ギニアで毎日のようにしている事

こんにちは。ギニア共和国、コナクリからイヌワリアフリカ代表 バー由美子です。

ここしばらくは雨は夜にしか降らなかったのに、今週になって雨季の最後の最後の雨を振り絞る様なすごい雨が昼間に降るという、雨季の終わりが近づいた時特有の気候になってきました。

最近パソコンのネット回線の繋がりが悪く、こちらの記事の更新も久しぶりになってしまいましたが、
今回は、私がここギニアでほぼ毎日している事とも言える、ローカルマルシェでのアフリカンプリント布の仕入れや、イヌワリアフリカの製品作りをお願いしているアトリエでの事などを書かせて頂きます!

マルシェに布の仕入れへ

雨の中、荷物持ちとして息子をお供にタクシーで巨大マルシェに向かう

タクシーの中から見る風景(窓ガラス割れてます)。インドに行った事のある人が、このマルシェの方がインドより100倍強烈過ぎると言っていたという相当覚悟のいるマルシェです笑。

布屋さんがズラーッと並んでいて、布の数は半端ありません。布好きの私には夢の様な場所です。 でもそこはカオス+無法地帯という言葉がぴったりな場所でもあります。

買いまくった重い布を担ぎながら限りなく広いマルシェ内をウロウロ歩きすぎてお疲れモードな我が息子。隣に座る布屋のマダムは携帯を見ながら留守番。

探していた布をちょうど見つけた時の喜びは格別です!こちらのマダムのお店には、この事業を始めてから8年間ずっとお世話になっています。

もう荷物が持ちきれなくなったら仕入れ完了。息子と2人で仕入れた40キロ分くらいの布を担ぎタクシーを探して数十分。この地域は夕方はタクシーを捕まえるのも至難の技です。

この柵をまたいでマルシェからタクシーをつかまえる道路へ出ました。この道路脇のゴミ、すごくないですか?これがコナクリの現状です。

ミネラルウオーター売りの女性。タクシーを探している間にいろんな物売りの人々が通り過ぎます。

こんな風に仕入れた布を、イヌワリアフリカパートナーの仕立て屋のアトリエに持って行き商品の制作をします。

イヌワリアフリカのパートナーのアトリエにて

いつも商品を制作してもらっているアトリエにて。親方と縫製修行をしながら働いている女の子たちがいます。

日本の取引先様から制作依頼を頂いたスカートが出来上がった日。 女の子たちはいつも写真は恥ずかしい!と言って照れるので、親方だけ毎回カメラ目線です笑。

アトリエ内は狭いので、アトリエの外の入り口の小さなスペースで商品チェック。

その横では親方のパートナーの職人さんが、オーダーメイドの学校の制服を縫っていました。ここもアトリエの外です。

外に置かれたテーブルにはカーキ色の制服布地と子供達の体の寸法が書かれたノートが置いてありました。10月から新学期が始まったので、制服もオーダーメイドが主流のギニアではこの時期は仕立て屋のアトリエでは制服の注文制作に追われ忙しいのです。

アトリエのドアにミシン用のオイルが並べてあるのが、なんだか微笑ましかったです。

ギニアでは、このように好きな布を買って、オーダーメイドで仕立てるという文化が根付いているのですが、最近は以前よりもアフリカの布で仕立てた服を着ている人が減ってきて、欧米から輸入された新品、中古の既製服を着ている人が目立つようになってきました。

昔は日本人みんなが着ていた着物を、今は一部の人たちしか着なくなったように、ギニアの人たちもいつかアフリカの布で仕立てた服を着なくなってしまうのでしょうか。

私はこの素敵な文化が大好きなので、正直とっても寂しく残念な気持ちです。
ギニアにいて何が楽しいかって、アフリカンファッションに身を包んだ人々を見ることです。
だって本当に本当に素敵なんです!なんとかこのまま残して欲しいものです。

という事で、私はほとんど毎日このように布屋とアトリエを行ったり来たりの生活をしています。
来年はギニア国内での商品販売を開始する予定でいろいろと準備しています。
来年はまた一歩前に進む事ができますように!

