セネガル新空港、2017年12月7日オープン予定

現在のセネガル(ダカール)の空港は「レオポール・セダール・サンゴール国際空港」

ダカール市街地までのアクセスも良く、私の運営するゲストハウスからも車で10分程度と近くて便利だったのですが、12月7日より、いよいよダカール市街地から離れた新空港「ブレーズ・ジャーニュ空港」の利用が始まってしまいそうです。

(住んでいる身としてはあまり嬉しくないのが本音です(笑))
(日本で例えると羽田から成田に移るようなイメージです)

 

今後、空港からダカール中心地までは15本のシャトルバスが運行される予定です。また、古いタクシーは空港内に入れなくするとの事。セネガルのタクシーはほとんどがボロボロなのですが…(笑)本当にできるのでしょうか?

また、なんと新空港の広さは、日本最大の空港・羽田空港の「約3倍」。

新空港の詳細についてはコチラにまとめてありますので、ご興味のある方はお気軽にご覧ください。

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(参考)
L’aéroport international Blaise Diagne a coûté 407 milliards de F CFA.(Dakaractu)
http://www.dakaractu.com/L-aeroport-international-Blaise-Diagne-a-coute-407-milliards-de-F-CFA_a140730.html

Diass – L’ouverture officielle de l’aéroport international Blaise Diagne (Aibd) est prévue en décembre 2017(laviesenegalaise.com)
https://www.laviesenegalaise.com/diass-louverture-officielle-de-laeroport-international-blaise-diagne-aibd-prevue-decembre-2017

西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)とフランセーファの今後

前回の投稿でフランセーファについて簡単に紹介しました。

今回は、フランセーファの歴史、西アフリカ経済通貨連合(UEMOA)と西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)、そしてフランセーファの今後について簡単に記してみます。

 

フランセーファとは(歴史など)

フランセーファ(Franc CFA)は、1945年のブレトン・ウッズ協定を機に創設されました。
通貨の名前ですが、「フラン」はいまは無き「フランス・フラン(Franc francais)」から、「CFA」は「Communaute financiere africaine(アフリカ金融共同体)」というフランス語の頭文字を取ったものです。

西アフリカ経済通貨連合(UEMOA)と西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)

西アフリカ経済通貨連合(UEMOA)は、名前こそ経済通貨連合となっていますが、まだEUのような経済通貨連合にはなれておらず、経済政策は国ごとにまちまち。いわゆる通貨連合にとどまっています。加盟国は前回の記事で記したフランセーファが利用可能な以下の8か国です。

(ギニアビサウ、コートジボワール、セネガル、トーゴ、ニジェール、ブルキナファソ、ベナン、マリ共和国)

 

西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS Economic Community of West African Statesの頭文字 仏語ではCEDEAO)は、以下の西アフリカ15か国からなる機関です。

(ガーナ、カーボヴェルデ、ガンビア、ギニア、ギニアビサウ、コートジボワール、シエラレオネ、セネガル、トーゴ、ナイジェリア、ニジェール、ブルキナファソ、ベナン、マリ、リベリア)

経済共同体とありますが、現在はその理想の実現には至っておらず、実際の主たる活動は経済統合の基盤構築に向けての活動、具体的には政治的安定のための紛争解決などを行っています。先日のガンビア新大統領就任の際の動きは記憶に新しいところです。

フランセーファの今後

現在、上述のECOWASでは「ECO」という域内通貨構想を掲げています。
2020年までの実現予定で動いていましたが、先日ニジェールで開催されたECOWASの会議についての以下の記事を見るに、難しいようです。

 
West African bloc’s 2020 single currency goal fails(Vanguard)

 

まずはUEMOA域外からECOを導入し、その後UEMOAと統合という事になっていますが、仮にUEMOA域外での導入が実現できたとしても。UEMOAとの統合は難しいのではないか、と思います。UEMOAは通貨価値下落の心配が無いこのユーロ固定通貨からの脱却を望むとは思えないからです。

という事で、フランセーファは少なくとも今後10年は無くならないでしょう。

 

 

以上、何かの参考になりましたら幸いです。

 

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セネガルの通貨「フランセーファ」

西アフリカでは、ユーロのように複数の国で使える「フランセーファ(Franc CFA)」と呼ばれる通貨が利用されています。私の住んでいるセネガルでもフランセーファが使われています。
そこで今回は、フランセーファの概要を簡単に紹介します。

両替レート

2017年11月現在、
1円=4.94 F です。
物価を考える際などは、ざっくり「1円=5F」と考えるとスムーズです。

利用可能な国

以下の8か国です。
ベナン、ブルキナファソ、コートジボワール、ギニアビサウ、マリ共和国、ニジェール、セネガル、トーゴ

両替可能な場所

セネガルに関しましては、現空港(レオポール・セダール・サンゴール国際空港)には両替所があり、そこで両替が可能です。

一般的に「空港の両替レートは悪い」というイメージがありますが、セネガルの空港はレートは悪くありません。
また、ユーロからの両替レートは変動が無いため、基本的に両替所でもレートが固定されています(会社により若干の際はあるかも知れませんが)。
ドルの場合は日々変動があるため、レートはマチマチです。

