ルワンダでタイ料理屋2 ~誰のための?編~

こちらでのレストラン経営は日々トラブルシューティングで日が暮れる(夜が明ける?)のですが、

今日は、店舗存続の危機発生一件、警察沙汰一件、断水、倉庫キー紛失などフルラインナップ。(どれも未解決)

 

レストラン事業はとりあえず生活のための日銭稼ぎ、顧客接点づくり、現地人の雇用、という観点から始めましたが、これを軸足にスケールできる事業展開は常に考えています。

一度ここで、改めてこのレストラン事業の顧客と提供価値について、整理したいと思います。

関係ないですが息子の放課後アクティビティサッカー。

関係ないですが息子の放課後アクティビティサッカー。

 

 

そもそもなぜタイレストランなのか。

それにはまず、顧客は誰か?の問いから始まります。

その答えは外国人です。

国内の経済規模から考えると、ルワンダでビジネスをするには外貨の獲得が必然です。

平たく言うと、お金を持っているのは外国人です。

 

国としてはマウンテンゴリラの観光業に力を入れています。とにかくゴリラ推しです。お札の絵柄でもビザの絵柄でもなんでもゴリラです。

トレッキングツアーは、750$です。高っ と正直思いますが、予約がとれない時期もあります。

そして「トレッキング」というと聞こえは軽いですが、落ちたらケガじゃ済まないような斜面を四つん這いで進んだりと、思ったよりもハードでした。

ゴリラ好きのお友達をお誘いあわせの上是非遊びに来てくださいね!

この写真では一ミリも伝わらない臨場感

この写真では一ミリも伝わらない臨場感

 

観光客ビジネスも大切ですが、首都キガリには、UN関連や各国大使館、NGO勤務など、外国人も結構います。といっても1万人程度でしょうか。日本人は数十人です。

その人たちがあまりキガリに期待をしていない分野があります。それが外食分野。サービス分野全般かもしれません。

飲食店のレベルは近隣諸国と比較しても明らかに低く、数も少なく、バラエティもなく、サービスレベルも正直かなり低いです。串焼き一本1時間とかかかったりしますもん。メニューの8割 not availableとか。営業時間とか自由だし。

「キガリはこんなもんだよね」と諦めている部分もよく垣間見られ、長期休暇での帰国を楽しみに普段の退屈な生活を我慢している風なところもあります。

 

もったいない!

せっかく治安も圧倒的に良いというのに。

そしてそういう人たちは、例えば子どもを年間200万円近い学費のところに通わせていたりする層です。

もっとルワンダで日常的に消費行動を楽しんでもらおうではありませんか!

彼らが単に食材を買うだけのところを、付加価値をつけ提供すると、その約3倍のお金がルワンダに落とされるのですから。

 

Asian Kitchenは、一見すると、ムズングの、ムズングによる、ムズングのためのレストランに見えるかもしれません。(ムズングというのは黒人以外の人を指す言葉です)

日本人が欧米人にタイ料理を出しているお店。ですが、そのサービスの提供者はあくまでもルワンダ人

そしてサービスに価値を感じてくださり対価をいただけるなら、それはルワンダに入るのです。税金はルワンダ政府に入ります。

地道ですが、こうした飲食店が増えていけば、業界のレベルもアップし、物流も変わってくるでしょう。

観光業だってもっと盛り上がります。

 

現地スタッフと働いていて時折感じるのが、「ムズングの会社に入ったから一旦安泰っしょ」的な心構え。

確かに、ムズング経営の会社は、他では当たり前のようにある契約書を渡さない、給与不払い半年、などは少ないです。

でもスタッフには、ムズングとつながっておけばお金がもらえる、のではなく、自分がサービスを提供して、その対価としてお金をもらっているのだ、という感覚は必ず持ってほしいと強く思います。前職の影響もあるかもしれません。

 

 

ちなみに、ルワンダ人マーケットへの進出について、もちろん考えています。

今ターゲットにしている層の千倍のマーケットですし、進出は時間の問題です。

ですが現状はなかなかシビアで、今日という日を数ドル以下で過ごす、定期的な現金収入はない、という人たちがマジョリティの国です。

新しいものにはなかなか保守的というルワンダ人の食文化もありますし、長期的な視点で業態を工夫していく必要がありますが、

ルワンダ人が徐々に上がっていく可処分所得を「食」分野でハッピーに使っていく、そのマーケットに何が提供できるだろう。ルワンダ人のライフスタイルになんらか貢献していきたいです。

Life Style Rwanda Ltd.

Managing Director

Chisa KARATO