タンザニアのシャーマンキング

タンザニアでパン屋をやっています、松浦です。

今回は、タンザニアの呪術にまつわるお話です。


ひょんなことから「タンザニアには死者を蘇生できる人がいる」という情報を得た。日本語で聞くとインパクトがある。

タンザニアに長く住んでいると、現地の人が日常的に呪術を話題にしていることに気づく。私もこれまでに何度か聞いたことがあった。

だがしかし、今回は「死者蘇生」である。黒魔術はよく聞くけども、死者の蘇生については初耳だ。シャーマンキングだ。阿弥陀丸だ。麻倉葉だ。私は、それはそれは胸を躍らせた。科学では説明できない目に見えない世界のお話が好きな性分なのだ。

さて、「死者蘇生」スキルを持つ人物とは一体?私は好奇心120%で少し調べてみることにした。

その前に、何ゆえ私がこんなに興奮していたのかを説明しておきたい。それはこの情報を得ることになった経路にある。実は、このお話、タンザニア人ではなく、日本の、しかも普段はタンザニアないしはアフリカとは縁遠い生活を送る方の発信で知ったのである。

なので、私の調査のモチベーションは、①なぜアフリカから縁遠い日本の方が「タンザニアの死者蘇生能力を有する人物」について知り得ることになったのかということと、②そもそもその人物はタンザニアに実在しているのか、しているとして、現地ではどういう見方をされているのか、ということを知ることであった。めちゃくちゃ気になるじゃないか。

タンザニアの「シャーマンキング」の正体

さて、その人物について事前に分かっていたことは、

・死者蘇生スキルがある

・タンザニア人の牧師である

という2点のみであった。

ちょうど仕事をしていたので、社員にそれとなく尋ねてみた。しかし、「霊魂を呼び寄せるとかなら聞いたことあるが、死者蘇生は初耳だ」という。う〜ん、やはり噂に尾ひれがついていってしまったパターンか、と思った。

しかし、小山田まん太のファンはここで諦めるわけにはいかない。Googleよりもよっぽど精度の高い解答が得られることがあると名高いTwitterでも聞いてみた。

1時間後、

さすがTwitter!!!!!!!

まさかこんなに詳細の回答をいただけるとは・・・(中村葉子さんリプライいただきありがとうございます。)

これで名前が判明いたしました。ここからはGoogle先生に聞いてみる。

「タンザニア ガジマ 牧師」と検索窓に入力すると、記事がいくつか・・・ヒットするぅぅぅぅううううううう!!!!!??ちょっと動悸がした。だってちゃんと日本語なんだもの。日本語のめぼしい記事に目を通し、さらにスワヒリ語で検索すると、牧師について以下のことがわかった。

・牧師の名前は、Josephat Gwajima(ジョセファット・グワジマ)、2021年時点で51歳

・キリスト・タンザニア教会(GCTC)創設者、WEBサイトもしっかりしている

・Ufufuo Na Uzima(キリストタンザニア教会の栄光)省を率いるペンテコステ派の牧師であり、2021年現在、与党CCMのダルエスサラーム地域のカウェ選挙区の国会議員でもある

・2015年4月にタンザニアで武器・兵器の不法所持で逮捕された過去あり

・大和カルバリーチャペルの招待で数回来日し、宣教活動をしていた日本での集会の例)

・これまでに蘇生させた人間は400人以上と言われている

・日本語で本も出版されている

現在、タンザニアでCOVID-19ワクチン陰謀説を説いており、度々紙面を賑わせている

なんと、あのジョセファット・グワジマ氏であった。今月も数回紙面でお見かけしていたあのグワジマ氏だ。彼は、コロナワクチンが西欧諸国による陰謀であると説いており、現タンザニア政権の対コロナ政策と激しくバッティングするため、逮捕を巡って政府と一進一退の攻防を繰り広げている、時の人なのだ。しかも、なんと、保健大臣のドロシー・グワジマ氏は、彼の義理の姉だというから驚きだ。家族内に、ワクチン普及させる者とそれを陰謀説だと説く者が共存するというカオス・・・

しかしまあ、死者蘇生能力があると聞いてワクワクしていたのに、それが政治家だとわかると途端に胡散臭く感じるのは一体どういった摂理か。森の中で隠遁生活を送っていてほしかった。というのは、呪術に明るくないマグルの私が呪術師に対して持っているイメージの押し付けだ。

さて、人物が特定されたところで、肝心な彼の死者蘇生能力について見ていこう。

彼のWEBサイトを見てみると、死者蘇生に関する本も出版しているではないか。ちょっと購入してみようかと思ったが、34ドルと絶妙に高い値段設定だったので我慢しておいた。

WEBサイトには彼のYoutubeチャンネルもリンクが貼ってあり、見ていると、そこに死者蘇生のライブ動画があった。

亡くなった小学生女児を蘇生している。かなり大規模なイベントとして執り行っており、観客を前にステージ上で蘇生の儀式に取り組んでいる。

私のイメージしていた死者蘇生の儀式とはかなりかけ離れていたので、少々面食らった。私には詳しいことはわからないので、真偽の程を議論することはここでは避けたい。

ただ、ちょっと、おもてたんとちがう。

正直に心中吐露すると、残念である。

残念な気持ちの仔細を鑑みるに、それは彼が政治家であることと、この蘇生方法ゆえに、信憑性が疑わしくなってしまったことが起因しているように思う。

本当に死者蘇生ができるとして、なぜそれがステージ上でのパフォーマンスである必要があるのか。そこには本当に蘇生以外の不純な目的は介在しないのか。

彼がどういった思いで政界進出しているかは知り得ないが、政治家である限りは、自分の描くビジョンに向け、自分の動員できる人的資源や財を投じて大なり小なり戦略的に動く必要があるはずだ。

かなり大胆ではあるが、このステージ上での儀式も、支持者を集めるための単なるパフォーマンスではないのか、と勘ぐってしまったのだ。それが残念な気持ちの正体だ。

※日本とのコネクションについては、調べた限りにおいては、どういうきっかけでつくられたのかはわからなかった。

タンザニアの呪術事情

さて、グワジマ氏がおもてたんとちがったのは、ザニアで暮らす私が度々呪術(スワヒリ語でUchawi)について聞くことがあり、それで得た呪術に対するイメージと随分かけ離れていたからだ。調べながら分かったことだが、おそらく、グワジマ氏の蘇生の儀式は、そもそも呪術(Uchawi)に分類されない。