こちら移住後まもない頃のアフリカンドレス着用の私。グリオ〔吟遊詩人〕の皆さんと。

おまけ・ギニアの学生の制服

こちら写真右下は、ローカルマルシェのアフリカンプリント屋さんの片隅で販売されていた小学生の制服用のギンガムチェック柄布地。上の職人さんが制作していた制服布地です。ギニアの学生の制服生地には、このギンガムチェック、カーキ、ネイビーの3種類があります。

ブルーのギンガムチェックの制服を着た小学生。各自学校で指定された布地を買い、仕立て屋で自分の好きなデザインのものを仕立ててもらいます。最近では既製品の制服も販売しているお店が出てきました。

バー由美子
Inuwali Africa Guinée Conakry SARLU 代表
NPO法人一期JAM ギニア支部代表
NPO法人一期JAM 理事Inuwali Africa イヌワリアフリカ HP  
Inuwali Africa イヌワリアフリカ ネットショップ
イヌワリアフリカのギニアツアー専用 HP
NPO法人一期JAM  https://www.ichigojam.org

コワーキングスペースの物件が決まりました

物件が決まりました。

 

結局、ブラームフォンテインにある161 smithこちらの候補3)にて最終決定を下しました。

 

最終的に、上記の物件と、Aukland ParkというBraamfonteinの西側にあるエリアの「25 Owl Street」というビルの10階の物件(こちらの候補5)とで悩みました。

 

しかしながら、25 Owlについては、ランドロード(物件のオーナー)との交渉が折り合わなかったことに加え、向こうの信頼度に疑問があったのでやめました。

 

25 Owlに関する交渉において、実際に起こったことを書くと、

 

・急に「(賃貸部分のみならず)共用部分も含む」と主張しだした

・最初の内覧時に聞いていた面積よりも水増しした面積で契約書を提示された

念のため別業者にて測ってもらったが、ずいぶんと多く見積もられていた(「m2単価×物件面積」で家賃が決まるので、面積カウントはとても重要)

・「物件に(実際に)足を運んで色々確認した」と言われたのに実際はしていなかった

 

・・といった感じで、信頼するのが難しい点がありました。

 

物件自体は正直25 Owl Streetの方が魅力的でしたが、ビジネスは「人」

ビジネスパートナーの誠実性をもっとも重要視しているので、今回の決断に至りました。

161 smithのオーナーや仲介業者は(比較的)信頼出来るので、その点を重視し、決断。

 

これから内装を綺麗にし、家具をいれて、12月からオープン出来る様に急ピッチで進めていきたいと思っています。

 

内装が整っていき、コワーキングスペースとしてオープン出来るまでの様子も、まだ書いていきたいと思いますので、お楽しみに!

 

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南アスタートアップからのフィードバック 〜その2〜

こんにちは、アンドアフリカの室伏陽です。

 

今回は、我々の検討しているサービスに対する、南アスタートアップからのフィードバック収集の様子(その2)について書きたいと思います。

 

前回は南ア・ヨハネスブルグを拠点に、レイターステージのスタートアップ2社を運営するTinyiko Valoyi氏にインタビューしました。

南アのスタートアップからのフィードバック収集

 

今回は、同じくヨハネスブルグを拠点にアフリカの起業家エコシステム形成を目指す「The Entrepreneurship Ecosystem Company (Teec)」という会社のCEO/FOUNDERであるRapelang Motsumi氏にインタビューをしました。

 

Teec」およびRapelang氏の紹介記事:

https://www.iol.co.za/business-report/entrepreneurs/helping-pave-the-way-for-local-entrepreneurs-14417594

 

 

ヨハネスブルグ、RosebankにあるABSAEXPERIENCEという起業家ハブ施設でインタビュー。

 

 

Rapelang Motsumi氏も我々と同じく、「アフリカの若手起業家が貧困・格差・失業率の改善に大きく貢献する」と信じて活動しており、その意味で同士の一人。

 

今回のインタビューでは、そのオンラインマッチングプラットフォームについて、そもそもの需要・UIデザイン案に関してフィードバックを受けました。

 

前回同様、まずは手書きのモックアップなどを基に、サービスの概要・サイトUIについて説明。

(なんか顔コワめですが、実際は和やかにインタビューしていました)

