工場用地を探しています

現在自社工場建設用地を探しています。土地探しは本格生産の設備を整えるために必要なので遅かれ早かれ着手する予定だったのですが、モザンビーク政府からの運営ライセンスを申請するにあたり生産拠点申請が必要なので前倒しで取り組むことになりました。

弊社の場合は必要面積が1ヘクタール前後と比較的小規模で、工場建物としてはコンクリート土台に屋根と柱があれば、という簡素なものを予定していますが、用地を選ぶにあたり幾つかの方法を検討してきました。

① 政府の投資特区に土地を取得し、自社工場を建設する
② 土地を購入して、自社工場を建設する
③ 土地を借りて、自社工場を建設する
④ 土地と倉庫を借りて、倉庫内部を自社工場として改造する

① モザンビークには Free Trade Zone (FTZ)または Export Processing Zone (EPZ) と呼ばれる経済特区(Industrial Free Zone)が政府政策により設けられています。これら経済特区は国内製品の輸出を奨励する目的で設立されており 入居企業は輸出入に係る税制優遇を享受することができます。入居を希望する企業は経済財務省 の担当機関であるGAZEDA(Special Economic Zone Office)に事業内容をプレゼンして協議を進めることが出来ます。モザンビーク国内市場向けに生産する企業はNon-Free Zoneという、隣接する特区に入居することができます。こちらはCPI (Centro de Promoção de Investimentos)という外国投資奨励機関のもと審議を進めます。来年にはCPIとGAZEDAは統合されて産業貿易省(Ministry of Industry and Trade)の傘下になるそうです。

弊社は JETRO (日本貿易振興機構)モザンビーク支部の方にご紹介頂き、経済特区 Beluluane Industrial Park を訪問することができました。同Parkには Free-zone と Non-Free Zone の両方が設けられておりどちらのZoneでも土地購入(Duat取得)や電気開通工事など諸々の法手続きにおいて支援があります。また、メイン道路や港からのアクセスや24時間体制の監視カメラなどその他のメリットも大きいと感じました。

② 土地購入に関しては事業規模と事業内容により課せられる政府規制を満たすことが前提になります。モザンビークでは土地が余っているように見えますが、海岸沿いや都市中心部の立地は投資目的で買い取られている場合が多いようで予想より難航しています。OLXや口コミで見つけた土地を公共交通機関アクセスと送電インフラへの距離と購入価格と建設許可取得の視点から比較検討しています。しかし、モザンビークでは土地取得手続きが(特に外国人にとっては)難しく長期を要すると言われており慎重に検討しなければいけません。

③ こちらの案も検討中ですが、用地借り上げに関しては情報が少なく、その為か購入に比べると費用が高いと感じています。またマプトの地価高騰傾向と借地に自社工場を建てた場合の所有権利保証等にも不安要素があると感じます。

 
④ こちらは許可申請やインフラの整備にかかる時間を節約し、生産環境をスピーディーに整える際に適していると思います。当社は維持管理費の最小化を優先する必要があり、建物も倉庫以下に簡易なものでも十分に対応可能なことから自社工場建設を検討しています。

現在、マトラ市(マプトの隣市)の郊外に良さそうな土地を見つけて、地主との協議を重ねています。環状道路の周りに低木が茂る未開発地が広がるエリアですが、公共交通機関のアクセスが良く、近隣に小さな工場も建設されています。

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(検討中の用地。周りに何もないけど道路に近いのがポイントです。)

地主さんはその地域一帯の土地を所有する古い家系です。最初にお会いした時はカシューの果物で造る伝統ワインを試飲させてくれたりと第一印象も友達になりたいくらい素敵な方でした。これまでの人生でこんなに土地探しに心を砕いたことは初めてですが、地主さんとの交渉成功を願ってやみません。