「インセンティブ」の難しさ

 

前回の続編。いい話ではないですが、参考までにしたためたいと思います。

 

ルワンダでのレストラン経営で何が一番大変かと言われると、スタッフのマネジメントです。

また水止まってますけど、もういいんです慣れました。

ただスタッフのマネジメントは、2年経った今でも、いや年を経てさらに?難しさを感じます。

レンジのつまみが取れても大丈夫

 

前回ブログで書いた慰労会にて、2017年の利益成長に基づき、ボーナスを支給しました。

いやー盛り上がりましたね。私もみんなも大満足で2017年を締めくくりました。さて年明け。

・オペレーションのダレ

・ここぞとばかりの、関係ない権利主張

・賃上げ交渉

のオンパレード。

 

★「インセン」として作用しない

少し予想はしていました。

例えば日本では、成果主義や売上連動のシステムの理屈は当然一般に理解されていて、企業によっては採用されていますよね。

要は、働く側にとっての「インセンティブ」として作用しますよね。

が、ここでは、その概念が通じないことがあるんです。

利益が出たから還元とか、AがこうだとBはこうなる、という理屈云々の前に、今目の前に出された現金がいくらなのか、という情報しか届きません。

最悪なのは、一度もらうと、「もらえるもの」と受け取られて、なかった時に不平不満が噴出するパターン。

インセンティブのつもりが、それがデフォルトと受け取られてしまうんです。

 

これはもちろん、今目の前の生活がかかっているから、というのが一番大きいのだとは思います。

そのお金が「何」によるものなのかとか、「どこから来たのか」とか、どうでもいいんです。「いくらなのか」、が大事なんです。

経営者にとって大きな壁です…

写真はほっこり系で。スタッフからの贈り物①

 

★もう一つの弊害。パフォーマンスが下がる。

報酬のつもりであげると、パフォーマンスが下がる。

わーすごい逆効果。笑。いや笑えないけど。

これはきっと、もらった安心感からとか、気の緩みから来るのでしょうか。

「これでしばらくはいいやー」といった。

 

ボーナス支給後、ちょうど私が不在にしていた夜、インド人のお客さんからクレームが。

クローズ間近に来店した際、スタッフがやる気がなかった、と。

「13か月目の給料出した?」

とタイムリーな皮肉までいただきました。

(インド人はかなりシビアにスタッフマネジメントをします。えぐいです。たぶんインド人からしたら私のマネジメントはぬるいでしょう)

 

他にも。支給直後、夜警として働いていた男の子が失踪しました。

音信不通。

ちなみに通常ルワンダは家にも店にも24時間セキュリティがいます。(まぁ夜中通ったらたいていみんな店の前で寝てますけどね)

二週間ほどして、店に現れました。で、主張としては、

「だってしょうがないじゃん逮捕されてたんだもん」(どや)

えっと。夜警が逮捕って。しかも正論風に主張されてましても。笑。いや笑えないけど。(二回目)

 

ちなみにこの国は、拘留とかjailとか身近だったりします。

「お父さんはどこに住んでるの」

「Jailなう」

という会話、あります。

 

というわけで、戻ってきても再度働いてもらうのは残念ながら無しだと決めていたので、失踪するまでの働いた日数分のみの給料を渡し、その旨伝えました。

予想通り、ごねますよね。

なので、じゃあこれでどうですかと、働いていない日の分も含め、給与一か月分フルで渡しました。

すると納得して去っていきました。

目指した着地点に無事着地。一番きれいな終わり方です。(揉めると本当に大変です…)

こんな風に、その目の前のキャッシュに全意識が向くというのは、都合が良い時もあります。

スタッフからの贈り物②

★そして関係ない権利主張

これはなんででしょう?(おしえて分かる人ー)

このマネジメント、こんなにお金に余裕があるんだ?今言ったらもらえるかも?

とか、

これでボーナスが出るなら、これについてもお金もらえるべき、という謎の方程式が湧いてくるのでしょうか。

 

 

というのがここルワンダにある文化なので、ご参考までに。

もちろん、全員が全員ではないです。ただ、実感値としては多数がこうです。

いやボーナスというのはこうこうこういうものであって諸君のモチベーションアップのために云々かんぬんという理屈を振りかざしてもあまり意味がないのはこの2年で分かってきたので、もっと工夫していく必要があるなと思う今日この頃です。