「ちょいストレッチ」をめざそう

こんにちは!タンザニアのパン屋さん、松浦です。

今日は、最近社員にバイクの登録を任せた時のお話です。

前置きとして、弊社の社員は初等教育を中断しております。今回バイクの登録をお願いした社員Aくんは、読み書きが苦手で(特に書きの方)、お仕事中にも時々突拍子もないことをやらかして私を楽しませてくれます。

今回は、彼の成長のためにも、「バイクの登録」に関するすべてのことを任せてみました。

ちなみに、これまでにも何度かお使いを頼んだことがあり、スーパーマーケットへの買出しは問題なくいけています。(ヨーグルトや生クリームの買出し等)

しかし、バイク登録となると、会社名義での登録、持ち歩き用カードの発行、保険の申込み等、手続きが数段階に分かれるため、ちょいと複雑です。

これらの手続きについて、役所で聞き取りを行い、順番に私に説明することができるのか?手数料、サービス料、手続きする役所の場所等、すべての情報を私に正確に伝達できるのか?!

というところを観察していました。

さて・・・ボスの期待を背負って旅だった彼の運命やいかに・・・?????!

結論から申し上げますと、FAILED!でした。(笑)

私が望んだ通りにはなかなかいきません。。

社員A「Bimaの後はRatraで、そのあとこんぷれくしょんとインシュランスの支払いだ!」

私「Bima(保険)はわかった。コンプレクションとRatraは一体何のサービス?どこでいくら支払うの?あと、インシュランスはBimaのことでOK?」

社員A「もっかい電話する」

これの繰り返しです。(笑)

なんなら、その前に、

「もうダメだ。なんどやってもゆかは僕に質問してくるじゃないか!今スピーカーにして一緒に電話で聞こう。直接ゆかが彼に質問した方が早いよ

うん、そうだな。ゆかが直接話した方が早い。当たり前だろ、そんなことはわかってるんだ、バカヤロー。(笑)

バイクの登録はね、私が、君にお仕事としてお願いしたの。私が自分でやってもいんだけど、私も他に片付けたいお仕事があるから、手伝って欲しいんだよね、わかるよね?(圧)と説得します。

社員A「OK。わかった!そういうことなら任せろ!」(最初からそう言ってたw)

と、また電話しますが、やはり同じところで失敗します。

おそらくは、質問が複数個あるため、それを一つずつ順番に処理することができず、何がわからないのかすらわからなくなっているのでした。。。

彼は書くことが苦手なため、こういう時、紙に書いて整理することを好みません。

お相手のオフィサーに言われたことを、そのまま口で繰り返しますが、「こんぷれくしょん」(私も何かわかっていない笑)という音を聞き取るのに精一杯で、「こんぷれくしょん」が一体何なのか、何のために必要なのか、どこで手続きをして、いくら払えばいいのか、という疑問が起こる隙がないのです。

こうして、私も今文字に起こしながら思い至ったことですが、ほうれん草とは難しい作業です。

「バイクの登録に関するすべてを任せる」と指示され、それにまつわるすべてのこと(手続き方法、値段、期限etc.)を想定し、メモに取り、質問されるであろう内容も想定した上で報告しなければならないのです。

よほど高度なことをさせているなぁ〜と改めて思っています。(笑)

以前のブログにも書きましたが、彼にはおそらく極軽度の発達特性があるのではないかと思っています。

私は決して無理な依頼をしているつもりはありませんし、いまの彼ならできる!と思ってお願いしています。

しかし、こういう困難に直面するたびに、「無理にやらせて過剰なストレスをかけていないか?」「苦手なことは諦めて、できるところを伸ばした方がよいのか?」と、悩みます。

