アフリカ貿易・投資促進官民合同ミッション in Zambia

 

先日、外務省のミッションが行われ、堀井学外務大臣政務官を団長とした50名程の日本人がザンビアへ来られました。


主に政府機関、総合商社、メーカーさんなどが参加し、個人的には在南アの企業さんなど、皆さんフランクに接してくれ話がしやすかったです。


その後日本企業さんとのフォローアップミーティングも幾つか行えたので、弊社としても大変有意義なものとなりました。


また各メーカーさんと立ち話をしていると色々ビジネスの種を見つけられたように思われましたし、複数の総合商社さんも後日ザンビア政府機関とミーティングを行うなど、今ミッションを契機にザンビアへの貿易・投資が促進されるのではと感じました。


一方ややネガティブな話として、大統領表敬時のザンビア政府の対応がありました。


当日は急遽市長選が行われた事や、アフリカ各国の首脳が南アに集まる事などから、2-3時間ほど大統領府で日本側は待つ事になりました。


そして皆さんで待った後、大統領はじめ閣僚がずらっと現れ5−10分程のスピーチを手短に済ませ、儀礼的に握手と記念撮影を行い、日本側は大統領府を後にしました。


私はザンビアンジャパニーズ企業というやや複雑な立ち位置で参加した為、正直ザンビア政府のこの対応はやや不満でした。


勿論、前市長の急逝などのっぴきならない事情はありましたし、現地の企業としてザンビア政府のトップへ尊敬と畏れも抱いています。しかし、ザンビア政府高官より一言でも状況の説明が待ち時間の間になされれば、遠路はるばる来た日本企業さんへもリスペクトの気持ちを表せたのではと感じます。


待っている間もどれぐらい待つのか、なぜ長引いてるのか全く分からず、トイレも落ち着いて行っていられないという状況はやや疑問でした。


特にルワンダではカガメ大統領との間で1時間程のディスカッションが行われたと聞き及んでいます。日本企業さんからしたらそういった対応の差はかなり対照的に映ってしまったかもしれません。

 

アフリカのドローン規制

第10回ICT4Dカンファレンスが今月ザンビアであり、800名を超える参加者か集まりました。

ICTの専門家、政府・国連機関、民間などが中心となって途上国でのICTの促進を目指す会議です。

今回はCTAという農業機関からリクエストがあり、ドローン関連のパネル映像を撮りました。

以下フルで撮っているので、興味がある方は是非ご覧ください。

 

アフリカにおけるドローン企業の実際の現場、国際機関のサポート、特にレギュレーターの考え方など幅広く分かるかと思います。

ドローンのレギュレーションに関しては、航空管制機関(CAA)と関係を作り、フェイルセーフ機能などレギュレーターを安心出来るドローンであれば、コマーシャルライセンスも取得可能です。

 

アフリカはエアスペースがかなりシンプルなのでレベルの高いライセンス取得もその分容易な事もあります。

また地上に高い建物などドローンの障害となるものが少ないです。

そして恐らく1番重要なのは問題がシンプルという事です。

緊急時の医療や食料のドローン物流など人の命に直接関わる問題は、誰もが重要性を理解できます。

特にアフリカでは夜間の赤信号は止まらないなど、自分の身を護る事に対する理解が先進国より強くあります。

そういったシンプルに重要な問題からドローンの実装がなされ、その後幅広い産業に広がっていくでしょう。

アフリカはドローンをはじめとした自動技術との相性が格段に良いと思います。

 

最後に弊社がコンサルをしているi Drone社が来月ドローンのワークショップを開催します。以下、詳細です。

iDrone Training Call

i Drone社はザンビアCAA(航空管制機関)よりコマーシャルライセンスを取得した初めての企業です。

ワークショップはザンビア開催ですが、ご興味のある方は6/1までに是非申し込んでみて下さい。

農業用ドローンフィールドリサーチ

先週は農業分野におけるドローンのフィールドリサーチを現地企業、農家と協調して実施しました。

今回は作物の生育状況等を把握する為、マルチスペクトルセンサーをドローンに搭載し、主にNIR(近赤外線)の作物への反射から、NDVIデータを作成するという事を行いました。

要するに今まで人の勘に頼って行われていた生育状況の把握を科学的に行い、ストレス状況などの問題の特定をピンポイントで示す事により、リソース・時間・コストの最適化を図るというものです。

