コンゴのサプール、京都に進出

 コンゴのファッションデザイナー・メニさんと巡り合った。Twitterの心優しい方が、メニさんを紹介してくださった。なんて時代や。

304272

 コンゴには素敵なファッション文化「サプール」がある。世界平和を願って高級ブランドを身にまとう「世界一おしゃれなジェントルマン」。メニさんは、そのサプール文化で触れたイッセイミヤケやヨウジヤマモトに影響を受けたらしい。
 自身でブランドを立ち上げ、大学でファッションデザインの先生もしていたが、休職して来日。いまは京都市立芸術大学の博士課程に通っている。「アフリカンプリントもいいけど、その土地のアイデンティティがあるものが好き」と、京都の着物文化、染色文化に関心があるという。アツすぎる。すっかり意気投合して、イッセイやヨウジの作品も手掛ける職人さんのもとへ行った。

304271

 メニさんは型染めについての知識がハンパなく、染色につかう材料の成分についても知見があった。しかしフリーハンドの手描きの世界は初めてだったようで、型染めではできない表現に度肝を抜かれてた。「これはどうやってやってるんですか・・・」。

304270

 西田さんの染色をなめてもらったら困る。そのへんにある技法じゃない。自ら手を動かし、ながい時間をかけて、たくさんの挑戦と失敗を重ねながら独自の技法を編み出してきた。その圧倒的なクリエイションに、ぼくは働きかたや生きかたを見ることができると思う。失敗しないように、敷かれたレールのうえで生きてきた人に、「失敗ありき」のチャレンジと、コミュニケーションを重ねながらこれまでなかったものを生み出していくスタンスは、今の時代でこそ光る。
 メニさんと西田さんの出会い。この新たなイノベーションの種が、芽をだして、花咲くように、ぼくは全身全霊でぶつかる。その地域にしかない文化的な価値が、社会にとって必要だし、人類の未来にとって生活必需品だと信じてる。

304269

オープニングの1週間を終えて

オープニングの怒涛の1週間が終わりました。ありがたいことに、連日たくさんの方々に来店をいただきました。アフリカ布や京友禅で誂えるブルゾンやシャツ、スカート、ワンピース・・・できあがっていく様子をみたり、お届けする瞬間に立ち会ったりしていると、よくここまでこれたなと、ジーンとしました。いろんなことがあって、それはもちろん楽しいことだけではなくて、山のようにツラくて大変なことがあったなかで、諦めなくてよかったと思いました。皆さま、ほんとうにありがとうございます!

ここからが、また新たなスタートです。やらないといけないことは山積み、反省点もいくつもあって、一刻もはやく改善していかないといけないところなのですが、まずはこうしてひとつの形にできたことや、人生の大切な時間を同じにできた人たちに、とびきりの感謝を。

なにもなかった2年半前、いろんな人が離れていき、多くの人からは見向きもされなかったなかで、そんな状況でも支援してくださった人たちがいなければ、いまこうしてお店からブログを書くこともありませんでした。毎日が必死のパッチ、ヘロヘロで体がすごく重いですが、なんとか走りきれてよかったです。これからも歩みをとめずに、すこしでも前に進めるようにがんばります!

アフリカドッグス京都西陣ろおじ店内にて、デアバロさんと中須とお客さんの集合写真の風景

★アフリカドッグス初のショップが西陣にオープン
AFURIKADOGS×Deabalocouture
(アフリカドッグス×デアバロクチュール)
詳しくはコチラ→https://afurikadogs.com/

京都のトーゴ人と出会う奇跡

 奇跡は起きる。先日、レティシア書房さん(京都市中京区)で展示会を開催したときに足を運んでくれたお客さんの友だちの旦那さんがトーゴ人だという情報をキャッチした。すぐにコンタクトをとり、会いに行った。なんと彼は、ぼくと同い年で、しかもトーゴで仕立屋を営んでいた経験があった。京都在住でトーゴ出身の仕立屋・デアバロさん、まさにぼくが探し求めていた人に巡り会えた。

 今まで出会わなかったのが不思議なくらいだ。でもこのタイミングに出会えたのは、理由があると思う。話を聞くと、ぼくがトーゴへ行っているとき、彼は日本にいて、彼がトーゴへ行っているとき、ぼくは日本で活動していた。もう少し早く出会っていたら「いつか一緒にできたらいいな」という話で終わっていたかもしれない。このコロナがあって事業を再構築する必要に迫られたからこそ、手を取り合えた。

 運命というのは奇妙だ。もし、コロナがなかったらレティシア書房さんでの展示会は実現しなかった。そうなると、デアバロさんと出会うことはなかったかもしれない。そもそも本の出版も、嶋田くんと出会わなければ実現しなかった。そんなことを言い出したら、キリがない。

 しかし、あまりに重なりすぎている。ここまで偶然が重なると、どこかに導かれているのではないかとさえ思えてくる。その時々の出会いを手繰り寄せ、筋書きのないドラマがここにはある。

 前職の京都信用金庫を退職して、丸2年が経った。よくここまで生き延びた。アフリカ大陸での起業、未曾有のコロナ災害を経験して、3期目が視野に入ってきた。2年前には想像できなかったことが起こっている。これもまた、序章に過ぎないのだと思う。

★アフリカドッグス初のショップが西陣にオープン
AFURIKADOGS×Deabalocouture
(アフリカドッグス×デアバロクチュール)
詳しくはコチラ→https://afurikadogs.com/

モデルをスカウトするの巻

 先日、神戸のポートアイランドで「アフリカミーツ関西」というイベントがあって、家族で参加してきた。歌やダンス、ファッションショー、フォーラムが催されたりして、めちゃくちゃ満喫してしまったのだが、ぼくは決して遊びに行ったわけではない。いま新商品の企画を急ピッチで進めていて、商品が完成したらすぐに撮影に入ろうとしている。モデル事務所でお願いすればヤバい金額を請求されてしまうから、経費削減のためにモデルをスカウトしに行ったのだった。やりたいことがある一方で、絶望的にお金がないので、そのバランスをうまく考えないといけない。

FullSizeRender


 しかし会場には思っていたほど多くの人はいなかった。しかも半分以上がアフリカが好きな関西人で、アフリカ大陸出身のモデルらしき人は見当たらなかった。ただ、ぼくは引きだけは強い。たまたま声を掛けてくれた人の繋がりで、大学院生のアガノさんと友だちになった。奇跡的に京都にもよく来られるということで、モデルを依頼したら快諾してくれた。

FullSizeRender


 会場では、普段お世話になりまくっている京都精華大学のサコ学長にもお会いして「羽のばしすぎちゃう」というツッコミを頂戴しながら、有意義な時間を過ごした。お話していて印象的だったのは、アフリカ熱の高まりに中小企業がアクションを起こしていくことの大切さだった。確かに関心はあるし、なにかコミットしていきたいというモチベーションもあるが、具体的なアクションに繋がらない。そこに潜むハードルに対して、どのようなアプローチを仕掛けていくかということについて贅沢な談話をいただいた。難しいことはよくわからないが「踊る阿呆に見る阿呆、おなじ阿呆なら踊らにゃソンソン」のリズムで、ぼくはアフリカミュージックをBGMに体を揺らした。

FullSizeRender