コロナ禍でのルワンダの観光業

ルワンダからこんにちは、アジアンキッチンの唐渡です!
さて、前回の続きです。国境は依然閉じられているものの、厳格なロックダウンは徐々に緩まっていき、国内の活動はかなり通常に戻ってきました。7月15日には、3月14日の初の感染以来禁じられてきた、教会での活動の再開にも条件付きでGoサインが出ました。

娯楽の少ないルワンダでは、市民にとっては日曜の教会は大きなエンタメです。ルワンダはキリスト教、その中でもカトリックが多く、国民の過半数を占めます。敬虔な方も多く、日曜に礼拝に行けない日が続いたのは、なかなか鬱憤が溜まったことでしょう。日曜日は、色とりどりの正装に身を包んだルワンダ人たちが道を歩いているのが見られます。

限られる国内の購買力

先週、ルワンダの六本木ヒルズ(と勝手に呼んでいる)「キガリハイツ」に入っている、ケニア発のコーヒーチェーン店に行ってみました。席はこれでもかなり間引かれていますが、こんな感じでアフリカ系の方々で賑わっています。例えばコーヒーは300円くらい。利用できるのは富裕層に限られますが、そうした方々は街に戻ってきたと言えるでしょう。

ただ、いかんせん、こうしたコーヒーが買える富裕層は国民のうちのどの程度かで言うと、極々一部です。(そもそもコーヒーは、輸出して外貨を稼ぐものであり庶民の嗜好品として浸透していません。紅茶文化です。)ワンダは国内の購買力がかなり低く、内需が小さいです。特に観光業やその周辺のホスピタリティ部門は、アウトバウンドが命。ここにお金を使える層が国内ではかなり限定されるからです。(そのかなり限定された方々がお客様のボリュームゾーンなのがアジキチなのですが。)

延期されたイギリス連邦首脳会議

ルワンダでは近年、MICE (Meetings, Incentives, Conferences and Exhibitions) Strategy を掲げ、安定した治安を生かした国際会議や展示会を積極的に誘致してきて、それに関連してホテルやレストランなどのホスピタリティ部門も成長してきましたが、この辺りもコロナで根こそぎやられてしまいました

3月、4月、5月にはかなりの会議がキャンセルになり、それに加えて6月にはCommonwealth Heads of Government Meeting 2020(イギリス連邦首脳会議、CHOGM2020)がなんとルワンダのあのコンベンションセンターで開催される予定だったのです…!

政府はそれに向けて1,050億ドルかけてインフラ整備をすると宣言、キガリのあちこちで中国の建設会社が突貫工事を行っていました。

またさらなる景観整備のため、キガリ中の道路の中央分離帯にはせっせとお花の球根を植える作業。それにはたっぷりの牛ふんが使われるので、空港からのメインロード沿いのアジキチ前にももれなく、強烈な牛ふんの臭いが一時期流れてきていたのですが、それに耐えた努力も虚しく、もちろん開催は延期…。

店の前の道路。下に植わっているのは、今回植えられたお花です!

牛糞臭はさておき、現実的な損失を数字で見ると震えます。こちらの記事に詳細がありますが、CHOGM2020では、それによる関連取引額も含めて、観光業の年間収入の2倍近く、実に7億ドル近くの収入を見込んでいました。52か国から集まる約1万人の使節団員は8,000万ドルをルワンダに落としてくれると読んでいました。(https://www.newtimes.co.rw/news/rwanda-resumes-conference-tourism

7億ドル飛んだ…
使節団の3%が一回ずつアジキチをテイクアウトしてくれるだけでも、300人×10ドルで3,000ドルの売り上げが立ったのにな…(遠い目)

The National Institute of Statistics of Rwanda (NISR)によると、訪ルワンダ外国人がもたらす収入は、今年の1−3月では昨年同時期比で35%減だそうです。ロックダウンが始まったのは3月下旬ですが、深い関係にある中国でパンデミックが先行して始まったこと、またロックダウンのインパクトが巨大なことが分かります。4−6月はまだ集計中と思われますが、目も当てられない結果が出そうです。

1−2月の好況感はアジキチでも実感値としてあり、2019年の成長率は9.2%とこの10年でも最高値を出していただけに、コロナでの減速が悔やまれます。

実際観光業はコロナ禍による被害をもろに被ったセクターと言えますが、4月にルワンダ政府が出した”Economic Recovery Plan May 2020- December 2021”にはロックダウンによって収入と消費がほぼ100%なくなる人が人口の60%にのぼるという衝撃的な数字が出ていました。そしてコロナが直撃するのは、やはり貧困層です。そうした貧困層には、食料配布などが実施されていますが、根本的な解決はまだまだ先が見えません。

先日の投稿で、4月の売上作対比は59%減と書きましたが、ルワンダ税務局のレポートによるとサービス業の4月の売上は60%減(製造業は45%減)と出ていて、実態とかなり一致しています。アジキチは、希望的観測を含めて、9月に昨年の30%減までに戻ると見ています。

商業便、いよいよ復活!