 

ブンツ(参照)も詳細をヒアリング。

 

 

その上で、主なフィードバックとして下記をもらいました。

 

フィードバックをくれるRapelang

 

・「アフリカのユーザーは主にモバイルを使用するので、ウェブアプリケーションだけでは浸透しにくく、ネイティブアプリケーションがあった方が良い。」

まずはウェブアプリケーションをローンチする予定ですが、ユーザーの実際の反応見て、適切なタイミングでネイティブアプリケーションの開発も開始出来る様に頑張りたいと思います。

 

・「ランディングページは「パッと」見て、一瞬で何のページかわかる様にすべき。現状はちょっと文字が多い。ユーザーは文字を読まないと思った方が良い。」

ごもっともで、実はここは気にしていたところでした。ちょっと絵を加えたりして対応しましたが、ポンチ絵・写真・動画などを入れて視覚的に理解出来るようにデザインを再度考えています・・。

 

・「信用の観点で、Certifiationの提出機能をつけるべき。」

これもごもっとも。ユーザー同士がお互いに信頼出来るような仕組みを整えるのは、このサービスの特質上とても重要。なので、こちらの機能はサービスローンチ前に付加出来るように開発を進めて行きたいと思っています。

 

・「「どこまで無料でどこからが有料とするか」については、(現状我々が想定している)「興味があるパートナーの連絡先、その他より詳細な情報を知るためにリクエスト出来るのは有料会員のみ」という想定だと、ちょっと弱い。コンタクト情報など以外の価値ある情報またはサービスが付加されないと、ユーザーは課金しないのではないか?」

厳しい意見あざます。。という印象ですが、的を得た意見。ここはまさしく、最初に考えた「何が各ユーザーにとっての価値なのか?」について深く考えた経験(参照)が活きるところ。ここはとても重要なので、現在改めて検討中です。

 

・「(上記の解決策の一案として)プラットフォーム上でメッセージ機能をつけたらどうか?(有料会員にはメッセージ上でのやり取りでの特典(制限なくコミュニケーション出来る様になる等)をつける)」

信頼性の観点で全て実名登録、実名運用にして行きたく、その場合はメッセージ機能での制限をつけてもあまりワークしない様に思われる。

加えて、出来るだけユーザーの課題か解決に寄与出来るサービスにしたく、この様な細かいテクニックに走るのはあまり気乗りしない。。

私だったら、Googleで名前と会社名などを検索して、FacebookLinkedInなどで繋がってメッセージします。多分、起業する様な行動力ある人たちは95%以上で同じことします。

なので、結論、メッセージ機能はつけない。コミュニケーションはあくまでサービス外(Eメールからのやり取り開始)にする。

 

 

・・・といった具合でした。

引き続きフィードバック収集は進めて行きますが、次回はフリーランサー達へのインタビューを実施予定です。

 

来週、ヨハネスを拠点に活躍する若手弁護士にヒアリング予定です。

 

これまでのスタートアップ視点からのフィードバックとは違った意見が聞けると思うので、そちらもお楽しみに!

 

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南アのスタートアップからのフィードバック収集

こんにちは、アンドアフリカの室伏陽です。

今回は、我々の検討しているサービスに対する、南アスタートアップからのフィードバック収集の様子を書きたいと思います。

 

南アでオンデマンドデリバリーサービスを展開する「Zulzi.com」のCOO、加えてtoBITソリューションを提供する「Mavoni Technologies」のCEO/FOUNDERであるTinyiko Valoyi氏にインタビュー。

ヨハネスブルグのスタバで、パートナーのブンツと共に。

 

 

Zulzi.com

会社のウェブ:https://zulzi.com/auth/login

紹介記事:https://www.itweb.co.za/content/DZQ58vV6m3BvzXy2

 

Mavoni Technologies

会社のウェブ:https://www.mavoni.co.za/

参照記事:https://www.entrepreneurmag.co.za/entrepreneur-today/local-company-signs-multi-million-dollar-ict-deal/

 

 

現状、我々のオンラインマッチングプラットフォームについて、サービスのカスタマージャーニー、UIのデザイン案、モックアップ(手書+PDF)まで出来てきています。

 