 

 

殊ザンビアにおいてはコマーシャルファーマー向けのコスト削減以外にも、国民生活の重要課題である飢饉にも活かせると思います。

FAW(ペスト)の早期発見、不作地域の早期特定、食料供給の最適化をUAVで行えば、飢饉から解放された世界も十分実現可能でしょう。


今回実施してみた感想としては、精緻なデータを取る上では、多少試行錯誤する必要があるなと思いました。ただ課題は多いが、カイゼンを続けることで解決可能と考えます。

とにかく目の前の事に真剣に取り組み、結果としてベーシックインフラ(緊急の食料・医療物資供給を自動的に行うシステム)の構築が出来ればいいなと思います。

 

最後に余談ですが、今回のリサーチを通して強く印象に残ったのは現地の子供のドローンに対するリアクションでした。

普通の可愛い子なのですが、ドローンのモニタリングを始め(150秒あたりから)、大人がドローンの空中の位置を子供に指し示すのですが、それを発見したあたりで一気に鋭い眼差しに変化し、その後完全にドローンに没入していく様は、子供と言えど畏怖の念を抱くほど力強さを感じました。

その後は打って変わってあどけない表情を見せ、皆を和ませますが、なんか凄いなと思ってしまいました。

 

こういった子供がドローンを当たり前に感じながら大人になった時、きっとユニークな発展をアフリカは遂げるだろうと思います。

ザンビアソーラー開発舞台裏

100MWソーラーの入札前MTGが先週ザンビアで行われました。

KfW(ドイツ開発銀行)主導のプログラムで、エネルギー省大臣、ドイツ大使、海外からのIPPなど多くの関係者が一堂に会すMTGとなりました。

日本のIPPの方も是非参加して頂けたら幸いです。こちらが当日の映像です。


今回のMTG5つのセッションに分かれており、その内の1つのセッションでやや驚くことがあったので書きたいと思います。

それは著名な外国機関の方々のセッションだったのですが、その際登壇者の一人が「IPPはうちに話を通さないといけない」とややふんぞり返りながら全員の前で述べていたのです。

その方は恰幅はいいのですが、腹に力が入っておらず、こけおどしのようにしか見えませんでした。

そこからは本当にIPPに何か問題が起こった時、この外国機関の人がタフな交渉事を行えるのか強く疑問に感じました。

一方でその後のザンビアのステークホルダーのセッションには知り合いが多く登壇していた事もありますが、皆侍のような姿勢でセッションに臨んでおりました。


以下、テクニカルですがIPPにとってのベストな戦略はマルチステークホルダーアプローチで、キーとなるのがローカルのステークホルダー(リーガル・ファイナンシャルアドバイザーなど。現地政府等とアクティブなコンタクトをとっている。)を巻き込むことだと思います。

KfW
の本プログラム担当者で民間出身のWill Pearson氏も同様の主旨の発言を繰り返しています。恐らくそれがキーとなるリスク緩和策で、例えばIPPがオフテイカーとのPPAでタフな折衝を迫られる際、ローカルのアドバイザーがいると現地政府も緊張感を持たざるを得ないでしょう。現地政府もローカルのアドバイザーと持ちつ持たれつで自然と関係性がある為です。

最終的な解としてはローカル・インターナショナル巻き込んだ開発だと思いますが、それが現地を無視した世界選抜のようなSPVであれば現地政府は尊敬や畏怖の念をIPPに感じ辛いかもしれません。結果、交渉事は難航するでしょう。

人と人との純粋な関係性はお金や権威に勝ると考えます。

アフリカのモバイル事情 〜タンザニア・ウガンダ・ザンビア〜

アフリカでは、爆発的なモバイル浸透による情報革命が起こっています。
総務省が2015年7月28日に発表した最新版の【情報通信白書】(【発表リリース:平成27年「情報通信に関する現状報告」(平成27年版情報通信白書)の公表】)を参照すると、アフリカの携帯電話事情が把握できるいくつかのデータがあります。

上記によれば、2014年末時点で携帯電話加入者数は9億人近く。
人口が約12億人なので、単純計算で、実にアフリカ全体の7割以上の人がモバイルを保有している、または利用していることになります。
(1人当たり数台保有しているケースは考慮していませんが)

