今、「就職する」ということについて。
ルワンダはキガリよりこんにちは、アジアンキッチンのからとです。
11月。日本は冬でしょうか?ルワンダはほぼ赤道直下なので冬感は全くありません。

昼間は年中夏の日差しルワンダ
さて今回からは、時々聞かれる、「前職の経験はどのようにアフリカでのビジネスに役立っていますか?」「飲食店の経験があるのですか?」「起業前はどのくらい準備をしたのですか?」
について、数回に分けて書こうと思います。
結論から言うと、
・前職の経験→役立っています。
・飲食店の経験→ありません。
・起業前の準備→特にこれといった準備期間はありませんでした。
前職で学んだ「仕事の進め方」
前職の経験がどのように役立っているかというと、ものすごくざっくりになりますが、「仕事の進め方」を学べたことかと思います。
前職は、どこかのプロフィールとかでも書いてるので会社名も特に隠さず書きますが、2008年に株式会社リクルートに新卒入社し、人材系事業部で営業、企画の仕事に従事しました。
よく「元リク」のキラキラプロフィールの人がいますが、私は特に売れず特に表彰もされず「わーみんなすごいなー」と周りに圧倒されつつ常にパツっていたリクルート時代でした。
仕事って、どんなに複雑でステークホルダーの多いプロジェクトになっても、結局は一つひとつの「タスク」を「締め切りまでに」「狙った成果で」「終わらせること」だと思うのですが、5年間で(2015年までいましたが途中子育てで休んだので)
・自分なりの「クセ」が見つけられたことと、
(タスク分解が下手で、複雑なことを複雑なまま取り組もうとして途中で行き詰ってしまう等)
・優先順位の付け方について訓練できたこと、
(どれもまんべんなくするのではなく、重要性や緊急度で、最悪できないものを捨てる判断をする等)
・またタスクだけではなく結局はそこに絡む「人」にいかに気持ちよく動いてもらうか、そのためのコミュニケーションのお作法や原理原則、時にはテクニックを学べたこと、
(特に営業職では全然売れず、「人と仕事してるって分かってる?理屈だけじゃ人は動かないよ。」と指摘されることが多かった。。等)
これらが大きかったと思います。
会社ではなくても身につくか?
会社ではなくても学べると思いますが、私は個人的には企業勤めして良かったなと思うのは、
組織であることと、営利目的であることが大きいと思います。
営利目的であること
さくっと終わるのでこっち先に書きます。
当然株式会社は営利目的であり利益を生み続けることが至上命題なので、商売の基本の基をベースに回っています。
これって当たり前なんですが、私はサラリーマンの父、専業主婦の母に育てられ、親族も商売人よりは学者や教師が多い家系だったので、私としては新しい価値観に気づくことができました。
就活中、コンサルの面接(いやホント見事に脈絡のない就活をしていました)で、コンサルタントに「頭の使い方には二種類あって、学者的・研究的な頭の使い方と、ビジネスをする上での頭の使い方、あなたは前者ですね」って言われたりしてました。今思い出した。