モックアップの一例(ランディングページ):

 

モックアップの一例(その他のページの一部):

 

基本的なページ構成を、まずは一人で頑張って手書き作成しました。

なお、サービスの名称は「ZenVentures」としています。

(この辺は別の機会にご説明できればと思います)

 

 

今回のインタビューでは、そのオンラインマッチングプラットフォームについて、そもそもの需要・UIデザイン案に関してフィードバックを受けました。

 

まずは、手書きのモックアップなどを基に、サービスの概要を説明。

その上で、PDFのモックアップを基に、サイトUIについて概要を説明。

 

 

一通り説明した後、開口一番で「Great, all we need it !」と言う有難いコメント。

 

 

その上で、主なフィードバックとして下記をもらいました。

 

・「(当然ながら)スタートアップは成長ステージによってニーズが違う。AngelからSeedの人たちは、資金調達の戦略を考える上でのメンターが欲しい。具体的な資金調達を検討し始めるのは主にSeries A以降。なので、それぞれの成長ステージ(所謂”ラウンド”)が区別できる様な設計とすべし。」

スタートアップの区分分けの必要性は言わずもがななので、すでにUIデザインで考慮されていました

 

・「大学機関が優秀な起業家を確保する上での鍵。特にTech系。」

現在、Wits大学とのコミュケーションを進めていますが、UJ(ヨハネスブルグ大学)との連携も進めて行きたいと思います。

 

我々のコワーキングスペースは、こんな感じでWitsUJの中間地点に位置しているので、両方から学生(加えて卒業生)を誘致するのに適した地理条件と言えます。

 

 

・「スタートアップはとにかく時間がない。その意味で、いろいろな要望が一つのプラットフォームで叶えられると時間効率が良い。」

我々のオンラインプラットフォームでは現在、上でご紹介したモックアップ(ランディングページ)の様に、スタートアップは「資金調達」のみならず「クライアントの獲得」「人材・外注先の確保」「メンターの確保」など、主要なニーズを満たせる様にデザインしています。

 

・「経営のメンターだけでなく、テクノロジーのメンターがあっても面白い。日本企業の持つテクノロジーを利用して、アフリカのスタートアップがアフリカで新規事業を興せる様に、その仕組みがあると良い。競合サービスとの差別化にも繋がる。」

とても面白い取り組みになるかと思う一方、技術のマッチングを会する場合は、それはそれでまた深く考えてデザインする必要があるので、初期サービスが軌道に乗って、一通り完成系に近づいた段階でトライすることにします。

(国内でのそういったサービスは「Linkers」さんがやられています:https://www.linkers-net.co.jp/

 

・アフリカ人はとにかく集まるのが大好き。オフラインのコミュニティも設計してあげると、ブランド認知度が効率よく高まる。

最初は、ヨハネスのコワーキングスペースを活用してその様なオフラインコミュニティの集まりを企画して行きたいと思います。その上で、ブランド認知度がある程度出来て来た段階で、コミュニティマネジャー制度を設けて、フランチャイズの様に独自でイベント企画・開催してもらう事を検討しています(「ZenVentures」ブランドは使用してもらうのが条件)。

 

・その他(マイページが必要、チャットボックスがあると良い、ビジネスパートナーの自動スクリーニング+共有があると良い、スタートアップが投資家向けに提出する数値計画の自動作成サービスがあると良い、など)

ステップを追って反映して行きたいと思います。

 

 

今週、また別のスタートアップへのインタビューを実施予定です。

その模様も折を見てお伝えしようと思いますので、お楽しみに!

 

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アンドアフリカのメンバーのご紹介

こんにちは、アンドアフリカの室伏陽です。

今回は、アンドアフリカで活躍しているメンバーについて書きたいと思います。

 

——————————

 

>> ブンツ・マジャジャ(Buntu Majaja

 

アンドアフリカの役員。

ヨハネスブルグ在住。

プレトリア大学卒、同大学院(MBA)、Wits大学ビジネススクール卒。

(彼のおかげで、当該大学とのコネクションを活用して起業家誘致が可能です)

Wits大学等では起業家支援を専攻。

 

