社員間の横並び意識
ルワンダの首都キガリよりこんにちは、アジアンキッチンの唐渡です。
先週は「官民合同ミッション」と言って、日本から大きな官民合同の使節団がルワンダを来訪。
中国・インド・モザンビークトップの相次ぐ来訪で多忙を極めるカガメ大統領と、しっかりと対談の機会が設けられたようです。

カガメ大統領、何頭身でしょうか
この時期は観光客も多く、逆にいつもの常連さんはホリデイに出られている方が多いので、
アジキチのお客様の顔ぶれが夏バージョンになります。そんな平和な毎日です。また水止まってますけど。
●創業時メンバーの離職
さて前回、ポールくんを筆頭にスタッフがしっかりと留守を守り切ってくれていたことを書きました。
ただ序盤、私が日本に到着し成田エクスプレスでwifiにつなぐや否や舞い込んで来ました、古株コック離職のニュース。早速かい。
私が旅立った日、Pくんが勝手に彼女の勤務態度を厳しく批判するレターを書いて本人に通告するという事件が起きたようです。
Pくんは基本的には大変温厚な性格なのですが、とにかく圧倒的な当事者意識とコミットメントがあり、だからこそ現場のリーダーに抜擢したのですが、時々他の社員にとても厳しくしてしまうことがありました。それ自体はいいことなのですが、マネジメントの不在時に許可なくレターを書くというのは、彼の権限以上の行為だったと言わざるを得ません。
彼女の方は彼女の方で、「Pは自分より後から入ってきたのに指図されるのは気に入らない。もともとFriendsだったのに。」ということは前々から言っていました。
周りからも、「Pは自分より前に働きだした人を全員駆逐しようとしている」という密告があったり、
まぁ要するに、最初は並列だったのに途中から差をつけられるのが気にくわない、という主張が多いように思います。
ここで私が下した判断としては、そのくらいの競争原理も理解できず、私が指名して仕事を任せている人について来れない人は、離脱してもしょうがない。ですね。学校じゃないし。慈善事業じゃないし。
●市場原理とルワンダの文化
この判断については、日本で働いている人の感覚からしたら普通かもしれませんが、
実はルワンダの文化に寄り添っているとは言えないかもしれません。
以前もブログに書いてきましたが、ルワンダは管理社会であり、資本主義というよりは文化的には社会主義に近いところもあり、多くの組織では風通しは最悪です。
ポジションについても、権力を持っている人とのつながりさえあれば、逆にどんなに仕事ができなくても地位が保証されたりするので、より高いパフォーマンスに対してより多くの報酬が与えられる、ということが経験則で理解できない人もいるのかもしれません。ただの市場原理なんですが。
このあたり、ケニアでビジネスしてる方の話など聞くと、同じ東アフリカでも全然違うなぁと感じます。
時間をかけて、従業員にはなぜポールを選んだのか、彼が他の人よりもどういう面で実際会社に貢献しているかは客観的な事実として社員に説明してきましたですが、「えこ贔屓している」という妬みが払しょくし切れていないのは私も知っていました。

本文とは関係ありませんが、最近我ながらハマっているミルクプリンマンゴーソース
●一対一でのグリップ
なので、全体の場ではポールを全面に立てつつも、辞められたら困る人とは個人的にコミュニケーションをとり、頼りにしているよというメッセージを出したりして、私がグリップしてきました。
が、それを意識的にここ数カ月してこなかったんですよね。いつまでもそれじゃダメだと思って。
実際「辞められたら困る」人は少なければ少ないほどいい(脱属人)わけで。
その結果が、今回はこのコックの離職に繋がったのだと思います。
彼女は創業時からのメンバーで、料理はもちろんできる上に、プレゼンテーションのセンスが良く、キッチンの整理整頓が得意な子だったので、実際の穴は痛手ですが、他の人員&仕組で埋めていくしかありません。
最終的に彼女に居心地の良い職場を提供できなかったのは私の責任であることは肝に銘じつつ、引き留めることはしませんでした。
彼女には、有給を全部買い上げ、しかるべきwork certificate を出し、円満退職となりましたが、この余波がどう出るか、あまり介入せずに見守るつもりです。
さーて、9月の繁忙期に向けて、今月はプチ改修予定です★