ウガンダ宅配業界の大転換期に突入(1/3) 2014年以前

今年の初めから来年にかけて、ウガンダの宅配業界の大きな転換期になると思っています。

強い競合サービスも台頭してきて、当事者企業としては大変だなと思いつつ、このような変換期に新たな時代を作る当事者として関われる事、ウガンダの宅配・物流・流通の未来の行く末を一プレイヤーとして担っている事はワクワクしますし、大変嬉しい事です。

こんなチャンスは滅多にないですし、この分野に数年前から取り組んでいて良かったなと思います。

何が起きているのか?事例列で説明したいと思います。

まずは第一回目として、2014年以前までの状況から

2014年以前の状況

私がウガンダで起業したのが2014年です。

最初の事業は人材育成事業でした。宅配には関わっていなかったのですが、カンパラ在住者として日々感じていたことがあります。

 

 

 

『宅配サービスがない。あっても不便すぎる・・・』

 

 

別に宅配サービスに限った事ではないのですが、ウガンダのサービスは、サービスとして存在はしていても非常に使いづらかったり、実質サービスとして機能していないものも多いです。

宅配サービスもその一つでした。

当時の主要プレイヤー

当時の主流プレイヤーは、現地の老舗の物流会社さん。

Daks Courier(トヨタ系列)、Nation Courier(大手新聞社の宅配会社)、G4S(セキュリティ会社の宅配部門)、Link Bus Courier(バス会社の宅配)などです。

これらの会社は超殿様商売でした。

我々も50件とか100件の宅配を依頼した際に、『いいから。オフィスまで持ってこい。俺が計ってやるから。値段はそれからだ。』という態度でした。

日本も1970年にヤマト運輸が宅急便と呼ばれる個配をスタートするまでは、殿様商売が続いていたようですね。

宅急便の生みの親と言われる、ヤマト運輸の二代目社長の小倉さんが著書の中でも書いておりました。

当時の個配(C2C)は、郵便局か鉄道貨物が主流。どちらも窓口にもっていかないと受け付けてくれませんでした。

親世代に聞いても、その時のカスタマーケアは良くなかったようですね。

ウガンダの物流会社も似たようなものでした。

さて、なんでウガンダの郵便が入っていないのか?と不思議に思われる方もいるかもしれません。

ウガンダの郵便事情

ウガンダの郵便、通称Posta Ugandaですが、あんまり機能していません。

まず、ウガンダの郵便は私書箱止めです。そのため、家やオフィスまでのラストマイル宅配はしてくれません。

私書箱の値段は当時で75000UGX(当時のレートで2500円ほど)。オフィスで持つ事はあっても、一般人で持つ人はいません。

ここまでであれば、ケニアも似たような状況です。しかし、ケニアのPosta Kenyaはもう少し市民に使われています。

Posta Ugandaは、GPO(中央郵便局)であれば、そこそこちゃんと受け取る事ができます。

そのため、海外への配送もGPOを通せば、数回に一度は届かない事はあれ、まぁまぁ、届きます。

逆に航空便でウガンダに送る際もGPO局留であれば、そんなにミスはありません。(ちなみに、EMSだと自宅まで運んでくれます。)

ウガンダの中央郵便局 GPO

しかし、地方局から送ったり、地方局で受け取ろうとすると、かなりの確率で大幅な遅延、紛失に遭遇します。

私が2014年に日本の海外旅行保険を使った際に、イギリスの住所宛に領収書の原本を送付する必要がありました。

その際に、混雑したタウンの中央郵便局に行くのが億劫で、通りかかったWandegeyaの支局で送る事にしました。

ちなみに、Wandegeya支局とGPO(中央郵便局)は2-3キロしか離れていません。

結果、保険会社からは原本が届かないと何度もクレームがあり、結局は特別対応でスキャンで対応していただきました。

その後、2か月ほどが経ち、『いま、届きました。』との連絡がありました。どうやら、ウガンダを出たのはイギリスに届く1-2週間前だったようです。。

各プレイヤーのお話

さて、話を宅配プレイヤーに戻しますと、

物流会社が大型配送以外に個配に参入するケースがあったり、

宅配を本業としていないが、本業との親和性が高く低投資で始められるなどで始めた企業も多いです。

上の例でも挙げた、

・新聞会社大手のNation Courierなどは、新聞を届けるネットワークを利用しています。

・セキュリティ会社も、カンパラ周辺だけでなく、全国隅々にアスカリ(警備員)を配置しているため、そこへの人の輸送に合わせて荷物を配送しています。

ちなみに、グローバル企業でウガンダでもセキュリティ最大手のG4Sの宅配部門は2014年か2015年に破綻しました。

理由は経営陣内部のイザコザです。ありがちな理由ですね。ちなみに、ケニアのG4S Courierは凄くうまく行っているようです。

・バス会社も多いです。ウガンダの場合、人や物の流れは首都カンパラから放射線状に地方に広がります。(途上国ではありがちですね)

各地方でお金を持った人が、自分の地方とカンパラを結ぶバス会社を始めるというのが一般的で、自分の出身地方の地域を強みにして棲み分けしています。全国で大手だけでも30社以上があります。

バスに人を載せるだけでなく、積荷としてモノも運んで!となるのは自然な流れです。

最初はバスの下の荷物入れに入れて始めていたところが、需要があるとそれ専用にトラックを買ったり、中にはコンテナを持っているところもあります。(個配から地方物流も担っています。)

カンパラのバスパークにある大抵のバス会社のオフィスには、チケット売り場の横に宅配の窓口があり、そこで受付しています。

バスパークの風景

基本的にはライセンスを得ずに非公式にやっているところが多いのですが、2-3社はきちんとライセンスを取って宅配会社として運営しています。

ここ2年ほど、監督省庁のUCC(Uganda Communication Commitee)の取り締まりが厳しく、宅配サービスを隠れてやっていたり、サービス自体を取りやめるところも出てきました。

宅配ライセンスを取っているところ以外は、宅配とはいっても、ラストマイルではなく、バスパーク間(各地方のバスの集まる停留所)のオフィスの配送だけで、送付人も受取人もバスパークのオフィスまで荷物を預け・受け取りにいかなければなりません。

さて、こんな状況なので、カンパラ周辺では、家まで届けてくれるサービスが必要です。

個人や零細企業でもデキるバイク便

今でも、カンパラ中に数多走っているボダボダ(バイクタクシー)を使って運ぶのは主流です。特に当時は便利で安くて使いやすいサービスもなく、圧倒的にボダボダでした。

そんな中、投資が安く、簡単に始められるバイク便を始める若者や小金持ちの現地人なども多く、上記のような大手以外は零細企業が宅配サービスを提供している状況でしたし、今もまだまだ多くの零細企業が存在します。

私も最初にバイク便が出来たのは、最初の事業でお金を使い、ほとんど残りがなかった中で、物流に入り込みたいと思った際に、バイク便なら何とか出来ると思って始めたのも一つの理由でした。

これらの零細企業の多くは宅配ライセンスはおろか、営業ライセンスも取っていないところが多いです。

特に、UCCの宅配ライセンスが高額な事、そして手続きが非常にBeaurocraticな事から、零細企業で宅配ライセンスを取っているところはありません。。

ここ最近の取り締まりで、目立つところは叩かれるようになっています。

さて、ここまでが2014年以前のお話。

次回は2015年以降に、グローバルプレイヤーが参入し始めたころの話をしたいと思います。