TOPISH Bakery No.66 ~役者~

ガーナのパン屋の石本です。

最近、辛いことが多いのですが、うちのスタッフを見ていると、昨日あった悪い事をコロッと忘れる天才なのではないかと思う事があります。悪いことは引きづらない、今楽しい事に集中する。それこそ人生を楽しく生きる秘訣なのでは、と思いつつ、彼らを現実に引き戻すのが仕事とばかりに、今日も吼えます。

さて、捕捉した配送スタッフに対し、ここまで私たちが収集した情報を伝え、説明する様に促しました。すると、突然マネージャー達に対して暴言を吐き、あるスタッフが自分を貶めようとしていると、マネージャー達に喧嘩をふっかけ始めました。一度部屋に帰る様に促し、10分後に再び呼び戻し、今度は石本自ら一つ一つ真偽を確認する事にしました。

「他のパン屋で働いているのか。」 → 「働いていない、TOPISH Bakeryだ。信じてくれ」

「〇〇というパン屋でお前がパン作りをして、販売しているという話があり、今日確認して来た。」 → (一瞬顔がこわばり)「あそこには、同郷のやつが働いているからたまに会いに行くだけだ。一回だけ販売の手伝いをした事があるが、TOPISH Bakeryの配送車両は使ってない」

「〇〇というパン屋でうちの配送車両が目撃されている、お前が包装資材を持ち出したのを見たスタッフがいる、販売していない日にうちの包装のパンが販売されている、どいういう事だ」 → 「ボス、本当に俺は他のパン屋で働いたりしてないし、包装資材も持ち出してないし、配送車両も使ってない。皆んなに誤解を与える様な行動をしていたのなら謝るし、もう二度とこんな事をしないので許して欲しい」

と、涙ながらに声を震わせて、膝をつき、許しを請うのでした。

この姿にマネージャー達も、「石本、もう一回彼にチャンスを与えてくれないだろうか」と意見が揺らぎ始めました。彼を信じたいという思いと、まだ見えて来てない部分があるという不信感、過去にもこのパターンはやられているので注意すべし、という考えが交錯しました。

マネージャー達も配送スタッフの涙に絆され、「彼は両親もなくなり、頼る家族も近くにいない。今彼が仕事を失ったら彼の生活は困窮を極めるだろう、、、」と完全に同情モード。(この辺り、ガーナ人の優しさであり、私自身も決して嫌いな所ではない。)

翌日、更なる裏取が必要と考え、また未だ連絡がつかず売上金を持ってこないもう一人の配送スタッフの所在を探す為、再度Kofiと捜査に出る事にしました。