2014年時点でこの数字なので、2017年の現在は確実に増加しているはずです。

東アフリカの経済大国であるケニアでは、2015年6月末時点での携帯電話加入者数は約3,611万、普及率は約84%という統計データもあります。
総務省データ参照

今回は、そんなモバイル大陸アフリカの実情の一端をご紹介します。

まず、何と言っても、キャリアは中国系が主流です。
中国系の代表的なモバイルキャリアとしては、「TECHNO Mobile」、「itel mobile」(Techno Mobile傘下)、「Huawei」があります。

これらのキャリアの特徴なんと言っても、価格競争力の高さ
アフリカ市場におけるtoC向けでのKSFは、まだまだ何と言っても価格です。
もちろん、耐久性と価格の両面で判断されるコスパは重要です。
が、購買力の無い低所得者層(ほとんどこの層)に限っては、「価格が安いものを買う」という購買傾向があると言えます。

あくまで1サンプルの参考価格ですが、中国系の代表的なモバイルキャリア各社のスマホが、タンザニアのダルエスサラームで販売されていた価格としては、

TECHNO mobile:スマホが9,000~18,000JPY
itel mobile:スマホが20,000JPYくらい
Huawei:スマホが13,000~31,000JPY(Y5Ⅱ:13,000JPY、Y6Pro:17,000JPY、GR5:26,000JPY、P9 lite:31,000JPY)

※2017年8月時

といった価格レンジでした。

同様にウガンダでも、モバイルの価格はタンザニアとあまり差異無しでした。

※実際に販売されていた参考価格
HUAWEI P9 Liteが31,000JPY位(ダルとほぼ同じ)
Techno Mobile L8 Liteで10,000JPY位

これに対し、韓国勢のキャリアである「SUMSUNG」「LG」も、高級路線として存在感があります。

現地で売られているモバイル端末メーカーは、下記の通り。
Sumsung:スマホが16,000~55,000JPY
LG:スマホが15,000~45,000JPY

香港のTCLコミュニケーションが展開するブランド「alcatel」も、アフリカで存在感のあるキャリアです。
こちらのalcatel、ダルエスサラームではかなりの低価格帯で売られていました。
スマホが3,500~8,000円、ガラケーに至っては1400円

上記に加え、インド系のAirtelもいます。
こちらはザンビアのルサカのザンビア本社。

残念ながら、日本のキャリアのスマホ(SonyのXperia、シャープのAQUOS、VAIOなど)はほとんど見当たらず。
中古スマホショップでたまに見かけるくらいでした。
欧州系のキャリア(ドイツのT-Mobileなど)も、同様。

日本のキャリアの新星、プラスワン・マーケティングの展開する「FREETEL」(佐々木希さんのCMでおなじみ)がアフリカ(南アフリカ、エジプト)や中東に進出されているので、今後のご活躍が期待されます。
※参考:https://asia.nikkei.com/Business/Companies/Big-global-expansion-in-works-for-Freetel-budget-smartphones

ちなみにiPhoneは、その高価格帯から仕入れが限定的で流通量が極めて少ないため、一部の専門店(Apple公式ショップなど)でかなりの高価格で売られています。
街中でiPhonを取り出して使用していると、スリの標的にされやすい様なので、ご注意を。
(私も念のため、初めての渡航前にiPhoneからHuaweiに変えました)

以上、アフリカのモバイルに関する実情の一端をご紹介しました。
産業構造や問題点、日本の進出機会などについては、また別途書かせて頂こうと思っております。

[wdi_feed id=”1″]

アフリカのスーパー事情 〜タンザニア・ウガンダ・ザンビア〜

海外に行った際、現地のスーパーを大中いくつか回れば、その国・その場所の生活水準や需要の特徴・トレンドがぼんやりと見えてきます。
今回は、アフリカ数カ国を渡航した際に発見したことや経験したことをご紹介します。

アフリカのスーパーは、初めて行く方は必ず驚かれる位、普通に綺麗です。
少なくとも、私の滞在経験のあるタンザニア・ウガンダ・ザンビアにおいては先進国のスーパーと比較して遜色ないレベルで綺麗です。

スーパーと一言で言っても、食品小売りの業態にはいくつか種類があります。
一つ目は、非常に大きく家電や衣料品、小型農機具など幅広く取扱う「ハイパーマーケット」
仏Carrefourや米Costcoなどが有名ですが、アフリカでは南アフリカの「Shoplite」ケニアの「Tuskys」などがメジャーです。
次に、食料品に加え衣料品なども少量で扱う中堅スーパー。「Budget Mart」などが知られるところ。
最後に、アフリカに無数にある個人商店「キオスク」

