2冊目著書、サステイナブルライフ発売しました!

アフリカで学んだ自分も社会もすり減らない生き方について綴った著書、『サステイナブルライフ』が先月4月に発売になりました。

2冊目の著書!

ちょっとバタバタして、アップデートが遅れましたが・・・自分の経験を元に書いた本なので、机上の空論とか小難しい話ではなく、楽しんでアフリカでの生活やビジネスに興味のある方に読んでいただけると思います。

SDGsが流行語のようにうたわれ、「サステイナブル」という言葉もよく耳にするようになりましたが、いつも地球環境やCSRの文脈内に収まることが多いです。

でも、オランダ、ガーナと住んでみて、それだけではなく、本当は、個人の生活そのものにも当てはまり、すりへらない無理のない生き方を指すのではないかと思うのです。

社会は、個人の集合体だからこそ、一人一人のライフスタイルがサステイナブルであって、社会のサステイナビリティも成立するのではないかなと、日本で暮らして更に思うようになりました。

アフリカに興味がない人でも、海外の生活や海外で働くことに興味がある人、自分のキャリアパスに悩んでいる人や、ちょっと疲れちゃったなと思う時に読んでもらえたら、何かヒントにしてもらえるのではないかと思います。

書きながら、当時の心境などを思いだして、かなり生みの苦しみがあった本です。

でも、自分の半生を振り返ることで、私自身も第二の人生に突入したような、節目の本になりました。

読後感が良いと言ってくださる方が多く、ぜひ、こんなご時世だからこそ手にとって読んでいただければ嬉しいです。

ガーナに行きたいなと思うのですが、例えば、渡航中に感染してガーナでの検査に引っかかったらどうなるのだろう?とか考えるとわからないことが多く、タイミングに迷いますね〜

古着が存在しないベナン?

どうも、ベナンでドローン事業の内藤です。

 

ベナンは先日から雨季がスタートしまして、1時間かけてやっと終わった洗濯物が数時間後に突然の大雨でやり直しになる、という不毛の時間を過ごしております。

 

さて、以前からお伝えしておりました、新規事業の話の続きとなります。

 

前回はベナンのEC市場状況に驚いたお話をしましたが、今回はどのようにしてターゲットを絞り、そして何を指標にして事業を進めていくことにしたかをお話したいと思います。

ベナン人が熱狂するものとは?

Afric-Drone社が目指す方向性として「ドローンで現地産業に革命を起こす」というのがあります。

これをもう少し言い換えると、「これまでになかった技術や文化を導入して、現地の人が豊かになるものを創る」となります。

今回作ろうと考えていたECサイトは、ベナン人にとって新しいものであると同時に、新しい価値を提供して、現地の人たちが喜ぶものにすると決めていました。

そこで、今現在、多くのベナン人が熱狂しているものはなんだろう?というリサーチをしたんですね。

すると、スマートフォン、サッカー、音楽などが出てくる中で「女性ファッションアイテム」がECコマースとの大きな可能性を感じることができました。

創立からのメンバーであるシルビー

うちの社員であるシルビーさんは、給与の7割をファッションや美容につぎ込むほどのファッショニスタです。

彼女だけが特殊なのかと思いきや、結構な割合で熱狂して女性ファッションアイテムを買っている人が多かったのです。

古着が存在しない?

そして、彼女のようなファッショニスタから色々とアンケートを取ってみると、セレモニーなどで着るワンピースやドレスなどは、数回着たら倉庫に入れてしまうという人がほとんどでした。

多い人では1000着くらいが自宅に眠っているという答えもありました。凄い。

でもおかしいと思いません?それらの服はほぼ新品なのですから、売ったらいい訳ですよ。そう思って調べてみると、「ベナンでは古着を売り買いする文化はないわ」と言われました。なんと。

しかしです。実際に彼女たちが購入している服のほとんどは、海外からきたH&MとかZARAなどの古着なんです。そのことを伝えると、「海外から来てる古着は買うけど、国内での古着は買わないわ」という謎の答えが返ってきました。

