現金社会なウガンダ
こんにちは。伊藤です。
モバイルマネーは本当に使われているのか?
モバイルマネーがケニアで誕生して10年以上。ケニアを中心に東アフリカではモバイルマネーが生活に浸透しています。
誕生国のケニアよりは小さいとはいえ、ウガンダのモバイルマネー口座数は人口の半数を超えています。(2016年当時で1800万口座以上)
15歳未満の人口が半数を占めるウガンダで、子供は口座を持たない(持てない)ため、成人とほぼ同数の口座が発行されている事になります。
一人複数口座を持っているので、当然、モバイルマネー口座を持たない層もいます。口座の開設は銀行口座開設よりは容易とはいえ、マネーロンダリングで使わるケースもあり、ここ数年で口座開設手続きや要件はどんどん厳しくなっています。
これだけ聞くと、モバイルマネーが浸透し、現金決済が縮小しているイメージを与えますが、そんな事はありません。
モバイルマネーは便利ですが、言うほどは使われていません。手数料も高い事から、日常生活でそこまで使われません。基本、スーパーやキオスクなどでは使えません。
緊急に必要なお金を知人や家族から送付してもらう。などはよく見かけます。
電気代、水道代、通信費、ネット代、チケットなど各種支払にも使えますが、手数料は取られます。
また、モバイルマネー間送金の手数料は安くとも、一度モバイルマネーに預けたお金を現金に引き出す際の手数料は1%程度と高額です。
また、SMSベースというだけでなく、決済にかかる手間は意外に面倒なものです。
そのため、いうほど浸透はしていません。
キャッシュレス社会とは?
中国では、ここ数年、アリペイやウェチャットによる世界最先端のキャッシュレス社会が始まっています。モバイルマネーもそのポテンシャルは十分にあるのでしょうが、上記の理由(高額な手数料、利便性の低いUI、実店舗での浸透の低さ等)から広がっていません。
弊社(CouriMate:ウガンダの宅配会社)では、オンラインショッピングのデリバリー代行もしています。クレジットカードがほぼ存在していない事、モバイルマネーが使われない事から、基本は現金代引きとなります。
ただでさえ、現金を持ち歩くのはリスクですが、ウガンダの場合、最高額の紙幣50,000ウガンダシリングでも1600円程度の価値のため、高額になればなるほど、紙幣も多くなります。
ちなみに、東アフリカのケニア、タンザニア、ウガンダでは、シリングという単位を使います。元々、植民地時代に東インド会社の時の通貨単位です。ケニアシリングのみデノミをしており、1ksh(ケニアシリング)は=約1円です。
現金の持ち運びだけで一苦労
弊社では、週に一度、集荷した現金を顧客(オンラインショッピングのオーナー)に送金しています。
日本円にして大した金額ではなくとも、バッグパックに入りきらない紙幣を持ち歩く事もあります。
そのお金を持ち歩く大変ですし、数えるのも一苦労です。
(一番右が10,000シリング(300円)の1000枚の束で30万円程度です。)
例えば、こちらは、先月、送金前にウガンダシリングからドルに変える際に両替商に持っていったお金です。バッグパックに何とか入り切るお金で、およそ4000万ウガンダシリング(約120万円)です。日本で100万円の束であれば長財布にさえ入る厚さだと思いますが、こちらではバッグいっぱいになります。。
キャッシュレス社会になり、現金代引きがなくなり、お金を数えたり運ぶ手間がなくなりだけで相当効率アップになると思います。