「死者蘇生」と聞き、私が勝手にスーパーヒューマンな力 = 呪術!Uchawi!と結びつけてしまったが、グワジマ氏は私の知る限り、死者蘇生をUchawiと関連づけてはいないのだ(そこまで詳細に彼の発言を知らないのではっきりとは言えないが)。

というわけで、ここから先は、死者蘇生の話は一旦箱にしまって、タンザニアの呪術(Uchawi)について私の見知ったことを書きたいと思う。

タンザニアの呪術にも色々な種類があるが、よく聞くのは怨恨による呪いだ。(豊作を願う雨乞いの儀式も昔聞いたことがあったが、私がいま住んでいる地域はシティシティしているためあまり聞かない。)

呪術師の元を訪れると、まずはカウンセリングがあり、その内容によって生贄として献上するものを指示され、終わると謝礼金を渡すという流れだ。(場合によっては謝礼金は先払いである)

ダルエスサラームでは、何か悪いことが起こると、「私、呪われてるかもしれない」ということがある。冗談めかして言うこともあるが、私の体感としては冗談じゃない場合の方が多い。口にする人は本気でそう思っているのだ。(この辺りのことは、井上真悠子さんの手記に現地の人がどのように捉えているのか詳しく書いてあるので、ぜひ参照されたい。)

とある事象を解決するために、科学では説明のつかない方法に頼るという点では、日本の霊媒師や陰陽師と似たようなものかもしれない。もっと身近なところでいうと、交通安全を願ってお守りを車に吊り下げたり、年初めに今年こそは大学に受かりますようにと神社に詣でたり、50m走のタイムが10.9秒と絶望的なので翌日の運動会が中止になるようてるてる坊主を逆さに吊るす、といったような類のものだ。

タンザニア人にとっての呪術が、今挙げた日本の例ほど身近な存在かと問われると、もうちょっと気合を入れて取り組むものだと思われる。だがしかし、ダルエスサラームでも都心からちょっと外れると、呪術師の名前と電話番号が書かれた手書きの看板がそこらに貼ってあったりするため、やはり我々日本人が「呪術」と日本語で聞いて連想するイメージよりは、ずっと身近な存在な気がしている。

昔、私が友人から聞いた話を紹介したい。彼は、Sumbawanga(スンバワンガ) というタンザニア西南部に位置する、呪術が活発であることで有名な地域の出身だ。話はこうである。

ある男がバイクを盗んだ。バイクの持ち主は犯人を特定し、返却を依頼したが、あれやこれやと理由をつけて返却してもらえなかった。怒った持ち主は、呪術師に相談した。呪術師に指示され、彼は、盗んだ者に掛け合い、返却までに1週間の猶予を与えた。これが最後のチャンスだと。しかし盗んだ者は相手にしなかった。そこで1週間後、呪術師によって黒魔術がかけられた。盗んだ者は、数日後に雷に打たれ、還らぬ人となった。

友人曰く、このような事例が彼の出身地では溢れているそうだ。

呪術の様子がより仔細にわかるレポートとして、2013年からダルエスサラーム大学に同時期に留学していた小池茅くんの呪術師弟子入り体験話がある。もちろんこれも呪術の一例でしかないが、写真付きなので、よりイメージしやすいと思う。

タンザニアの呪術をより詳細にイメージできるものとして、作家の中島らもさんの著作「ガダラの豚」も大変助けになると思う。私は人生初めてのタンザニア渡航前にこの作品を読み、まだ足を踏み入れたことのないタンザニアへの憧憬を募らせまくった。今から9年も前のことである。

ちなみに、日本でアフリカの呪術が話題にのぼるときは、大抵「アルビノ狩り」がセットになっている。一部の呪術師の間では、生贄としてアルビノの人の身体の一部(臓器である場合もある)が重宝されることがあり、国際社会から批判を受けまくっているのは、何を隠そうタンザニアのお話なのだ。(日本財団監修のこちらのレポートに詳細が書かれています。)

タンザニアの呪術は、こういった闇も孕んでいる。

ソーシャライズされた今時の呪術

先に紹介した私のTwitter投稿を見て、アフリカの大先輩が面白いことを教えてくださった。今時の呪術師はSNSで広告を打っている、と。

試しに教えてもらった通り、Facebookで「witch doctor」と検索窓に打ち込んでみる。「near me」や「for hire」が自動サジェストされるのが面白い。

画像1

いくつかの投稿が出てくるので見てみると、TOPのイメージ画像がきちんと設定されていたりと抜かりがない。

画像2

呪術師がSEO対策したりターゲティング広告を打ったりしていると思うとちょっとおもろい。何がおもろいって、ちゃんとマネタイズして呪術でもって生計を立てようとしていると想像すると、人間臭さが立ち込め、たちまちスーパーヒューマンな厳かさが消え去ってしまうではないか。

だがしかし、今時の呪術師は、そんな古臭いブランドイメージなどとうに刷新済みなのだ。いつだって時代の最先端をいく者は、クリエイティブでなければならない。

(私は普段Facebookを使うことがあまりないため、これまで呪術広告にお目にかかることはなかったが、アフリカのとある地域では広告が出るそうです。)

治安を維持する呪術

書きながら思ったことだが、呪術は今でいうところの警察の機能を担っていたのではなかろうか。

行政の発達していなかった時代は、村に悪を成敗できる絶対的な権力がなかったはずなので、治安を維持するための存在として呪術師が重宝されたのかもしれない。

「悪いことをすれば災いが訪れる」と人々が信じることは、悪行を企てる者にとっての抑止力になるはずだ。

かくいう私も黒魔術をかけられることは怖い。誰かに恨まれていると想像するだけで気に病んでしまう。そして、誰かを恨んでしまうことはもっと避けたい。だから普段から徳を積んでおきたい。

しかし、徳が積めているかは不安なので、その不安を解消するために、予防としてお守りなんかがあるのかもしれない。

そういえば昔、マサイのおばあちゃんから「邪気を払う砂」と「悪いことが起こった時に割れる木肌の破片」を購入したことがあった。あれをもう一度買っておいたら良いだろうか。

あの「砂」と「木片」が、災いから私を守ってくれたのかは知れぬ。だが、私は今も元気に生きているので、然るべき時に何かしらの効力を発揮してくれていたのかもしれない。あのおばあちゃんの行方はわからないので、私もSNSで呪術師にコンタクトしてみようか・・・。


今回も読んでいただきありがとうございました。m(_ _)m

私は呪術についてあまり明るくないので、こういった研究の論文やおすすめの参考図書があればぜひ教えてください!(パン関係ないという・・・笑)