つまり、文化的に国内の古着を売り買いしないだけで、もともと古着をきているのだから、そのステレオタイプさえ打開すればビジネスチャンスじゃないのか!と思いました。それが実際はとても難しいことだと後々知ることになるのですが・・・

ということで、我々のECサイトの最初のターゲットは「ファッションが好きな女性の古着」ということに決まりました。

まずは出品者と出品数を追う

CtoCという形で売買を成立させていくわけですが、最初に追いかけるべき指標は出品者と出品数であるということがメルカリなどの似たようなビジネスモデルを研究していると分かりました。

出品者は購入者にもなりうる存在ですので、出品者や出品数を追いかけることにより、購入者も生まれ、売買が増えていくのではないかという仮説です。

どのようにしてこのターゲットを獲得して行ったのかは、また別のブログでお伝えしたいと思います。

「ルワンダでタイ料理屋をひらく」

ルワンダからこんにちは!アジアンキッチンの唐渡です。

ご無沙汰してしまいました。2021年も、気づけば4月…!
ルワンダは年明け1月・2月にまたロックダウンとなり、今度は飲食店はラストオーダーが17時という今までで一番短い営業時間を強いられ、かなり厳しい状況でした。ディナーが吹っ飛んだ形ですね。
その後3月4月とまた門限が20時、21時に戻り、売上はまずまずです。
昨年のちょうどこの時期が初のロックダウンでしたが、その頃に比べて外国人も戻り、何より人々が「ニューノーマル」に慣れてきた観がありますね。

ワクチンの接種状況ですが、周りにも空港関係者や、大手ホテル・飲食店従業員などは、ちらほら接種した人が出てきています。
政府は現時点ででは2022年末までに国民の60%に接種をすることを目標としているようです。

さて6月に、昨年開催が中止されてしまった英連邦首脳会談が、やってきます!
それに向けてルワンダ政府は威信をかけて感染者数の抑え込みなど、対策をしてきました。このまま無事に開催されるといいのですが。
(実際は開催されるとほぼ幹線道路が全て通行止めになり、アジキチも空港とコンベンションセンターを結ぶ道路沿いにあるため漏れなく通行止めの対象となり、けっこう大変になります。学校も1週間閉校。。)

さて今日は、皆様にご報告があります。
実はこの度、左右社より、初の著作「ルワンダでタイ料理屋をひらく」が刊行されました!

2015年に息子と移住し、アジキチを開くまで、そして開いてからも起こり続ける数々の珍事。困難に負けてくじけそうになった時。育児との葛藤。それでも歩き続けるうちに、店はなんとか軌道に乗り、娘も生まれる。そして2020年春、新型コロナという未曽有の危機がルワンダにも訪れ、そこで生きる人々の強さに心打たれつつ、なかなか肯定できなかった自分自身の人生と再び向き合う。
以上が話の大筋です。
(もう少し詳しい内容が素晴らしくまとまった内容がこちら。編集協力の大洞敦史さん(実はなんと小学校の同級生)が書いてくれた紹介記事です。チェックしてみてください)

書く際に一番参考になったのが、実は自分自身がこちらのアントレブログに綴っていたブログ記事!でした。
当時、お店を深夜に締めて帰ってきて、疲れながらもパソコンを開いてブログを書くことで、当時の憤りやモヤモヤ、興奮を昇華させていたように思います。
それがこの度こうした一冊の冒険記としてまとまり、感無量です。

また、今回出版のお話をいただけたのも、こちらのブログを見て私を応援してくれていた小学校の同級生、大洞敦史さんが、左右社の社長さんに話を持ちかけてくださいました。そしてブログを読んでぜひ、とお声がけいただいたのです。
なのでこのブログがきっかけになったと言っても過言ではありません。

アントレAFRICAのことにも触れています。
実は、一期生として選出いただいていたにもかかわらず、大きなトラブルが立て続けに起こり、心が折れてしまい、事業中断を決定。辞退させていただくこということが2016年にありました。
それから時は流れ、再度チャンスを下さった事務局の渋澤さんをはじめとした関係者の皆様には、感謝してもしきれません。
改めて、アントレの皆様、そしていつも応援してくださっている皆様に、心よりお礼申し上げます。

人生の岐路に立つ、またはなんとなく自分の人生を肯定しきれない方々の背中を押せたら。
「アフリカのどこか」だったルワンダを、少しでも身近に感じてもらえたら。
これほど嬉しいことはありません。
ぜひ、全国の書店またはアマゾンでチェックしてみてくださいませ!

