郵便番号制度の導入??

先日、とある政府系の組織のProcurement managerに呼ばれてオフィスを訪問しました。

営業になる話かと思ったのですが、逆に配送会社についてヒアリングしたいと言われ、内容を聞いてみると、来年1月から始まる政府の新しいプロジェクトについてでした。

ウガンダ含め、今でも多くの途上国では、住所制度が整っていません。
言わずもがなですが、住所がない事で困るのは、我々のような宅配業だけでなく、様々な経済損失が生まれます。

プロジェクト自体は10年以上前から始まっていたようですが、今年になってようやく、郵便番号の区画が作られたそうです。(真偽は分かりませんが。。)

 

郵便番号が出来たところで、それを展開したいが、そのお金がない。との事です。
そこで、便益を受けるであろう宅配会社に負担してもらいたい(税金として使用料を支払う)方向で話が進んでいるようです。

この話を聞いて、様々な疑問が頭に浮かびました。。。

1.そもそも、郵便番号や住所システムは公共インフラであり、国民や民間企業に個別に使用料を請求する類のものではない事。

インフラとして利用価値が高まるのは、国民の大半が使った時であり、最初から使用料制にユーザーの参入を妨げている事。

 

2.導入時点では国民の誰一人として郵便番号を把握しておらず、その状況で郵便番号利用をするメリットは全くない事。
宅配業者が郵便が便益を受けるのは、国民がユーザーが郵便番号を使い始めてからです。。

 

3.なぜ、実現に10年も費やしたのに、その後の展開の予算の検討をしていないのか。。
1/21日から普及を始めるそうで、あと1か月半しかないとの事です。
この段階で、宅配業者への課金含め、ほとんど決まっていないとの事。。

お決まりのPoor Planningですが、これでは、普及するわけがありません。。

 

4.仮に国民が自分の住まいの郵便番号を把握したとしても、そもそも、住所がしっかりしていないため、区画である郵便番号が整っても、宅配にはあんまりメリットがない事。

 

 

5.仮にお金がないので苦肉の策で、民間企業などに依頼するとしても、既に宅配業者には別途多額の税金がかかっている事。
宅配のような薄利多売のビジネスにおいて利益率は決して高くはありません。その中で、運用の始まっていない郵便番号制度に快く協力してくれる会社はあるのでしょうか?

現在でも、宅配会社には売上の2%(利益ではなく売上です)が徴収されています。さらに、登録料も年間数千ドル(ライセンスのクラスにより異なる)がかかっています。

その他、
・VAT付加価値税18%(上記と合わせて売上の2割)
・法人税が利益の30%
・宅配業者とは別の、通常の営業ライセンス料
・また、契約内容によっては、源泉徴収で6%が引かれます。

ここにさらに、郵便番号の使用料で売上のxx%を課税との事で、ただでさえ、先進国と比べて価格も高く(物価考慮後)、質の低い配送サービスの価格があがり、さらに庶民離れしてしまいます。

また、このような課税により、非登録の業者がさらに台頭する事になります。
(非登録でアンダーグラウンドで行えば税金を払う必要はなく、低価格なサービスを提供できるため)

 

 

6.そして、一番の疑問は、2018年の現在において、旧式の郵便番号をわざわざ導入する必要性です。

 

郵便番号とは、インターネットなどが登場する遥か昔に(先進国ではおおむね1930年から60年頃)、所在地を人間が数字やアルファベットで認識しやすく、記憶しやすくするために生まれたツールだと理解しています。
初期は都市部だけ(最初の郵便番号はロンドンで1857年だそうです)。
その後、各国で全国的に広がったのは、1930年、40年代以降です。

 

当時の技術では、数字・文字で全国を区分けすることは、郵便制度、宅配制度において大きな意味があったと思います。

しかし、これだけ新しい技術が普及した現在、旧式の郵便番号をわざわざ新たに導入し、4000万人を超える国民に周知させる必要性はあるのでしょうか??

GPSは言うまでもなく、Google map、OLC(Open Location Code)、What3wordsのような技術・サービスを使う事で遥かに安く効率的に住所システムが構築できるのではないでy草加。

南アやコートジボワールなどはWhat3wordsベースでの郵便を考えているようです。。

 

上記のフィードバックをしたところ、先方も、
『それは分かっている。時代遅れの施策だと思うし、普及に見込みも立っていない。だが、上の(政府高官や政治家)のマインドセットが古いままだから・・・』と嘆いていました。

 

インフォーマルセクターではなく、フォーマルセクターの安定した品質で保証のある安心した配送サービスを国民全体に広げる事を使命にしている我々としては、
強制的に税金・登録料という形で徴収だけは避けてほしいなと思います。

必要もないのにお金を払わされ、その分の料金を宅配料に上乗せする事で、せっかくこれまで宅配サービスを使ってこなかった層を取り込む風潮が出てきたところに、ブレーキがかかってしまいます。
結果、宅配サービスの普及が遅れ、インフォーマルセクターの非効率な配送を延命させてしまう事を懸念しています。