この質問に対する答えは、きっとないのだろうと思います。なぜなら能力値もストレス感度も十人十色だからです。

だから、私はこういうとき、今回のチャレンジはナイスチャレンジだった!と、自分を励ますつもりで、「ちょいストレッチ」と唱えます。

これは、日本で働いていた頃、前職でお世話になった会社の社長がよく社員に言っていた言葉です。

自分が心地よいと感じるコンフォートゾーンにとどまらず、いつも「ちょっとストレッチするくらい」をめざそう、ということです。そのとききっと成長がある、と。

だから、彼も、私に振られた無理難題を押し付けられ、「んにゃろう恨めしボスめ・・・やってやろうじゃないの!」と奮起してくれていたらいいのですが。

というこれは、完全に私目線の話で、きっと彼は何とも思ってないとおもいますが。(笑)

バイク登録の完了にはまだまだ時間がかかりそうですが、気長に彼に任せ経緯を見守りたいと思います。

今回も読んでいただきありがとうございました〜!

印刷会社との死闘その1

ご無沙汰しております!タンザニアのパン屋さん、松浦です。

今日は、ここ数ヶ月悩みのタネとなっている、現地の印刷会社との死闘について書きたいと思います!(相変わらずネタに尽きない・・・笑)

食パンをローカルマーケットへ

昨年から弊社もCOVID-19パンデミックの大打撃を受けておりますが、このままなにもせずに手を拱いていてもダメだ!ということで、先を見据えてローカルマーケットにも食パンを売り出すことにしました。

タンザニア人は朝食でよく食パンを食べますが、ローカルで入手できるパンはどれもパサパサ・・・その代わりずっしりとしていて重いのが特徴です。

それに比べてうちの食パンは、柔らかいのがウリのしっとり食パンなので、うまく差別化できればイケるのでは・・・という観測的希望の元、賭けに出ることにしたのです。

とはいえ、手に取ってもらえなければ始まらないので、デザインにはこだわってみよう!と決めました。

↑タンザニアでよく見るローカルスーパーマーケットの食パンパッケージ

「にこにこしたおじさんがパンを持っている」イラストが多く、基本原色のみが使われたパッケージデザインが特徴です。

そんなことある!?タンザニアの印刷業界事情

食パンをローカル市場向けに売り出すことを決めたはいいものの、まずはパッケージを作らなければ売ろうにも売れません。

しかし、印刷会社を調べているうちに、早速いくつかの課題に直面することになります。

①最低ロット数が大きすぎる!

弊社はまだまだ駆け出しのパン屋・・・。市場ニーズと合致しない場合は商品を変えたりパッケージを変えたりの試行錯誤をしながら進めたかったため、最低ロット数はできるだけ小さくはじめたいという思いがありました。

しかし、どこもかしこも最低ロット数は400〜500kg!ヤマザキ製パンかよ!ってくらいのロット数です。500kgのビニル袋と言われてもちょっとイメージが掴みにくいかもしれませんが、ざっと3万枚くらいの食パン袋です。

売れなかったときに在庫として抱えることを想像すると震える量です。笑

②印刷クオリティがどこも低い!

上の写真を見てもらったらわかる通り、日本のビニル包装の印刷クオリティと比べると大分クオリティが落ちます。目視でわかるくらいの印刷のズレがありますし、カラーも基本の原色7色からしか選べません。

どの印刷会社もデザインをまるっと請け負ってくれますが、そのまま任せておくと、上の写真の通り「にこにこしたおじさんがパンを持っている」イラストが原色のみで描かれた差別化されていないフツーの袋が完成してしまいます。

なんとかそれは避けたいと思い、日本で作ることを検討しました。しかし、日本でも数社見積もりをとってみると、最低ロット数、お値段共にあまりタンザニアと変わらない。。。(もちろんクオリティは担保されますが!笑)

う〜〜〜ん、どうしようかと迷っていたところで、3つ目の課題が。

③ビニル袋にも制限あり!