鳴り止まぬ電話

タンザニアのパン屋、松浦です。

今回は、前回の記事で書いた「ラジオ出演」のお話に引き続き、起こった出来事にまつわるお話です。


2021年8月1日、タンザニアの国営放送局(以下TBC)のラジオに出演した。日本でいうところのNHKみたいなものだ。日曜日の午後、小一時間ほどパーソナリティとおしゃべりする小さなコーナーだった。

ラジオっ子の私は、タンザニアでの収録の様子がどんなもんなのかを知りたいという好奇心のみで引き受けた。タンザニア生活における珍経験としてまた一つ経験値があがる〜うふふふふ、てなくらいのノリだった。

今回、私がゲストとして声をかけられた経緯としては、NHK WORLDのスワヒリ語放送でのゲスト出演がきっかけとなり、それを聞いてくれていたTBCのパーソナリティの方(私が対談したご本人)が指名してくれたとのことだ。大変光栄なことである。

うっきうきドキドキして臨んだラジオ収録は大変楽しかった。全く想定していなかったが、公共電波の影響力は大きく、反響もとても大きかった。(現在進行形で続いている)

だがしかし、副産物的に自分の力の無さを思い知り、うんと悶々することとなった。今回は、そんなラジオ収録にまつわる小話を備忘録的に残しておきたいと思う。

突きつけられるコミュニケーション能力不足

タンザニア人のアベレージのコミュ力が著しく高いことについては最早疑いの余地のないことであるが(前回のnoteにも書いた)、それに輪をかけて放送局の方々は凄かった。パーソナリティなんかはその道のプロなのだ、そりゃうまいに決まっている。

彼らはオンエアーだろうとそうでなかろうと、時折爆笑を交えながらおしゃべりに興じていた。ずっと話しっぱなしで疲れないのだろうか?と心配になるくらいであった。

私の前にも一人ゲストが来ていたが、彼女は、放送持ち時間の1時間を20分ほど過ぎてもなお喋り足りない様子で、スタッフが周りで止めようと必死だったのが面白かった。パーソナリティのガンガナさんに半ば強制的に話を切られ、開口一番「まだ10分しか話してないわよ?」とケロっとした顔で言ってのけていたのには大変驚いた。

しかも、彼女はウィットの効いたジョークを連発してスタッフを何度も笑わせていたので、後続の私は無駄に緊張することになった。できもしないのに精神面だけ一丁前に芸人である。

そんな緊張の中、臨んだ生放送。あろうことか、私は踊らされた。

画像1

ラジオ放送だぞ。もちろん視聴者には見えない。

なぜこんなことになったのか。

理由は明白である。私の話術の欠如が災いし、持ち時間を盛大に余らせてしまったのである。

しかも、パーソナリティのガンガナさんは、事前の下調べもめちゃくちゃしてくれていた。私の細かい経歴はさることながら、Instagramから色々なおもしろ写真まで引っ張り出し、わざわざコピーして収録現場で見せて話のネタにしてくれたのだ。

それなのに。私の前のゲストは時間が足りなかったというのに。のに、のに、のに・・・・。

結果がこれである。汗だくで踊るアジア人。

実は収録後に聞かされたのだが、この収録の様子は後日テレビでも放映するためにビデオにしっかり納められていた。いかついカメラを抱えたお兄さんの存在には気づいていたが、Youtubeをやっていると言っていたので、一部を宣伝用に流すのかな?と思っていた。がっつりテレビでの放映だったとは。

そのために、私の頭上では照明が焚かれていた。激アツの熱が降り注ぐなか、空調がほとんど効いていない室内での収録はめちゃくちゃ暑かった。そんな中で踊ったので、私は汗みどろである。今年最大のこんなはずでは、だ。

これもそれも全部、私の話題提供能力が足りないからだ。

鳴り止まない電話

想像していなかったが、放送後、電話がめちゃくちゃかかってきた。

特に、テレビ放映後の方が凄かった。さらにDMが止まらなくなった。昼夜問わずスマホが鳴り止まない。ついに私はスマホの通知をオフにした。

ガンガナさんは放送中、機転を利かせて弊社の電話番号を公表することを控えてくれた。放送後に連絡が殺到することをわかっていたそうだ。代わりにInstagramのIDを伝えるだけに留めてくれた。彼の英断に感謝したい。(それでもパン屋の名前で検索したりすればすぐに電話番号は出てくる)

InstagramのDMは放送から2週間以上たった今でも来続けていて、合計1,000件は超えているのではないかと思われる。(Instagramの機能で、一度にたくさんメッセージが来ると、99件以降は件数が表示されなかった。)

さて、連絡してくれた人々は、放送中宣伝した食パンに関するお問い合わせか?と思われた。思われたというか、そう願っていた。

しかし、99%が「仕事をください」という内容の問い合わせだった。

残念ながら、弊社もコロナの打撃をもろに食らったので、結構ギリギリでやってきている。今、空いているポジションはないのだ。涙

仕事の電話もかかってくるため、電話がかかってきたら出ないわけにもいかず、応答すると、こちらの心の準備もできていないうちに、「困窮しているので助けてくれ」と、悲痛な嘆きを聞かされることになった。

中には、工房(兼私の自宅)までアポなしで直接来てしまう人もいた。熱意は認めるけれども、正直言って迷惑だ。私たちは、その都度作業の手を止め、突然の来訪者のために時間を作らないといけない。(パン屋だって忙しいんだぞ・・・!笑)

切腹願望を誘発するもの

数々の人がうちで働きたい!と果敢に連絡をとろうと画策してくれたが、一人だけ、強く印象に残った人物がいる。

彼は、他の数多の人と同じように電話をかけてきてくれた。ただ一つ、他の人と違ったことは、彼が電話先でビジネスの話を持ちかけてきたことだった。

彼の話はこうだった。

1. 自分はセールスの経験が豊富なので、パンをマーケットに売り込むことができる。

2. 個人的に孤児院をサポートしているのだが、その孤児院で朝食として提供する食パンとしてオーダーは可能か?