さて、いよいよ来月8月から、止まっていた国際便が復活します。そうです、アジキチの売上の回復には空の便の復活が必要条件です。

ルワンダ入国には、72時間以内に受けたPCRの陰性結果が必要で、かつ入国時にも再度検査、所定の場所で待機、などなどかなり厳格なルールのもと運用がされる見込み。ルワンダ発の飛行機でさえ、陰性結果がないと搭乗できないことになっていて、情報が錯綜しています。本当に、旅が大変な時代になってしまいました。。

初動で厳格なロックダウンを断行して、封じ込めはよくやってきたルワンダですが、いかんせん内需が小さいと閉じた後の経済政策が難しい。7月後半、新規感染者数はずっと二桁台で、これまでよりも多い日が続きます。それでも8月国境を再度開けるのは、初動は上手く行って時間を稼げたので、今度は感染拡大のリスクをギリギリのところで取りながら、経済を回すという意志の現れですね。

アジキチ的には、8月はもともとホリデーシーズンなので、おそらく一旦アウトバンドへ流れてお客さんが更に国内から流出し、9月の学校再開と共に、徐々に戻ってくるかなと見ています。今できることを地道にやっていきたいと思います。

コロナ禍でのルワンダの観光業① (アジキチブログ)

夏ですね!ホリデイですね!いつもなら!
こんにちは、ルワンダはアジアンキッチンの唐渡です。

日本はGo To キャンペーンで揺れているのがルワンダからも伺えますが、ルワンダの観光事情についても、観光関連産業の端くれとしてしたためてみたいと思います。今は空港が封鎖されているというのに、国内で”Visit Rwanda”のマスクをしている人が多くいて微笑ましいです。キガリの街中の看板にも、広告主がいなすぎて”Visit Rwanda”の広告が出ていることがよくあります。2018年には、イギリスのサッカーチームのユニフォームの広告枠に4,000万ドルとも言われる金額をかけたことも炎上気味に話題になっていました。3年かけて2億ドルのリターンを読んでいましたが、コロナが訪れてしまいました…

コロナ禍恒例、これまでの流れ

  • 3月14日 初の感染者確定
  • 3月16日 学校は閉校(再開は早くとも9月で確定)
  • 3月20日 空港封鎖
  • 3月22日 外出禁止(食料や薬の買い物等以外は外出禁止)、公共交通機関ストップ、飲食店はテイクアウトに限り営業可
  • 5月4日 5時から20時まで、マスク着用の上外出可能に。飲食店は19時までイートイン営業可能に。
  • 6月2日 バイクタクシー解禁、都市間移動再開
  • 6月16日 外出可能が、5時から21時までに延長

限定されるフライト

3月20日に空港が閉まってからと言うもの、commercial flightが停止され、cargo flight 及び repatriation flight, charter flightというものだけになってしまったのです。ややこしいですよね。一つ一つ見ていきましょう。

Cargo

cargo、「カーゴ便」というのは、人ではなく、モノを運ぶ便です。国内で生産しているものは野菜・果物、コーヒーに紅茶くらいで、かつ製造業が本当に乏しいルワンダにとって、外からものが入らなくなるというのは由々しき自体です。例えば赤ちゃん用品でいうと、ミルクやミルク瓶、オムツ、ベビーソープなど、全部輸入品です。(まぁ大半のルワンダ人はそんなのなしで育てられるのですが…)日用品で見ても、歯ブラシや歯磨き粉一つとっても、国内産のものは見たことないです。地元の人はよく草みたいなのを噛んでいます。なので、モノを運ぶ便は運行が認められています。価格の高騰はやはり起きましたが…。ちなみに、陸の国境ももちろん閉じられていますが、こちらも物資の輸送のみ可能。ただし、感染のかなりの割合が、この国境を超えてコンゴ、タンザニア、ウガンダから入ってくるトラックドライバーで占められることになります。

