No.26 TOPISH Bakery ~平等~

ガーナのパン屋の石本です。
2週間ほどAccra、TamaleとKumasiのパン屋を抜け出して放浪しております。
2週間抜けられるのもスタッフ達が通常オペレーションをそれなりにこなしてくれているおかげなのですが、どうしても細かい数字の管理や、やるべきことの優先順位が守られておらず、イライラしてしまう事もあります。

 

今回は、先日あった「平等」に関する揉め事について書きたいと思います。またまた長文です。
現在、TOPISH Bakeryには3名のDistributorがおり、配送車両を提供して、毎朝パンを配達・販売してもらっています。
前の投稿でも書いた通り、初年度には100万円近い売掛金を踏み倒されて倒産の危機に瀕した事もあり、それ以降試行錯誤を重ね、現在のDistributorモデルにたどり着きました。

 

TOPISH BakeryとしてはストリートベンダーやKIOSKなどの売掛金管理は煩雑な上、直接管理するにはリスクが高い事から、現在はDistributorがTOPISH Bakeryからパンを買取り、自分たちのリスクで信頼できるお客さんへパンを販売しています。

 

今回、出戻りでDistributorに帰ってきてくれたElvisに対して、遠方のお客さんを獲得するためにガソリン代が高くつく事や十分なお客さん・販売量を確保するまでの時間を考慮し、3ヶ月間だけElvisに対する売値を他のDistributorより安く設定する事にしました。

 

1. 他のDistributor達の売上・コストに直接的に影響するものはない。
2. TOPISH Bakeryとして仕切値を値下げする為、TOPISH Bakeryとしては一時期利益を削ることになる。
3. 値下げ期間は来年2月末までの3ヶ月間とする。
4. 結果的に販売量が増えれば、TOPISH Bakeryとしても十分な利益増が見込める。

 

普段は基本的には個人プレーで販売に行っているDistributor達ですが、それなりに比較的仲良くやっており、「まあ、理解してくれるだろ」位の安易な気持ちでElvisへの仕切り値を下げることに決定してしまいました。

 

後日、他の2名のDistributorから、「石本は長年頑張ってきた自分たちには何もしてくれないのに、新しく入ってきたElvisにだけ値下げをして何を考えているんだ!」と怒りのメッセージと電話が来ました。
翌日、Distributor達とミーティングの場をセッティングし事情を説明するも、「それが石本の判断なら俺たちは何も言えない。別に問題はない。好きな様にすればいい」と子供の様に拗ねる中年のDistributor。
その日は結局2時間話し合い、結果的にはElvisの方が「皆の理解を得るのは難しいから、皆と同じ仕切り値で良い」と折れる事になりました。

 

他のDistributor達自身には特に不利益もなく、同僚が大変な時期に3ヶ月間だけの特例措置をなぜ寛容な心で応援できないのか理解できず、イライラが募って行きました。

 

その数日後、相変わらず売上が上がらず苦しんでいるElvisから、車のメンテナンス料(250円/日)をもう少し待って待ってほしい、と言う要請があり、了承しようとした際にも、他のDIstributor達から「なんで自分たちは払っているのに、あいつだけ払わないんだ、フェアじゃないなら俺たちも払わない」と反発の声が上がり、再度ミーティングをする事になりました。

 

この時にはElvisの売上や手取りを計算して見せて、如何にElvisの売上が厳しいか他のDIstributor達に示した上で、3月からは皆と同じ様に250円のメンテナンス料を徴収することで了承してもらいました。
それでもグチグチ言うDistributor達に、モヤモヤした気持ちが消えず、不満な表情をしている私に、生産マネージャーが一言。

 

「石本、これが俺たちのメンタリティなんだよ。お前には理解できないかもしれないけど、自分が損する事も、誰かが自分よりも得する事も許せないんだよ。だから、見た目にフェアにしないと納得しないんだ。例え、それがベストな選択じゃないとしてもな。」

 

日々色々な問題が起こり、それなりに経験して来たつもりでしたが、まだまだだな〜と反省させられる事ばかりです。