とのことだった。

特に、セールスパーソンについては、人員を増やそうかと検討していたので、経験者なら契約しても悪くないか、と思った。二つ目の孤児院についても、弊社としてサポートできることがあればそれは本望だ、と思い、一度詳しく話を聞きたいと思った。

ところが、後日やってきた彼の話を聞いてみると、なんと主題は彼自身の手術にかかる費用のカンパ依頼だった。電話でそれを話しても聞いてもらえないと知っていた彼は、彼なりに知恵を絞ったのだろう。

もちろん、彼が電話で提案してくれたことは嘘ではなかった。しかし、それ自体は条件が合わず、一緒にはできないこととなった。

私は仕方なく、彼の莫大な手術費用の足しになるかならないかわからないくらいの雀の涙のような額を渡し、お別れをした。

ラジオ放送の反響が思わぬ形でもたらした副産物を前に、私は見えない刀を引き抜き、腹を切った。小心のせいか脂肪が厚すぎるせいか妄想の中でさえうまく切れない。

自分の無力を思い知った。

「タンザニアにきて出会った青年を直接雇用したい」と思って始めたパン屋であったが、全然人は増やせないし、ビジネス自体も底辺を這いつくばりながらなんとかやっているレベルなのだ。

自分のことで精一杯な私は、本当に助けが必要な人に手を差し出すことができない。DMはあまりにも件数が多く対応できなくなって、ほとんど無視していることだし。

きっと放送されたインタビューの中で私は、「女神様」のように写ってしまったのではないか?もちろんそれは私が意図していないことで、インタビュアーの質問に正直に応えていただけなのだが、「どんな人でも助けてくれる人」のように写ったかもしれない。現実はそんなことないにもかかわらず!

※インタビューの内容はスワヒリ語ですが、主にこのページで語っているような内容を受け答えしました。

人一人ができることなんて高が知れている

少しく時間が経過し、少しだけ心の整理がついた。

「誰しも一人で全世界の哀しみを背負えるわけがないので、私は私にできることをやろう」

と開き直ることにしたのである。

いや、こんなに悩んでる風やったのに最後は開き直りか〜い!とツッコミたくなることだろう。すごく、よく、わかる。

でも、どんなに思い悩んだところで、弊社のパン屋の事業が明日から急拡大するわけでもないし、お空からお金が降ってくるわけでもない。

だから、思考法を変えるしかない。

私に今できることだって限られているのだ。

他力本願極まりないが、私ができないことについては、誰か他の人の琴線に触れ、それが良い方向にいきますように、と祈ることしかできないのである。

全部はできない。できないけれども、目を瞑って居続ける方が苦痛だったので、私はタンザニアにのこのこやってきてパン屋などしている。

奇異な目で見られることも多々あるけれども、何もアクションせずにいるよりは悶々とする時間は格段に減った。

放送を見たり聴いたりして、ここだったら仕事もらえるにちがいない!という思いで連絡をくれたたくさんのタンザニアの方、ごめんなさい。私はあなたが思っているほど優しくないし、力もないんだよ。

と、ここで懺悔しても届かないが。

コミュ力も欠如している私は踊り狂うしか能がないが、行くつく先もきっと微々たるものだけども、とりあえず私は今日も明日も一生懸命にパンを売る。


今回も読んでいただきありがとうございました!m(_ _)m

タンザニアのラジオ放送に出演しました

こんにちは!タンザニアのパン屋さん松浦です。

先日、ついにタンザニアの国営放送局のラジオに出演を果たしました!👏

実は、数週間前にNHK Worldのスワヒリ語放送の方でインタビューを受けていまして。。。

https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/sw/radio/listener/202107180600/

この放送を聴いてくださっていたラジオのパーソナリティの方が、直々に「あの子を呼ぼう!」と連絡をくださったのでした。

そして、その時の放送がこちら↓(Youtubeにアップロードされるのめっちゃ早くて驚きました。)

↑下の動画は、ラジオのパーソナリティGangalaさんの個人Youtubeチャンネル用に撮影された動画です。1時間くらいラジオで喋って汗だくで踊ってその後そのまま撮影に入ったため私は疲労困憊しています。笑

そして、来週水曜日にはTVでも放映されるそうです。全然聞いてない!笑

どうりでラジオ放送なのに照明焚かれまくっていて暑かったわけですね・・・笑

今回ラジオ出演という貴重な機会をいただけて大変うれしゅうございました。

パーソナリティの方も周りのスタッフの方も、スケジュールが詰まりに詰まっているのに、それでも皆元気いっぱいでオンエア中かどうかに関わらず常にジョークを飛ばしまくって爆笑して、人間力の高さに惚れ惚れしました。

タンザニア人のアベレージのコミュニケーション能力はすごく高いだと常々思っていましたが、この日程それを感じたことはありませんでした。

私の前にゲストで呼ばれていたお方などは、持ち時間の1時間を20分も越していてスタッフが話を止めようと何度もトライしていました。笑

やっと話が中断してオフラインになり、そのゲストは開口一番『まだ10分しか話してないわよ』とケロっとした顔で言っていて、お喋り好きというかお話上手というか話術が凄すぎて凄いと思いました。

しかし、私のように話のネタを提供できないマグロは口をパクパクするしかなく尺を盛大に余らしてしまうので、終いにはラジオ放送にも関わらず踊ることを要求されるのであります。

何はともあれ、とても楽しかったです。

P.S.

「仕事くれ」という連絡がとまりません。

印刷会社との死闘その4〜エピローグ〜

こんにちは!タンザニアのパン屋さん松浦です。

今日は、再三ここで経過をお話しておりました、食パンパッケージの最終章となります。(笑)

これまで、何度も何度も何度も何度も先方のミスでパッケージが上がってこない!という状況が続いておりましたが、ついに完成!しました。

しか〜〜〜〜し。今回も手放しでは喜べないネタ満載の締めくくりとなっております。どうぞご査収ください。

サイズミスっちゃった♡てへぺろ

さて、前回までのお話です。

もともと納期は4週間と言われていたのに、伸びに伸びて、もう一体何ヶ月待ったかわからな〜〜〜〜〜い!となっていた頃。今から1ヶ月前、ついに「よしできたぞ!取りに来い!遅れるなよ!」と言われ、勢い勇んで行くと、そこにはサイズが全くことなるバッグがありました〜〜〜〜〜〜!という笑うしかない状況に。笑

流石にパンが入らないくらい小さいサイズで上がってきたのをみて、担当者もあちゃ〜〜〜としておりました。

もう二度とミスしない様に!ということで、その後、2度もオフィスに足を運び、サイズの最終確認を入念に行いました。

その後は、もう一度製版しなければなりません。これに最低2週間はかかると言うので、つまりは1ヶ月のことなのですが、とにかく後はもう待つしかありません。

そして1ヶ月が経過し・・・先週行って参りました。

上がってきた袋はな〜んと!またもやサイズミス!笑

一体どういうわけで起こったのか不明です。。最終デザインとして提出したデータは、デザイナーさんと一緒に確認もしていましたから。。。

しかし、上がってきたバッグのミスを指摘しようとすると、こぞって相手陣営は「なんてオシャレなデザインなんだ!」「こんなイケてる食パンの袋は見たことがない!」などと口々に言います。

