ストレスを飼いならす~HARD THINGSのストレス・マネジメント~(後編)

ウガンダで宅配事業をする伊藤です。
前回の続きです。 3部作のかなりの長文になっております。後編で完結します。

前半はこちらから
中編

では、前回の続きから。

ただ、先に進めば、より高いレベルのモンスター(問題)が出現する。
自分のレベルが上がり、向き合う課題のレベルが上がったのか、
事業が拡大し、より複雑な課題になったからか、
これまでの方法では対処できない場合もある。

以下、2つTIPSを紹介する。

TIPS(1):とことん落ち込んでみる

上記の策をうっても、簡単に乗り越えられない、ショックで立ち直れなくなることがある。。

どうすればいいか?
色々試した結果、自分なりの方法は、

『期限を決めてとことん落ち込む』

ことだ。

(2)で、無理してニュートラルな状態に戻さずに
一旦、底まで持っていく。

常日頃からメンタルトレーニングが出来ていれば、底の状態が長く続くことはない(はず)。
半日も落ち込めば、冷静になってくる。

心が落ち込みたいと思っている時に、無理してニュートラルに戻す必要はない。
落ち込みたいと思っているならば、心に寄り添って、とことんまで落ち込む事に付き合ってあげればいい。

『どんな時でも落ち込んではダメだ!』と考えていては余計に悪循環に陥る。

底まで落ちていても
日頃からメタ認知ができていると、
どこかで『あー、俺、今、めっちゃ落ち込んでるな(笑) ウケるw』くらいの余裕が出てくると思う。

その余裕が出てくれば、底はうった。
もう大丈夫かな?戻ってきたな?と感じたら、
身体を動かしたり、友人を誘って飲みに行くなどして、(2)のニュートラルな状態を試せばいい。

大事なのは、落ち込む期限を設けておくこと。
落ち込んでいる状態で、期限を切るなんて無理だ!と思うかもしれない。

確かに最初からできる事はない。
が、何度か経験すると、『あー、これは半日は落ち込もう。』とか『あー、これは明日の朝までは無理だ。』とか感覚が掴めてくる。

最初に決めた期限になっても底から抜けていなければ、無理しない。延ばせばいい。焦る必要はない。

TIPS(2):ストレス原因になる問題をリスト化してみる。

一時期、色々ストレスマネジメント対策をとっても、続々と現れる問題に適応できない時期があった。
そんな時にでも、どうすればメンタルが安定するのか?ストレスを上手に扱えるのか?を悩む時期があった。

そこで、これまでにメンタルが不安定になる、大きなストレスがかかる事由を洗い出してみた。
過去に起きた大小の問題、そして今後予想される問題を洗い出してみたら、50以上も挙がった。

分かりやすい例を挙げると・・・

・事故で手を骨折する。(事故で肩甲骨を骨折して動けなくなった)
・信頼していた従業員に大きな額を横領される。
・突然、コアなスタッフが会社に来なくなる。バックレる。
・行政や警察が踏み込んできて、不当に営業停止させられる。
・街を歩いていて、急に逮捕されて留置所にいれられる。(自分は逮捕まではないが、スタッフに起こった)
・泥棒に入られて、会社の資産の一切がっさいを盗られる(泥棒はあったが、一切がっさい盗られた事はない)
・街中で強盗に襲われてロックアップされる。(ナイフを突きつけられたことはあり)
・突然、家族の危篤の知らせが届くが、すぐにチケットを取って帰れない。

もう少し日常的な些細なストレスでいえば、
・繁忙期に停電が長期化して、夜真っ暗。仕事もできない。ホットシャワーも浴びれない。
・断水が長期化して、トイレが流せない。シャワーが浴びれない。
・普段30分の道が、道路封鎖で2時間経っても通れない。

などのアフリカらしい事もある。慣れれば大したことないという強者もいるが、
僕は慣れはしてもストレスは感じるし、地味に削られる。。

これらが単体でやってくる時は良いが、複数が同時多発的に起きると、相互作用を起こす。
それぞれの問題が共鳴し大きな波となる。

であれば、それぞれ事前に書き出して、心の準備をしておけば、
実際に起きたとしても、モヤモヤせずに対処できるのでは?と思った。

4年ほど前に実際にやってみたところ、一定の効果はあった。
確かに、起こった問題に対して、以前ほどストレスに振り回されなくなった。。
心の準備は出来ていた。

しかし・・・・


しかしである・・・


半年後、僕はそのリストを破り捨てた。。。


気づくとリストに書いた問題が続出するのである。

言霊というのだろうか??
リストに書いた事で、その災難が起こっているような気がしてきた。。

一度試してみるのは良いかもしれない。

6.結局は最善を尽くすという一択なのだ

突き詰めると、問題を検知した時の反応は2つしかない。
対処する・対処しないの二択だ。

ストレスがかかり、ネガティブな状態に陥ると思考停止する。
思考停止して行動を起こさなくなる。(起こせなくなる)

やってらんねー!って自暴自棄になる。
問題から離れて投げ出したくなる。
結果、”対処しない”という選択肢を取りたくなる。。

やるか、やらないかの2択において、
何もしないで悪化していくのをじっと見るという選択肢はあるのだろうか?

大抵の場合、何もしない事が最善策になる事はない。

思考停止、自暴自棄にならないために、自分に投げかけている言葉がある。

『どちらを選んでも良いが、
やれる事が残っている状態で、やらない選択肢を取る必要はあるのか?後悔しないか?
やれる事があるならば、まずは前向きにやってみよう。
やるからには最善を尽くす。それでだめならば仕方ないではないか。
今思考停止する必要はない。』

心身をニュートラルな状態に保つと、”対処しない”選択肢は残らない事に気づく。

何もしない事は状況を悪化させることはあっても改善させることはない。
行動を起こしても、命を取られる心配がないのであれば、やってみればいいのではないか。

そして、最初はポジティブに向き合えていた問題でも、長い道の中で『なぜ、こんな大変な事やっているんだ』と怯む感情が出る事もある。
そんな時に、上記の言葉を問いかけてみる。迷いが吹っ切れる。
まずは、やってみよう。全力を尽くしてみよう。と気持ちを切り替えられる。


まとめ


纏めると、

ストレスマネジメントが上手くできていない時は、以下の悪循環に陥る。

・問題が起こる

・心が落ち込む。頭がグニャグニャする。

・冷静に考えられない状態で思考停止して策を打たないか、愚策を投じて悪循環にハマる。。


今回紹介した方法は、

・常日頃から、心と身体のモニタリングをする。

・問題が発生する。

・ストレスがかかっている事を認識する。(モニタリングしているから)

・一旦心を静める。心と身体、頭をニュートラルな状態に持っていく。
(いきなり、ニュートラルに持っていけないならば、期限を決めて心に付き合う)

・ニュートラル状態になったら、問題に向き合う。状況を整理する。

・必要に応じて人に相談する。

もちろん、実際に起きる問題は様々だ。
こんなに悠長に取り組む余裕がない時もあれば、
このステップの通りに進まない事もある。

大事な事は、自分で考えて失敗して試行錯誤して自分なりのストレスマネジメント・メンタルケアの型を作る事だ。
自分なりの型を持つ道のりの中で、柔軟に考え、都度対処できるようになる。

一緒によりよりストレスマネジメントを見つけて行こう。

久しぶりに長文を書きました。ここまで読んで下さった方、ありがとうございます!