Repatriation Flight

そしてrepatriation flightとはなんぞや、とお思いでしょう。こちらは、ルワンダ国籍保持者、または有効な滞在許可証を持った者のみを、祖国・暮らす国に戻してあげましょうという、ナショナルフラッグ・ルワンダエアによる特別な便です。週に一度、ブリュッセルなどから飛んでいます。乗る資格についてはかなり厳格にチェックされ、私ごとではありますが、3月にルワンダを出たパートナーは法的にも証明できる実の娘がルワンダ国内にいるにも関わらず、大使館含め関係各所に当たりましたが、 VISAが切れているため、入国不可でした。厳しい…。私たちはお互い日本人、スペイン人と言う立場でルワンダという第3の国に住んでいるので、やはりこういう時は国籍やパスポート、VISAがモノを言うのだなぁと痛感。

Charter Flight

さて次がcharter flight。日本語で言う「チャーター便」です。こちらは航空会社が定期運行してしている便ではなく、多くの場合は旅行代理店が航空会社と契約し、飛ばしてもらう便です。repatriation flightも、定義としてはここに含まれるかと。いかんせん最初の感染者が出た6日後に空港が閉まってしまったので、ルワンダに取り残されてしまった人が多くいました。そうした人が自国へ帰るための手段として、月に数回、キガリ発のチャーター便が運行されました。今週末日本へのチャーター便が出るらしい、韓国へのチャーター便が出るらしいと聞くたびに、あぁまたお客さん減る…(遠い目)と思っておりました。ちなみに6月に出たキガリから成田までのエチオピア航空のチャーター便は、なんとお値段$4,750…片道です。エコノミーです。いかんせんキガリでチャーター便を扱う旅行代理店が一つのみだからか、ちょっとやりたい放題な気がしてなりません。

ひっそり再開された General Aviation

上記三つとは別に、ひっそりと、珍しく事後報告の形で再開されたもう一つの便、それが”general aviation”。あまり聞き慣れませんよね。

ゼネラル・アビエーション(General aviation, 略称 GA)あるいは一般航空とは、航空の分類のひとつで、軍事航空と定期航空路線を除いた航空の総称である。」

https://en.m.wikipedia.org/wiki/General_aviation

ややこしいですが、要はここでは主に「プライベートジェット」を意味します。このおふれを見た在ルワンダエキスパッツ界隈は、自分が脱出できるのか、会いたい人がルワンダに入れるのか、”general”というなんだか裾野の広そうな響きに希望をもって一瞬どよめきが起きますが、おいおいまったく、パンピーの乗り物とは程遠いぜ。。

パンピーの願いをよそに、超ド級のセレブから「明日ゴリラ見にパパのプライベートジェットでルワンダ行っていい?」みたいに、急な問い合わせが入ったのかなぁと思ったり。そりゃ開けますよね。ゴリラを1時間見せるだけで一人当たり$1,500取れるし(ゴリラに失礼だけどこれが実際のビジネス)、そういう方々は一泊$3,000の all inclusive resortにも気軽に泊まってくれるし、今は他にお客さんもいないのでソーシャルディスタンスもバッチリです。マウンテンゴリラは新型コロナは大丈夫なのでしょうか。

ちなみにプライベートジェットに空港が開かれてからの話ですが、息子と久々に、ルワンダが誇るマリオットホテルでコーヒーでも飲みながら高速インターネットを満喫しようと行くと、門前払い。コーヒーも持ち帰りしかやってない、と。なるほど…おそらく、マリオットは今、プライベートジェットで入ってくるセレブの定宿となっていて、そうなると、外部から低単価とコロナリスクしかもたらさないお客さんは入れませんってことか…ちーん。と退散したのでした。このコロナ禍で資本主義について改めて考えさせられることが増えました

ちょっと前段が長くなってしまったので、続きはまた次回。6月に開催が予定されていたCommon Wealthの大きな国際会議が延期になったことや、8月の国際線解禁に向けた観光業・関連業界の動きを書きたいと思います。

大切なこと④ 誰から見ても「公平」なこと

前回、ルワンダ人スタッフのマネジメントの難しさを書きました。

実はもう一つ、ルワンダならではのポイントがあります。

 

それは、「公平」であること

 