なお、上記の3つの販売チャネル以外にも、アフリカにはネットワークビジネス的に行商や手売りで販売をする人達が非常にたくさんおり、渋滞を利用して手売りする「渋滞ビジネス」みたいなスタイルが成り立っています。
レストランの席に座っている時に来た、手売りの一こま。

今回ご紹介するのは、主にハイパーマーケットです。

こちらの写真の様に、店内は整理整頓され、
タンザニア・ウガンダ・ザンビアの順にご紹介していきます。

タンザニア

ハイパーマーケットの「CITY MALL」の外観。

店内はこんな感じで、先進国のスーパー同様に商品が綺麗に陳列され、商品ラインナップも充実しています。

穀物類は量り売り。

タンザニアの名産、コーヒーや紅茶。

簡単なカー用品も売られています。

同施設内に入っているメイクアップショップ。

コスメアイテムが販売されており、それらを使用して店内でメイクアップしてもらえるサービスを提供しています。
平日の午前中にも関わらず、店内には女性客2人が。
アフリカの女性の美容への関心の高さが伺えます。

ウガンダ

カンパラのルゴゴ地区にある「Lugogo Mall」。

南アフリカの大型小売チェーンである「SHOPLITE」が入っています。

店内の食料品。果物が豊富。

ティラピアやイワシ、タコなども売られています。

生活雑貨や文房具の品揃えも非常に良いです。

加工食料品。南アフリカ産かケニア産がメインです(ここについては、課題として後述します)。

タンザニアのスーパーと同じく簡単なカー用品なども売られています。

日本からは電動工具のリョービの製品が売られています。

ザンビア

南アフリカの大型小売チェーンである「Pick n Pay」。

Jeepの新車ディーラーが入居する計画となっている様でした。

新車需要も徐々に出て来ている様です。
こちら、施設内に展示されていた新車FIATのピックアップトラック。

アップル純正品のみを取り扱うお店。

こちらはソニー純正品のみを取り扱うお店。

最近破産申請したことで話題のToysRus、BabiesRus。


実際、お客さんは私達を除いて1人くらいでした。
ベビーカーが3万円くらいで売っていたので、あれを購入出来る層はごく一部でしょう。
現地に居住している人に聴けば、外国人(長期出張者である中国人、欧州・中東系、一部日本人)やごく一部の現地の方(大企業や政府関係者など)のみ購入出来る、とのこと。

オーストラリアの巨大小売り「WOOLWORTHS」。

アフリカの伝統的な模様が施された衣装を販売するブティック。

視力低下が進むアフリカ人に需要が出始めている、メガネ屋さん。

施設内の巨大チェス版。アフリカらしい遊び心。

・・・と、こんな感じで綺麗で品揃えも申し分ないです。
そして、こういったハイパーマーケットは都市部にどんどん建っています
(ケニアやヨーロッパ、中国などの銀行の資本が入っています。)

ただし、問題点もあります。
まず1つは、自国産の商品は非常に限定的であり、南アフリカ産またはケニア産、または中国・中東・インド・欧州系の商品がほとんどである、という点です。

例えば、ザンビアは南アフリカのマーケットとなっています。
また、タンザニアやウガンダにおいても、ケニアや南アフリカのマーケットになっているのが現状です。

自国産の商品、特に食品の加工品を自国内で地産地消していくために必要なもの。
それは、先日ご紹介した産業用機械です。
http://entre-africa.jp/yo_murofushi/4356.html

日本から中古でまだまだ現役の産業用機械を向こうにナレッジごと輸出し、産業化に役立ててもらう。
この仕組みが構築出来れば、ケニアや南アといった大国以外のアフリカ各国が産業確率して自立していくのに大きく寄与すると思うのです。
加えて、日本の高齢技術者知見の活用・生きがい創出および資源の有効活用にも繋がります。

もう一つ問題点として、ショッピングモールを建てたはいいものの、家賃が高すぎてテナントが埋まらない、または埋まってもすぐに出て行ってしまうこと。
実際、ウガンダの「Forest Mall」は空きテナントばかりで、建物自体が廃墟みたくなってしまっています。