裏表紙(帯)はこちら。そう、ルワンダフル・ライフ!なのです。
ところで、表紙(文中の画像)には隠されているもの(隠れてないけど)が2つあります。見つけてみてください〜!

他力本願の真骨頂 最終日に起こった奇跡

 昨年に引き続き、京都が誇る工芸の展示会「DIALOGUE+」に出展してきた。控えめに言って、最高だった。展示会には40くらいのブランドが集結していたので、まわりの方々からの学びがナイス過ぎたし、ありがたいことに新たなご縁もたくさんできた。

 ほかのブランドさんの作品にふれて、ものづくりに対する姿勢を改めようと思った。この1年で成長を感じられたぶん、至らなさも痛感した。ときめきってだいじ。かわいいは正義、かっこいいがすべて。どのようなトーンでお客さんに届けるかを、いま一度、考えさせられた。

 実はこの展示会、それだけでは終わらなかった。予期せずして、ぼくのモットーである他力本願の真骨頂をみせた。最終日、メディアの方から取材を受ける予定があったのだが、そこに願ってもない助っ人が現れたのだ。そのひとは、百貨店で長らく装飾を担当されていた方で、カメラが入る1時間前に即興でブースのアレンジをしてくださった。見違えるほどに、いい感じのブースに早変わりした。

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 ちゃんとディスプレイしてもらうと、作品がめちゃくちゃ輝いてみえた。職人さんたちに一生懸命につくってもらっても、さいごに見せかた、伝えかたをしくじると、たいへんなことになる。それは創業して半年後に向かったパリで確かに感じていたはずで、あれから2年も経っているのに、まったくと言っていいほど成長がないことに気づいた。

 振り返ると、ツメの甘すぎる生きかたをしてしまっていたけれど、これからはお客さんに届けるとき、届けたあとのことに、もっと心を寄せたい。奇跡的に、その全体のディレクションを担ってくれる人たちには、すでに出会えている。この出会いを大切に、新年度もまたベストを尽くと心に決めた。

 創業して2年半、このままのペースでは遅すぎるけど、おかげさまでいい人たちに囲まれている。あとになって後悔しないように、やれることは全部やってやる。オフェンスこそ最大のディフェンス!

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高校生に告ぐ、ガーナ大学へ進学せよ

KTCおおぞら高等学院さんで講演してきた。はじめて、通信制高校でお話しさせてもらう機会を得た。ここの先生たちは本気だ。キャンパス長の席は最前線、生徒との距離感もだいぶ近い。「高卒資格がゴールじゃない。なりたい大人になるための学校。」というコピーが入ったポスターが目に飛び込んでくる。

ぼくはそこで、「いろんな生きかたしていいんだぜ」って伝えてきた。めちゃくちゃ大変で、しんどいことのほうが多くて、不安に押しつぶされそうになる時間を過ごすことにはなるけれど、いまが最も幸せだと断言できる。いつもお世話になっているひとから「いまを肯定できれば、過去は変えられる」と教えてもらったことがある。うまくいかないことだらけの人生でも、受け入れることができたとしたら、あのツラかった時間ですら感謝したくなってくるのだ。(しかしながら、二度と体験したくはない。)

そして気づいたら、高卒後の進路にガーナ大学を激推ししてた。ガーナ大学はヤバい。ぼくが視察したのは、今からもう10年くらい前だが、めちゃくちゃよかった。なにがいいって、まず授業料が安い。たしか年間10万円くらいで、しかも寮に入れて、いろんな学部の人たちとの相部屋になるから、社会学部や医学部や法学部の学生たちと白熱議論できたりする。

