完全オフグリッドの宿オープンしました

ケニアの山奥からこんにちは。 

今回はこの宿のコンセプトと言いますか、オフグリッドとは何?というところから、先日ひっそりとオープンしたのでその様子などもお話していこうと思います。

まずは完成間近のホームページをご紹介。

EARTH Camp with Wonder G-Spa, Kenya
http://naivasha-camping.co.ke/

サイトから予約も入るのでウェブ上の準備はほぼ整ったという中、ハード面ではコテージNo.1(4名まで)とキャンプ場のみ宿泊可能という状態なので、あまり一度にたくさんいらしてもらっても実は困ってしまう、、、ことからインターネットでの宣伝はまだにしています。

そうであれば急いで工事を進めて、、、と通常はなるわけですが、あいにく先週あたりから毎日雨が降る天気に突入。最近は建物も出来てきて屋内の作業も増えてきたものの、雨が降るとワーカーたちは自分が「ほら、屋内作業に移ってこれをやろう!」とけしかけない限り見ていないと雨宿りで中断。もう2年やってますが「雨が降ったら作業が止まる」というこの癖、なかなか直りません。。。。もちろん自分がうるさく見て回るので大分よくはなってはいるのですが。

最近ではネットで小まめに天気予報を見ながら翌日に降ることが確実な時は思い切って休みにしています。代わりに日曜働いてもいい人たちなんかは晴れの日曜日には働いてもらったりしてバランスをとるようにしました。

丸太と天然の紐(サイザル)で椅子を製作中

山奥にあるキャンプ場ですから、お客さんが定期的に来るようになる「流れ」が出来るまでには時間がかかります。だからこそ粗削り状態でもまずはオープン。泊まれる人数や提供できるサービスは限られていながらも料金低めで接客を始め、工事も今まで通り進めていくというアプローチ。今はプレ・オープンといったところでしょうか。

近隣の町や高速道路から山道を通ってここに来るまでの標識関係もまだ完全に設置できていないので、インターネットで上記のHP、もしくはフェイスブックのページを見たのでなければ、この山奥にキャンプ場があると分かる人はほとんどいないはずです。それでも31日のオープン前日に1組いらしたり、それなりにやって来ます。週末には予約を入れてくれたカップルが1組あって楽しみにしていますが、それ以外は本日4日目になりますがまだ誰も来ていません。。。はい、ひっそりとオープンしました。

クリスマスまでに残ったいくつかの工事を終わらせて快適に食事が出来るスペースとサウナあがりにキンキンに冷えたビールが飲めるような体制づくりにする予定で準備を進めていますが、コテージにはまだ照明がなかったので向こう数か月用の照明として独立したソーラー電気システムのキットを購入して取り付けたりしました。

コテージ1のベッドの脇に一つ、1階に2つ

4000円程度で3つの電燈、バッテリー機能と携帯電話の充電機能がついていて家に灯りがつくのでオフグリッド環境ではかなり使えます。ここは山の中なので配電線が数十キロのところまで来ているポイントはあるものの電気、水道、そういったインフラものは一切来ていません。なので夜はあたり真っ暗。星がきれいです。

オフグリッドという言葉、日本でもよく聞かれるようになった印象があります。グリッドとは送電線のことで、それに繋がっていない、要は電力会社などから送られてくる送電線と繋がっていない状態・生活のことを言います。

このブログの文章を打ち込んでいるのは、この円形の建物の中からです。アースバッグという土嚢を積み上げていく建築方法で作りました。これに関してはまた別の記事でご紹介する予定です。

正面が居住中建物、すぐ右となりがサウナ1号、そして左後ろに入口の門と門番ハウス

150ワットのソーラーパネルのシステムを2つ入れており、居住建物のすぐ右隣にあるサウナ1号の照明から家電の充電、パソコン、音響など必要な電気はだいたいこれで賄えています。晴れていればバッテリーに蓄電した電気で夜間使いっぱなしも可能。

日本の知り合いがカスタムメイドしてくれたソーラー用直流電力で動く音響システム

電気はソーラーで賄い、水は雨水をろ過、煮沸、プラス近隣にある水蒸気を噴き出す噴気孔に蒸留水を集めるシステムを作って飲料水に。そしてトイレは水を使うことなくドライのまま堆肥にしてしまうコンポスト・トイレというラインアップ。オフグリッド環境の中で不自由なく生活する為の現代的システム。

加えて多少電波は弱くてもこうしてインターネットが使えて、さらには火山の噴気孔による水蒸気を直接利用した天然スチーム・サウナで毎日温泉気分を味わえるとなると、最高に快適な空間ができあがるというわけなのです。

これ比較的安価で、世界のどこでも太陽光があれば(もしくは風力、水力で発電できるシステムがあれば)出来るのです。日本でもこの方法であれば100万円以下のコストで電気も水もある小さな別荘を辺境の地に持てますよ!面白そうではないですか?

次回はオフグリッドな暮らしを通じてアフリカの山奥に滞在することの魅力をお伝えしようと思います。