戦略コンサルティング会社のATカーニーにて、アフリカの化学工業や重工業、小売業界における事業戦略策定、マーケティングなどに関するプロジェクトを複数支援した後、アフリカの起業家支援を行う「DUYO」を創業。

南アフリカを拠点にアフリカ全土の起業家育成に注力。

 

彼はこれまでに2度来日しており、計4ヶ月ほど滞在・働いた経験があります。

現在、私は主に彼と共にヨハネスブルグで活動しています。

 

 

>> ニコラス・デュボア (Nicolas du Bois)

 

アンドアフリカ役員(予定)。

ケープタウン出身。ケープタウン大学、オックスフォード大学大学院卒。

オックスフォードでの専攻は「日本企業のアフリカ進出について」。

 

PwCなどにて、日本教育とビジネス界の国際化、南アフリカの投資環境説明会などに関するプロジェクトを複数支援。JET (Japan Exchange & Teaching) プログラムを機に日本に拠点を移し、Davis Polk&Wardwellなどにて通算5年日本で勤務。

英語・日本語を駆使し、南アフリカと日本のネットワークを活用して事業を推進。

 

彼はこれまでに日本で計5年間働いています。

なので、英語と日本語がフルエントで、日本の労働風習や日本の求めるクオリティなどを良く押さえています。

ニコラスはまだ別の会社に所属しており、11月中旬から正式に参画してくれる予定です。

 

 

>> 田中君(フルネームは現在勤務している企業の就業ルール上、伏せます)

アンドアフリカ役員(予定)。

大手パッケージベンダーで4年間勤務しており、ニコラスと同じく11月中旬からアンドアフリカに参画してくれます。

今月下旬から一時休職してヨハネスに来てくれる予定で、一緒に現地での活動をしていきます。

 

——————————

 

・・・という感じのメンバー構成で、これから、走っていきます。

 

有難いことに、とても優秀な人材が私の元に集まって来てくれました。

 

今現在、私としては、こう思っています。

 

「(芽がでる)タネは揃った。あとは水が欲しい。」

 

果実を収穫出来る自信はあります。

が、水が必要なので、応援頂けますと幸いです。

 

ちなみに、これは私のポリシーですが、役員全員には私と同じ役員報酬を提供しています。

給料はみんな同じ。

その代わり、全員に私と同じ目線で、同じパフォーマンスを要求します。

 

次回は、南ア現地のスタートアップからの、我々のサービスに関するフィードバック収集の様子について書きたいと思います。

 

お楽しみに!

 

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アフリカの起業家と日本の投資家を結ぶプラットフォーム

こんにちは、アンドアフリカの室伏陽です。

 

ただ今、ヨハネスブルグのブラームフォンテインのWits大学が運営するイノベーションハブ「Tshimologong Digital Innovation Precinct」にいます。

 

このインキュベーションハブは、名だたる世界のテック系企業が協業役・スポンサーを務める、アフリカを代表するイノベーションハブの1つです。

 

Microsoft、IBM、CISCO、Baclays、ABSA、Google、KPMG、Motorolaなど

 

IBM BOOTCAMPのポップ

 

 

ここでは、前回までにお伝えしているコワーキングスペース運営の調査として来ています。

 

一方、コワーキングスペースのオープン準備と並行して、「アフリカスタートアップのためのオンラインマッチングプラットフォーム」の検討も現在進めています。

 

今回は、その検討の一端をご紹介します。

 

このオンラインサービスでは、こんな感じで、

「アフリカの起業家・スタートアップ」×「投資家」×「大規模企業」

を結びつけるものです。

 

それによって何が嬉しいのか?

 

もっと言うと、

 

誰にとっての何が問題で、何が求められていて、(我々が)どんな価値を提供出来て、どこに導いて行きたいのか?