24時間オープンの図書館があり、先生方はハーバードやオックスフォード、イェールで学んできた生え抜きのガーナ人たちだ。キャンパスは空港よりもデカい(感じがあったけど、当時ぼくは陸路でガーナ入りしたから空港の全貌を知らない。そのへんを歩いていたガーナ大の学生が言っていた)。そのめちゃくちゃ広いキャンパス内を20分くらい歩けば、野口英世記念館があって、そこでぼくはマツコ・デラックスみたいな人から熱烈な歓迎を受けた。さらにいえば、もうすぐスティービー・ワンダーがガーナに移住してくるらしい。

高校生のときに思い描いていた「なりたい大人」になれているかはわからない。なんせ、当時の夢は「旅人」だった。見方によっては、今まさに旅人みたいなところがあって、自分でもどこに向かっているかわからないから、いい感じに夢を叶えつつある。おおぞら学院の生徒さんの未来に幸あれ。いつかまた、アフリカで会おう!


“DIALOGUE + ”に参戦 めざせプナン人!

 来月、展示会に出展する。3月10日(水)~14日(日)に京都伝統産業ミュージアムで開催される「Kyoto Crafts Exhibition DIALOGUE+」、昨年に引き続き、今年もお世話になる。この1年で、ぼくたちはめちゃくちゃ強くなった。強くなったというのは、コロナ禍の激動で、なにがあっても大丈夫だという謎の自信が芽生えたこともあるし、アフリカ・トーゴ共和国が生んだスーパー仕立て職人・デアバロさんと出会えたことで、商品展開にかなりの幅ができたこともある。これからも新たな出会いをつくれるように、いろいろ準備している。

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 当日は「出会いに乾杯プロジェクト」と銘打って、ちょっとしたプレゼントを用意しようと思っている。なんか最近は贈り物って、やっぱいいなと思うことがあって、ついあげちゃうことが多い。それは、ぼくがやりたいからやってるだけなのだが、しばらく経ってから「あのときもらったんで」とお返しをくださることがある。そういう中長期的なやり取りって、なんかいい。いつどんなかたちで返ってくるかはわからないけれど、結果的に、長いお付き合いになったりする。
 そう思うと、結構ぼくたちは短期的に物事をやり取りしてしまってる気がする。長く続けていくためには、お金をもらうよりも先に、こちらから贈り物をするほうがいいのかもしれない。いま西陣のお店でも、仕立てのオーダーを受けて、お金を払ってもらい、商品をお届けするという流れになっているから、まずなにかをプレゼントしてみようかと思う。見方によれば、弊社は倒産の危機に瀕しているとも言えるけど、ほどほどに実験してみたい。

 人類学者の奥野克巳によると、プナン人のあいだでは、いろんなものをすぐさま分け与える人物のことを「大きな男(lake jaau)」、ビッグ・マンと呼ばれて、共同体のアドホックなリーダーとなるらしい。(『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』p.69)いろんなものを循環させていくことに興味があるぼくとしては、やってみる価値がある。めざせプナン人。


 というわけで、3月の展示会では、プナン人としてオリジナルのプレゼントをもって臨む。もちろん、併せて自信作の商品サービスをもっていく。ヨソではできない技術をふんだんに盛り込んだ西田さんの京友禅に、デアバロさんの仕立て技術で制作した洋服、ここに至るまでの奮闘をまとめた書籍、素材となる布地の生産プロセスを体感する企画。このコロナ禍で、知恵を絞って、汗を流し、歯を食いしばって生み出してきた。ぼくたちの本気が、まだ出会ってない誰かの心に届きますように。トシハルファイヤーーー!!!

