雨と炭の関係

マプト市内で木炭の価格が急上昇しています。昨年の10月の当社聞取り調査では80KGの大袋が800~950メティカルで小売されていました。2017年3月現在の聞き取り調査では同じ大袋が2100~2400メティカルで小売されています。(1ドル=69.7メティカル現在 XE.com)

食堂のオーナー達のコメントからも困っている状況が伝わってきます。『今の木炭は値段が高いだけじゃなくて、品質が低くて価格に全然見合っていない。燃焼時間が短いんだ。火がついても10分くらいで燃え尽きてしまう時もあるよ。木炭に適した木じゃなくて(モザンビーク南部ではモパネという木炭に非常に適した木が一般に使われています)カシューとかマンゴーの木を使うからじゃないかな。こんな状態だから木炭の代わりになるオプションがあれば積極的に試してみたいんだ。』

このように木炭の価格が急上昇している主な理由が雨です。モザンビーク南部では11月~4月が暑い雨季で、5月~8月が涼しい乾季ですが、今年は例年に比べて雨量が多いそうです。現在マプト市で販売されている木炭の大部分はイニャンバネ州やガザ州の奥地から運ばれてきます。例えば木炭の産地としてマプト市民の間でも有名なChicualacuala(ガザ州)は約650キロの距離があります。

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また、木炭を生産者は主に地域の農家で、自動車を持たない彼らは買付けの車が来なければ出荷ができないのです。木炭生産者が住んでいる地域へ続く道路の多くは未舗装で、雨が続くと通行不可能な状態になってしまいます。木炭卸売り業者は4トントラックで生産地まで買付けに行き、積めるだけの木炭袋(80~100袋)をマプト市に運び小売業者に販売します。この大きなトラックが進入できる道が少なくなってしまったのが、木炭が不足している主な理由なようです。

img_0458(木炭卸売りのトラック)
これは弊社にとっては大変な追い風です。現在、マプト市の幾つかの市場でプロモーション販売をしていますが歳末バーゲンのように売れてしまいます。できるだけ多くのお客さんに弊社商品を知ってもらう為に個数制限しながら売っています。

私達はこの機会をお客さんにブリケットを使い慣れてもらう時間として活用したいと思っています。ブリケットは同じ調理ストーブを使えたり、着火方法も同じだったり、最も木炭に類似した代替エネルギーだといえます。

しかし違いもいくつかあります。例えば、モザンビークの人達は木炭で料理する際に調理ストーブを振ったり、火箸でかき混ぜたりして火力を強めます。燃焼開始後のブリケットは木炭に比べて柔らかいので、手荒に動かすと割れて火持ちが悪くなってしまいます。食堂では幾つもの調理ストーブを使うので木炭を別のストーブへ移し替えるのが一般的です。
ずっと木炭を使ってきた人達にとってはもどかしいはずですが、大体のお客さんは何度か使ううちに慣れて『もっと沢山持ってきて』と言ってくれます。木炭不足の間に、『木炭とは微妙に違うけど安いから使ってたら、結構良くなってきた。これからもずっと使おうかな。』とお客さんに思ってもらうえるようプロモーションしています。雨が降ると弊社のブリケット製造も難しくなるのですが、それはまた次回お伝えしたいと思います。

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(木炭小売りの女性と。)