家の権利を一部持っている)溶接工だったので、彼がチームを連れてきて工事をしてくれることになりました。

工事着工予定日には『約束はしたものの始まっていないかもしれない』と期待半分に家に向かったところ、
工事はかなり進んでいただけでなくその日は徹夜で作業を進めてくれました。
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その溶接工の方に機械を溶接したいと相談したところ、無料で快く引き受けてくれました。
こんな様子でモザンビークに来てから期待を上回る出来事が続き、ついに私達の機械が使用可能になりました。
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ウガンダのカンパラからはるばる自分達で運んできた機械が動いて感動です。
今後はこの機械を使ってブリケットを作るまでをお伝えしたいと思います。(完)

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機械を購入しました!(続編)

ブリケットの試験生産販売の為に形成機を購入しました。調達先はウガンダの首都カンパラでブリケット(炭屑炭)を作っている Green Bio Energy です。

会社設立と同時並行で試験生産を実施する予定なので、何よりもスピード感を大切にしたくて手動の小さな機械を購入して自分達が持って運ぶことにしました。今後、正規規模で生産する際には自動の機械を購入しますのでそちらの輸送手段も別途調査中です。途中経過をお伝えいたします。

① 機械が完成しました。カンパラの工場で作られています。生産量は時間あたり10キロと少ないです。

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② そしてすぐに分解しました。輸送目的です。

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③ 厳重に梱包してカンパラ~ナイロビの長距離バスに載せました。

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荷物は12時間後無事にナイロビに届きました。

夜9時のケニア入国審査時にや通関担当に『これは何か、商品価格はいくらか』という議論を30分程続けることになりましたが、何とか通過しました。

勉強になったのは East African Community(EAC)の自由貿易協定についてです。ウガンダとケニアは共にEACの加盟国なのでウガンダ製の品物をケニアに運びいれる際に免税になるという制度が機能しているそうです。でもその制度を活用する為には事前に Certificate of Origin という文書をEACのウェブサイトから取得しておく必要があるそうです。

前職ではCOMESAというアフリカの経済共同体と一緒にプロジェクトをしていて”人やモノの自由な域内移動”の実現に向けて協議する姿を側から見ていました。今回は域内の自由貿易がアフリカの経済活性に繋がるということを体感しました。

明日は私達の機械が飛行機に載ってマプトに行きます。現地に到着して、溶接工を見つけて、組み立て直すまで気は抜けません。(続く)

 

調理燃料とアフリカの栄養

Ugandaの首都Kampalaで炭を売っている女性のお話を伺いました。
彼女たちにとっては食事を作るにあたり、ガスはまだまだコストがかかり過ぎるそうです。また、彼女たちのソウルフードである豆やキャッサバを調理するには長く火にかける必要があり、木炭を使うことが適していると仰っていました。

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”Our food is hard. So it take more fire, which gas does not fit very well. ” と彼女は言いました。

ケニアで Green Belt Movement という植林運動を推進し、アフリカ女性で初めてのノーベル賞を受賞したワンガリ・マータイさんの著書にも同じことが書いてあったのを思い出しました。
へこたれない(英題 Unbowed) 』という自伝ですが、ケニアでの森林減少に心を痛めていたマータイさんを突き動かした問題の一つに調理燃料と栄養の関係があったそうです。

マータイさんはケニア在来の芋やマメ科の栄養ある食べ物を食べて育ったが、それらの食物は固くて調理に時間と火力を要するとのこと。
故郷の村ニエリではその燃料は薪として簡単かつ安価に入手することができたが、薪や木炭が高価になった現在母親たちは家族の献立を決める際に燃料の制約のため他の食べ物を選ぶケースがあるそうです。

アフリカに植民地支配により導入されて親しまれている食べ物にはメイズミール、パン、紅茶などがあると思います。
一方でミレット、キャッサバ、豆、ヤム芋などは植民地支配以前から親しまれている食べ物です。
豆は肉や魚を買うお金がない家庭にとって貴重なたんぱく源ですし、ミレットやキャッサバやヤム芋は炭水化物以外にもビタミンやミネラルを含む優秀な主食です。
しかし乾燥した豆を煮るには3時間以上煮込まなくてはなりませんし、キャッサバやヤム芋も固いので火が通るのに時間を要します。
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(お椀の中の茶色の食べ物はミレット、紫っぽい芋はヤム芋、白い芋やキャッサバです)

 

アフリカに植民地支配の前からあり女性達が”Our food” と呼ぶ食べ物。
そんな安価で愛されている食べ物をこれからも心置きなく食べることができるように、安くて高品質なブリケットを届けたいと思います。

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(地方で買い付けた木炭を荷下ろしする様子。1台のトラックに約85個の大袋を積んでやってきます。)

パイロットの機械を購入します!