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アフリカ布や京友禅で服を仕立てるお店

📮京都市上京区東西俵屋町144 京都西陣ろおじ内
🕚(金)(土)(日)11:00〜18:00
📞090-6373-3203(代表・中須)

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バッグに詰め込んだベナンの職人文化

 さいきんは日本在住のアフリカ人がお店に来てくれるようになった。半年前、奇跡的にトーゴ出身の仕立て職人・デアバロさんと出会えたが、ふつうに考えて、こんな奇跡が起きるはずがない。それは奇跡ではなくて、これまでかかわることがなかっただけで、ほかにもたくさんアフリカ系の人たちがいると考えたほうが自然だ。調べてみると、日本にはおよそ1万5,000人のアフリカ人がいる。在留外国人のパーセンテージで按分すれば、京都には3,000人くらいのアフリカ人が住んでいることになる。

 とか計算していたら、なんと奈良県からベナン人・メラドさんが現れた。ベナンはトーゴの隣にあって、学生時代に旅したことがある。めちゃくちゃいい人たちが多くて、思い出深い国のひとつだ。その懐かしの国から来た彼は、ベナン人の職人たちが英知を結集して制作したバッグを携えていた。奈良県から慣れない車を運転してきてくれて、13時のアポが15時にズレ込みながら、いろいろバッグのこだわりについてプレゼンテーションしてもらった。

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 なかでも目をひいたのは、あまり見たことのない金色のアクセサリー。聞くと、かつて金の重さをはかるのに用いていた道具らしい。「ポワ バウレ(poids baoule)」といって、13世紀ごろから西アフリカ地域のアカン系の民族で使われていたという。しかも、そのへんのマルシェでは売っていなくて、手に入れようとすれば、生産している民族に辿り着かないといけない。貴重すぎて焦る。むしろこのアクセサリーを際立たせるためのバッグにしてもいいくらいに、その地域のアイデンティティがつまっているようにも感じた。

 メラドさんは、コトヌー出身の35歳。小学生のときにテレビでみた日本のロボット技術に憧れて、大学では機械工学を学んでいた。卒業後「たけし日本語学校」で日本語を学び、大使館の奨学金の試験に合格して2013年に来日した。名古屋大学で機械理工学を修士課程・博士課程で研究しつつ、留学生会の会長も務めていたらしい。社会人になってからは車部品の研究開発に従事。ずっと母国のために何かしたいと思っていた矢先に、日本人の友人にお土産でプレゼントしたベナンのバッグが好評で、自身の名を冠した「MELARDOT(メラドット)」を2020年からスタートさせたという。

 とにかく、ええ人すぎる。ひとまず店内にラインナップしてみることにして、お客さんからのフィードバックをもらいながら考えていくことにした。限定品、ご興味ある方は是非お店へ…!!!

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アフリカ布や京友禅で服を仕立てるお店

📮京都市上京区東西俵屋町144 京都西陣ろおじ内
🕚(金)(土)(日)11:00〜18:00
📞090-6373-3203(代表・中須)

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コンゴのサプール、京都に進出

 コンゴのファッションデザイナー・メニさんと巡り合った。Twitterの心優しい方が、メニさんを紹介してくださった。なんて時代や。

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 コンゴには素敵なファッション文化「サプール」がある。世界平和を願って高級ブランドを身にまとう「世界一おしゃれなジェントルマン」。メニさんは、そのサプール文化で触れたイッセイミヤケやヨウジヤマモトに影響を受けたらしい。
 自身でブランドを立ち上げ、大学でファッションデザインの先生もしていたが、休職して来日。いまは京都市立芸術大学の博士課程に通っている。「アフリカンプリントもいいけど、その土地のアイデンティティがあるものが好き」と、京都の着物文化、染色文化に関心があるという。アツすぎる。すっかり意気投合して、イッセイやヨウジの作品も手掛ける職人さんのもとへ行った。

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 メニさんは型染めについての知識がハンパなく、染色につかう材料の成分についても知見があった。しかしフリーハンドの手描きの世界は初めてだったようで、型染めではできない表現に度肝を抜かれてた。「これはどうやってやってるんですか・・・」。

