ウガンダにおける課題解決能力?
宅配事業で新たな動きがあり、オペレーション(受注、ルート計画、ドライバー手配、宅配作業、集金、報告の一連の流れ)に多様なパターンが出てきており、その対応に追われています。
実際に始まれば始まるほど、当初は考えられなかった課題も多く出てきます。どのビジネスもそうですが、最初のうちはたくさん課題をだして、出来るだけ早いうちに潰せるか?がキーになるかなと思います。
一般的な課題解決の流れは、以下かと思います。
『何か不具合が出てきたら、不具合を認識し、事実を確認、照らし合わせながら、根本的な課題(ISSUE)を見つけ出し、課題定義する。』
『そして、課題が見つかれば、それに応じた解決策を色々考え、実行可能性などを判断しながら、実施するものを選び、実行計画を立てて導入していく。』というのが一般的な流れでしょうか。
ウガンダ人は、計画は不得意な人も多いですが、課題解決(トラブルシューティング)は上手と言われる事があります。
まぁ、こちらは日本などと比べて毎日、色々な問題が起こるので分かる気もします。
では、ウガンダ人にとっての課題解決の流れとは上記と同じなのでしょうか?
私が今まで見てきた限りは全く違うようです。
では、ウガンダの課題解決とは?
私が個人的に思う事ですが、ウガンダでは問題があった時に、その根本原因を特定するような真似はあまりしません。それよりも、その問題自体をなかった事にする。日本風にいえば、『臭いものに蓋をする。』のが一般的なようです。
これはこれで、彼らの知恵なんだと思います。
責任を追及して、それを正すような事をしなくても、もう毎回問題なんだから、なぁなぁに片付けてしまえば丸く収まるじゃないか。という発想ですね。
なので、そのままにしておくと、多くの地雷が埋まっている事になります。どれも綺麗に砂が被せてあるので良く分かりませんが、足を踏み入れたら爆発する。時限爆弾もたくさんあるので、どこに隠されているか分かりません。。
さてさて、この課題解決法だと、少なくとも、スタートアップで起ち上げる事業においては、困ります。。類似の問題が多発しても報告も上がってこない。根本課題も分からない。どうやって対処して良いかも分からない。よって、プロトタイプからサービスを創り上げる流れに乗らない。大半の業務がトラブルシューティングになる。という事態に陥ります。
実際に、私がケニアの田舎町マサイ族の村のNGOで目の当たりしたのは、上記の光景でした。みな、とーっても忙しいけど、毎回同じ課題に直面している。その解決に追われているというような状態ですね。そのNGOでは欧米ドナーへの報告もあり、蓋をしたままの報告では許されなかったのもあります。
自分が介入すれば、課題解決は行われるが、私がいなくても、現地スタッフの間で(一般的な)課題解決をしてほしい。問題を見つめて、課題を探って、解決策を作ってほしい。
皆、『分かった』とは言うものの、言うは易く行うは難しで、中々進みません。
特に、勘違いされるのが、人個人の責任追及ではなく、システムやオペレーション・ルールの不具合に焦点を絞って課題を見つけるというところ。
日本でもそうですが、課題解決に慣れていない人が多く入ると、『xxさんがちゃんとやってなかった』『xxのせいだ』『xxが使えない』とか、人の問題に帰結させようとします。それはそれで楽だから。
そうではなく、『xxさんがちゃんと出来なかったのは、定義していた業務やマニュアルが現実に合ってないからでは』『そもそも、それってルールで定義していた?』とか、そういう部分の見直しが必要となります。
そんな想いもあり、本日、スタッフ全員に向けて、課題解決のトレーニングを実施してみました。
みな、慣れないので戸惑いながらです。弊社インターン(日本人学生)達も、初めての経験であり、戸惑いながら臨んでいます。まだまだ一回目。みな、ちゃんと課題解決には至らないけど、それでもやって良かったなと思いました。
『いままで、何であそこまで問題を追求するのか分からなかった』『自分・他人を責めているのではなく、課題を探すってこういうことか』『プライベートの課題にも使えそう』とかポジティブな反応が多かったです。
そして、一番意外だったのは、ウガンダ人スタッフの中で、一番センスがあったのが、バイクのドライバーだった事。より高学歴で高等教育を受け、大組織でスーパーバイザーをしていた人よりも、ドライバーの彼の方がセンスがあった事は驚きでした!
もちろん、『一度じゃ無理。簡単そうに見えるけど、実際にやると全然できない。見るのと実践するのは全然違う。』『どうやって練習を積めばいいか?』などの声も多かったのですが、これは良い事です。
この調子で、来週から、問題が起こった時に、彼らに考えてもらう題材が出来た事になるので、積極的に任せてもいいのかなと思いました。