機械調達のためにウガンダのカンパラに来ています。
経費節約のため、ナイロビ‐カンパラはバスで移動しました。
バスは2400KES(2400円程度)で一日何便も出ているのでとても便利です。

機械といってもパイロット生産用の容量が小さいタイプのものを購入予定です。
輸送や修理保守の面も考えて最初はマニュアルの機械を購入することにしました。
購入先は GREEN BIO ENERGY というカンパラにあるブリケット会社です。
同社はブリケットの生産販売に加えて、コミュニティ向けのブリケット生産トレーニングや機械の販売にも携わっています。
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カンパラの露店や食堂では木炭を使っているところがまだ多いようです。
機械は金曜日に完成予定でその後ナイロビを経由してマプトまで輸送予定です。
機械を手にするのが楽しみです。続く。

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(ジャカランダという花が綺麗に咲いています)

はじめまして、Verde Africaです。

はじめまして。有坂(旧姓 村上)純子です。この度はアフリカ起業支援プログラムに参加する貴重な機会を頂きありがとうございます。

自己紹介

私とパートナーは10月にモザンビークに渡り、木炭の代替エネルギーとなるブリケット(形成炭)の会社を設立します。企業名はアフリカをより緑にしていきたいという願いをこめて、Verde Africaと名付けました。Verdeとはモザンビークの公用語ポルトガル語で緑という意味です。

VA_logo(弊社 ロゴ)

アフリカで起業しようと思った経緯

私は2010年~2013年ザンビアに青年海外協力隊として赴任して、零細ビジネスを経営する女性のファイナンスやビジネス支援に携わりました。野菜の小売りや揚げパン売りや食堂などを営むザンビア人のお母さん達と知り合い、私の起業観は大きく変わることになりました。それまでの人生では起業は自分のような凡人には無縁のものという先入観ばかりが先行して、興味を持ったことすらありませんでした。しかし、学歴も頼れる人も資金もない環境で起業し、日々身を粉にして働いた収入で家族を支える姿を見て“自分には起業できない”という言い訳はしないと決めました。

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自身のビジネス経営によりローンを返済し、貯金し、家族を養う彼女たちは貧しくても達成感や自信で輝いているように思いました。彼女たちは援助プログラムの“受益者”ではなく“お客様”だからこそ私にも胸を張って接していて、その姿に力強い希望を感じました。私の中にはいつか彼女達のようにアフリカで懸命に努力する人達が報われる世界をビジネスにより創りたいとの想いが芽生えていきました。

また、当時は零細ビジネスのアドバイスをしていたので、売れ筋商品や利益率や新規事業エリアなど商売の観点から日々現地を観察していました。そのザンビアの田舎町は日本に比べ“高価”で“品質の悪い”商品で溢れていました。貧しい人ほど“品質の悪い”商品に高いお金を払っていて、生活必需品に関しても例外ではありません。『アフリカには現地の人の役に立つ、ビジネスチャンスがある』との確信は私の中で次第に強くなりました。

前職ではザンビアでのBOP事業協力準備調査案件や、東南部アフリカ19ヵ国のマイクロファイナンス機関経営者を対象としたプロジェクト運営に携わりましたが、アフリカで起業したいという思いはゆっくりとかつ着実に強くなっていきました。

そして事業パートナーの存在があります。私は2014年にザンビアの協力隊仲間と結婚しました。結婚したときから“いつか一緒にアフリカで起業しよう!”という夢を温めてきました。モザンビークでの事業は夫と私、そして1年前に出会ったモザンビーク人友人と3人で立ち上げる予定です。

blog1 photo0(事業パートナーの2人)

これから

10月3日に日本を出発して、ウガンダとケニアで同業他社の工場を見学し、モザンビークに渡ります。その後、首都のマプトで会社を設立し、6か月間のパイロット生産販売を実施する予定です。

なぜモザンビークなのか、なぜ形成炭なのかはまたの機会にお伝えさせてください。また、事業の立ち上げの様子をリアルタイムでレポートしていきたいと思います!

 

 

 

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