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 西田さんの染色をなめてもらったら困る。そのへんにある技法じゃない。自ら手を動かし、ながい時間をかけて、たくさんの挑戦と失敗を重ねながら独自の技法を編み出してきた。その圧倒的なクリエイションに、ぼくは働きかたや生きかたを見ることができると思う。失敗しないように、敷かれたレールのうえで生きてきた人に、「失敗ありき」のチャレンジと、コミュニケーションを重ねながらこれまでなかったものを生み出していくスタンスは、今の時代でこそ光る。
 メニさんと西田さんの出会い。この新たなイノベーションの種が、芽をだして、花咲くように、ぼくは全身全霊でぶつかる。その地域にしかない文化的な価値が、社会にとって必要だし、人類の未来にとって生活必需品だと信じてる。

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京都の布×アフリカ・トーゴの技でブルゾンを

 京都でも緊急事態宣言が発令された。ぼくたちの会社は創業以来、ずっと緊急事態であるから、逆にニュートラルではある。お店をオープンして2ヶ月が経ち、受注いただいた服の仕立てが落ち着いたので、待ちに待ったブルゾンをオーダーした。いい。実に、いい。

 色があると元気になる気がする。日本のファッションは、かつて色を楽しんでいた。そんなことを、年明けのクソ寒い工房で火を焚きながら職人さんが言っていた。

 モード(流行り)の世界では、春夏・秋冬と年に2回、コレクションが出る。かつての日本は、春夏秋冬の4回と思いきや、梅春・春・初夏・夏・秋・冬の6回もコレクションが出ていたらしい。「梅春」というのを初めて聞いたが、淡い感じの色づかいをするそうで、そういう感性があったころは、いろいろと豊かだったんじゃないかと想像した。

 ぼくがオーダーしたブルゾンにつかわれているテキスタイル(布製品における生地や柄のこと)は、青赤黄がいい感じにグラデーションとなって6色くらいに見えるやつだ。インクジェットではなく、色の深みがでる染色で、このテキスタイルの表情をラインナップしているブランドは、そう多くない。わかる人にはわかる凄みがあるけれど、わからない人にも伝えるのが仕事のひとつだとも思う。だから普段から身につけて、その肌感覚をぼくなりの言葉で説明できるようにしていきたい。

 緊急事態宣言、外部の環境はどうすることもできないけれど、ぼくたち自身の環境はどうだって変えられる。これまで乗り越えてきた困難に比べたら、いまの状況なんて屁のかっぱだ。と言えるくらい大きく構えられるように今日も頑張ろう。心を込めて。

幻冬舎plus連載9回目:援助よりも大切なこと

JUJUBODYの大山です。

幻冬舎plus連載9回目、『援助よりも大切なこと』が掲載されました。

https://www.gentosha.jp/article/17374/

この虫除けスプレーを日本で売りたい!と思ったけれど、日本ではちょうどその年に、同じような成分でできた「アウトドアスプレー」という商品が発売され、ヒットして、商業的に難しいと断念しました。

理由は、以下の通り。

アウトドアスプレーってネーミングが素晴らしく、これだと医薬部外品にせずに、でも、虫避けなんだなと伝わります。

この容器には虫除けスプレーって英語で書いてありますが、そうなると医薬部外品になり、検査や手続きに費用が半端なくなります。また、販売できるのは、医薬部外品は、ドラックストアなどの有資格者に限られます。

ガーナでは、日焼け止め状のクリームで、スプレーからの出も問題ないけれど、四季の気温差が激しい日本では、冬は固まります。

「アウトドアスプレー」は、ミストですが、こちらは日焼け止めみたいなクリーム状なので、手で伸ばさなくてはなりません。

値段も、輸入するとなると、同商品より安くは作れません。

残念ながら、商業的には勝ち目が全くないと判断しました。

でも、ガーナに行くと、いつもこの虫除けスプレーを使います。

これを塗っているときに、私は蚊に刺されたことはありません。

しかしながら、これを買う前に、到着早々、50箇所ぐらい刺されて、あ、虫除け必要と思い出すパターンです。

それでも、マラリアにならないなんて、ラッキー。アクラモールのGameで買えるので、在ガーナ日本人の皆さま、オススメです。

今思えば、彼のような若い現地の起業家に出会えたことは、私の財産だなと思います。

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