差別化ポイント①提供スピード 後半
今夜は電圧がとっても不安定。部屋の照明がポルターガイストです。この電圧で、電化製品やられるんですよね…。
さて前回の続き、提供スピードについて。
そのカギは「段取り」と「コミュニケーション」なのですが・・・

お急ぎでしたらガパオもおススメでございます
提供スピードにこだわります!
とトレーニング当初から言い切っていましたが、そういう文化がないため(前半参照)、
スタッフはいまいちピンと来ていない様子。
初めは完全に私の一人ハッスル in the kitchen。
「段取り」って本当に日本人の得意技だと思うのですが、これをどう伝えていけば良いのか・・・
実際「段取り」って英語でどう上手く言えばいいのか難しいです。arrangement以上の奥深さがあります。
熱いものは熱く、冷たいものは冷たく、それらを食卓に同時にさりげなく並べることができる、あの感じです。
まず取り掛かるのがのんびり。(寝起きか)
指示した仕込みが終わっていない。「今日は入らないと思って」(勝手に判断すなーーー!)
状況を見てない。(オーダー立て込んでるのにまかないの芋剥いてる場合じゃないぃぃぃ)
順序も謎。(なんで食後に持ち帰りでって言われてるメニューから作ろうとしてんねーん)
こだわりポイントも謎。(なんで今いきなり付け合わせのトマトでカービング挑戦しようとした?しかもそれ全然タイっぽくないし)
こうしたときに毎度毎度 早く!違う!遅い!急いで!もうどいて!
私だったらこんなに待たされたらNEVER COME BACK AGAIN ね!!
と怒り狂う私を前に、スタッフはみんな
ぽかーん・・・ (引いてる)
最初はただただ怒ってエネルギーを消耗していましたが、対策としては、
①仕込み、オーダー後の工程の効率化徹底
②かかっている時間を体感ではなく数値化
③重要なことは出力して壁に貼る(見える化)
④とにかくひたすらやってみせつつ言い続ける

数値化。ご注文からサーブ完了まで計測。世界のTANITA
これを2015年末のオープンから続けてきました。
今ではスタッフにも完全定着!と言いたいところですが、まだなかなか完全ではなく、相変わらず一人ハッスル周りポカーンな時があり、
「やっぱり速さの追求ってここでは限界あるのかな…あんまり求められてもいないのだろうか?」
とこのブログの前半を書いた矢先ですら、自信をなくしていた私。
後半は飽くなき挑戦とか書いちゃったけどすみません挫折しそう・・・
ラストオーダーも終わり、中で閉め作業をしていると、ドアが開く音が。
「今からテイクアウェイのオーダーしてもいいですか?仕事終わりでクタクタなんだけど、ここ早いから!」
と来店してくださったお客様がいました。
やっぱりスピードを価値と感じてくださるお客様はいる!!
ととても嬉しい気持ちになったのでした。
スタッフも、私に怒られるより、お客様からの嬉しい声の方がよっぽどモチベーション上がった様子。
スピード提供というのは、とにかく速ければ良いということではありません。
段取りと、もう一つのカギはコミュニケーションだと思うのです。
ここが、もう一段上の挑戦にはなりますが、是非できるようになりたいところ。
例えばライスが切れてしまって(そもそもダメですが)、炊くのに時間がかかるとき、
「すみませんが、ライスが炊けるまで15分ほどかかってしまいます、お急ぎでしたら、麺だと早いですがいかがでしょうか」
とか、
そもそもお急ぎのようだったら、注文の時点で
「カレーとガパオでしたら今ですと5分でご提供できます」
とか。
鍋を鬼のように速く振れとか、移動は全部ダッシュとか、そういうことではなく、
ひとこと、ほんの一言お客様に 聞いて 動きを変える。
それができるお店を目指したいのです。
えっそれって日本じゃファミレスでも普通だよねと思ったみなさまにお知らせです。
例えば。どこにでもある日本のコンビニにて、レジに店員が一人しかおらず、お客さんが一時的に増えて列ができてしまったとき。
棚卸をしていた他の店員が、
「お待ちの方こちらのレジにもどうぞ」とスチャっとスタンバイする。
はい、これは神対応です。
そんなお店、海外でもあるとは思います。でもこれが均一化されている、どこでも当たり前になっているのが本当にすごいですよね。
これが日本の お・も・て・な・し です。(4年後ですね!)
こういうことができるようなお店を目指します!
おまけ:
一時期ディナーのお客様につきだしでEDAMAME(ここはあえてアルファベットで)をお出ししていたのですが、(今はないのです・・・EDAMAMEファンの皆さますみません)
つきだしだったら、お客様皆さまにお出しするので、来店の瞬間にお湯沸かしたくなるじゃないですか。
ということでお客様が入口に見えた瞬間、毎度毎度
枝豆のお湯を沸かすーーー!
と叫んでたら、最初はポカーンだったスタッフにも徐々に定着し、最終的に標語になりました。
言い続けるって大事ですね。
ではまた!
唐渡千紗