オランダからガーナへと行き着いた先に

初めまして。

ガーナと日本で起業する大山知春です。

まずは、これまでの私たちのジャーニーについて、お話したいと思います。

ガーナで法人登記したのが、オランダのビジネススクール在学中の2013年8月。

ガーナ人クラスメイトと、ガーナ初のオンラインショッピングサイトを作ろうと卒論を兼ねたマーケットリサーチに初めて訪れた時のことでした。

今では、ビジネスでもプライベートでも当たり前のように使われるようになったモバイルマネーが、まだ始まった頃。

当時は、MTM、Vodafone、Tigoなど、異なるネットワークプロバイダー間では送金ができないなどの不都合や、Paypoint が町中にほとんどなかったこともあり、利用者はまず見ないという状況でした。

2012年時点では、海底ケーブルが5本以上あるのは、ガーナとナイジェリアだけ。

インターネット普及率は、14%。

これは、南アフリカをリードするオンラインショッピングサイト、Kalahari.com (現在は、Takealot.com)が、オンラインショッピングサイトを始めた頃と同じぐらいのインターネット普及率でした。

そうして、ちょうど、同時期にRocket InternetにバックアップされたKaymuなどが、ガーナに入ってきた・・・というところだったのです。

多くのECサイトが、日常品を扱う中、私たちは、消費者へのインタビューから要望の高かった「ファッションに特化」することにしました。

ファンションECは、「試着」が求められ、ハードルが高いと考えられているのですが、当時、ヨーロッパでもECの中で最も勢いがあり、利益率が高かったのが、ファッションECだったのです。

確かに、食料品や電化製品はどこで買えば良いのか、大手ディスカウントショップやスーパーも充実しているのでわかりますが、洋服となると、アフリカでは探すのが大変です。

Upper Middle Class以上になると、ほとんどの人がマーケット(青空市場のようなもの)での買い物が嫌いです。

人も多いし、値段交渉もしなくてはならないし、中古ばかりで品質は保証できないし・・・

とにかく、アフリカで買い物はストレスなのです。

 

では、アメリカのアマゾンで買い物して送れば?

と、先進国に住む人は安易に考えがちですが、

まず、買い物をするクレジットカードがなかったり、

あっても、発行地がガーナだと制限がかかり買い物に使えなかったり、

荷物が送られてきても、郵便局の局留めで、取りに行かなくてはならず、

そこから関税手続きで職員と関税の値段交渉が始まり・・・と、

ノンストップで玄関まで届けてくれるような便利さからはほど遠いのです。

そのため、買い物代行業者のサイトが存在するほどです。

荷物がある程度まとまってから送られてくるので、もちろん時間もかかります。

というわけで、「ECサイトが国内にあったら、便利だよなぁ」というのは、

アメリカ、オランダに住んだ、ガーナ人パートナー、カールの話から始まったのです。

楽天は、自己資金2000万円からスタートしましたが、ECは、小さく初めても、単なる小売を超えて、顧客基盤と決済システムを握れるところから、大きなビジネス展開が望めます。

「ガーナに雇用を増やしたい」という観点からも、新しい産業で雇用も生まれる事業です。

散々、ケーススタディで色々な起業家の成功物語を読みまくっていた私たちは、

これでマーケット取れたら、

面白くない?

と勘違いして盛り上がり、

ビジネススクール卒業後、オランダからガーナに渡ったのでした・・・(続く)