投資熱が高まっているのは前向きに捉えたいところですが、無理のない投資回収計画を作成し、入居企業がある程度見えたところで投資実施する姿勢も今後は必要。

・・・少し話しが逸れてしまいました。
アフリカのスーパーで売られる、日本の製品はどうでしょう?
タンザニア・ダルエスサラームで、キッコーマンさんの醤油が販売されていました。

1本、18,000Tsh(タンザニアシリング)=約900円。日本だと、300円以下で購入出来ます。
販売数の問題からこの価格となるのでしょうが、日本食を提供する業務用であればもっとロットがはけるので単価が抑えられるはず。

照り焼きが人気なこともあり、それに使う用のめんつゆとかは売れる気がしますが、実際はどうなのでしょう。
このあたり、テストマーケティングで是非取り扱いたいところ。

以上、簡単ですが、アフリカのスーパー事情の一端をご紹介しました。
And Africaでは、テストマーケティング事業を通じて、必要なものが適正な価格で提供される市場の形成に、貢献していきます。

[wdi_feed id=”1″]

荷物受取りボックス事業の可能性

以前、現地にハコを作りたい、という話について触れさせて頂きました。
http://entre-africa.jp/yo_murofushi/4201.html

また、私がやろうとしているテストマーケティング事業についてもお話させて頂きました。
(始めた経緯)http://entre-africa.jp/yo_murofushi/3375.html
(ビジネスモデル)http://entre-africa.jp/yo_murofushi/4379.html

この2点は、つまり。
バーチャル(弊社EC+現地EC)+リアル(現地のディストリビューターによる草の根的な営業活動+店舗による販売)の両輪で商材の需要を図ろう、ということです。

そして、購入があった際は、どういったチャネルを経由して購入に至ったか?を把握出来る様にします。
いわゆる「カスタマージャーニー」です。

今回は、現地でハコを作る構想に加え、現地で「荷物受取りボックス事業」の展開についての構想についてお話します。

私のテストマーケティング事業は、最初は、主に「toB」に営業展開していくつもりです。
つまり、現地ディストリビューターがサンプル商材を抱えて向かう先は「(現地の個人ではなく)現地の企業」ということです。

この決断の戦略的な理由としては、
・日本の商材がアフリカまでシッピングして関税などを払った上で現地で販売出来る価格は高価。toC向けだとほとんどの人が手が届かない価格となるため
・アフリカ各国の自国産業が発展する上で、「商品」のみならず「製品」や「半製品」こそ必要となるため(特に製造業者やパッケージ屋、小売業者にとって)
です。
勿論、商材やターゲット国に依りますし、ほんのごく一部の富裕層に限っては十分な購買力がありますが。

いずれにせよ、まだtoC展開を狙うには時期尚早、と(私個人としては)結論づけています。

しかし、3〜5年後は、状況が変わるでしょう。
購買力のある層がアフリカで増え、価格勝負になりがちな一般消費財であっても、価格より品質を求める層も増える。

このタイミングこそ、toC展開すべきタイミング。

toC展開する場合、私のテストマーケティング事業が抱える課題は3つ。
それは、

1、商品サンプルをダイレクトに、かつ効率的に一般消費者に見てもらう、触ってもらう、体感してもらうチャネル(=実店舗)
2、決済
3、最終消費地までの物流(ラストワンマイル)

です。

それぞれの課題の概要と対応方針を簡単に説明します。

———————————–

1、現地の実店舗
ECだけだと、初めてのお客さんからの信頼を獲得し、商品の注文に至るのが非常に難しいと言えます。
また、現地のビジネスパートナーによるディストリビューションだけでは、散発的で効率的に商品の宣伝・拡散が出来ません。
そこで、商品がランダムに多くの人の目に触れ、ダイレクトに手にとって見ることで信頼してもらう。そんな販売チャネルが必要となります。
それは何か?そう、店舗です。現地に、日本製品だけを扱う、テストマーケ用の店舗を構える構想です。
これは、ショップの倉庫にEC販売用の在庫を保管する、という機能も持ちます。

2、決済
法人が相手であれば銀行口座を介した決済が可能ですが、個人が相手だと、そうはいきません。
銀行口座の保有率は低く、多くの人がモバイルマネーによる決済を使っています。
そこで、toC展開する場合はモバイルマネーに対応する必要があります。
そのため、現地の電話番号を持ち、モバイルマネー決済に対応する構想です。