ルワンダには主に二つの民族がいます。

長い歴史の中で、二つの民族の関係は複雑に続いており、それが最悪の結果に表出したのが1994年。

それは、突然始まりそして終わったことではありません。

(過去記事:それぞれの1994年と2016年の日常

 

日常生活では民族問題はタブーなので、どちらの民族だとか直接的に会話には出てきませんが、

うちのスタッフもよーーく見ていると、

あまり関わらない二人とか、

何かとうまく行かない組み合わせとか、

あります。

民族との関係もゼロではないでしょう。

普段はまとまり感もあり面白い人たち

普段はまとまり感もあり面白い人たち

 

なので、誰かを昇格させるときなどは、細心の注意が必要です。

「誰が見ても納得できるように評価・褒賞する」ことが大事です。

「●●だから昇格した」

「△△だから評価されている」

ということのないように、昇格のときでなくても、普段のコミュニケーションから、特に褒める際には、

どの行動がどう良かったか、その行為自体を具体的に言及するようにしています。

 

また、ポジションは様々ですが、

職業に貴賤なし、

どのポジションの人が偉いとか、上とか、そういうのは排除するように心がけています。

 

長年、支配されてきた、虐げられてきた、他方が富を独占することによって不遇に遭ってきた、

そういう思いが根底にある社会、

そして今ここに厳然と存在する格差、

長年日本で育ってきた身としては自分ごととしてはなかなか直感では入ってこないですが、

私なりに最大限想像力を使って。

 

そして、まだまだ微力ですが、いずれは、

民族とか、生まれとか、そういうのに関係なく、

努力・能力・結果自体が評価される、

頑張ったらチャンスを掴めるかもしれない、という希望が持てる、

そういう土台がある社会に貢献していけたら、と思っています。

ルワンダでタイ料理屋2 ~誰のための?編~

こちらでのレストラン経営は日々トラブルシューティングで日が暮れる(夜が明ける?)のですが、

今日は、店舗存続の危機発生一件、警察沙汰一件、断水、倉庫キー紛失などフルラインナップ。(どれも未解決)

 

レストラン事業はとりあえず生活のための日銭稼ぎ、顧客接点づくり、現地人の雇用、という観点から始めましたが、これを軸足にスケールできる事業展開は常に考えています。

一度ここで、改めてこのレストラン事業の顧客と提供価値について、整理したいと思います。

関係ないですが息子の放課後アクティビティサッカー。

関係ないですが息子の放課後アクティビティサッカー。

 

 

そもそもなぜタイレストランなのか。

それにはまず、顧客は誰か?の問いから始まります。

その答えは外国人です。

国内の経済規模から考えると、ルワンダでビジネスをするには外貨の獲得が必然です。

平たく言うと、お金を持っているのは外国人です。

 

国としてはマウンテンゴリラの観光業に力を入れています。とにかくゴリラ推しです。お札の絵柄でもビザの絵柄でもなんでもゴリラです。

トレッキングツアーは、750$です。高っ と正直思いますが、予約がとれない時期もあります。

そして「トレッキング」というと聞こえは軽いですが、落ちたらケガじゃ済まないような斜面を四つん這いで進んだりと、思ったよりもハードでした。

ゴリラ好きのお友達をお誘いあわせの上是非遊びに来てくださいね!

この写真では一ミリも伝わらない臨場感

この写真では一ミリも伝わらない臨場感

 

観光客ビジネスも大切ですが、首都キガリには、UN関連や各国大使館、NGO勤務など、外国人も結構います。といっても1万人程度でしょうか。日本人は数十人です。

その人たちがあまりキガリに期待をしていない分野があります。それが外食分野。サービス分野全般かもしれません。

飲食店のレベルは近隣諸国と比較しても明らかに低く、数も少なく、バラエティもなく、サービスレベルも正直かなり低いです。串焼き一本1時間とかかかったりしますもん。メニューの8割 not availableとか。営業時間とか自由だし。

「キガリはこんなもんだよね」と諦めている部分もよく垣間見られ、長期休暇での帰国を楽しみに普段の退屈な生活を我慢している風なところもあります。

 

もったいない!

せっかく治安も圧倒的に良いというのに。

そしてそういう人たちは、例えば子どもを年間200万円近い学費のところに通わせていたりする層です。

もっとルワンダで日常的に消費行動を楽しんでもらおうではありませんか!

