ウガンダの地方宅配便(2)

前回、どの会社も自社だけで全国をカバーできておらず、カバーできない地域では、エージェントを使っており、その担い手がトラック数台をもつ零細のトラックオーナ―自営業だと述べました。

それがここ数年変わってきています。どのように変わっているのでしょうか。

結論からいうと、各地域のバス会社が宅配の分野にも大きく台頭してきています。

バスはもともと、首都と各地域を結ぶ形で発展してきました。首都カンパラを中心として、大きく北西部、北部、中西部、西部、東部の5エリアくらいに分かれており、それぞれのエリアで数社のバスが走っています。

(カンパラのバスパークの写真)

元々、個人が地方へ配送する場合、乗り合いバスのドライバーに直接お願いするか、バスの荷台に詰めて、同じくドライバーにお願いするのが一般的でした。

その後、バス会社は、バスの荷台に積んで配送するサービスを別出し、各バスステージ間へ配送可能な宅配サービスを始めました。

本来、ウガンダでは宅配サービスをする場合は、国の認可がいるのですが、多くの会社は得ていません。

ここ数年の流れですが、バス会社の中でも規模の大きい会社は、バスの荷台に積むだけでなく、専用の大型トラック・コンテナを購入し配送を始めています。

(大手バス会社の宅配オフィス。写っているトラックは大型混載物の宅配用のトラック)

以前は、多少なりとも、個別の小さな荷物はバス会社。商業用の大きな荷物はトラックオーナ―・ブローカー。という棲み分けがあったのですが、ここ2~3年で大きく変わりつつあります。

一部のバス会社が、自身のエリアに対して、20ft40ftコンテナで定期便を出し始めています。

そうなると、零細トラックオーナーやブローカーたちは大変です。

2015年から2016年にかけて、北部地域の配送ブローカーの組合と調査をしていたのですが、2年ほどで急速にバス会社に客が奪われていました。

加えて、北部は南スーダンの独立後、南スーダンへの物資供給で需要が高くなっていたのですが、政権が崩れ治安が悪化後、物資供給が大きく止まっており、需要の急激な減少とバス会社の台頭で大変厳しい状況になっています。