ちなみにお部屋には、私と弊社から連れてきた社員が一名、相手陣営は5人いました。5人で一気にわあああああとまくし立てられ、人数的にはかなり不利です。笑

でも、そんなの関係ない!とにかく相手側としては製版し直したくないのです。

↑出来上がったバッグ。

二箇所、指定したサイズよりも1cm以上小さくなっているところがあります。

しかし、今回は前回と違い、幸か不幸かパンは中に綺麗に収まります。笑

これをみて相手陣営はさらに「これでいいじゃねえか」「十分素晴らしい出来上がりだぞ!」などと、やいのやいの言ってきます。

しかし、これは完全に相手のミス・・・・。このまま相手の言い分を飲むわけにもいきません。

5対1でスワヒリ語での言い合いに挑みますが、圧倒的不利・・・。

後援を頼もうと、後ろに控えている弊社社員をふっと振り返り、「この袋じゃまずいよな?」と尋ねると、彼は真顔でこう言いました。

「これで問題ない。」と。

お〜〜〜〜〜〜〜〜い!

私の中に住む小人が一斉に座布団を放り出しました。

味方だと思っていた人に後ろから刺された状態です。笑

この日は14時から4時間以上もオフィスで待たされ、ようやくでてきた袋がサイズ違いで、しかも時間も18:30にならんとしていたのでマネージャーさんはさっっさと帰宅。決定権を持った人がいなかったため引き上げることにしました。

翌朝、先方のミスでサイズ違いのバッグが上がってきたことを文句たれようと担当者に連絡しますが、電話に出てくれません。他の人も全滅。笑

というわけで、結局アポなしで先方のオフィスへ乗り込むことに。

4時間待ってようやく責任者に会うことができました。こんなやばい社員を抱えて責任者は一体どんな奴だ!と思っていたら(失礼)、ちゃんと話をきいてくれるビジネマンでした。

彼は謝罪の言葉を述べてくれ(この半年で初めて聞いた!笑)、再版の際には版を無料で作り直すというこちらの要求をのんでくれました。(まあ当たり前でしょう。笑)

今回はサイズが違っていましたが、パンがちゃんと入るということ、さらに無駄な1ヶ月を費やさないためにも、この袋で納品してもらうことに合意しました。

はあああああああ、長かった。笑

カスタマーケアという概念がない国での交渉ごとは本当に骨が折れます・・・。

これぞ「商習慣の違いかあ!」と膝を打ちました。

何はともあれ、一旦袋が完成したので良かったです!


最後まで読んでいただきありがとうございました!m(_ _)m

ストロングイノシシスタイル

タンザニアのパン屋さん、松浦です!

今日は、タンザニアのポジティブ精神について、思ったことを書いてみます。


「何をそんなに悩んでいるんだ?」顔のすべてのパーツが丸っこい愛らしい顔つきの男が言った。

半年待った食パンのパッケージがようやっと出来上がらんとするまさにその日に、またもやサイズ違いの品を無理やり納品されそうになるという悪夢が襲来し、精魂尽き果て途方もない絶望の色を顔に浮かべた私をみて、パッケージ会社の担当者が言った。

そりゃ、悩みもするわな。と嫌味の一つや二つ、いや、百個でも千個でも並べたててやりたかったけども、攻撃力のある言葉を捻り出すHPすら残っていない。そもそも私のスワヒリ語の貧相な語彙力がそれを許さない。

サイズをミスっているということは、サイズ調整やら製版やらで更に1ヶ月、いや1ヶ月半かかることになるな。

防衛本能ゆえの最悪のシナリオを描いていると目の前が真っ暗になっていった。ぼうーっとする頭で、やけに愉快そうにニコニコしている彼の言葉を反芻してみる。

「何をそんなに悩んでいるんだ?」

何をそんなに悩んでいるんだ・・・これはつまり、あれだ、日本語言うところの反語のようなもので、要するに「悩んでいないでハッピーでいようぜ」ということか、と私は受けとることにした。

いや、真意は知らん。もしかしたら険しすぎる私の顔が凍てつかせた部屋を少しでも温めようとおどけて言ったのかもしれないし、何に悩んでいるのか純粋に知りたくて聞いてきただけかもしらん。

やうやう霞みゆく視界の隅で、チャーミングな笑顔の彼が私にかけてくれた言葉たちを、いま思い出している。たしか続けてこんなことを言っていた。

「生きてりゃいいことも悪いこともあるよ。自分でコントロールできることなんてあまりないくらいだよ。だから、災難なことにあってもあまり気に病んでちゃいけないよ。キリがないからね。それよりも、今日このあと食べるご飯のこと、家族のこと、楽しいことを思い浮かべよう!人生は長いんだよ。楽しまなくちゃ。」

めっちゃいいこと言うやん。

いや、これは事件が起きた数日後に書いているので、これらの言葉は私の記憶が捏造した夢物語なのかもしれない。それにしても、いいことを言っていた。

残念ながら当時の私は、応答不可能なほどに項垂れており、彼の言葉にも適当に相槌を返すしかできなかったけれども。

私の表情を如何にして読み誤ったのか、最後の方で「そうだ、日曜日に僕と君でデートに行くのもいいかもしれないね」などと言い出したときには流石に状況に不似合いすぎて吹き出してしまったが、それはさておこう。

実は、私、タンザニアに来て、同じ言葉を以前にも何度かかけられたことがある。

それはいつのことだったかはっきりとは覚えてはいないが、パン屋のメンバーから、仕事で会った外部の方から、学生時代に友人から、様々な場面で言われた。

彼らはこぞって同じ言葉で私に問うてきた。

「何をそんなに悩んでいるんだ?」(Unawaza nini ?)

