VERDE AFRICAインターン日記 ④ 炭売りから鯵売りへ

VERDE AFRICAの主な仕事には原料調達、生産、販売という3分野があります。社屋を移転して生産力がついてきた現在、最も注力しているのが販売エリアの拡大です。多くのモザンビーク人にとって炭屑ブリケットは全く新しい商品で、新規営業の際には丁寧な情報収集と説明が必要です。その為、インターンの久保さんには現在の主要ターゲットであるローカル市場(いちば)以外の新たな顧客層開拓のための情報収集をお願いしています。今回のブログはそんな情報収集の中での事件についてです。それでは久保さんのブログをお楽しみください。

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こんにちは、Verde Africa インターンの久保劍将です。最近のマプトでは1週間に1回は雨が降り、ようやく雨季が近づいてきたことを実感します。先日の暴風雨によって生産場所の屋根が吹き飛び、販売用に保管していたブリケットが濡れてしまい、その内のいくつかは販売できなくなってしまいました。天候に左右されてしまう弊社のブリケット。今回の反省から早速簀の子(すのこ)を購入し、下からの水への対策を行いました。

 

(簀の子のうえで保管されている在庫製品)

 

とは言っても、雨季は悪いことばかりではありません。雨が降ることで競合である木炭の価格が上昇するようで、弊社にとって雨季はたくさんの商品を売ることのできるチャンスとも言えます。上手く雨対策をしながら売上を伸ばしていきたいです。

 

さてみなさんがご存知の通り、弊社ブリケットの主力販売先はマプト市内の市場で、特にBARACCA(バラッカ)と呼ばれる庶民向けの食堂(または屋台)の経営者が主力顧客です。現在では、それに加えて一度にたくさんのブリケットを購入してくれる顧客を探しています。具体的には、病院や学校、孤児院、教会等を検討しており、先日自分がその調査へマプト市内の入院設備のある病院へ行ってきました。病院では、入院患者への食事を作る際に使用している調理エネルギーを弊社のブリケットへ変更してもらえないかと考えていました。ヒアリングを行った結果、モザンビークの公立病院ではそもそも木炭を使うことが禁止されており、国の方針でガスを使用していることがわかりました。弊社のブリケットは、木炭とは異なりますが、木炭の代替品であるため、実際にガスから変更してもらうことは厳しいようです。

 

このヒアリングの中で、ちょっとした事件が起きたのでご紹介します。今回マプト市内の3つの病院を対象に実施し、1つ目と2つ目の病院を訪れた際に、両方の病院で「マプトまたはモザンビークの公立病院では木炭を使っていないよと言われました。しかしながら必ずしもそれが正しいかはわからないと思い、一応3つ目の病院にも行き、carvaõ(ポルトガル語で炭)を使用しているかと質問しところ、そこではYesとの返答がありました。その病院は、他の業者との契約更新をしたばかりで弊社で購入してもらうことはできなかったのですが、使用量や購入代金等の情報収集を行いました。一応、最後にモザンビークの病院で木炭を使っているところは一切ないと、他の病院では言われたことを伝えたところ、病院側で対応してくれていたモザンビーク人からはその通りだと言われました。そこで今までの勘違いが判明しました。どうやら自分が話していたcarvaõ(ポルトガル語で木炭)という単語は、彼らにはcarapau(ポルトガル語で鯵)と聞き取られていたらしく、鯵売りだと思われ、そして全く必要のない病院での鯵の使用状況についての情報を仕入れていたようです。1ヶ月の使用量が木炭にしては少なかったり、豚肉や牛肉を購入しているお店と契約している等を聞いた時点で、少し不思議に感じてはいましたが、全く気付きませんでした。結局、最初の2つの病院で言われたことは正しかったわけです。

 

ポルトガル語での会話に対して改めて難しさを感じるとともに、モザンビーク人をもう少し信用せねばと感じました。こうしてモザンビークの公立病院では木炭ではなく、ガスを使用していることを知ることができました。今後の病院以外のヒアリングでは、口頭だけではなく弊社の説明資料を渡す等をして、まず相手に自分が炭売りであることを認識してもらい、こういった勘違いを防ぎたいと考えています。そして、大口で購入してくれる顧客の開拓をしていければと思います。

 

(久保さんと生産スタッフのみんな)