昨年からアフリカ全土で環境配慮の動きが高まってきていますが、その流れを受けて、タンザニアのローカルマーケットでもよく使われていた黒のビニル袋やその他ナイロン袋の使用が禁止されました。それ以降、企業が使うパッケージの袋も制限され、TBSで認可された印刷会社の袋しか使えなくなったとのこと・・・。

つまり、日本で印刷してもらったとしても、そこにTBS(タンザニア標準局=日本でいうところの保健所)のマークがなければ、見つかったときにペナルティをくらうということです・・・。う〜ん、できる限りリスクは最小限に抑えたい。

さらに、輸送費と納期を考慮すると、リスクはあるものの今回はタンザニアの印刷会社でチャレンジしてみた方が良いのでは、と判断しました。

インドの印刷会社に翻弄された3ヶ月間

さて、タンザニアで印刷会社をいくつか回り、IPLというインドの印刷会社と契約を結ぶことにしました。

決め手は、①最小ロット数が一番小さい200kgだったこと、そして、②我々のオリジナルデザインでも可能だと確認が取れたことでした。

しかし、結論から言うとこの会社に翻弄されまくり莫大な時間を失うことになりました。笑

まず、担当営業マンが合計で3回も変わりました。離職や本国への帰国で担当者が変わるのは仕方のないことですが、引き継ぎだけはきちんとして欲しかった・・・。変わるたびにゼロスタートで、説明に疲労困憊しました。しかも、新しい担当者は毎度デザインの話が一ミリも通じない方だったので、さらに骨が折れまました。笑

最終的に、この会社とは仕事できない!というかしたくない!!!もう!我慢の限界!!!!!となってしまったのですが、

やりとりを始めて約3ヶ月後、デポジットで50%を入金し、あとは出来上がりを待つのみ!という状態のときに、突然こう言われました。「デザインをちょっと変えることになるけど大丈夫だよ。」と。

ちょっとがどれくらいなのか見てみましょう。

↑元のデザイン(日本のデザイナーの友達にお願いして作ってもらったとてもお気に入りのデザインです涙)

↑「ちょっと変わった」デザイン

いや、色!!!!!!!大爆笑

もう、フォントとかも丸々勝手に変えられてるけど、そんなことが目につかないくらい、まず、色、どうした!!!!!???ってなりました。笑

慌てて電話するも、先方から返ってきた言葉は「大したことないよ。ただ、色がちょっと変わるだけで」とのこと。

色についてはめちゃくちゃこだわっていたので、一番はじめの商談のときに先方のデザイナーさんも交えて何度も確認したはず。。。

そして、これだったらいいんじゃない?と、勝手に作ってくれたこのデザインはイケてなさすぎ&やっつけ仕事なのがバレバレで私はついにため息をついてしまいました。笑

おまけに最低ロット数が少ないからこの会社を選んでいたのに、「最低ロット数は、インボイスに書いてある数字の倍が必要。前の担当者はなにもわかっていなかった」

と、あっさりと言われました。

更に私を苛立たせたのは、彼らがどれだけアポの時間に遅れようと(毎度2時間以上連絡なしに待たされました笑)これらが自分の同僚のミスだろうと絶ッッッッッッ対に謝らないということ!笑

こんなことがあったので、この会社とはもう仕事したくない。。。と完全にやる気を喪失してしまいました。。。おのれ、インド系の会社強すぎるぜ。。。くっ

この件は、1ヶ月以上毎日しつこく電話し続けて、先週ようやっと前払金を返金していただきました♡

一旦今回はここまで・・・続きはまた別の日に書きたいと思います!^^

イードと賄賂とWi-fiと

こんにちは!タンザニアのパン屋さん、松浦です。

タンザニアでは、少し前に、イードというムスリムの方々にとっては一年で一番大きな祭日がありました。

日中は飲まず食わずの生活を送る「ラマダン」とよばれる期間が1ヶ月ほど続き、それが終わる日がイードデイとされています。タンザニアの猛暑の中、食わずはまだわかりますが、水も取らない生活を送り続けるなんてどうかしてるぜ!と心身深くない私なんかは思ってしまいます。笑

が、なんでもことの始まりは、「貧しい生活を送る人と同じ生活を送ることで、苦しみを分かち合いましょう」という共感の気持ちがベースにあるという話を聞いて、素晴らしい取り組みだな、と思うようになりました。

かといって、私が断食できるかというと、また話は別なのですが・・・(笑)

今日は、そんなイードにまつわる色々をご紹介します。「風が吹けば桶屋が儲かる」的なアレですが、直接イードとは関係なくても、我々市民が影響を受けることがあるのです・・・(笑)

イード前は賄賂が横行する?

