社会へのインパクト

JUJUBODYのシアバター石鹸プロジェクトは、

現地でいかに付加価値をつけた輸出物を作れるかという点と、

現在のJUJUBODYが抱える問題点の解決策になりますが、

社会へのインパクトという点では、

モリンガ事業のインパクトが、かなり大きくなる可能性を秘めていると思っています。

モリンガの効能、効果が伝えられ、日常的に日本の人々の暮らしに取り入れられるようになれば、

日本人全員のクオリティ・オブ・ライフの向上が期待できるからです。

西洋医学は、あくまで対処療法で、予防も生活習慣病の改善も難しいですが、

「モリンガ」には、その可能性があります。

そして、そのむこうで、ガーナでモリンガの生産に携わる人々の暮らしも豊かにできるからです。

カカオは、収穫できるまでに植えてから4年はかかりますが、

モリンガは、種を植えてから、半年で葉の収穫が可能です。

他の農作物のように、育つまでに時間も手間もがかからないモリンガビジネスは、

参入障壁が低く始めやすいのです。

一方で、他の農作物以上に、収穫後は、手間がかかります。

モリンガの葉は摘んで2時間もすると萎れてきてしまいます。

収穫したモリンガの葉は、素早く洗浄、乾燥処理する必要があります。

育てるのは簡単ですが、収穫後、人海戦術が必要なため、人手がかかります。

そのため、地元にたくさんの雇用が生まれます。

私の契約先のモリンガ農園では、40人以上を雇用しています。

近隣の小規模農家9000人以上に農業トレーニングを実施しています。

また、農具を買うためにマイクロファイナンスを150人以上に提供しています。

信用システムがなく、個人や中小企業が簡単にローンをひけないガーナでは、

このような地域に根ざした草の根活動が、地域社会を支えています。

いわば、農協のような役目を地域で果たしているのです。

彼からたくさんモリンガが買えるようになればなるほど、この輪が広がります。

生産に携わる数十人だけでなく、そこからの利益をマイクロファイナンスに回したり。

数百人、数千人と、モリンガの需要と共に広がります。

また、モリンガオイルの生産者は、自社農園で育てたモリンガの種だけでなく、

小規模農家にモリンガの種を買い取ることを約束して、モリンガを植えさせています。

モリンガは、他の作物との間作ができるため、農家にとって新たな現金収入になるからです。

この取り組みにより、

130万本以上のモリンガの木が植えられ、

2500軒の農家に新たな収入源をもたらしました。

最大で、年収が10倍になった家庭もあります。

そして、モリンガは、他の植物の20倍二酸化炭素を吸収してくれるため、

環境にもとっても優しいのです。

モリンガの需要が高まれば、他の生産者にも買い取りが広げられますし、

自社農園の可能性も模索するのも一つのオプションとしてあります。

私は、アフリカのサステナブルな発展は、

外国人が現地に行って何か始めるという活動ではなく、現地の起業家を応援することにあると思っています。

ガーナの若い起業家を見ていると、

きっと、日本の明治維新の立役者たちも、こんな感じだったんだろうなと眩しく思うことがあります。

真の発展は、外からの刺激ではなく、内からの改革です。

彼らが自分達だけではリーチできない、

日本市場を私が開拓でき、

ガーナのビジネスパートナーたちに、

ちっこい口うるさいアジア人と一緒に仕事して良かったなと思ってもらえたら、

これ以上嬉しいことはありません。