家庭用ゴミも何でも海にポイ!ギニアの海洋プラスチック&ゴミ問題

コナクリの海と川が繋がっている海沿いの場所、ビーチは全てびっしりとゴミで覆われています。川もゴミでいっぱい。そこにはゴミの中から使えるものを拾っている人たちも大勢います。

こんにちは。ギニア共和国、コナクリからイヌワリアフリカ代表バー由美子です。

今日は気になってはいたものの、今までは他人事感覚であった海洋プラスチック問題が、今まさに自分の最大の問題になっていることを書きます。

引っ越しの目の当たりにした海洋プラスチックゴミ問題

前記事に書いた通り、最近引っ越しをしました。

ここ何年かの夢の一つは、「隣の家に住む」ことでした。
何故なら、家の庭から海の砂浜に出ることができるから。
引っ越す前の家は、海の前ではありましたが、海と我が家の間にそのわたしが住みたかった隣の家が一軒あって、砂浜は見えないけれど、綺麗な海と大きな空が良く見えました。

ずっと夢見ていたそのお隣の家に奇跡的に引っ越すことが出来たのが先月のこと。
諸事情があり入居前にはその海に出てみることが出来なかったのですが、
”家にプライベートビーチが付いてくる!毎日朝日が出たら海で泳いで・・・”
なんていうワクワクした気持ちを入居するまでずっと抑え、やっと入居の日がやってきたその日、家の中より先に向かったのが海。
そして庭にある海に出るドアを開けた瞬間、大衝撃を受けました。

ドアを開けるとそこには一面のゴミが広がっていました!
おまけに隣の敷地の管理人さんが、塀の中からこの砂浜にビニール袋に入ったゴミをポイっと投げているのが見えました。

夫に「なんだあれは!!」と言うと、夫から「そういえば、大家さんに我が屋のゴミもこれからはここに捨ててくださいって言われたよ」という衝撃の返事が来ました。
今までは大家さんの敷地にあるゴミ置場にゴミを置き、週に2回くるゴミ収集業者にお願いしていたのに、今度からは大家さんには、「自分の敷地にゴミを置いて欲しくないし、今までここに住んでいた人も海にゴミを捨てていたからその通りにしてください」と言われたそうです。

私たちの暮らす首都コナクリでは、各家庭で出たゴミは場所にもよりますが海や川が近いと、そういう場所に勝手にゴミを廃棄しに行く家庭がとっても多いのです。
捨てる場所がない場合は各家庭の庭で燃やしたり、燃やしきれないとゴミを持って行ってくれる収集業者と契約して週に何度か持って行ってもらう家庭もありますが、お金がかかるのでやはりどこか広い場所に廃棄に行くという家庭が一番多いかと思われます。

ゴミの収集業者がいたとしても、そのゴミが完全に処理されるわけではなく川沿いの土地にそのままゴミがたまりにたまって山になっているだけだったり、はやりどこかにポイとされているような気もします。ギニアにはゴミ処理場がないからです。

それに加えて、ゴミはゴミ箱に入れるという習慣がなくなんでもポイ捨てにしてしまうので街中もひどい状態です。その街中のゴミについてはまた別の記事に書こうと思います。

ビーチクリーニング開始

引っ越しが落ち着いた後、早速道具を購入し、アルバイトさん2名もお願いしビーチクリーニングに取り掛かりました。

アルバイトさん2名と共に4名で掃除

掃いても、掘っても、どんどん出てくるゴミ

みんなが大好きなインスタントネスカフェ屋さんのコーヒーの容器がとにかくいっぱいあります。 ビーサンやスニーカーなど、靴も沢山あります。

今までこんなゴミがあるなんて全く知りませんでしたが、注射器がたくさん発見されました。これで海の中に入るのが怖くなりました。

こちらもみんなが大好きなヨーグルトの容器と、子供たちがよく飲んでいるジュース”Capri-sum”のパッケージ。とにかくたくさん落ちています。

波打ち際の黒い色なんだと思いますか?ギニアならではのものなのです。

答えは調理用の炭です。とにかくこの炭が砂浜にたくさん落ちていて、海水の中にもたくさんあって、波打ち際まで真っ黒になっています。ギニアではこの炭でのお料理が一般的なのですが、どこの家庭からも出る調理し終わった後の炭が、海にこんな被害をもたらしてるとはびっくりしました。