イードといえば、ムスリムの方々にとってはそれはそれは大きなお祭りな訳ですから、もちろんその日のご馳走たるやものすごいわけです。

スーパーマーケットに行けば、イードを祝うための「イードバリューパック」なるものが並んでいたりします。

ムスリムがほぼ100%を占めるザンジバルでは、物価が高騰したりするので、各種メディアでは、「今日のトマトの市場価格は〜」などと逐一その物価高騰具合を伺えることも楽しみの一つだったりします。

そんなわけで、祝祭の準備をしなければならない家のホストたちは、この日のために金をかき集めなくてはならないわけです。

普通ならば、一生懸命仕事をする、とか副業を始めるだとか、妻が手堅い仕事に力を入れる・・・などとなるのでしょうが、タンザニアの都市ダルエスサラームでは、その選択肢の一つとして、「賄賂の要求」が上がります。

例えば交通警官であれば、道端で車を停めれば一発です。「速度オーバー」「信号無視」など、あることないことをいうだけで、簡単に賄賂GET☆です。笑

私が後部座席に隠れていて現地の人が運転していても関係ありません!取られます!笑

大体、5000Tshくらい渡せば解放してもらえます。(日本円で300円くらい。食堂で2500Tshでご飯が食べられることを考えると約二食分ですね。)

このとき、絶対にイライラしているのを顔に出したり、正論をぶつけたりしてはいけません。

粋なボンゴ市民(=ダルエスサラーム市民)は、ニコニコしながら世間話に興じているふりをして、話の合間に「頼むよ〜、俺たちブラザーだろ?」と肩を組んでうま〜〜〜く相手を説得にかからねばなりません。

※ガチで違反している場合は、下手に肩を組んだりしたら怒られる可能性がありますので、状況をみてください。笑

このようにして、イード前になると交通警官は俄然張り切り出します。そのほかのオフィスでも同様です。実際、これと同じことがクリスマス、イースター前にも起こります。タンザニアの悪しき風物詩とでもいいましょうか・・・笑

そんなわけで、イード前の1ヶ月間で私は5回も警官に停められましたッ(オコ)

インターネットが使えない

イードの前日に起こったことです。突然オフィスのインターネットが使えなくなりました。

自分ではどうにも対処できなかったため、インターネット会社に問い合わせてみてもらおうとするも、時は既に夕方。「今からだとワーキングタイムをすぎるので、週明けね。」と。

それだと少なくとも3日は使えなくなります。非常に困ります。

そこで、取り付けの時に来てくれた技師のお兄さんに直接お願いしてみることにしました。すると、

「イードだから困るなー。休みなんだよなー。」

とやはり、渋っている様子。

そこをなんとか!とお願いして来てもらうことになったのですが、交換条件は、彼に交通費とは別にお金を支払うこと。

もともとインターネットが使えなくなる状況については、我々に非はないはず!なのですが、まあそんなことは関係ないですよね。タンザニアですもの。笑

結局20000Tshくらい支払いました。イードの日にわざわざでて来てやったんだぜ?というのが彼の言い分です。彼、クリスチャンだったんですけどね。笑

なにはともあれ、インターネットは使えるようになったので良かったです。

こうして、風が吹くと桶屋は儲かり、賄賂は横行し、クリスチャンもポケットマネーでうまい飯が食えるわけです。タンザニアの巷の経済のからくりでした。ちゃんちゃん。笑

アフリカのモバイル事情 〜タンザニア・ウガンダ・ザンビア〜

アフリカでは、爆発的なモバイル浸透による情報革命が起こっています。
総務省が2015年7月28日に発表した最新版の【情報通信白書】(【発表リリース:平成27年「情報通信に関する現状報告」(平成27年版情報通信白書)の公表】)を参照すると、アフリカの携帯電話事情が把握できるいくつかのデータがあります。

