日本法人設立から見る行政手続きの違い

今月半ばに日本に法人を設立しました。

ウガンダで起業して5年になりますが、これまでウガンダの法人のみを有していました。
弊社はウガンダでのみサービスをしていることもあり、日本での法人登記の必要性はなかったのですが、今後の事も考え、日本に法人を登記しました。

言わずもがな、ウガンダの会社法や労働法は未熟です。欠陥や矛盾も多いです。

例えば、旧宗主国のイギリスの古い法律を踏襲したまま変更をしていない場合。
世界標準の法律をテンプレートのままコピーしたものに独自の変更を加えているが整合性のチェックが甘く、複数の法律を同時に遵守する事ができない。

などが起こります。

様々な事を考慮して、日本にも法人を作る事にしました。

 

今回、日本法人登記は、私自身は日本へ戻らずに、全てウガンダから遠隔で行う事ができました。

日本の法人登記プロセスも、ウガンダの法人登記プロセスに劣らず(それ以上?)に要件も多く、手続きも多いなと感じました。(法人登記が簡易な国々と比べて)

 

ただ、実態は日本の方が圧倒的に楽で容易かつ信頼感があります。日本の行政手続きは、

  • 全てのプロセスがきちんと明文化されている事。
  • 全ての書類のテンプレートが公にも私的(記事やブログ等)にも公開されている事。
  • 民間の格安なサービスがある事。(今回はFreeeにお世話になりました)
  • 不明点があっても、ネットで調べれば大抵のものは答えがある事。(私のように日本に住民票がなく在外で法人登記するという特殊な状況でも情報はそろっている事)
  • そして、記事などで情報が得られずとも、当該機関に電話をすれば丁寧に説明して頂ける事。
  • 費用も全て定まっており、予期せぬ追加費用は掛からない事。(こちらの調査不足で発生する可能性はありますが、主な費用は容易に把握可能。)
  • (当たり前ですが)手続きに例外処理などがない事
  • 各手続きの日数が非常に正確な事。数日単位のズレはあれど、合理的な理由なく先延ばしされることがない事。

 

日本の皆様には当たり前の事かもしれませんが、ウガンダでは登記に限らず、多くの行政プロセスで上記の点全てが確保されていません。。

  • プロセスは明文化されていないどころか、法律が変わっても省内への周知もされず、担当者により意見や見解が変わる事。仮に変更が明文化されていても、窓口に張り紙だけしてあり、専門家(弁護士、税理士など)でも把握していない事項が多い事。
  • 各省庁のページにプロセスが明文化されていても、情報が数年前のもので、現在の情報ではない事。(全く役に立たない)
  • 必要な書類の要件が明文化されていない場合が多く、ドラクエ(RPG)のように、村人(適任者)に聞きまわって理解しなければならない事。また、その要件がその都度、担当者の属人性で追加になる事。
  • 複数の法律やプロセスで矛盾があり、全ての法律を遵守する事は論理的には無理な場合が多い事。(典型的な例は、Aの申請書類にBがあり、Bの申請書類にAがあるなど)
  • そもそも定型化されたプロセスが曖昧なため、ネット等に記事はない事はおろか、専門家に聞いても見解が異なる事。そして、信頼できる専門家かどうかの見極めが一番大事な事。(本当に適当な事をいう専門家が多いです。専門家から聞いたことを鵜呑みにするのではなく、バックになる法律文も一緒に送ってもらうなどしないと確信が持てません。)
  • 提出書類のテンプレートなど、皆無な事。白紙の紙を渡され、自分で申請書を書きなさいと言われることも良くある事。(この点、専門家はそのテンプレートを保持していますので、そこが彼らの優位性になりますが、そもそも、きちんとテンプレートを用意していれば彼らの価値は必要ありません。)
  • プロセスや提出書類の書き方などに不明点があり、当該監督省庁の窓口に問い合わせても、きちんとした回答を得られるのは約半数な事。(丁寧にきちんと教えてくれる担当者もいますが、高圧的な態度の方もいます。また丁寧に教えてくれた人が正しいとは限りません。基本は、その担当者の名前と電話番号を押さえておき、後から追加でフォローしてもらうなどが必要です。)
  • 費用が明文化されていない場合がある事。仮に明文化されていても、様々な公式に必要ないと思われる費用が掛かる事。(ポイントは、申請時点で全体費用が確定できない事)
  • 先方の手違いで支払った費用が違う部署へ流れてしまい、手続きが数か月ストップする事。(実際に今年2件ありました。。)
  • 申請した書類を紛失されて、先に進まない事。(複数機関をまたぐ場合は、紛失元を特定するのが困難な事)
  • 公式に発表されている申請日数が全く当てにならない事。3日程度となっている申請が数か月に及ぶ場合もあります。
    • 例えば、承認者が大臣クラスで、その大臣が数か月国内にいないために全申請が滞る。
    • 停電のため、相手側で印刷が出来ずに遅れる。電気が戻ってきても、コピー機が壊れていて印刷できない。コピー機が直っても担当者が出張にいった。などで本来は翌日発行の書類が数週間に及ぶなど。
    • 省庁をまたぐ場合など、その省庁間の流れを理解してフォローをしないと、どこかで停滞したまま、書類が紛失する。

 

他にも挙げればキリがないですが、ウガンダの申請と比べて、日本の申請はなんとストレスレスなのだろうと感動しました。

逆に、ウガンダで事業をするという事は、本業以外に上記の対応に非常に多くの時間とストレスを費やしているのだなと、改めて痛感しました。