これを言ってくるとき、彼らはきまって朗らかで、ニコニコしている。まるで「何小さいことで悩んでんだよ、前向いてこうぜ」とでも言わんばかりに。

それぞれ別々のタイミングで、年齢も立場も異なる方々に言われてきたので、タンザニアではよく使われる言い回しなんだろうと思う。

この言葉に続く言葉は、「そんなに深く考えこみんしゃんな(Usiwaze sana.)」「人生は長いよ(Maisha marefu.)」「人生楽しいものだろ?(Maisha ni raha.)」などなど、種々のポジティブ押し売りセットである。

私はどちらかと言うと、すぐに自分の殻に閉じこもって考え込んでしまう性格なので、彼らの健やかなポジティブマインドにいつも救われる思いがするし、時にはハッとする。曇天に一筋の光が差し込むような絵が浮かぶ。

あまり一概化してしまうのはよくないと思いつつも、でもやはり見習いたい点としてあえて言葉にすることを許してほしいのだが、多くのタンザニアの人は、思い悩みすぎることはよくない、気楽に捉えようゼというポジティブな思想を遺伝子レベルなのかはたまた環境の恩恵か、デフォルト能力として備えているのでは?と感じることがままある。

決して能天気だと揶揄したいわけではない。大なり小なり、人には人の大変なことがあるはずだ。それでも前を向いていよう、とする姿勢にこそ、私は痺れる。

似た様な言葉を聞いたことがある。

そう、ライオンキングで繰り返し登場する「ハクナマタタ」だ。スワヒリ語で「問題ないさ」という意味だが、これも「何をそんなに悩んでいるんだ?」に通ずるものを感じさせる。(タンザニアではHakuna matataという言い方はせずHamna shida, Haina shidaというけれども)

起こってしまったことは仕方ない。それはそれ。執着しすぎない。と言ったストロングイノシシスタイルを感じる。

タンザニア人のこういう気質を、私は自分にはないものとしてとても好いているしリスペクトしている。

そして、彼らがポジティブであることと同じくらい、私がリスペクトしてやまない能力の一つが、コミュニケーションが抜群にうまいという点である。

彼らはコミュニティを、人とのコミュニケーションをとても大事にする人たちなのだ。だからか、タンザニア人は周りの人を気遣う能力にとても長けていると感じることが多い。よく気がつき、そこに生じた確かな違和感をうまく取り除く特殊能力とも言うべき何かを持っている。

私はそういう違和感を感じたとき、怯んでしまい「大丈夫?」と声をかけることをためらってしまう。逆に嫌な気持ちにさせてしまったらどうしようなどと悶々としたのち、ノーアクションでやり過ごすのだ。

でも彼らは違う。ぐいぐい、来る。でも、決して人ん家に土足で踏み入るようなことはしない。うまいのだ。

極度に相手に気を使わせることもなく、かといって嫌な気持ちにもさせないような。まるでホストだ。(ホスト未経験の女が言うている)

「何をそんなに悩んでいるんだ?」という言葉も、その一つだと思う。

「君が思い悩んだ顔をしていると、僕だって心配しちゃうよ。」「だから、元気出して。自分だけで悩まないで。」という思いやり。

決してノーテンキでいろよへいへ〜〜い、ではないのである。(ここには多分に私の曲解が含まれてはいるが)

だから、私のように、納期4週間と言われていたのに半年経ってしまったことを理由にあからさまに不貞腐れて血の気を失くしているようではまだまだである。

どんな時にもこころにはハクナマタタの精神を宿していないとタンザニア人にはなれない。(いや、なれないんだがな)

私もタンザニア歴が長くなってきたけれども、こういうところ、まだまだよのぉと思うているところです。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

突撃!アポなし訪問 byイミグレ

こんにちは!タンザニアのパン屋さん、松浦です。

本日は、最近経験した、ちょっと嫌なお話です。ここで書いて発散させてください!笑

アポなし突撃訪問★

実は先日、イミグレーションの役人さん達のアポなし突撃訪問をうけました。これまでもたしか3回ほどアポなし訪問されたことがありました。

とはいえ、突撃訪問は百戦錬磨の私でも怖いのです。笑

今回は、過去最多の7人でどやさどやさやって来られました。

そこまでは良いのですが、そのうち5名はマスクなしでした。(そりゃそうか笑)

マスクがないなら中に入らないでください、と丁重にお願いしたのですが、思いっきり無視されました。

また、

『アルコール消毒を使ってから中に入ってください』とお願いすると、

『コロナが怖いのか?中国人』と言われ、結局帰るまで使ってくれませんでした。

おまけに勝手にいろんな部屋に入るしあちこち歩き回るし開けるし触るしとても不愉快な気持ちになりました😇(一応食品を扱う場所なので、外靴で入って良いエリアなどを分けているというのに)

本当に本当に嫌な気分になってしまって、怒りたい衝動に駆られましたが、ぐっとこらえて、

全身スプレーでしゃあああああああってしてくれよう!(ヒーロー戦隊もののイメージ)

という脳内プレイで気持ちを落ち着かせました。笑

一括りにしてしまうのはあまりよくないとは思いますが、どうしてこうも役人という立場の方々は偉そうな態度をとってくるのでしょうか。

まるで犯罪を犯した者のような扱いを受けてとても気分を害しました。

きっと日本でも外国人の方々は同じような思いをしているのでしょうね。。

部外者であり続けることによって、色々な責任から逃れることができるので、それなりの心地良さを享受してきました。しかし、それと引き換えにたくさんのものを我慢しなければならないのだなぁ、とぼんやり考えました。(ということにして心を落ち着けました。笑)

しかし、7人もいっぺんに来るなんてよほど暇なんでしょうか・・・。こんなところに人員を割くのであれば、私が申請しているwork permitとResident permitを早く許可すべく書類を審査して欲しいのですが。

システムダウンしたまま数ヶ月放置しているし。笑

ちなみに、私のwork permitとResident permitはいまだにon the processです。

Work permitに関しては、支払いをしたまま止まっています。ここから一体何ヶ月かかるのか見所です★(白目)

最後まで読んでいただきありがとうございました!m(_ _)m

ハードパンに取り憑かれて

こんにちは!タンザニアのパン屋さん、松浦です。

ダルエスサラームは涼しい日々が続いております。

珍しく、夜は窓を閉めて、ブランケットに潜り込んでいないと寒いくらいです。

おそらく例年より涼しいのではないでしょうか?(とはいえ日中は冷房をつけたくなるくらい暑いですが・・・)

さて、食パンのパッケージがなかなか出来上がらない!

ということは先日の記事に書き殴らせていただきましたが、待っている間に最近何をしているかといいますと、細々とパンを売りつつ、ひたすらにパンの試作を繰り返しています。

パンだけでなくすべての料理に通ずることですが、変数が多すぎて、時に「もう嫌やー!わからん!」と発狂したくもなります。(笑)

しかし、だからこそ奥深くて多くの人を魅了してきたのでしょう。

挑戦しているのは天然酵母を使ったサワー種のパン、ライ麦パンなど。

ドイツなどヨーロッパの方でよく食べられている食事パンです。日本では「ハードパン」として親しまれています。

食パンの次はこちらを売り出そうと画策しているのですが、なかなか思うような仕上がりになりません。。。

みなさん忘れがちですが、パンというのは発酵食品なのです!