上記によれば、2014年末時点で携帯電話加入者数は9億人近く。
人口が約12億人なので、単純計算で、実にアフリカ全体の7割以上の人がモバイルを保有している、または利用していることになります。
(1人当たり数台保有しているケースは考慮していませんが)

2014年時点でこの数字なので、2017年の現在は確実に増加しているはずです。

東アフリカの経済大国であるケニアでは、2015年6月末時点での携帯電話加入者数は約3,611万、普及率は約84%という統計データもあります。
総務省データ参照

今回は、そんなモバイル大陸アフリカの実情の一端をご紹介します。

まず、何と言っても、キャリアは中国系が主流です。
中国系の代表的なモバイルキャリアとしては、「TECHNO Mobile」、「itel mobile」(Techno Mobile傘下)、「Huawei」があります。

これらのキャリアの特徴なんと言っても、価格競争力の高さ
アフリカ市場におけるtoC向けでのKSFは、まだまだ何と言っても価格です。
もちろん、耐久性と価格の両面で判断されるコスパは重要です。
が、購買力の無い低所得者層(ほとんどこの層)に限っては、「価格が安いものを買う」という購買傾向があると言えます。

あくまで1サンプルの参考価格ですが、中国系の代表的なモバイルキャリア各社のスマホが、タンザニアのダルエスサラームで販売されていた価格としては、

TECHNO mobile:スマホが9,000~18,000JPY
itel mobile:スマホが20,000JPYくらい
Huawei:スマホが13,000~31,000JPY(Y5Ⅱ:13,000JPY、Y6Pro:17,000JPY、GR5:26,000JPY、P9 lite:31,000JPY)

※2017年8月時

といった価格レンジでした。

同様にウガンダでも、モバイルの価格はタンザニアとあまり差異無しでした。

※実際に販売されていた参考価格
HUAWEI P9 Liteが31,000JPY位(ダルとほぼ同じ)
Techno Mobile L8 Liteで10,000JPY位

これに対し、韓国勢のキャリアである「SUMSUNG」「LG」も、高級路線として存在感があります。

現地で売られているモバイル端末メーカーは、下記の通り。
Sumsung:スマホが16,000~55,000JPY
LG:スマホが15,000~45,000JPY

香港のTCLコミュニケーションが展開するブランド「alcatel」も、アフリカで存在感のあるキャリアです。
こちらのalcatel、ダルエスサラームではかなりの低価格帯で売られていました。
スマホが3,500~8,000円、ガラケーに至っては1400円

上記に加え、インド系のAirtelもいます。
こちらはザンビアのルサカのザンビア本社。

残念ながら、日本のキャリアのスマホ(SonyのXperia、シャープのAQUOS、VAIOなど)はほとんど見当たらず。
中古スマホショップでたまに見かけるくらいでした。
欧州系のキャリア(ドイツのT-Mobileなど)も、同様。

日本のキャリアの新星、プラスワン・マーケティングの展開する「FREETEL」(佐々木希さんのCMでおなじみ)がアフリカ(南アフリカ、エジプト)や中東に進出されているので、今後のご活躍が期待されます。
※参考:https://asia.nikkei.com/Business/Companies/Big-global-expansion-in-works-for-Freetel-budget-smartphones

ちなみにiPhoneは、その高価格帯から仕入れが限定的で流通量が極めて少ないため、一部の専門店(Apple公式ショップなど)でかなりの高価格で売られています。
街中でiPhonを取り出して使用していると、スリの標的にされやすい様なので、ご注意を。
(私も念のため、初めての渡航前にiPhoneからHuaweiに変えました)

