緊急事態におけるリーダーシップの重要性を実感

ウガンダで宅配事業をしている伊藤です。

多くの方もあげていますが、アフリカでもコロナウイルスの感染者が出ており、ウガンダもここ1週間で事態が激変しています。

感染者は先週土曜日3/21に一名。その後、今週3/23月曜日に新たに8名、計9名となりました。

感染者がゼロの段階で学校が休校し、群衆が集まる施設が停止。感染者発覚と同時に国境が封鎖され、そして公共交通機関の使用に制限がかかりました。

このような状況で経営者としてリーダーとしてどう振る舞うか?が試されているように思います。

どう対応すべきか?など正解のない問いですが、弊社の事例について共有できたらと思います。

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宅配業界の大転換期に突入(2/3) 2015年から2018年くらいまで

前回(第一回)は2014年くらいまでのウガンダの宅配業界の事情について説明しました。

さて、今回は2015-2018年くらいのお話。

グローバル大手の参入

2015年頃になり、グローバル大手のDHLやAramexが国内の宅配事業に本格参入します。

もちろん、これまでもDHL、Aramex含め、Fedex、UPSはウガンダにいましたが、みな、国際宅配がメインでした。

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騒音問題に悩まされる

5月下旬に新オフィス(兼自宅)に引越ししたわけですが、新居で騒音問題に直面しています。

5月までは少し街はずれの一軒家を借りていたのですが、スタッフの増加に伴い引越しをしました。

現在のオフィスは、カンパラの一等地であるにも関わらず、非常に広い敷地で、建物自体も倍以上の広さになりました。

本来ならば、非常に高い家賃にも関わらず、相場の1/3で借りています。

家賃が低い理由については色々と聞かされておりましたが、実際になぜここまで低くなるのか、明確な理由は引っ越してみるまで分かりませんでした。

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Transform Africa Summit 2018@ルワンダ

ルワンダの首都キガリからこんにちは、アジアンキッチンのからとです。

先週はルワンダへ日本人が80人以上訪問!おかげさまでアジキチも繁盛いたしました。

というのも、Transform Africa Summit 2018がキガリにて開催されていたからです。

私も通訳として参加させていただく機会があったので、こちらでもご紹介したいと思います。

立派なメインホール!

 

「IT立国ルワンダ」

Transform Africa Summit 2018(以下TAS)は、Smart Africa という組織が主催する、大きな国際会議。IT立国を目指すルワンダに、この組織の本部があります。

「IT立国ルワンダ」「アフリカのシンガポール」という言葉、聞いたことありますか?

「アフリカの奇跡」という言葉も聞かれたこと、あるかもしれません。1994年のジェノサイドで国の経済が壊滅的になった後も、カガメ大統領の超強力なリーダーシップのもと、近年では年7%の成長率を誇っており、それを表した言葉です。

ですがもともと、豊富な資源があるわけでもなく内陸に位置しており不利な物流、現状大きな産業もない

そうした国が2020年に中所得国になるというビジョンを打ち立てた際、自ずと知識集約型産業の創出、それを支える人材育成が求められ、そのためにICTをフル活用することは、国としての生き残りをかけた急務なのです。

 

一般市民の実情

実際ルワンダに住んでITの恩恵を感じるシーンが多いかと言われると、正直・・・

国内の通信インフラはアフリカ諸国の中でも高い人口カバー率とは聞きますが、実際は

「今日ネット遅いね。仕事にならん。雨だからかなぁ」

「あの資料急ぎなんだけど。え?まだ送信中?しょうがない、今からUSB持ってそっち行くわ」

「ダウンロード…残り…1600時間…」

「ママ。ボク日本に帰りたい。youtubeずっと見れるから」

(2018年5月時点)

ちなみに飲食店経営の観点から言うと、勤怠管理、在庫管理、売上管理のアプリを複数種類試しましたが、常時ネット接続が必要なものはことごとくオペレーションが遮断され、結構痛いです。

今後に期待。

 

日本とルワンダの関係

このTAS、多くの国際会議のそれと同様、基調講演、各セレモニー@メインホール(各国の協力体制や法整備などの大きな話)、テーマごとセッション@各部屋(ブロックチェーンの話題なんかも出ていました)、ネットワーキング@官民それぞれのブース、といった構成でしたが、このブースエリアで一番大きかったのが、なんとJapan Pavilion

日本からは20以上の組織が参加!中でも、キガリ市とICT分野でMOUを結ぶ神戸市からは5社参加。

IOTアプリ開発のMomoさんや、世界12か国に開発拠点をもつITコンサルのMonster LabさんがルワンダのICT大臣と熱心に話をしているのが印象的でした。

ちなみに神戸市は、「ABEイニシアチブ」により、市内にある神戸情報大学院大学にアフリカからの留学生が50人以上も在籍しています。

 

日本人率が異常なこのブースエリア、日本の他にも出展していたのがエストニア。さすがIT先進国だからでしょうか。

また全体を通して、イスラエルも存在感出してました。こちらは投資の文脈で。注目されてますね。

Japan Pavilion

 

ICTイノベーションエコシステム強化プロジェクト

JICAはルワンダ政府と「ICTイノベーションエコシステム強化プロジェクト」(詳細はリンクでどうぞ)に取り組んでいます。

会議場の一室で行われていたJICAとICT商工会議所主催のピッチ大会にお邪魔すると、ICT技術を、農業、インフラ、医療、教育、金融等、様々なシーンに応用するスタートアップが自社サービスを売り込んでいました。

印象的だったのが、このエコシステムの中で、「法務や会計の専門家によるバックアップ、メンター、場所、ネットワーク構築のヘルプ等々は提供するが、キャッシュは供与しない。」というもの。

 

そうです、キャッシュを出してしまうと、それは事業のためではなく、往々にして目先のこと、やれ妹の学費やら、弟の病院代やらに使われてしまうからです。

(アジアンキッチンでも、しょっちゅう社員にそうしたお金を用立てて欲しいと言われます。本当に一族で助け合って暮らしていますからね、ルワンダは)

志を持ったスタートアップでも、やはり目の前の生活に困窮しているのですよね。

逆に言うと、今日明日の生活が安定していない中、未来を見据えて、大きな絵を描いてる若者たち。すごく生き生きしていました。

こちらは養鶏業のスタートアップ

 

光と影

サミットが終わって少し思ったこと。

今回のサミットでは、先鋭的でスマートできらびやかな側面が国内外のメディアを賑わしましたが、それに関わっている、いやそのもっと前段階、それを知っている国民は、何割なのだろうか。

あの夜中まで光り輝くコンベンションセンターの中に、一生のうち一度でも入れるルワンダ人は、何%なのだろうか。

この「国を挙げて」のICT活用が、圧倒的大多数の貧困層の日常で実用化される日が待ち望まれます。

夜のコンベンションセンター

 

最後に、特に東アフリカ地域で開催されるコンベンションレポートなどご入用でしたら、ご連絡ください。航空券・滞在費・通訳コーディネート費など節約できますよ。通訳アテンドも承っております。

前職(リクルートジョブズ 事業開発室)では、国際カンファレンスにリサーチャーとして出席し、そこで発見したスタートアップやディスラプティブなテクノロジー等の内容を、自社の事業領域における脅威と機会の観点からボードに報告する、という仕事を一時期しておりました。その後そのキャリアを生かしルワンダにてタイ料理屋を立上げ、今に至ります♬

カンファレンスでルワンダにお越しの際は、コンベンションセンターと空港の間にあるアジアンキッチンを是非ごひいきくださいませ◎