ミネラルウオーターの入っていたビニール袋に砂が詰まっています。このビニール袋も数えられないくらい落ちています。

こうして私たちがいつも飲んでいるビニール入りのミネラルウオーターのビニールがこんなにも海を街を汚くしています。

買い物の時に商品を入れてもらうビニール袋、ミニ洗剤のパッケージ、アフリカ料理用スープ調味料の袋、ペットボトルが限りなく落ちています。波打ち際の海水の中にもたくさんのビニール袋が浮かんでいます。

毎日掃除してもまたやってくるゴミ

3日に渡り、ゴミを海水が届かない場所に一箇所にまとめ、かなり見違えるように綺麗になった砂浜。

でも、やっぱり来ちゃうんです。毎日朝になるとちゃんと次のゴミが波に運ばれて砂浜にしっかり溜まってしまいます。

朝になると新しく流されてきたゴミが綺麗に一列にゴミが並びます。

ゴミを写さなければ、こんなにも綺麗な景色な場所なのに、下を見ればゴミ、海の水の中を見ればビニール袋が浮かんでいる姿。

本当に衝撃を受けました。

プラスチック包装とポイ捨ての危険さを知ってもらいたい

今いろんな国でビニール袋の使用が禁止になっているようですが、本当に今それが正解だと気がつきました。
私たちは、今すぐにでもこのプラスチック、ビニールを使わない方向に行動に移さないと、世界のどこかの綺麗な海も、私たちの家の前の海と同じになる日がいつか来るという事に気がつきました。

だってギニアでも、買い物時にはなんでもビニール袋に入れてくれちゃうんです。
ギニア政府にもなんとかこれを規制して欲しいです。

いろいろなゴミのせいで海の生き物が被害に遭っているのはもちろんのこと、わたしたちが食べる魚ってあんな汚い海にいるのか!と思うだけで魚を食べる気にもならなくなります。

今回この問題が自分ごとになったことで、海にでも、道路にでも、どこにでもゴミをポイっと捨てる事は、わたしたち、その他の生き物、地球にとって害になることだらけだからしてはいけないという事をギニアの人たちにも子供のうちからしっかりと知ってもらわなければならないと強く思いました。

そして、私の様に、人って誰でもその問題が自分事にならない限りは、いつまでたっても他人事なんだなということも思い知らされました。

ゴミを海にポイ捨てする隣の家の管理人さんも、わたしたちが毎日一生懸命砂浜を綺麗にしている姿を見ていたら、ゴミはしかるべき処理をしないといけないんだと意識を変えるかもしれない。

ポイ捨てをすること、街中、海にゴミがいっぱいなことに慣れているギニアの人たちにはなかなか伝わらないのかもしれませんが、わたしたちがこの砂浜を毎日掃除することで、他の人たちに共感してもらい、行動に移してもらえることに繋がったら良いなと思っています。

どう終わらせるか分からないゴミ問題

しかし毎日掃除に一箇所にまとめ続けているゴミ山がどんどん大きくなってきています。
ゴミ収集用の2トントラックを呼んでゴミを回収してもらう予定ですが一体いくらかかるのでしょう?
何百ドルもかかりそうなので値段を聞くのが怖いです。
しかもその持って行ってもらったゴミはどこに捨てられるのか?
また海だったりして!!

毎日ゴミをとってもとっても終わりません

世界で問題になっている海洋プラスチックゴミ問題、もうリサイクルなんて言ってる場合ではありません。
瓶、缶なら買取して引き取ってもらえることもあるので良いかもしれませんが、プラスチックだけは他のものにリサイクルなんてそんなの追いつかないからダメだと思うんです。
自然に還る素材で作ったパッケージ以外は製造販売禁止にするしかないと私は考えています。

針付きの注射器がたくさん落ちているのも本当に驚きで、これも病院のゴミはどう処理するのかを国で規制し決まりを作ってやっているのかがとても気になります。

コナクリの街中の強烈なゴミ問題と共に、海のゴミ問題も本当になんとかして欲しいです。
ギニア政府はゴミ問題にどう対処していくつもりなのでしょうか?
日本のゴミ処理のテクノロジーを是非ギニアで試してもらいたいものです!

ギニア以外のアフリカ諸国のゴミ問題事情もとても気になります。

バー由美子
Inuwali Africa Guinée Conakry SARLU 代表
NPO法人一期JAM ギニア支部代表
NPO法人一期JAM 理事

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海に囲まれ、漁業が盛んなコナクリの海、ゴミ汚染は大打撃です。