以上、アフリカのモバイルに関する実情の一端をご紹介しました。
産業構造や問題点、日本の進出機会などについては、また別途書かせて頂こうと思っております。

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アフリカのスーパー事情 〜タンザニア・ウガンダ・ザンビア〜

海外に行った際、現地のスーパーを大中いくつか回れば、その国・その場所の生活水準や需要の特徴・トレンドがぼんやりと見えてきます。
今回は、アフリカ数カ国を渡航した際に発見したことや経験したことをご紹介します。

アフリカのスーパーは、初めて行く方は必ず驚かれる位、普通に綺麗です。
少なくとも、私の滞在経験のあるタンザニア・ウガンダ・ザンビアにおいては先進国のスーパーと比較して遜色ないレベルで綺麗です。

スーパーと一言で言っても、食品小売りの業態にはいくつか種類があります。
一つ目は、非常に大きく家電や衣料品、小型農機具など幅広く取扱う「ハイパーマーケット」
仏Carrefourや米Costcoなどが有名ですが、アフリカでは南アフリカの「Shoplite」ケニアの「Tuskys」などがメジャーです。
次に、食料品に加え衣料品なども少量で扱う中堅スーパー。「Budget Mart」などが知られるところ。
最後に、アフリカに無数にある個人商店「キオスク」

なお、上記の3つの販売チャネル以外にも、アフリカにはネットワークビジネス的に行商や手売りで販売をする人達が非常にたくさんおり、渋滞を利用して手売りする「渋滞ビジネス」みたいなスタイルが成り立っています。
レストランの席に座っている時に来た、手売りの一こま。

今回ご紹介するのは、主にハイパーマーケットです。

こちらの写真の様に、店内は整理整頓され、
タンザニア・ウガンダ・ザンビアの順にご紹介していきます。

タンザニア

ハイパーマーケットの「CITY MALL」の外観。

店内はこんな感じで、先進国のスーパー同様に商品が綺麗に陳列され、商品ラインナップも充実しています。

穀物類は量り売り。

タンザニアの名産、コーヒーや紅茶。

簡単なカー用品も売られています。

同施設内に入っているメイクアップショップ。

コスメアイテムが販売されており、それらを使用して店内でメイクアップしてもらえるサービスを提供しています。
平日の午前中にも関わらず、店内には女性客2人が。
アフリカの女性の美容への関心の高さが伺えます。

ウガンダ

カンパラのルゴゴ地区にある「Lugogo Mall」。

南アフリカの大型小売チェーンである「SHOPLITE」が入っています。

店内の食料品。果物が豊富。

ティラピアやイワシ、タコなども売られています。

生活雑貨や文房具の品揃えも非常に良いです。

加工食料品。南アフリカ産かケニア産がメインです(ここについては、課題として後述します)。

タンザニアのスーパーと同じく簡単なカー用品なども売られています。

日本からは電動工具のリョービの製品が売られています。

ザンビア

南アフリカの大型小売チェーンである「Pick n Pay」。

Jeepの新車ディーラーが入居する計画となっている様でした。

新車需要も徐々に出て来ている様です。
こちら、施設内に展示されていた新車FIATのピックアップトラック。

アップル純正品のみを取り扱うお店。

こちらはソニー純正品のみを取り扱うお店。

最近破産申請したことで話題のToysRus、BabiesRus。


実際、お客さんは私達を除いて1人くらいでした。
ベビーカーが3万円くらいで売っていたので、あれを購入出来る層はごく一部でしょう。
現地に居住している人に聴けば、外国人(長期出張者である中国人、欧州・中東系、一部日本人)やごく一部の現地の方(大企業や政府関係者など)のみ購入出来る、とのこと。

