チーズづくりについて

どうも、竹重です。

日本国内での活動が少し長期化して、エチオピアの空気を早く吸いたいなと思う今日この頃ですが、日本での活動の合間を塗ってチーズの試作を初めています。

 

もちろん、実際には、エチオピアの生乳を用いて行うので、参考程度ということにはなります。

 

がっ、今後予定される土地の選定や建屋の建設などの合間の時間を使って現地の原料乳を使っての試作には色々と活きる部分も多いだろうと、手順をデータを取りながら実践しています。

 

シンプルなだけに奥が深い。

 

チーズの製造について、日々勉強をしているのですが、製造プロセスを記述すると非常にシンプルです。

 

ざっくりいうと以下のような感じ。

 

1.生乳を殺菌する。

殺菌方法には様々ありますが、日本ではUHT(超高温殺菌)が一般的ですね。

チーズを作る際には、このUHTは使えません、乳脂肪分が均質化されるプロセスが加わっているために固まらないからですね。

そんなわけで、一般にチーズの製造の際には低温殺菌乳が用いられます。

 

2.乳酸菌を添加する。

殺菌が終わったら乳酸菌を添加します。

乳酸菌の活動が活発になる38度前後で発酵を促します。

 

3.レンネットを添加する。

続いて、レンネットの添加。

レンネットというのは、仔牛の第4胃から取れる酵素で、これがチーズを固める働きをします。

 

4.カードを切断する。

この時点で、チーズの元となるカードが完成。

豆腐みたいに固まった状態になっていますね。

で、これをサイコロ状にカットしてカードとホエイに分離します。

 

5.撹拌する。

このサイコロ状のカードを撹拌しながら、ホエイを出してより凝縮していきます。

 

ざっくりというと、この辺りまでのプロセスがチーズを作る際の共通部分で、この後、型に詰めて発酵させたり、お湯の中で練ったりと様々なプロセスを加えていくことで、多種多様なチーズになっていくわけです。

ホエイを抜いたカード

 

文章にすると、とても単純に見えるプロセスですが、発酵度合いの見極めがその後のチーズの味を左右してくるわけです。

 

実際に、色々と温度や発酵時間などをpHなどのデータを取りつつ試行錯誤してみると、材料は同じでも仕上がりに大きな差が生まれてきます。

 

発酵が短いとチーズの特徴であるとろりととろける感じが出なかったりと化学実験のようでかなり面白いですね。

 

いずれにしても、材料や製造プロセスがシンプルなだけに美味しいチーズを作るのは本当に難しかったりするわけです。

 

それでも、とことん突き詰める。

 

シンプルなだけに探究心を刺激されるチーズの製造方法。

 

原料となる原料乳の成分も餌や時期によっても異なってくるわけです。

 

何をどうしたら、チーズの仕上がりにどのような変化が出るのか、この辺りのデータ集めは意外と日本国内でも研究は可能かなと思い、日本国内の活動の合間の時間を見つけては、チーズづくりを探究している今日この頃です。

 

しかし、早くエチオピアに帰りたい。。

 

早期にエチオピアに帰れるように日本国内での活動にも気合いを入れる今日この頃でした。

エチオピアのチーズ“アイブ”について

どうも竹重です。

エチオピアのチーズ“アイブ”について書いていこうと思います。

 

アイブ(Ayib)とは

 

エチオピアでチーズというとまだまだアイブと呼ばれる伝統的なチーズが一般的です。

最近でこそ、ヨーロッパ式のチーズの需要がだだ上がりしているのは、すでに過去の記事でも触れたところですが、今回はこのアイブに注目してみたいと思います。

見た目

まずは見た目から。

写真のような感じで、豆腐を荒く潰した感じにも見えますし、リコッタチーズにも似ている感じですね。

袋詰で売られる“アイブ”

また、実際に食べる際には、スパイスや香草類と混ぜてディップみたいになっていたりします。

味は、いわゆる日本人の多くがイメージするチーズよりもヨーグルトに近いです。

よく言えば、ほのかな酸味とミルクの香りがすがすがしい感じです。

悪く言えば、コクや旨味があまりありません。

(スパイスなどを混ぜているのも、このコクの不足を補っている感じですかね。)

スーパーに並ぶ“アイブ”

食べ方

ワインのお供というよりは、インジェラのお供で、肉料理(エチオピア式のチキンシチュー、ドロワット)などに、お口直し的に添えられていたりします。

アイブそのもので食べるよりはインジェラと一緒に食べることを前提としていて、日本人的な感覚で行くと白米に添えられているお新香みたいなイメージでしょうか。

 

 

アイブの作り方とチーズの作り方

 

酪農事業を志すようになってからチーズの製造方法についても、素人ながら、本を読んだり、日本国内のチーズ工房を訪ねるなどして勉強をしてきましたが、アイブとヨーロッパのチーズとの間には製造方法にも結構違いがあることを知りました。

そんな中でも一番の違いは、チーズを凝固させる時の方法ですね。

ヨーロッパのチーズは簡単にいうと、生乳に乳酸菌を入れて乳酸菌発酵をさせてから、レンネットと呼ばれる酵素によって凝固させます。

その後、微生物の働きにより熟成させて行くことで色々なチーズに派生していきます。

一方で、エチオピアのローカルチーズ、アイブは乳酸菌を加えた上で、加熱をして、加熱により凝固させています。

エチオピアのチーズではこの熟成過程はありません。

そのため、コクや旨味が少ないのでしょう。

製造方法もエチオピアの方がはるかにシンプルですね。

 

熟成と保存期間

 

アイブとヨーロッパのチーズでは、このように製造方法に違いがあります。

で、ヨーロッパのチーズは、さまざまな熟成の方法を用いることによって旨味、コク、香りなどを引き出していますが、これって味だけでなく、保存期間にも大きな影響を与えていますね。

エチオピアのチーズ、アイブは生乳よりは保存もききますが、ヨーロッパのチーズのように数週間とか場合によっては数ヶ月とかは日持ちしません。

実は、僕がチーズがエチオピアで酪農を行う上ですごく肝になるのかなと思った理由にはこの保存期間という側面がとても大きいんですね。

というのも、エチオピア人の約40%がエチオピア正教徒で、エチオピア生協では年間200日超の断食期間があります。(エチオピアの断食は動物性の食品を取らない期間)

この期間って、結構、エチオピアローカルの小規模農家さんでも牛乳を絞っても無駄にしてしまっているケースが多かったりします。(もちろん、色々な宗教が普及しているエチオピアでは全てというわけではありませんが。)

現地の酪農家(加工会社)の方に聞いても最長で2ヶ月間あるこの断食期間の間は売り上げが落ちたり加工しても販売先がなくて困るといった話はよく聞きます。

そんな、現状無駄になってしまっている乳をチーズに加工して日持ちさせることができたら小規模農家さんの収入増に繋げられますね。

また、この断食期間を熟成期間に当てることができれば、断食あけに美味しいチーズをエチオピアの方々にもたくさん食べてもらうことができるかもしれませんね。

いずれにせよ、現状、無駄になってしまっているリソースを活用することができる。

この1点から見てても乳製品加工、特にチーズの加工は本当に大きなポテンシャルを持っていると確信しています。

エチオピアの方々もまだまだチーズの製造方法については、伝統的なアイブ以外についてはほとんど知らない状況です。

僕も素人ですが、少なくともチーズの製造方法を学ぶための情報や人脈へのアクセスは彼らよりもはるかに優れている。

そんなわけで、ものすごく奥の深いチーズの世界に足を踏み入れた僕ですが、将来的な利益の創出に向けて実践を持って取り組むのはすごく楽しいですね。