温度や湿度のちょっとした変化で大きく出来上がりがかわってしまうもの。

ほかにも成形の方法、生地の張り方、パンチのタイミング、、、(キリがない)

たとえレシピ通りにやっていても決して同じものができないのは、そもそもの材料が違うということだけではなく、こういった変数が多くあるからなのです。

コレらを毎日少しずついじりながら、理想のパンに近づけていきます。。。(気が遠くなる)笑

はじめてエッジが立った~!(クララが立った!みたいに言うw)(パンの表面がメリメリと割れている部分のことです。笑)

もう一つ、困ったことには、

オーブンが壊れていてスチーム機能が使えないことです(笑)

その代わりに窯伸びしやすくなるように、こういうアイテムを作ってもらいました!ぱちぱちぱち

こうしてできあがったのがこちら。。。

焼成するとき、パンの中から出てくる蒸気を閉じ込めることが目的なのですが、はたして結果は・・・・?

うん、格段によくなりました!👏

地道な工程が多いですが、やっぱりパン作りは楽しいですね。

この中にドライフルーツを入れたり、水分量を変えたり、天然酵母の量を調整したり・・・・また別の試行錯誤を重ねています。

とにかく、早く食パンのパッケージができあがりますように・・・!

それでは今週も最後まで読んでいただきありがとうございました~。

Podcastでアフリカニュースラジオをはじめました★

こんにちは!タンザニアのパン屋さん、松浦です。

最近、従業員が自分の彼女と誤って私にアツいメッセージを送ってきます。笑

「君だけを抱きしめて寝たい。」とか。笑

何度か間違えてるよって伝えたのですが、なぜ間違えるのか?!さては名前が私と似通っているのでしょうか・・・。ナゾです。

さて、今回はパン屋の活動とは別に、完全に趣味で始めたことなのですが、アフリカ関連ということでここで紹介させていただきます。

Podcastでアフリカニュースを配信するラジオをはじめました〜👏

「ケニアの駐在夫なおきち」という名前を気に入って使っていますが、実はバリバリのスタートアップコンサルという友人と一緒に配信しています。

毎週、3つのアフリカ関連ニュースをピックアップし、それについてお互いに好き勝手話すという企画です。

ニュースの内容は、政治・経済・人類学、、、二人の興味の赴くままに幅広くピックアップしています。なおきちさんは職業柄スタートアップ界隈に詳しいということもあり、毎度3つのうち一つは、アフリカスタートアップについて調べて話しています。

毎週zoomで話しながら収録しています

ことの発端は、私がもっともっとアフリカ全般の政治・経済について勉強したい!という至極個人的な思いからでした。

まだまだ勉強中の身ですが、よかったら聞いてみてください^^

オンライン化の功罪

こんにちは!タンザニアのパン屋さん、松浦です。

さて、そんな過ごしやすい毎日に訪れる激震、そう、ワークパーミットが更新できない問題について今日は書きたいと思います。笑

いまやワーパミもレジパもオンライン化!

私が最初にワークパーミットとレジデンスパーミットを取得したのは約二年前に遡ります。

その頃もめちゃくちゃ時間がかかりなかなか承認がおりずにやきもきしました。(ワークパーミットに3ヶ月、レジデンスパーミットに関しては6ヶ月かかりました。)

その頃はオンライン化が進み始めた頃でした。

レジデンスパーミットはオンラインで書類をアップロードしないといけなかったのですが、結局ハードコピーをマニュアルで提出し、仕事量だけが二倍になるという本末転倒なことが起こっていました。笑

さて、2年の月日が経ち、私のパーミットも切れるということで更新の時期でございます!

今年2021年3月に大統領が変わってから、外部からの投資家をより多く集めるために、パーミット関連の申請をすべてオンライン化します!ということが発表されました。確か4月か5月頃でした。

具体的にどういうことかというと、

・ワークパーミット、レジデンスパーミットの申請はすべてオンライン上に書類のアップロード

・労働局とイミグレ(ワーパミとレジパの発行機関)両機関が連携し、イミグレでの手続きが大幅簡素化!

ということがタンザニア政府から発表されたのです。

個人的には2つめに驚きました。

というのも、2年前は両機関が連携しておらず、同じような書類を2つの機関に別々に提出する必要があったのです。

しかもなかなか受理されない。笑

どうせ労働局で審査されるんだったら一元化できますよね、ということにようやく気付いたのか、今回の簡素化に踏み切ったようです。

これはこれはさぞかし楽になったのでしょう~!と楽しみにしておりましたが、ところがどっこらしょ!

システムダウンから2ヶ月・・・

自分のパーミットの期限が切れるやく1ヶ月前、そろそろ申請をしておこうとWEBサイトにアクセスすると、、、

なんと該当ページにアクセスできない!wwww

具体的には、表のページはいい感じの見た目なのに、「ワークパーミット更新のためのApply page」のみ、クリックしてもページ遷移しないのです!

ん?

これはあれはシステムのメンテ中か?

と思い、翌日またトライするか~とその日は閉じました。

翌日、同様にアクセスできない。

その翌日、同様にアクセスできない。

そのまた翌日、同様にアクセスできない。

という日が、続き、これはダメだ、待っていても埒が開かん!と労働局に電話しました。

すると、「システムの調子が悪くてね。担当者は明日には直すって言ってるから明日またやってみて」

とのこと。

しゃーねえな。

翌日、同様にアクセスできない。

その翌日、同様にアクセスできない。

以下、無限ループ(笑)

このまま待っているだけだと私のパーミット期限が切れてしまう!と危機を感じ、労働局にコネのある方に真相を尋ねてみました。

すると、私がアクセスした日のさらに1ヶ月以上前からシステムがずっとダウンしている、とのこと。(笑)

しゃーない、んじゃマニュアルで提出すっか

しゃーない、んじゃマニュアルで提出すっか、と思い、該当書類をすべて揃え、労働局へ持って行きました。

※外国人である私が行くと、自称弁護士さんに取り囲まれてしまい営業をかけられまくるので、私は車内待機し、弊社スタッフに中に入ってもらいました。

結果は、「オンラインシステムでしか受付してないよ」とのこと。

んな訳あるかゴルアァァァァァァアアアアア!!!!!!

