産業用電気の開通

ブリケット試作の為の粉砕機の導入に伴い、産業用電気の申請を開始して以来3ヵ月たち昨日やっと開通しました。12月上旬には開通させる予定で機械を設定してから1ヵ月半経ち、クリスマス前の無料サンプル配布計画もできませんでした。

今回は電気工事がこんなに遅れてしまった理由を私なりに分析・反省してみました。以前のブログにはモザンビークの国営電機会社EDMのDoing Business評価が低いことなどを書き綴りましたが、一番の理由は私の判断ミスだと思います。

今回の産業用電気申請は現在の事務所の大家であるモザンビーク人の名義で行っており、電気技師でもある彼に電気関連作業と同時に申請代理もお願いしていました。その彼との接し方を間違えたことが最大の原因です。

苦労の末に申請書類が揃い、申請費用を代理人に渡したのが11月末。首を長くして待っていたにも関わらず、12月上旬から1月中旬にかけて電気会社からの連絡が全くなく業を煮やしていました。代理人に進捗を聞いても煮え切らないことを言うばかりで、最後には仲介人に約200ドルの賄賂を支払うしか即日繋げる方法はないと言い始めました。

そんな多額を支払う気になれず、申請手順を確認しにEDM支店に行きました。その結果、開通工事は書類提出並びに申請費用支払いから原則7日以内となっていると判明しました。

問い詰められた大家は申請費用を使いこんでしまったので、書類の提出すらしていなかったことが分かりました。EDM仲介人が要求してきた額を2倍にして私達に伝えることで、自身の使い込みを闇に葬り去ろうとしたようです。

大家が握り潰してした申請を引き継いで2週間で電気が開通しました。この際には友人のアドバイスがあり”自分はEDM役員の友人だ”とはったりをかましました。

それまで大家は『外国人の申請だとわかると巨額の賄賂を要求されるから、自分が前面に出てうまく運んでやる』と言い、いかにEDMがひどい機関かを長々と説いていました。それを真に受けて私はEDMに足を運んだこともありませんでした。

アフリカで活躍する事業家金城拓真さんの『「世界」で働く。 アフリカで起業し、50社を経営する僕が大切にしていること』という本を読んだときに”現地人同士でしか開かない扉もあれば、外国人にしか開かない扉もある”という内容の事が書いてありました。

モザンビークに来てからこの言葉の意味を考える機会が度々あります。弊社だと原料買付などは私の存在は完全に隠しています。一方で政府や現地企業の重役と会う機会などがあると、日本人であることが利点になっていると感じます。EDM申請ではこの扉の使い分けを間違ったと思います。

いくら外国人が前面にでると良くないと言われても、私が彼と一緒に前面に出てEDMと繋がり状況をコントロールするべきだったのです。EDMはあくまで国の正式な機関ですし、電気工事の遅れについて責任をとるのは私達自身だからです。

これからは外国人である自分が前面に出るべき場面とそうでない場面を的確に判断して、出るべき場面では相手とキチンと関係構築できる力を身に着けていきたいと思います。