 

以上、セネガル渡航の参考になりましたら幸いです。

 

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セネガルの物価

セネガル共和国の物価をざっくり紹介します。

 

【飲み物】

・水500ml 250FCFA(約50円)

・コーラ330ml(ビン入り) 200FCFA (約40円)

・ビール 400FCFA~(約80円~)

 

【外食】

・露店や食堂 500CFA~(約100円~)

・室内のレストラン 1,000FCFA~(約200円~)

・富裕層向けレストラン、外国料理 1品5,000FCFA~(約1,000円~)

 

【レジャー】

・ダンスクラブ 入場料5,000FCFA(約1,000円)

・音楽ライブ 5,000FCFA~(約1,000円)

 

 

【交通機関】

・バス 50~250CFA (約10~50円)

・タクシー 初乗り500FCFA~(約100円~)

 

【電化製品】

・エアコン 150,000FCFA~(約3万円~)

・扇風機 8,000FCFA~(約1,600円~)

・携帯電話(ガラケー) 5,000CFA~(約1,000円~)

・携帯電話(スマホ) 15,000FCFA~(約4,000円~)

 

【生活用品】

・ティッシュ 1箱500FCFA~(約100円~)

・トイレットペーパー 12ロールで3000CFA~(約600円)

・シャンプー 1,000FCFA~(約200円~)

・石けん 200FCFA~(約40円~)

 

いかがでしょうか?

全体的に飲食物は日本より安めですが、お酒の飲めるレストランとなると日本よりも高いのでは、と感じる事もあります。

また、基本的にセネガルでは製造できないもの(輸入品)の値段は日本よりも高いです。

少しでも参考になりましたら幸いです。

なお、コチラで上記よりも広範な商品の物価情報を掲載していますので、ご興味がある方はご覧ください。

 

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インフォーマルな男達4–セネガルの運送業編

インフォーマルセクターで働くアフリカの男達を紹介するこの連載。

今回は「セネガルの運送業編」。どんな男達が働いているのでしょうか。

 

(バックナンバーはコチラ)

・インフォーマルな男達3–セネガルの工業編
・インフォーマルな男達2–セネガルの不動産編
・インフォーマルな男達–セネガルのバナバナ編

 

1.馬車

ナンバープレートも付いている立派な「車両」です

日本人からしたら驚きの事実だと思いますが、なんとセネガルでは、2017年現在も、馬車が現役バリバリで活躍しています。

馬車を率いる男達は、どんな仕事をしているのでしょうか?

 

まず、一番多いのは「荷物の運搬」です。

工事現場、買い物したものの運搬、ゴミの収集、そして引っ越しと、乗用車では積めない量の荷物や、土砂など運搬が難しいものを運ぶ場合、また車では走行が難しい砂利道やぬかるんだ場所を通る場合などは、馬車が大活躍します。

次に、移動手段としての人の運搬です。地方では、馬車やロバ車がまだまだ交通手段としても現役で活躍しています。

 

2.プスプス

職業柄歩くのがとても早いプスプスの男達

プスプスとはフランス語で「pousse-pousse」。押すという意味のpousserから派生した単語で、フランス語で「人力車」を意味します。

人力車と言っても、日本の浅草にあるようなものではありません。

「手押し車」「荷車」「タイヤが大きめの台車」といった方が分かりやすいかと思います。

 

こちらは物の運搬に使われています。特に人力である事から、市街地や市場などの人込みや狭い場所を通りつつまた近くの別の場所にものを運ぶ必要がある際に活躍します。

 

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インフォーマルな男達3–セネガルの工業編

インフォーマルセクターで働くアフリカの男達を紹介するこの連載。

今回は「セネガルの工業編」。さまざまな分野で働く職人達と彼らを取り巻く状況をごく簡単に紹介します。

 

セネガルには、軽工業の職人たちが沢山います。

靴、サンダル、服、鞄など、様々なものが彼らの手で作られています。

職人が作ったサンダルをバナバナが売る

ゆったりのんびり働く人が多いセネガルにおいて、彼らの勤労さは目を見張ります。

彼らはせっせと手を動かし働き続ける、セネガルでは本当に珍しい働き者です。

繁忙期には徹夜で作業をする事も(例:宗教行事前の仕立て屋さん)。

仕事が終わらなくても終業時間になったらすぐ帰宅するセネガルの人達の中において、彼らの働きぶりは特に目立ちます。

 

