支援先に選定頂きありがとうございます。
CourieMate代表の伊藤です。
「第二回日本Africa起業支援イニシアチブ」の支援先として選定頂けたこと嬉しく思います。
改めて簡単な自己紹介と事業紹介をいたします。
2014年に起業し、4年弱となります。当初は人材育成事業をメインにしておりましたが、昨年6月より宅配事業を行っています。
起業前は、新卒から9年弱ほど、コンサルティング会社でコンサルタントとして働いておりました。当時、企業ボランティア制度を活用したところ、たまたまケニアのマサイ族の村で組織改革のボランティアをしたのがアフリカに携わるきっかけでした。
(マサイでボランティアしていた時の写真)
その後、本業のコンサルタントとしてアフリカで働く経験もしながら、2013年末に退職し、起業に至ります。
宅配事業とは?
一般的な個人客のC2Cの宅配に加え、国内外で20社程度の法人顧客がおります。国外のお客さんの多くは通販やオンラインショッピングのお店で、彼らのウガンダ国内でのラストマイルデリバリーを担っています。
USA、UK、UAE、ロシア、ポーランド、フィリピン、ケニア、ナイジェリアなど世界中の方の配送をしています。
バイク便サービスは、現地企業も提供しており競合も多いのですが、一方で、サービスの品質にバラツキがあり、本当に必要な配送サービスが提供できていない事から、潜在的な配送ニーズの多くが満たされていませn。
CourieMateでは、現金代引き、返品対応など、人がやりたがらない部分で付加価値を付ける事で、ニーズにリーチするようサービスを設計・提案しております。
今年初めから、食材デリバリー、オンラインショッピング運営、DM(ダイレクトマーケティング)ソリューションの提供など、宅配に関連したサービスも徐々に行っております。
また、新たな配送手段として、今年の5月より低温物流(コールドチェーン)のサービスを準備しています。
現在は、トライアルでケニアの乳業加工メーカーの商品のカンパラ市内の配送を行っています。
来年には本格的なサービスとして展開できるように考えています。
CourieMateの理念は『誰もが、安心して便利にいつでもモノを送れる社会の実現に寄与する。』です。
物流とは社会の血液循環であり、モノの流れをスムーズにする役割を担います。
アフリカの土地から持続可能な社会に沿う新たな物流の形を模索したいと考えています。
なぜ、コールドチェーン配送なのか?
ウガンダの高い成長率を背景に、中間層の伸びが期待されている中、整備が行われていないコールドチェーン物流。背景には、高い初期投資コスト、国内での冷凍車、冷蔵・冷凍施設の整備・修理が困難な事、スペアパーツの入手が困難な事、停電が多く電源供給が不安定な事など、様々な課題があり、コールドチェーンは普及していません。
未整備なコールドチェーンは、40%を超える食糧廃棄の無駄、廃棄の無駄からの小農家の収入を抑えるだけでなく、年間130万人以上の深刻な食中毒被害を出しています。
また、地方へのワクチン輸送も困難で、せっかく輸送したワクチンも杜撰な温度管理から廃棄される事も少なくありません。
インフラ未整備な土地では、既存のグローバルスタンダードな冷凍車によるコールドチェーン物流は高コストで整備維持も容易ではありません。
高性能な保冷ボックスなどを組み合わせて、ウガンダのようなインフラ未整備な国に沿ったコールドチェーン物流を考えています。既存のコールドチェーン配送と比較して、大幅な初期投資・運用コストの削減(50~70%以上の削減)、柔軟性の高い配送(温度混載、サイズ混載)、そして一般貨物トラックの荷台のスペース貸による配送、50%以上のCO2排出を削減した輸送が実現可能だと思っています。
まずはウガンダでのパイロットを起ち上げモデルを作り上げる。その後、東アフリカ、アフリカ、南米や東南アジアなど、今後コールドチェーン需要が伸びる国々へ展開し、持続可能性の高い低温輸送手段として世界のスタンダートにしていきたいと考えています。
なぜアフリカなのか?
4年前に起業するきっかけであり、当初から変わっていない目標があります。
『 アフリカ発の世界に共通する持続可能性のあるプラットフォーム/エコシステムを構築。その仕組みを世界に輸出している事。』を実現する事です。
私自身は、ポジティブにいけば、今後20-30年で世界は既存の資本主義(大規模バリューチェーン・大量消費)の仕組みとは大きく異なる方向に動くと捉えています。
それは地産地消、コミュニティ、ボトムアップをキーワードにした、世界。既存の資本主義を追い求めるのではなく、単なる原点回帰(伝統的な生き方への回帰)という非現実な社会ではなく、”今は見えていない”次の経済・社会・政治の在り方を模索していく事だと思っています。
その最先端がアフリカで起こるとの確信からアフリカにいる事は、アフリカで起業して4年弱経った今でも変わりません。辺境から生まれたイノベーションが、地球全体の持続可能性の低いレガシーシステムを変えると思っています。