3、ラストワンマイル
これは結構やっかいな問題です。
日本では、佐川やヤマトが個人宅まで荷物を配送してくれます。
しかし、これをアフリカでそれをやろうとすると
・(道都の舗装状況など様々な要因から)コストが非常に高い
・そもそも住所がない
などの諸要因から難しいです(伊藤さんがこの領域にチャレンジされていらっしゃいます)。
なので、発想を変えて、「指定の場所に預け、購入者に(期限内に)取りに来てもらう」ことを考えます。
これを低コスト、かつ警備面のクオリティを高く展開出来ている現地企業(または外資企業)はあまりありません。

では、自分でやってしまおう!
これが、「荷物受取りボックス事業」です。
コストを最小限にするため、出来るだけ無人(いても警備員1人)かつPW受け取り出来る頑丈で重いボックス(いくつかのサイズのスペースが複数個あり、地面に埋め込んである)がベター。

ざっくりとしたイメージは、こんな感じです。

このサービスは、自社のテストマーケティング事業とシナジーがあるだけでなく、現地のEC企業(ジュミアなど)からの需要もあるはずなので、そこからの収益も期待出来ます。
toC展開の決断をしたタイミングで準備を開始し、テストマーケティングを開始するのと同じタイミングでローンチしたい考えです。

ちなみに。
配送の先進国、中国などではこのようなサービスは既に一般的です。
これは最近日本でも議題になってきています。配送のLCCを作る、といったイメージで、配達において「同時性(同じタイミングで同じ場所に限定されること)」を解消しよう!という動きです。
近い将来、日本でもこういったサービスが出てくるでしょう。セブンホールディングスは既にオムにチャネル展開し、どこでも受け取れる様にしていますが。

———————————–

上記の様な構想は、まずは最初、国を絞ってやっていきたいと思っています。
平和で信頼出来るパートナーがいる国、ザンビアは現在の有力候補地です。

1カ国で成功したあかつきには、アフリカ他国で展開し、やがては10カ国以上で、上記の様な「リアル+バーチャル」によるテストマーケティングのプラットフォームを創造していきたい
と、僕にしては、かなりおっきく考えています。

しかしながら、その第一歩も以外と小さなところから。
今日もコツコツと準備を進めています。

Think bigger, and step by step.

[wdi_feed id=”1″]

アフリカの食事 〜ザンビア編〜

海外現地のことを理解するには、まずは食から
何を食べているかで、現地の方々の暮らしや農業事情、加工食品などの産業の発展具合など、いろいろなものが見えてきます。

初回の今回は、愛して止まないザンビアから。

こちら、ザンビアの伝統的な定食。

ザンビアの首都、ルサカにお住まいの友人の自宅に招待頂き、「現地の食事が食べたい!」とお願いしたところ、ザンビア人の奥様やそのお母様が素敵なディナーをご馳走してくれました。

持つべきものは友達ですよね。
余談ですが、こういう出会いはアフリカでビジネスをしていく中でキーになっていくんだと思います。

こちら、ご存知の通り、右手を使って食べます。
ナイフとフォークを使って食べれなくもないけど、8割以上の方が途中で

「あー!もういいや!」

となります。
手で食べた方が早いし効率的なんです。
シマ(下記参照)にソースを絡めてチキンと一緒に食べる、とかなると、完全に手で食べた方がうまく食べれます。

料理をご紹介。
まず、シマ(Nshima)
ザンビアの主食です。
白とうもろこし(メイズ)の粉をお湯の中に少しずついれてひたすらかきまぜて作るものです。

メインディッシュはチキン。
ザンビアのチキンは柔らかくて味が濃厚です。

シマやチキンのソースとなるのが、
・「フィサシ」という報連相ほうれん草のみじん切りの和え物
・オクラ(オレンジの器に入っている)

オクラって英語(Okra)だったんですね、知りませんでした。
このオクラソース、とろとろしてて、シマと一緒に食べるのがなかなか難しいです。
シマを指でつぶしてスプーンの様にして、それでオクラソースをすくって食べるのがコツです。

ドリンクは、キリリと冷えたザンビアの自国産ビール、モシ(Mosi)
味わいは軽め(誤解を恐れずに言えば、日本の発泡酒に少し近い味かも)。

ちなみに、「モシ」はヴィクトリアフォールズの元々の名前「モシ・オ・トゥニャ(雷鳴轟く水煙)」にちなんでいる様です。
(ザンビアは南部国境でビクトリアフォールズと接しています)