 

言うまでもなく、ここは非常に重要です。

ので、現在、丁寧に整理しています。

 

 

このプロセス(問題の所在をじっくり検討)は端から見ると効率的でない様に見えるかもしれませんが、この初期検討が後々の事業に大きな影響を与えると信じているので、丁寧に検討しています。

 

これまで2年間ほどアフリカ現地で集めて来た情報をもとにした仮説としては、

・アフリカの起業家は自分で事業を始めるための少額資金集めに大変苦労している(100-200万円程度)

・アフリカのスタートアップ(Series A-B)は、次のステップに進むための資金調達に大変苦労している。調達先は欧米のVC、個人投資家が主(日本はほとんど入っていない)

・アフリカのBtoBスタートアップ(Series A)は、最初の顧客を探すのに大変苦労している(広告代が払えないので、知人のコネクション探索やSNSでの地道な認知獲得をしている)

 

・日本の投資家(個人・法人)、日本企業はアフリカ市場での投資にとても興味があるが、投資に必要な最低限の情報を集めるのに大変苦労している

(正確に言うと、情報が無いので、投資検討オプションから外れる、または最劣後となる)

結果、リソースの余力のある一部の大企業のみ投資している

信じて良いと思われる情報の欠如、現地での投資先のフォロー、そもそもどんな投資先があるのか不明、などが根元的な課題

 

などが挙げられます。上記はほんの一部ですが。

 

ここで、投資する側とされる側をスムーズに繋げ、投資判断が出来る上で必要コミュニケーションは情報取得を可能にする。

そして、投資した後にも満足の行くリターンが生まれる様に「アフリカ現地で投資先に寄り添って」事業を育てて行く。

 

この後は、検討した仮説を、アフリカのスタートアップ・起業家と、日本の投資家の皆様にインタビューにてぶつけて見る予定です。

コワーキングスペースの準備とうまく連携して、会員はこのオンラインサービスをシームレスに利用出来る様にします。

 

さらに、最初の一定期間は、このオンラインサービスの利用を「すべて無料」とします。

 

会員を集めるためです。

収益はもちろん0です。

持ちこたえられるのか?

 

・・・応援お願いします。笑

 

この事業がアフリカと日本に与えるインパクトの大きさを信じているので、最初はタダ。

 

コワーキングスペースは最短で今年の11月に、オンラインマッチングプラットフォームは今年度中にはサービスローンチ出来る様、現在検討を進めています。

 

すでにヨハネスブルグに拠点をお持ちの日本企業との連携を始めており、ローンチしてから会員を獲得するまでのリードタイムを極力短く出来る様、奔走している日々を送っています。

 

以上、「アフリカスタートアップのためのオンラインマッチングプラットフォーム」の検討進捗の一部をご報告させて頂きました。

 

コワーキングスペースと合わせて、この「アフリカスタートアップのインキュベーション事業」の進捗を追って公開して行きますので、乞うご期待!

コワーキングスペースの物件選定 〜その2〜

こんにちは、室伏陽です。

 

前回、ヨハネスブルグでのコワーキングスペース向け物件選定についてご紹介させて頂きました。

http://entre-africa.jp/yo_murofushi/7102.html

 

その後も引き続き物件選定を進めており、今回は新たに見てきた物件、並びに現在の検討進捗について書かせて頂きます。

 

腹が減っては戦はできないので、まずはNandosチキンで腹ごしらえ・・。

 

いざ、物件選定へ!

 

候補5:◎

・エントランスのセキュリティがとても良好

・見晴らし良い

Wits大学のみならず、ヨハネスブルグ大学も近いロケーション

・車以外(電車、バス)だと少々アクセスしにくい

TIコスト(テナント改装料)が高くなりそうな予感(交渉次第)

 

とても綺麗で洗練されたビルの入り口(池にはなんと錦鯉が泳いでいます)。

 

 

ビルのレセプション。

 

地下1階に下るとおしゃれなカフェ。

 

エレベータで11階へ。

事前にタッチパネルで階数を指定するのが、南アの”ちゃんとした”ビルのエレベータでは一般的。

 

 

広々としたシェアスペース。

   

 

スケルトンの個割オフィスもあります。

 

綺麗で広々としたキッチンスペース。休憩所として利用出来そうです。

  

 

11階からの見晴らしも上々。この日は曇りなので写真はいまいち。

 

 

候補6:△

Wits大学からのアクセス良い(Wits大学の学生を対象にする場合◯)

TIコスト(テナント改装料)が高い

・オーナーのインド人がハードネゴシエーター

 

 

時間貸しで利用できるイベントスペース有り。

 

個割オフィスも充実。

 

キッチン。

 