彼らが単に食材を買うだけのところを、付加価値をつけ提供すると、その約3倍のお金がルワンダに落とされるのですから。

 

Asian Kitchenは、一見すると、ムズングの、ムズングによる、ムズングのためのレストランに見えるかもしれません。(ムズングというのは黒人以外の人を指す言葉です)

日本人が欧米人にタイ料理を出しているお店。ですが、そのサービスの提供者はあくまでもルワンダ人

そしてサービスに価値を感じてくださり対価をいただけるなら、それはルワンダに入るのです。税金はルワンダ政府に入ります。

地道ですが、こうした飲食店が増えていけば、業界のレベルもアップし、物流も変わってくるでしょう。

観光業だってもっと盛り上がります。

 

現地スタッフと働いていて時折感じるのが、「ムズングの会社に入ったから一旦安泰っしょ」的な心構え。

確かに、ムズング経営の会社は、他では当たり前のようにある契約書を渡さない、給与不払い半年、などは少ないです。

でもスタッフには、ムズングとつながっておけばお金がもらえる、のではなく、自分がサービスを提供して、その対価としてお金をもらっているのだ、という感覚は必ず持ってほしいと強く思います。前職の影響もあるかもしれません。

 

 

ちなみに、ルワンダ人マーケットへの進出について、もちろん考えています。

今ターゲットにしている層の千倍のマーケットですし、進出は時間の問題です。

ですが現状はなかなかシビアで、今日という日を数ドル以下で過ごす、定期的な現金収入はない、という人たちがマジョリティの国です。

新しいものにはなかなか保守的というルワンダ人の食文化もありますし、長期的な視点で業態を工夫していく必要がありますが、

ルワンダ人が徐々に上がっていく可処分所得を「食」分野でハッピーに使っていく、そのマーケットに何が提供できるだろう。ルワンダ人のライフスタイルになんらか貢献していきたいです。

Life Style Rwanda Ltd.

Managing Director

Chisa KARATO

ルワンダをGoogleすると。。。

Kigali

(英語のあとに日本語)

When you Google Rwanda (in Japanese), the top results are mostly about genocide(esp. image results). While many Rwandans I met in Kigali have already moved on (of course, some may consider the “talk” as a taboo) and are celebrating the new era of entrepreneurship and economic prosperities, many “outsiders” still seem to be hoping to talk about one of the saddest events in the history of humankind.

While I don’t suggest us to forget the event, I also want to help non-Rwandans to see something more about Rwanda based on my first-hand experience in Kigali last September and second-hand research of reliable sources.

If you have no idea about the city of Kigali or only have know about the genocide or gorillas, you would definitely have the 180 experience. To me, Kigali is one of the most non-local friendly cities.

  • You can be mobile using motorcycle taxis. (And you won’t have one of those crazy situations where you see too many passengers on a single moto – Kigali only allows one passenger on a moto and the helmet is obligatory. You also have a new great Uber-like service called SafeMotos, a startup my friend started.)
  • You feel completely safe even at night. (To be honest, I love-loved how we can go up/down hilly roads at night feeling the air! – Okay, that might be a bit too much adventure for some of you.)
  • You can jog around the hilly road and get some exercise.
  • You will get gigantic avocados at local markets for nothing.
  • And more importantly, you have a vibrant entrepreneurial community which is a mix of local and international entrepreneurs. (More to be shared in upcoming blog posts.)

While I personally love Nairobi’s much larger entrepreneurial community, I definitely recommend people to visit Kigali especially if you have never been to any cities in the African continent.


日本語で「ルワンダ」とグーグルすると、トップの検索結果はほとんど虐殺関係のことです(特に画像検索)。私がキガリで出会ったルワンダ人たちは、(タブーなどもありますが)起業家や経済発展に象徴される次の時代に移行しているものの、日本人をはじめとする「外国人」はどうしても、人類史上もっとも悲しい出来事の一つである虐殺について、どうしても触れずにはいられないという印象です。

もちろんこの歴史を忘れるべきではありませんが、個人的には、私が去年9月に現地で直接経験したことや、現地などから発信される信頼のおける情報源から入手しているできごとをもっと届けたいと思います。

特にルワンダのイメージが虐殺やゴリラといった限定的なものしかない人たちにとっては、今のキガリの姿などは180度のイメージチェンジになると思います。キガリは一言でいうと、外国人(=国際的感覚をもった日本人)に優しい街だと思います。たとえば。。。