ちなみに、現地の人、特に村の貧しい家庭の人はシマとお野菜1品で終わりの様です。
チキンは頻繁に食べられません。

こちらはザンビアのみならずアフリカ全土で良く食される淡水魚、「ナイルパーチ」のムニエル。

臭みがなく、淡白な味わいで、白身魚好きな日本人の口に合います。

こちらはザンビアのブランドビーフ、ザンビーフのステーキ。
脂身が少ないのに柔らかく、肉自体の旨味を楽しめます。

こちらは、ステーキとビュッフェスタイルで楽しめるサラダバーがついて1200円程度
ディナーで美味しいステークを食べられてこの価格はとっても魅力的ですよね。

こちらは、その辺のレストランで食べれる平均的なランチ

キャベツのサラダ、チップス(ポテト)、揚げたチキンのワンプレート。
300〜400円くらいで食べられます。

あと、ルサカであればこんな感じでオシャレカフェでサンドウィッチランチ、とかもできます。

最後に、おまけ。
道中でメイズを焼いた焼きトウモロコシが売ってます。

1本50円くらい。
日本のトウモロコシと比較すると甘みがなく、かなりあっさりとした味わい。
ちょっと固いので、1本食べ終わる頃にはかなりアゴに疲労感を感じます

以上、ザンビアの食事情の一部でした。
次回はウガンダの食事について触れたいと思います。

[wdi_feed id=”1″]

アフリカビジネスのキーワード? ”信用”

アフリカビジネスの第一人者とお会いして、お酒を飲みつつじっくりとお話を聴かせて頂く機会がありました。
おそらくアフリカビジネスを志す方は誰もが知るその方は、大企業の組織の中でアフリカで小売を巻き込んだ新たな事業領域を創造した第一人者。
関連書籍なども読んでいたところだったので、お会いして生のお話を聴けて大変嬉しく思いました。

お話をお伺いする中で感じたこと。
それは、「結局人を動かすのは、組織の看板でもなく、その人の名声でもなく、その人の想いと本気度」だということ。
それは国境を超え、その人と対峙した人を動かす。それも、初動だけでなく、結果を生み出すまで。継続的に。

すごーく、シンプルなこと。

外国人である日本人がアフリカにおいてビジネスを展開する場合、勿論こちらからも相手は簡単には信用出来ませんが、相手からしても、「こいつは信用出来るのか?」という目線で見ているはずです。
それがお金が絡むビジネスであれば、なおのこと。

信用は、基本的には時間をかけて培われます。
そして、信用にも段階があって、「この程度のことならリスクをとっても良い」とか「こいつとだったら大きなリスクもとってやる」とか、いろいろなレベルがあります。

小規模のビジネスをやっていく場合、レベル1〜2くらいの信用でも、動かないことはないです。
が、大規模な投資が絡む場合。特に、日系企業がアフリカにおいて合弁企業を設立し、相手側のパートナーにもリスクをテイクさせる必要が有る場合。

その時に求められる信用のレベルは、大変高いものになります。

「そんな大きな仕事をする人達って、どうやって相手を動かすんだろう?」
と素直に疑問に思います。

それも、最初の動き(投資させる)だけでなく、結果が出るまで向こうの努力を継続してもらう。
これが重要だけど、とても難しいこと。特に、アフリカで現地の人と恊働する場合。

その疑問に対して、ヒントを頂きました。

それは、
「そこ(アフリカ)で働く人が持っている想いが、本気のものか。」
というとってもシンプルなもの。

敢えて、誤解を恐れずに言います。
「想い」は正しくても間違っても、関係ないんだと思います。
そもそも、それが正しいか間違っているかなんて、正解はないし、見方によってなんとでも言えるからです。
(勿論、自分たちだけに利がある様な投機目的の取り組みは、「想い」に該当しません。
ここで言う想いは、誰のどんな状況をどんな風に変えたい、とか、そういった類のものです。)

だからこそ、「明確な想いを、本気で持っている人が、そこにいるか」で勝負が決まるんだと思います。
そして、本気で思い続けるのにも体力と精神力が要りますが、自分自身が心から納得しているものだと、それが自然と湧き出るエネルギーで乗り越えられます。