窓からWits大学も見えます。

 

インド人オーナーは交渉上手でした。手強い印象。

 

 

候補7:△

・とても綺麗(ビルはこれまでで最も綺麗)

・エントランスのセキュリティもベスト

・部屋数が多く、共有スペースが少ないため、コワーキングスペース向けではない

・(結果として)TIコスト(テナント改装料)が確実に高くなる

・暗い(自然光が少ない)

 

ビルのエントランス。今までで最も豪華。ガードマンも常に配備。

 

丸の内のビルにある様なエントランスゲート。

 

 

エレベータホールで階数を指定。

 

シェアスペース。自然光だけだと暗めで狭い。

 

個割オフィス。全8部屋と数が多く、コワーキングスペースというよりもREGUSの様な個割オフィス貸しに向いている印象。もし、壁を撤去してシェアスペースを拡大する場合、追加のTIコストが発生すると思われます。

 

トイレ。とても綺麗。

 

ビルの1階には会員制フィットネスや綺麗なカフェが有ります。

 

ビルの共有設備は申し分無いけど、肝心のスペースがコワーキングスペース向きでは無い・・。

という印象でした。

 

 

II 総括

 

・・といった感じで、上記3候補の中で、候補5が視野に入ってきています。

そして、最終段階での検討候補は、前回挙げた候補2と3、そして今回の候補5の3つです。

現在の私の感覚では、候補3または5が濃厚。

 

後は、コスト面での良い条件が引き出せるか。

 

コスト面の交渉要素としては、

A. 家賃(㎡単価)

B. エスカレーションレート(南アでは通過価値が継続的に下がっているため、前年度7 – 8%くらいの家賃増が一般的)

C. 契約期間

D. TIコスト

E. 駐車場代

と言ったところが重要になってきます。

 

これらをいかに希望に近づけるか。

すでに事業の5カ年シミュレーションを極力精緻に作成してあるので、上記希望のA-Eの要素の希望値、許容値が見えています。

 

現在、オーナー側と交渉を進めています。

「これを譲るけど、これは譲れない」と言った類のやりとりがメインです。

 

次回は、最新の進捗とセキュリティの面について書きたいと思います。

 

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ルワンダのスタートアップにとっての魅力

最近、アフリカで良く名前を聞くのが「ルワンダ」。

 

小国(四国の約1.5倍)ながら約1,200万人の人口を有し、アフリカで最も人口密度の高い国として知られます。

 

ご存知の通り、カガメ大統領の強烈なリーダーシップの元、ICT立国を進めています。

 

ビジネス環境も良く、2018年のビジネス環境ランキングではアフリカで2位に位置しています。

 

世界銀行「Doing Business 2018

法規制、エネルギーインフラ、投資家保護、税金、貿易の難易度、政治の安定性、汚職度、通貨の安定性、などの基準で評価されています

国名 (日本語表記)

2018年順位

アフリカ内順位

モーリシャス共和国

25

1

ルワンダ共和国

41

2

モロッコ王国

69

3

ケニア共和国

80

4

ボツワナ共和国

81

5

南アフリカ共和国

82

6

ザンビア共和国

85

7

チュニジア共和国

88

8

セーシェル共和国

95

9

・・・

 

そんな注目のルワンダのキガリにて、現地のビジネス状況やスタートアップを、先々週、視察してきました。

 

アンドアフリカでは、この様なスタートアップ視察ミッション@南アフリカを、来年の2月に実施予定です。

(詳細はまた別の機会にご紹介致しますが、投資家の方、アフリカに関連するまたは興味のあるビジネスパーソンを対象とします)

 

そのため、今回のルワンダのミッションでは、そのミッション@南アの構想を固めることを主目的としつつ、ルワンダへのインキュベーション事業の展開可能性を睨んだ動きです。

 

 

II ビジネスの素地

 

ルワンダは人口の78割が農業に従事しており、その大半がお茶やコーヒー栽培に関わっている様です。

大半は小規模の家族経営の農家です。

 

写真は、Joeさんという方が経営されている牛乳加工業。

 

小規模かつ加工機械などが無い中でも、誠実に、真面目に製造されているのが伝わってきました。

この”真面目さ”みたいなところが、ルワンダの方々(特に中高年齢の方々)の特徴の様に思います。

 