勤め人時代の写真が見事にないのでとりあえずアジキチの料理の写真をば。新定番ハーフ&ハーフです
組織の中で働く=役割がある程度明確
組織の一員として始める方が、自分の役割がより具体的で明確になっている場合が多いので、スタートし易いというのはあると思います。
日本はそれでこそガラパゴスな新卒一括採用という特殊文化で、入社後も明確なジョブスクリプションがないどころかローテーション人事が当然という稀なキャリア形成ですが、それでもある程度「あなたの仕事はこのあたり」と決められることが多いです。
ちなみに、日本の新卒採用文化は賛否両論ありますが、個人的には新卒にとっては美味しい話だと思います。
何の専門性もなくても、会社が育てるよ、と採用してくれるのですから。
(その代わり定年まで滅私奉公してね、というシステムだったわけです、当初は。なのでこのシステムの終わりは始まっていますが)
海外だと最初から「であなたは具体的に何ができるの?実際どんな経験積んできたの?」と問われます。
まぁこれも、逆に言うとキャリア教育が高校までで全くなされない、大学も入りさえすれば遊んでばかりという日本独特の背景とのニワトリタマゴではあるのですが。
話を戻します。例えば私だったら営業職からのスタート。
入社して一応の「研修」を終えると(研修といってもとりあえず民家以外飛び込んで名刺交換する、といった時代でしたが)、ではいつまでに〇〇万円売ってください。以上。くらいの素晴らしいOJT企業でしたが、
それでも商材は決まっているし、
「いつまでに〇〇万円売ってください」と言われた時点で、スケジュールって自動的に決まるんです。
受注確率がいくらくらいと過程すると、そのためには何個商談を作らないといけなくて、そのためには何個アポが必要で、そのためには何件電話しないといけなくて、というのは逆算でほぼ自動的に出ます。
それがいつまでとなると、週に使える時間は××で、受注までに最低△回会って、というのも決まってきます。
なので、特にスケジュールなんかは全く上司から管理されない会社でしたが、
それでも、「目標」を会社が決めてくれる時点でやることってほぼ決まってくる。
あ、もちろん新人時代はそんなこと全く分からずてんぱってパツって「私営業向いてません」とか言って泣き出す典型的なイマイチ新人ちゃんでしたが。笑。
まずは与えられた役割を極めてみる
リクルートは人材輩出企業と言われたりしますが、実際本当に多くのすごい方々と働かせていただいたと思います。
リクルートのすごさは、
管理型ではないものの実はものすごく型化・体系化された営業集団でありながら、
会社として自分に〇〇円売って欲しいならここをこう変えて欲しい、これ売ることになってますけど、こんなサービス考えてみたんで売りたいです、この仕組みこう変えた方がいいと思うんでこうさせてもらいますね、という人が常に何割かいました。
型化された職務で徹底的に行動して成果を出しつつ、自分の頭で考え経営者としての視座も常に持っているようなすごい人たちでした。
多くの人は、一ポジションで終わるところを、ポジションとして極めつつも俯瞰できる人。
歯車としての役割をきっちりとこなしながらも、歯車で終わらないわけです。
そして組織としても、そういう人たちを受け入れる器があり、むしろそれをガンガン奨励するような風土でした。
マインドの根底には、その会社に入っていれば将来安泰、といった思考は微塵もなく、
将来起業したい、いつまでに転職する、これからは変化の時代、こうした前提でまずは与えられた職務を極めることで次にどうつなげるかという意味付けを自分でしている方が多かったんだと思います。
なのでノルマも上から与えられるものでありながら、
この四半期この数字を何%で達成することが自分の将来にとってどういう意味をもつかを自分で自分の腹に落としているので、そのコミットたるやすごかったです。景気とか関係なく。
一ポジションから始め、いろいろ考えた結果そのポジションでプロになる、という選択をする方ももちろん多くいました。
繰り返しますが私はこうした視座を勤め人時代持っていた訳ではなく、
ライフイベントが怒涛に押し寄せ、元来の計画性のなさと相まって、
結果にっちもさっちもいかなくなり辞めて起業、今になって初めて、ああ、そういうことだったんだな、と今書きながら気づいている次第でございます。笑。
そんな私にも学生さんから、就職か起業で迷ってますという相談をいただくことが時々ありますが、
というわけで私のおススメは、一旦の期間を決めた上で、組織で働くところから始める、です。
組織に利用されるのではなく
あくまでも、自分にとってどういうメリットがあり今この仕事に取り組むのか、そこは常にしっかりと自分でコントロールすることが大事だと思います。
自分で事業を始めて強く思いますが、やはり経営者と労働者の利害は当然相反するものですし、
こう使われておく、と自分で決めている場合はいいですが、
劣悪な労働環境で搾取されていたり、いわゆるブラック企業にはまってしまい抜け出せなくなる、なんてことはないように気を付けないと、と思います。
特に日本は同調圧力が異様に強いので。
組織に利用されて終わる「社畜」になるのではなく、
組織を利用する、くらいのマインドがいいと思います。
こう書くと日本では、何様だといった批判や、どんなに苦しくても三年、といったような根性論が出てきそうですが、
滅私奉公と引き換えに終身が保証されるようなシステムはもう崩れてますし、
一定期間苦しむことが社会からの免罪符みたいなところがありますよね。
「社会」=神様というか、日本って無宗教だけど常に「お天道様が見ている」というのがあり、イコールそれが「世間の目」というある種宗教だと思います。

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組織で働く=身内がいる
もう一つ、組織で働くことの利点。
「組織」と言っても定義によるので、一人でフリーランスで働いていても、お客様なりパートナーなり投資家なりいろいろステークホルダーがいるので、ある意味「組織で働く」になるかもしれませんが、
一つの会社や団体の一員として働く場合、利点として「身内がいる」があると思います。
社会人経験が浅い場合、こうした身内の人たちは、厳しくも、優しくも、やはり色々教えてくれますからね。失敗しても、組織に担保してもらえます。
新人時代を振り返ると、怒りながらも教えてくれる取引先の方々にも多く恵まれましたが、それもやはり自分のバックに看板あってのこと。
一人でいきなり始める場合は自分のミスが相手の損失に直結するので、そうしたハードルもあると思います。
過渡期にある日本の労働市場
今まさに外国人労働者の受け入れ態勢について日々議論がなされていますが、
上記で書いたようなことも、またすぐに変わってくると思います。
日本で教育を受けて大学まで出ました、という人の価値が相対的にどうなっていくのか。
例えば日系企業がケニアに進出したとして、英語堪能、折衝能力も高くインドでインターンしていましたみたいな現地のピカピカ大卒が日本の新卒の何分の一みたいな給料で雇える時、日本人ってどうなるんでしたっけ、といった。
これは私も息子の育児でも結構考えます。
何を身につけてもらうのがいいのだろう?と。
でも全然答えが出ません。結局ブログ書くから静かにしてと、マインクラフトを延々やっているのを放置しております。
ではでは。