アフリカ起業と安全

こんにちは。マプトでは少しずつ雨が多くなってきており、季節の変わり目を感じています。

7月中旬にモザンビークに帰って来てから、いろいろなことがありすぎてブログの更新ができていませんでしたが、生活が落ち着いてきたので少しずつご報告させてください。

まず、ここ最近の出来事で思うことは「安全について」です。

私と夫はザンビアでの青年海外協力隊時代から数えると6年間ほど南部アフリカの国に住んでいることになりますが、これまで一度も空き巣や強盗や引ったくりに会ったことがありませんでした。

最初にアフリカに降り立った時はものすごく怖い場所を想像していましたが、ザンビアやモザンビーク南部(注:北部は個人的に行ったことがないので)にはゆったりとした空気が流れ、道行く人々は親切で人懐こく、安心して暮らすことができる国でした。他のアフリカの国を旅行したときも、公共交通機関を愛用し、庶民の市場でご飯を食べてきました。下町のエネルギーを感じるのが好きなんだと思います。

でも8月に工場に隣接する我が家が盗難に会いました。犯人は敷地内の複数の民家の中でも特に我が家をターゲットにして情報収集や準備を経てから実行に移したようです。そのかなり計画的なやり方を見て、安全について考えさせられました。

安全を守るために大切なことの一つに「情報」があります。私達は外国人がほとんど住まない郊外の人口密度が少ないエリアに工場を構えました。人が多い場所は家賃が高く、工場の操業許可が下りないうえに近所からの苦情も出やすいのです。そんなエリアに工場を構え、隣接した家で暮らし、炭を売ること1年。私達の存在は地域でかなり有名になっていたようです。それは地域密着型で炭を売りたいという意図でもあったのですが、良いことばかりではありませんでした。

途上国では外国人というだけで(現実はともかく、そして肌の色に関わらず)「お金持ちに違いない」と思われる場合が多いです。それに加えて、会社を経営しているというだけでもっとお金があると思われているのです。これまで私達はともすると協力隊員時代よりも質素な暮らしをしていたかもしれません。でも、周りからは”会社を経営している外国人”として超お金持ちのイメージで見られていたのです。

もう一つ大切なことは住居と仕事場を分けることです。工場と住居が同じ敷地内にあると、家賃を安く抑えられ、夜や休日でも問題が発生すればすぐ駆けつけることができ、忘れ物も少ないという数々の利点があります。一方で、会社と住居が同じ場所にあるということは、泥棒にとって”そこに確実に現金がある”ということを意味します。会社に隣接しているなら、住居を知られないようにすることも難しく、プライベートな情報が流出しやすくなります。

 

(そんな訳で1年住んだモザンビーク2軒目の家とお別れしました。)

 

アフリカは危険な場所だと言われますが、大部分は真面目で穏やかな日本人と同じような良い人達が暮らしています。ザンビアやモザンビークでは、海外旅行の基本的な留意点を気を付けていれば安全に過ごせるのでもっと沢山の日本人の方達にアフリカを見てほしいと思います。一方で今回は、起業とするとなると安全への投資も必須ということを身をもって学んだのでこれからの方達の参考になればと思い書かせてもらいました。