ちょっとここで愚痴を吐くことを許してほしいのですが・・・

すべての、ではない、決してすべての人ではないのですが、タンザニアの役所に行くと、基本的には超絶塩対応を受けます・・・自分の割り当てられた仕事以外はしないスタンスの人が多くて(Youtube見ている人のなんと多いことよ)、例えばワーパミの件も、誰も代わりに問い合わせてあげようともしてくれません。しかも「知らん」っていうんじゃなくて、こういう風にテキトーに「オンラインでしか受け付けてない」とかいう本当っぽいでも絶対にありえないことを平気でぬかしてくるので本当に本当にへそ茶案件☆キラ

そんなわけで労働局に直接足を運んでも無駄だということがわかったので、この後頼れるのは別ルートで頑張ってくれる必殺職人!

試しに、この件お願いするといくらになりますか?と尋ねると、USD700でした。高杉ワロタ

しかもこれ、USD1000からの値下げでこれですからね。笑

私お金持ってないアルよと伝えたところ、「とんでもなく時間がかかるかもしれないが、マニュアル提出ルートが使えるかも」と教えてくれました。

それは、2年前に私がワーパミ申請の時に使った同じやり方。

一旦申請内容をWEB上で入力し、それが通れば、銀行支払いのためのcontrol numberが発行されるというもの。

まだ残ってたのか!笑

試しにやってみると・・・

なんと申請が通るではありませんか!笑

control numberも発行されて喜び勇んで銀行へ向かいました。

すると「なんやようわからんけどrejectされてんで」と。

なんで?笑

支払えない・・・

こうして私のパーミットはあっけなくexpiredされました☆てへ

不法滞在になってしまうのでspecial passを申請したのですが、それにUSD600。余計な出費となってしまいました・・・。やれやれ。

オンライン化~!って急いで進めたはいいものの、環境と人材が揃っていないとこういうことになります。ホントヤメテクレ

結果、賄賂取引の温床に♡

でも、見切り発車なのにえいや~って進めてしまうその姿勢は見習いたいですね。笑

まだまだ私のパーミットは更新できなさそうです。笑

今週も読んでいただきありがとうございました!m(_ _)m

数週間後、ここで無事にワーパミ更新のご報告ができますよう!笑

印刷会社との死闘その3

こんにちは!タンザニアのパン屋さん、松浦です。

食パンの袋を作ろうとしたら、次から次に襲ってくる困難の数々・・・!

今回は前回の続きで、インドの印刷会社にお願いしたら、ただただ時間を無駄にしてしまい、その後タンザニア最大手のパッケージング会社に依頼するも、またまた波乱万丈の展開になってしまったお話の続きです。(笑)

納期を2倍以上伸ばされ急に呼び出される

さて、新しいパッケージング会社、納期はもともと3週間の予定でした。

しか〜し、納期通りに行かないのがタンザニア!笑

すでに8週間が経った頃、朝電話がかかってきて「30分後に擦り始めるぞ!早よ来い!」と呼び出されました。

前日に電話で確認したら(毎日電話で催促はしてたw)「まだかかるから待て」と言われていたのにこっちのスケジュールの確認もせずに勝手に始めるとは、さすが天下のAZAMです。笑

慌てて準備して出ていくも、到着すると担当者は居ない。笑(もうこんなことでは驚かないわよw)

30分待ってようやく現れた担当者は「やあやあ、ようやく今日で終わるぜ!」と意気揚々です。この日はカラーの調整をするために工場までやってきました。

そして出てきた印刷物とドキドキの対面・・・・(1月からのいろいろが走馬灯のように蘇る〜〜〜〜〜)

色全然違うやんwwwww

スマホにあるオリジナル画像を見せながら可能な限り一生懸命説明し、カラーを調整してもらいます。(スワヒリ語で色の微妙な違いを説明するのは初めてでしたが、脳みそがフル稼働しました。笑)

その後3度のカラー調整を経てようやく希望通りの色が出ました!👏理解してくれてありがとう〜〜〜〜〜〜!!!(はじめの色は違いすぎてそれでもイケると踏んで出してくるあたり本当にどういう神経しているのか問い詰めたい・・・笑)

そんなにすんなり行くわけない

さて、カラー調整が済んだところでふと疑問が・・・

今日はカラー調整だけって言ってたけどサイズは本当に大丈夫か?だって、こんなにカラー違うのを平気であげてきてたテキトーな人たちだぞ・・・

初めに刷られてきた物を見たときにヤバいなーと思い、それとなく確認のためにサイズについて尋ねました。

すると応えは、「問題ねえ!」「これは色の確認だけだから!」と宥められます。

しかし!もう!彼らの仕事ぶりから何も信頼できない!笑

せっかく工場まで来てるのだから、納得いくまで尋ねなくてはと、帰り際にボスに確認します。すると、

「(今日カラーサンプルのために見せた)そのままのサイズで刷り上がるよ」

と言われて絶望しました。

やっぱりねーーーーーーーーーーーーーーー!笑

担当者はサイズが全然違うことに薄々気づいていたのですが、怖くて言い出せなくなっていたのでしょう。だって全部やり直しだもん。笑

サイズは弊社の食パンが入らない一回り小さいサイズで仕上がっていたのでした。とほほ

そもそも、なぜこんなことが起きたのかというと、営業担当とアートディレクターが別におり、彼らがまったく連携していなかったのが原因です。というか営業担当者が完全に悪い。笑

商談でサイズを決める際、食パンのサンプルも持って行き一緒に測ったのですが、その際デザイナーは同席していませんでした。

サイズについては私と営業担当者で合意し、彼がアートディレクターに伝えることになっていました。もちろん私は伝えられていると思っています。WhatsAppで訪ねた時も、サイズについてはOKだよ、僕から伝えているよと聞いていました。

しか〜〜〜〜〜し、実は伝達がうまく言ってなかったのですね。。。

今回の我々の食パンは、普通にタンザニア市場で出回っている食パンと少しサイズが違いますし、入れ方も違います。

事前にそのことをこと細かく伝えていたのですが、すっかり忘れられていたようです。

まあ、だいたい予想してた。笑

というわけで、追加で2週間くらいはまたかかりそうです。

もちろん謝罪はありません。むしろ、「一本分の資材が無駄になってしまったんだぞ」となぜか私が嫌味を言われました。ウケる笑

さて、もう2週間辛抱強く待ちましょうか。www

今週も読んでいただきありがとうございました〜〜〜〜。2週間後にここで良いご報告ができていますように・・・。南無

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