  • モータータクシーでどこにもいけます!(しかもたまにアジアなどで見かける1台に何人も乗っている状態ではないです。キガリではそれは禁じられていて、ヘルメットもマスト。たまたまボストンで出会った知人が始めたベンチャーですが、アプリで呼べて手軽なウーバーのようなサービスSafeMotosも活躍しています。)
  • 夜でも危険を感じることはありません。(実際、私はバイクタクシーで夜風を受けながら、丘陵地帯の道を駆け抜けるのがすごく好きでした!これは全員にはおすすめできないかもですが。。)
  • 外をランニングできます!(こういうことはできないアフリカの都市も多いので。。。)
  • 巨大なアボカドが激安です。
  • それからもっと重要なことに、ローカルと外国人が入り交じったわくわくするような起業家コミュニティもあります。(詳しくはまた後日ご紹介します)

個人的にはナイロビのもっと巨大な起業家コミュニティが好きですが、アフリカにまだ訪れたことのない外国人にはとってもおすすめなのがキガリです!

 

ルワンダ 「アフリカの奇跡」・・・

 

息子、無事小学校入学しました。

先週後半、突然 「明日新入生オリエンやります。See you tomorrow!!」 ということで、行ってきました。

入学グッズを受け取る会場がコチラ。

新入生オリエンですが、制服は新入生サイズ絶賛品切れ中。

「子どもは成長が早いからこれくらいがいいわよ!」と明るく中学生サイズ渡されました。

 

・・・

・・・

 

ちょっと写真は雑然としていますが、

ここはルワンダ随一の、ごく一部の富裕層の通う幼稚園から高校までのエスカレーター式の学校。

政治家や官僚、実業家などの子どもが多く通います。

2割ほどが外国人。

 

ちなみに学費は、小学校一年生でひと月3万円ほど。

朝から夕方まで、英語でいろいろ教えてくれるところと思えば、東京で保育園に通わせていた身としては、お得感満載ですが、

大卒でも月給3万円の仕事を得るのは難しいこの国では、いかに高額か。

 

ルワンダはGDP成長率は2008年から8%を保っていますが、

(一人当たりGDPは2015年で650$。日本は32K$)

とにかく失業率が高い。

国民の約9割は農業従事者で、資源もあまりなく、内陸国で輸送費が高く物資も乏しく、産業も発達しておらず、とにかく仕事がない。

レストランの完成が何か月も遅れたときも、スタッフ候補者に何度も「すみません面接待ってください」と連絡しましたが、

その度に “No problem、待ってます” と返され

みんないい人だなと思っていましたが、

他に仕事がないんです。

 

でもこういう学校に通える一握りの人も、一方でいる。

 

次々に乗り付けられる、お抱え運転手の運転するランドクルーザーから、

パリっとした制服に身を包んだ子どもたちが降りてくる横で、

それよりも小さな子が、それよりもっと小さな子をおぶいながら、

裸足で草むらをかき分け、食べるイナゴを朝から探している。

 

後者がこの国のマジョリティ。

(首都キガリはそもそも物価が地方に比べて圧倒的に高いので、そういう層は少ないです)

グリーンヒルズ

通う子どもたちの車と、そこから遠くに見える小さな家々

建て替えられた新校舎と、丘の下に見える小さな家々

 

このコントラストは、まだうまく言葉にできません。。

 

「アフリカの奇跡」。94年の大虐殺からの奇跡のような経済復興。

 

GDP成長率、7年連続8%。

人口1,200万人のうち4割以上が18歳以下。

あふれている子どもたち。

毎日道端にただ座っている大人。

二つの民族。

富裕層と貧困層。

 

この希望に満ちているような、危ういような。

22年前の大虐殺をもう二度と繰り返すまいと強く誓っているこの国ですが、

今のこの復興がいかに奇跡であるか、

そしてそれを継続できたらそれもまた奇跡であり、

そして奇跡ではあるけれど必ず実現させねばならない奇跡であること、

ときどきふっと思います。

 

私はルワンダに来ることを決めた際、

「援助」

という感覚で来ていませんが、

この学校の前の石畳の道を通る度、

あなたは あなたの立場で もっているものを 何に使うんですか? と問われている気がします。

 

とちょっとシリアスになってみましたが、

その奇跡のカギはいくつかある気がしていて、

それをうまくビジネスと結び付けていきたいなと考えております。

ふわっとまとめたところで つづく

唐渡千紗