オーストラリアの巨大小売り「WOOLWORTHS」。

アフリカの伝統的な模様が施された衣装を販売するブティック。

視力低下が進むアフリカ人に需要が出始めている、メガネ屋さん。

施設内の巨大チェス版。アフリカらしい遊び心。

・・・と、こんな感じで綺麗で品揃えも申し分ないです。
そして、こういったハイパーマーケットは都市部にどんどん建っています
(ケニアやヨーロッパ、中国などの銀行の資本が入っています。)

ただし、問題点もあります。
まず1つは、自国産の商品は非常に限定的であり、南アフリカ産またはケニア産、または中国・中東・インド・欧州系の商品がほとんどである、という点です。

例えば、ザンビアは南アフリカのマーケットとなっています。
また、タンザニアやウガンダにおいても、ケニアや南アフリカのマーケットになっているのが現状です。

自国産の商品、特に食品の加工品を自国内で地産地消していくために必要なもの。
それは、先日ご紹介した産業用機械です。
http://entre-africa.jp/yo_murofushi/4356.html

日本から中古でまだまだ現役の産業用機械を向こうにナレッジごと輸出し、産業化に役立ててもらう。
この仕組みが構築出来れば、ケニアや南アといった大国以外のアフリカ各国が産業確率して自立していくのに大きく寄与すると思うのです。
加えて、日本の高齢技術者知見の活用・生きがい創出および資源の有効活用にも繋がります。

もう一つ問題点として、ショッピングモールを建てたはいいものの、家賃が高すぎてテナントが埋まらない、または埋まってもすぐに出て行ってしまうこと。
実際、ウガンダの「Forest Mall」は空きテナントばかりで、建物自体が廃墟みたくなってしまっています。

投資熱が高まっているのは前向きに捉えたいところですが、無理のない投資回収計画を作成し、入居企業がある程度見えたところで投資実施する姿勢も今後は必要。

・・・少し話しが逸れてしまいました。
アフリカのスーパーで売られる、日本の製品はどうでしょう?
タンザニア・ダルエスサラームで、キッコーマンさんの醤油が販売されていました。

1本、18,000Tsh(タンザニアシリング)=約900円。日本だと、300円以下で購入出来ます。
販売数の問題からこの価格となるのでしょうが、日本食を提供する業務用であればもっとロットがはけるので単価が抑えられるはず。

照り焼きが人気なこともあり、それに使う用のめんつゆとかは売れる気がしますが、実際はどうなのでしょう。
このあたり、テストマーケティングで是非取り扱いたいところ。

以上、簡単ですが、アフリカのスーパー事情の一端をご紹介しました。
And Africaでは、テストマーケティング事業を通じて、必要なものが適正な価格で提供される市場の形成に、貢献していきます。

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アフリカの食事 〜タンザニア編〜

海外現地のことを理解するには、まずは食から。
何を食べているかで、現地の方々の暮らしや農業事情、加工食品などの産業の発展具合など、いろいろなものが見えてきます。

3回目の今回は、東アフリカでケニアに継ぐ経済大国、タンザニアから。
ドイツ領だったタンガニーカ(第一次世界大戦後にイギリス領)とイギリス領だったザンジバル島が1964年に統合して出来た国です。

かつてドイツ領だった歴史もあり、ビール製造が盛んです。
タンザニアでは主に、「キリマンジャロ」「セレンゲティ」(国立公園があるタンザニア北部の地名)、「サファリ」という3種類のビールが楽しめます。
銘柄のシールを並べてみました。

私は軽くて少し甘く飲みやすいサファリが好み。

タンザニアでは、どんな料理が食べられているのでしょうか?

