温泉をビジネスにする為の探究2

ケニアの山奥で温泉宿の乾です。 

建物の資材として使った丸太の切れ端を斧でパカッと2つに割って、そこに日本から持ってきた彫刻刀で文字を彫るという方法で標識を作っています。

100均の彫刻刀、大活躍!

手作り感満載で、しかも自分の丸っこい字の特徴が彫っても塗っても、それはよく出ていて、お恥ずかしい限りなのですが、、、ここは山の中だしケニア人スタッフはワンダフル!だと言ってくれるし、標識はわれわれの物しかほぼないことだし、道しるべとして機能すればいいか!と設置をはじめています。

日曜日の今日は現場仕事はお休みですが、うちで働くワーカーの長でありご近所さんでもあるサミュエル君がサウナに入りにきていました。

彼は自分がここで工事を開始した時から一緒にやっているオリジナルメンバーの一人ですが知り合った当初は彼らがこうして定期的にサウナに入りに来るようになるなんて考えられなかったです。1度試してからは病みつきになったようで、、、こうして週に1度は入りにきているみたいです。

猫も入りに来る天然スチーム・サウナは温度40-47度、湿度99%と比較的低温ですが、マグマの熱によって間接的に大地を伝って暖められた雨水の水蒸気はじんわりと体を暖めてくれ(日本の岩盤浴みたいだ、とよく言われます)、30分も入っていると体の芯からポカポカと心地よい風呂上り感に包まれます。

これまで50人以上の方々がこのサウナ1号に入っていて、今のところ100%の「最高!」フィードバック率。これから急いてサウナ2号に着替えなんかもできるような部屋を足して完成させ、オープンしてからはゲストが2つのサウナに何時でも入れるようにする予定。白人さんたちは(特にヨーロッパからの人たちは)ケニアでもバスタブがある家で定期的にお風呂に入っている人たちも多いようですが、サミュエル君のような村人はもちろんのこと都市部に暮らすような人たちでもケニア人は皆シャワーもしくはカライと呼ばれる暖かいお湯をバケツに入れて行水する方法なので体を暖める習慣がありません

赤道付近でありながらも1500メートル以上の高地であるリフトバレーでは朝晩は10度を切る寒さになる環境なのです。そんな彼等にはサウナに入って体を暖めることは健康的にもいいはずですし(現にサミュエル君は定期的にサウナに入るようになって体調がよくなったと言います)日本で昔から言われてきた温泉による「保養」というものをここではレジャーとして楽しんでもらうことを考えています。

保養という言葉を出したので、ここは設置を予定している酵素風呂についても紹介させてください!まだまだ準備段階であり実際に着手するのは近くオープンしてからも少し先の来年以降になりそうですが「米ぬか酵素風呂」を作る予定です。。

何度か入りに行った都内の米ぬか酵素風呂。この技術ってなかなか教えていただけないものなのですが、アフリカのケニアで展開を考えているというお話をしたら、特別(!)いくつか教えてもらいました!

ご存じでしょうか?酵素風呂。米ぬかやヒノキなどのおがくずを発酵させて60度近くまで温度を上げて砂風呂のように体全体をおがくずの中に沈めて体を暖めるものです。偶然日本で試す機会があり、そのメカニズムと効果、そして今でも忘れられない生まれて初めての体験(酷暑期の8月初旬の東京の厳しい夏が酵素風呂に入ったその日は全く苦に感じられなくなった)に驚愕して、ぜひともここケニアでも実施したいと思うようになったのです。また熱に弱い癌細胞への効果も世界中で注目されているという事実にも興味を惹かれました。

そして実際に行った都内の酵素風呂屋で見たことや教えてもらったこと、そしてインターネット上にある情報などを参考にナイロビの自宅で試しに作ってみました。

石と木材、ベニヤ板で簡単な浴槽を作っただけですが地面に直接な底や発酵方法など師匠からも合格をいただきました

米の栽培や米食が比較的普及しているケニアでは米ぬかはニワトリ🐓のエサを作って販売している場所で簡単に見つかります!タンザニア産の有機米の米ぬか、60キロ購入。そしてベニヤ板と材木で作った簡易浴槽に半分ほど入れて実験開始!

最初のトライアルでは温度が40度からなかなか上がりませんでしたが、より頻繁にお湯をかけながら全体をかき混ぜる作業をきっちり行ったところどんどん上昇して数日後には50度を突破。この経験を参考に次はキャンプにて!本番です。

45度を越したあたりから米ぬかはSAKE!日本酒という感じの強い匂いを発してしました。

この2つが Wonder G-Spa (Gは Geothermal=地熱 の略) と呼んでいるスパの基盤となります。そしてまだきちんとお見せしていなかったですね。。。標高2400メートルの場所から2つの湖を見下ろすリフトバレーの景観が自慢と言いますか、ボキャブラリーが欠しく、、、いつも同じ表現で恐縮なのですが、最高!なのです。

ラウンジからの眺め。正面にスリーピング・ウォリアー岩、エレメンタイタ湖、この写真では見えませんが左上には遠くナクル湖も見えます。サウナ上がりにこの景色を見ながら飲む冷えたビールは格別。
上の絶景はこの写真で見えるラウンジから矢印の方向に見た眺めです

念願の温泉付きの絶景の土地を購入し営業許可も取れて、なんて書いてきたので、全てが順調に行っているように聞こえるかもしれませんが、、、いえいえ、ここはアフリカ、そして悪名高きケニア。もちろんそんなことありません。。。ふだんは何があっても愚痴らないことをモットーにしていますが、情報共有という観点からも苦労が多かった分、貴重な情報とも言えるかもしれません。。。次回は闇と影の部分も少しシェアしましょうか。