しかしながら、近年中国などから大量に安価な製品が入って来る事により、彼らにとって厳しい状況が続いています。

実際彼らの話を聞いてみると、

「中国のものが来て、多くの人達が廃業した」

「セネガルで使われていたものを真似てすぐもっと安いコピー製品を作るんだ」

と、不満タラタラのようです。

 

一方重工業に関しては、少し事情が異なります。

たとえば鉄加工職人に関しては、まだまだ国内で需要があります。

なぜなら、鉄は原料としてセネガルに入って来るものもまだまだ多いからです。

家や建物ごとに、それぞれ寸法を合わせ、好みに合わせて加工する必要があるため、これらの仕事はまだしばらくは無くならないでしょう。

 

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インフォーマルな男達2–セネガルの不動産編

弊社は現地で不動産仲介店舗「SenegALouer」を運営していますが、実は不動産業界にもインフォーマルに活動する「クルティエ」と呼ばれる人達がいます。

クルティエの仕事は、不動産仲介を行う事。
不動産仲介業を営む弊社のような企業にとっては非常に厄介な存在です。

弊社の不動産仲介店舗のロゴです

以前紹介しましたが、弊社は現地で不動産仲介店舗「SenegALouer」を運営しています。実は不動産業界にもインフォーマルに活動する「クルティエ」と呼ばれる人達がいます。

クルティエの仕事は、不動産仲介を行う事。
不動産仲介業を営む弊社のような企業にとっては非常に厄介な存在です。

たとえば、建設中の物件を見つけ、オーナーに管理契約の提案をしよう、また管理契約をせずとも顧客提案のための内見をさせてもらおうとします。
しかしながら、そこにはすでに物件を仕切っているクルティエがいる場合があります。
そうすると、その後の手続きも彼を通して進めていかなくてはならず、そして最後には契約時の仲介手数料の3割近くを支払う事になります。
最近困るのが、クルティエを名乗る物件の警備員が増え始めた事です。彼らはオーナーから物件の監視を任されている存在。オーナーの連絡先は彼らに聞かねば分からない事が多く、彼らは電話番号をなかなか教えないのです。

一方で、実は彼らとは協力関係にもあります。
たとえばクルティエが自分の顧客が探している物件が無いか相談に来る事や、弊社から彼らに物件情報を確認したりします。
日本の状況と比較してみましょう。

日本では、不動産会社各社が使える「レインズ」という共通の物件データベースがあります(例外を除き、レインズへの物件登録が義務付けられています)。
そのため、実はどの不動産仲介店舗に行っても、同じ物件情報にアクセスできるのです(未登録、紹介拒否などがあるため全てとは言えませんが)。
つまり極端な事を申しますと、北海道の不動産屋さんでも、東京の物件情報を紹介する事ができるという事です。
一方セネガルには、日本の「レインズ(不動産会社共通の物件データベース)」のようなものは存在していません。
そのため、日本のレインズ導入以前同様、物件の情報は賃貸・売却依頼を受けた不動産会社からその先へは流れず、たまたまその不動産会社に立ち寄って紹介をしてもらわない限り、その物件を目にする事ができません。つまりセネガルでは、物件情報が非常に属人的なのです。
そこで、クルティエとの連携が必要となってくるのです。

こう記してみると、協力して働けば決して悪い事はなさそうに見えるかもしれません。
ですが、私の意見としては、クルティエの取り締まりを一刻も早く強化してほしいと願っています。
それはなぜか。

なんと言っても、クルティエがいる事で一番困るのが「人材の確保」です。
上述の通り情報が属人的であるため、業務内容を教えれば誰でもできるといった仕事ではなく、未経験者の登用がなかなか難しい状況です。
他方、自分でクルティエを名乗ってしまえば家賃の3割が丸々手元に入って来るため、会社に属する事にメリットを感じる人が少なく、経験者の採用も難しいのです(彼らは所得税なども支払いません)。
クルティエの存在が取り締まられずにいる結果、このような状況が起きています。

また、クルティエ絡みのトラブルはとても多く、クルティエの存在は大きな問題としてニュースにも時折取り上げられています。
クルティエの存在により収入が減るのはもちろんですが、それ以上に関係者の増加により業務の不透明性が高まる事が大きな問題だと考えています。
不動産業界全体への不信感が強くなる事も懸念しています。

外国企業の誘致を積極的に推し進めていこうと考えているセネガル政府。
クルティエの現状を鑑みて、私は資格制度や罰則規定の創設など、国が主導して早々に対策を講じる必要があるのでは考えています。

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インフォーマルな男達–セネガルのバナバナ編

セネガルのインフォーマルセクターの代表格とも言えるのが「バナバナ」と呼ばれる路上販売者達です。

バナバナの人達は、あらゆるところで物を売ります。道路脇、歩道、歩道橋、etc…。

駐車中の車を商品の陳列棚代わりに使い、閉店後シャッターが降りた店舗前で自分の”店舗”を開きます。

バナバナ

 