まずは主食。
ウガリかライス、あるいはフライドポテト

おかず。
フライした魚かチキンが一般的。

こちらはライスとフライしたチキンの定食。

この定食で大体3,000〜6,000シリング(約150円〜300円)。

ウガリとはとうもろこしを粉にしたものにお湯を加えて練った、白くて柔らかいもの(場所によってはキャッサバの粉で作る)。

レストランで定食を頼むと、主食の周りに3種類の副菜がついてきます。

1.Mboga(ンボガ、ホウレンソウの炒め物)
2.Maharage(マハラギ、赤い豆を煮たもの)
3.Mchuzi(ムチュジ、トマトベースのカレーのようなスープ)。

主食をメインのおかずと食べるのに加え、周りの3つの副菜と右手で混ぜて食べます。
なお、ウガリはたまに食べる分にはイケますが、正直お米の方が美味しいです。
現地の友達に聴くと、ダルエスサラームでも最近はウガリよりも米を好む人が多く、米の消費量はどんどん高まっている様です。

こちらはライス+チキンのムチュジ+マハラギ+ンボガ+フレッシュジュースの定食。

隣に座った兄ちゃんと仲良くなってセルフィー。

外を出歩けばこういうことが1日1回はあります。
アフリカでしか味わえないわちゃわちゃ感、癖になります。
ちなみに、この兄ちゃんとはWhat’s upで繋がったところ、日本からiPhoneを買って来てくれ、というオーダーがたくさん来ています。
これもよくあること。

こちらはウガリ+牛肉のホイル焼き+ンボガの定食。

「ピリピリ」という赤い唐辛子をつぶしてペースト状にしたものと合わせて食べます。

こちらは、ライス+フライしたティラピア+ムチュジの定食。

ウガンダで食べたティラピア(こちらを参照)と違い、かなり小ぶりなティラピアです。

こちらの手前にある料理は、Ndizi(ンディジ、または「プラテーン」とも呼ばれる様です)と言われる料理用の甘くないバナナ(青いうちに使用している)と牛肉を炒めたもの。

このンディジはまるでジャガイモの様な味、食感です。
塩気のある料理に使用されていても、全く違和感がありません。
このプラテーンを使った、トマトベースの肉煮込みシチューがあります。

もぐもぐ。

こちら、現地で会社を複数社経営し、子供が10人いるという現地の知人のお宅にお邪魔させて頂いた際にご馳走してもらった料理。

テーブルに料理を並べてくれます。

ダルエスサラームは港街なため魚市場が近くにあり、新鮮な魚介類が手に入るため、とっても美味しいです。

なおこの方、写真から分かる様に、ムスリムの方です。
礼拝にも、近くまで連れて行ってくれました。
この方のお宅には5回くらい遊びにいったのでとても仲良くさせてもらっていて、ラインで連絡を取り合ってます。
子供が10人いるだけでなく、時間の使い方や家族とは何か?などいろいろと教えてくれる、人生の大先輩。
なので、尊敬の意を込めて「ファザー」と呼んでます。
写真には無いのですが、お庭にマンゴーやアボカドはどしどし生ってます。

ところ変わってダルエスサラームのスーパーでは、こんな感じでナッツ類が量り売りされています。

タンザニアではカシューナッツやアーモンドなどのナッツ類が豊富に収穫されます。
また、パイナップルやマンゴーなどの南国系フルーツの収穫量も多く、スーパーでドライフルーツなどがたくさん売ってます。

これは(ちょっと地味ですが)、スーパーで買ったSambusa(サンブーサ)というミンチと玉ねぎが入ったサモサ。

味付けが塩味のみなので、肉の旨みが味わえる一品で、地味に好きです。
揚げたてだと皮もパリパリ。

ちなみに、現地食で胃が疲れても、ホテルの食事はこんな感じで普通なので安心です。

(@Tanzanite Executive Suites

最後に、タンザニアといえばキリマンジャロコーヒーが有名ですよね。
道を歩けば、コーヒーポットを持った兄ちゃんが甘いお菓子とコーヒーをセットで売っています。
こんな感じで小さなカップに注いでもらって、道中で小休憩します。

ちなみに、タンザニアはコーヒーだけでなく紅茶も多く収穫されます。
こちらはスパイス入りの紅茶をカラフルなアフリカの布で包んだ一品。

お土産にオススメ。

以上、つらつらと書いてしまいましたが、タンザニアの食関連レポートでした。

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