これは、大企業がアフリカで事業展開する場合も、私の会社みたいなスタートアップが事業展開する場合も、おそらく変わりません。

何らかの、必ず実現させたい想いを本気で持っている人がその場にいると、それに伝染する人が出てくる。
そこで、自らリスクをテイクしてスピーディに動く、という本気度を見せると、相手も「こいつとであれば一緒に頑張りたい」となる。

私の想いは何か。
「爆発的な潜在的成長力を持つアフリカ市場で、日系企業のプレゼンスを底上げさせたい」
こう思っていました。
けど、「日系企業」という枠は別に現地の人からするとどうでも良くて、それは私が日本人だから、そう思うだけ。

今は、「現地で求められている製品・サービスを届けるべく、アフリカ進出のプラットフォームを創りたい」
という形に少し変わってきています。

もっと、ここに熱を持たせていきたいと思います。
本当の意味で「本気」になれるまで。

今日も地道に、出来ることを、こつこつと。

[wdi_feed id=”1″]

テストマーケティングのビジネスモデル

料理レシピの投稿サイトで有名なクックパッドは、有料会員にならない限り無料でサービスを利用出来る「フリーミアムモデル」を採用してます。
自社のビジネスモデルを考える上で、「何が蓄積していくモデルとするか?」は大変重要な戦略的論点となります。

これは、どんなビジネスをやっていきたいかによって様々になります。
例えば、顧客情報を蓄積させていきたいのであれば、出来る多くの顧客が利用時に情報を入力する仕組みを構築しなければなりません。
人脈がモノを言う、みたい業界であればキーマンと繋がる仕組みを構築し、うまく顧客管理(CRM)していかなければなりません。

私がアフリカ市場を対象にやろうとしているテストマーケティング事業では、
「掲載商品数」
が一つのKSFとなります。

下記の通り、自社のECサイトを構築し、そこでクライアント企業の商品を掲載。
オンラインとリアル(現地ディストリビューター)での商品拡散、FB獲得、顧客情報獲得を図っていきます。

ここで、掲載している商品数がそもそも少ないと、魅力的なサイトとは言えません。
現地の顧客がわざわざ訪れるサイトにはならないでしょう。

なので、商品掲載数が非常に重要となります。

では、クライアント企業は、どうやって名も無いスタートアップである私の会社(And Africa)に商品掲載を許可するのでしょうか?

ズバリ、「無料だから」だと思ってます。
掲載は無料。
掲載されることによって得られる購入者情報の提供も、無料。

もちろん、別でマネタイズはしないと事業は継続出来ないので、具体的な引き合いがあった際は具体的なプロジェクトをご提案し、受注した場合はフィーと頂いて現地市場でのテストマーケティングを実施していきます。

しかし、入りは無料。
アフリカ市場を本格的に検討する前段階で、お試し出来る猶予をご提供する。
それによって、アフリカ市場へ挑戦する日系企業が一つでも多くなることが、私の事業ミッションである「日系企業のアフリカ市場におけるプレゼンス向上させ、アフリカ現地の生活を豊かにするのに貢献する」へ近づくことになります。

これが、私のビジネスモデルとしての現時点の想定です。
(こんなに赤裸裸にお話するのは正直どうかとも思いますが。。)

さて、無料とした場合に発生する問題があります。
そう。
クライアントからプロジェクトを受注して案件化・フィーを頂くまでのランニングコストが賄えない、ということ。
特に、私のテストマーケティング事業では、アフリカ現地のビジネスパートナーを活用していくため、彼らへのインセンティブ提供でも費用が発生します。
現在ECサイトを構築していますが、そこでも投資が発生しています。

元々コンサルであったことが奏し、アフリカ関連ではないコンサル案件に従事することで資金面を得ていますが、スピーディーに事業準備していく上で資金援助は非常に魅力的といえます。
もちろん、テストマーケティング事業における一定の実績・レピュテーションを獲得出来た後は、案件単価の向上や案件数の向上によって回る様なシミュレーションは描いています。
が、その様に「軌道にのるまで」の期間を乗り越えられるか?が第一関門となります。

ここの部分で、是非とも資金的な援助があると嬉しい。
というか、必要不可欠。

今回、アントレAFRICAさんに応募、挑戦させて頂いている背景。
ビジネスモデルやビジネスパートナーとどうやって確実にオペレーションを回すか?などは別の回で触れたいと思います。

[wdi_feed id=”1″]

1 2