売り物は非常にバラエティに富んでいます。

水、ピーナッツやカシューナッツなどの木の実、お菓子、モバイルバッテリー、サングラスなどの小物から、布、洋服、タオル、箒、モップ、カーパーツ、中には大きな姿見用の鏡や額まで。

持ち運べるものなら、ありとあらゆるものを売っていると言っても過言ではありません。

 

セネガルでは「ここに行けばすべてが揃う」といった場所がまだ無く、街でお目当ての商品を探すのも一苦労。そんな時、路上でバナバナが売っている事もあり、彼らの新商品の取り扱いの早さには驚かされます。

 

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セネガルインフォーマルセクター事情3「給与は最低賃金以上!?」

セネガルの最低賃金は、時給209.1F(農業関連企業は182.95F)です。
では、インフォーマルセクターではどうでしょうか?
実は、首都ダカールでは、最低賃金を下回っている事は少ないです。

実際にはどの位の賃金なのかというと…
・ガードマン(日中) およそ5万F(約1万円)~+食費
 仮に8時間働いていると仮定すると、
 時給換算で「312F(約60円)」+食費
・メイドさん(1日2-3時間程度) 3万F(約6千円)~ほど
 時給換算で「500-750F(約100-150円)」

 

と、特殊技能や熟練の必要が無い職種でも、これ位の相場となっています。
また、セネガルではあまりに安く雇いすぎると、トラブルの元になります(物を盗む、仕事に来ない、etc…)

(ちなみに、私のゲストハウス「シェ山田」の掃除をお願いしているメイドさんには、最低賃金の約5倍の賃金を渡しています。)

ゲストハウスのメイドさん

セネガルでは、ご飯はみんなで食べるもの。
昼食時に街を歩いていると、「食べて行けよ」「一緒に食べようぜ」と沢山の人が声をかけてくれます。そのため、この国ではお金が無くても飢え死にする事がありません。
だからでしょうか。セネガルの人達はあまりお金にガツガツしていません。
仕事に必死さがありません。

それに加えて、セネガル人はプライドが高いです。
口では働きたいと言っておきながら、実際は「こんな仕事は私のする事ではない」「悪い条件なら無職の方がマシだ」と思っている事があります(そのため、仕事によっては、ギニア人ばかりが働いている場合があります)。

日本ではまだまだ一般的な「アフリカは貧しい」というイメージからすると、驚いてしまうような現実がセネガルにはあります。

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セネガルインフォーマルセクター事情2:「インフォーマル」が損する社会の構築を

前回の投稿でセネガルのインフォーマルセクターの経済的インパクトについて記しました。

このインフォーマルセクター、国の発展を考えますと「フォーマルセクター化」が欠かせません。

なぜなら、インフォーマルセクターは「税金を納めないから」です(厳密には少しだけ営業税のようなものを払っていますが非常に少額です)。

他人の車の上に勝手に商品を陳列して売る人

 

セネガルの法人税は30%、消費税は18%と高い税率になっています。

セネガルのインフォーマルセクターの経済規模は、GDPの41%にものぼりますが、これが税金の対象外という事です。

これは国の歳入を考えると大きな問題です。

 

また、正直者が馬鹿を見る社会になってしまっています。

なぜなら、仮に同じものを同じ価格で仕入れたら、インフォーマルセクターには絶対勝てないからです。

インフォーマルセクターには小規模事業者が多く、基本的に輸出入などは行っていません(原則輸出入には登録証が必要です)ので、そこでバッティングする事はあまり無いですが(登記をしていても、売上高を正しく申告しない、税関に賄賂を払い関税を安くしてもらうなどの不正を行う事業者は少なくありませんが)、セネガル国内で商品を仕入れて販売する場合、きちんと登記して税金を払っている企業からすると、税金を払わないインフォーマルセクターは本当にやっかいな競争相手でしょう。

 

セネガル政府はインフォーマルセクターのフォーマルセクター化を進めるべく、融資プログラムや法人設立手続き簡素化などの施策を行っています。

ですが、それよりもまずしなければならない事は、インフォーマルセクターから「法人成り」をするメリットをしっかりと周知する事(無いなら創る事)、そしてなにより、法人化しない場合のデメリットとして摘発や取り締まりを強化する事だと考えています。

 

前述の通り大規模な経済活動ですから、一度に禁止すると大混乱が起きる事は容易に想像できます。また、人口ベースではインフォーマルセクターで働く人の方が圧倒的に多い事から、政治家としては選挙を考えるとなかなか着手できない事も理解できます。

しかしながら、少なくとも首都のダカールだけでも、もう少しスピーディに取り締まりを進める事はできないのか、と現地でビジネスを行う身としては感じてしまいます。

 

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