ルワンダの首都キガリからこんにちは、アジアンキッチンのからとです。
先週はルワンダへ日本人が80人以上訪問!おかげさまでアジキチも繁盛いたしました。
というのも、Transform Africa Summit 2018がキガリにて開催されていたからです。
私も通訳として参加させていただく機会があったので、こちらでもご紹介したいと思います。

立派なメインホール!
「IT立国ルワンダ」
Transform Africa Summit 2018(以下TAS)は、Smart Africa という組織が主催する、大きな国際会議。IT立国を目指すルワンダに、この組織の本部があります。
「IT立国ルワンダ」「アフリカのシンガポール」という言葉、聞いたことありますか?
「アフリカの奇跡」という言葉も聞かれたこと、あるかもしれません。1994年のジェノサイドで国の経済が壊滅的になった後も、カガメ大統領の超強力なリーダーシップのもと、近年では年7%の成長率を誇っており、それを表した言葉です。
ですがもともと、豊富な資源があるわけでもなく、内陸に位置しており不利な物流、現状大きな産業もない。
そうした国が2020年に中所得国になるというビジョンを打ち立てた際、自ずと知識集約型産業の創出、それを支える人材育成が求められ、そのためにICTをフル活用することは、国としての生き残りをかけた急務なのです。

一般市民の実情
実際ルワンダに住んでITの恩恵を感じるシーンが多いかと言われると、正直・・・
国内の通信インフラはアフリカ諸国の中でも高い人口カバー率とは聞きますが、実際は
「今日ネット遅いね。仕事にならん。雨だからかなぁ」
「あの資料急ぎなんだけど。え?まだ送信中?しょうがない、今からUSB持ってそっち行くわ」
「ダウンロード…残り…1600時間…」
「ママ。ボク日本に帰りたい。youtubeずっと見れるから」
(2018年5月時点)
ちなみに飲食店経営の観点から言うと、勤怠管理、在庫管理、売上管理のアプリを複数種類試しましたが、常時ネット接続が必要なものはことごとくオペレーションが遮断され、結構痛いです。
今後に期待。
日本とルワンダの関係
このTAS、多くの国際会議のそれと同様、基調講演、各セレモニー@メインホール(各国の協力体制や法整備などの大きな話)、テーマごとセッション@各部屋(ブロックチェーンの話題なんかも出ていました)、ネットワーキング@官民それぞれのブース、といった構成でしたが、このブースエリアで一番大きかったのが、なんとJapan Pavilion。
日本からは20以上の組織が参加!中でも、キガリ市とICT分野でMOUを結ぶ神戸市からは5社参加。
IOTアプリ開発のMomoさんや、世界12か国に開発拠点をもつITコンサルのMonster LabさんがルワンダのICT大臣と熱心に話をしているのが印象的でした。
ちなみに神戸市は、「ABEイニシアチブ」により、市内にある神戸情報大学院大学にアフリカからの留学生が50人以上も在籍しています。
日本人率が異常なこのブースエリア、日本の他にも出展していたのがエストニア。さすがIT先進国だからでしょうか。
また全体を通して、イスラエルも存在感出してました。こちらは投資の文脈で。注目されてますね。

Japan Pavilion
ICTイノベーションエコシステム強化プロジェクト
JICAはルワンダ政府と「ICTイノベーションエコシステム強化プロジェクト」(詳細はリンクでどうぞ)に取り組んでいます。
会議場の一室で行われていたJICAとICT商工会議所主催のピッチ大会にお邪魔すると、ICT技術を、農業、インフラ、医療、教育、金融等、様々なシーンに応用するスタートアップが自社サービスを売り込んでいました。
印象的だったのが、このエコシステムの中で、「法務や会計の専門家によるバックアップ、メンター、場所、ネットワーク構築のヘルプ等々は提供するが、キャッシュは供与しない。」というもの。
そうです、キャッシュを出してしまうと、それは事業のためではなく、往々にして目先のこと、やれ妹の学費やら、弟の病院代やらに使われてしまうからです。
(アジアンキッチンでも、しょっちゅう社員にそうしたお金を用立てて欲しいと言われます。本当に一族で助け合って暮らしていますからね、ルワンダは)
志を持ったスタートアップでも、やはり目の前の生活に困窮しているのですよね。
逆に言うと、今日明日の生活が安定していない中、未来を見据えて、大きな絵を描いてる若者たち。すごく生き生きしていました。

こちらは養鶏業のスタートアップ
光と影
サミットが終わって少し思ったこと。
今回のサミットでは、先鋭的でスマートできらびやかな側面が国内外のメディアを賑わしましたが、それに関わっている、いやそのもっと前段階、それを知っている国民は、何割なのだろうか。
あの夜中まで光り輝くコンベンションセンターの中に、一生のうち一度でも入れるルワンダ人は、何%なのだろうか。
この「国を挙げて」のICT活用が、圧倒的大多数の貧困層の日常で実用化される日が待ち望まれます。

夜のコンベンションセンター
最後に、特に東アフリカ地域で開催されるコンベンションレポートなどご入用でしたら、ご連絡ください。航空券・滞在費・通訳コーディネート費など節約できますよ。通訳アテンドも承っております。
前職(リクルートジョブズ 事業開発室)では、国際カンファレンスにリサーチャーとして出席し、そこで発見したスタートアップやディスラプティブなテクノロジー等の内容を、自社の事業領域における脅威と機会の観点からボードに報告する、という仕事を一時期しておりました。その後そのキャリアを生かしルワンダにてタイ料理屋を立上げ、今に至ります♬
カンファレンスでルワンダにお越しの際は、コンベンションセンターと空港の間にあるアジアンキッチンを是非ごひいきくださいませ◎