また、中にはこの様に中規模以上で展開する農家もいます。

写真はココア農家の農園の様子です。

 

安全で、綺麗かつ良く整備された街並みも、ルワンダの魅力。

毎月の最終土曜日には、自宅の周辺地域の掃除に国民総出(カガメ大統領含む)で勤しむキャンペーンが国から提唱されています。

 

ルワンダのGDPはまだ9 billion USD1兆円弱、日本で46番目GDPの高知県の半分程度)しかありませんが、成長率(YoY)は6%-7%と非常に高い。

前述のビジネス環境の良さも考慮すると、将来性の観点で有望と言えます。

 

インターネット接続環境も良好で、ルワンダ政府は2020年までに5百万人がデジタルリテラシーを持つ様に教育を改革する姿勢を見せています。

 

 

II スタートアップの成長素地

 

ルワンダは自分たちを「スタートアップのための育成場」となることを志向しており、ルワンダで事業モデルを固めた後に他アフリカ地域および東アジアの経済圏に進出するモデルケース創出を進めています。

革新的なスタートアップを生むため、または海外から誘致するために、不動産登記のデジタル化、少数株主の権利改善のための改革などを実施しています。

 

Zipline

ドローンによる血液輸送の「Zipline」は良く知られていますが、道路インフラが無い中で血液の緊急輸送を可能にするサービスを提供しています。

彼らは元々カルフォルニア発のスタートアップで、ルワンダを最初の外部拠点としました。

ルワンダ政府との戦略提携によって事業を拡大しています。

 

Babylon Health

Babylon Health」はUK発のスタートアップで、定額制にてリモートで医者の受信を受けられるサービスを提供しています。

(ルワンダでは「Babyl」として知られている)

Babylon Healthはアフリカに留まらず、世界の発展途上国や先進国の田舎で同様のサービス展開を狙っているが、ルワンダを最初のテストマーケットとして選んでいる様です。

 

SafeMotos

ルワンダ発のスタートアップとして、ルワンダのバイク版UBERの様なサービスを提供している「SafeMotos」があります。

 

ルワンダは道路の整備が進んでる一方、未だに車よりもバイクでの移動が、現地の人の移動手段としてはメジャーです。

 

 

II 結論(現時点;アップデート余地有り)

 

この様に、ルワンダは国を挙げて戦略的に「世界展開を目指すテック系スタートアップの実験上」としての地位・認識を確立すべく動いています。

 

ルワンダで、民間のファンドや投資家、さらにクライアントになる企業や購買力のある一般消費者がより増えれば、スタートアップにとっての理想的なエコシステムが出来上がる余地はあります。

 

一方、まだまだ極小のGDPから判断しても、一般消費者の購買力向上、それに伴う現地企業の成長にはまだまだ時間がかかりそうです。

 

実際、一人当たり購買力平価GDPで見るとルワンダはアフリカの中で32です。

 

一人当たり購買力平価GDP、アフリカ内ランキング

アフリカ

内順位

国名

数値(USD/Y)

数値(JPY/Y)

世界での順位

1

セーシェル

28,964

3,186,040

50

2

赤道ギニア

24,817

2,729,870

60

3

モーリシャス

22,278

2,450,580

65

4

リビア

19,631

2,159,410

69

5

ガボン

18,183

2,000,130

73

6

ボツワナ

17,354

1,908,940

79

7

アルジェリア

15,275

1,680,250

86

8

南アフリカ

13,498

1,484,780

96

9

チュニジア

11,911

1,310,210

103

10

エジプト

11,583

1,274,130

106

・・・

30

マリ

2,211

243,210

167

31

ジンバブエ

2,086

229,460

169

32

ルワンダ

2,036

223,960

170

世界銀行データよりアンドアフリカ作成

 

一方、革新的な事業の世界展開を進めたいスタートアップにとって、「最初の展開国と位置づけ、政府の後押しを得られる様に動く」という戦略オプションは有望と結論づけます。

 

アンドアフリカにて展開していくスタートアップのインキュベーション事業の一環として、コワーキングスペースの出店エリアとしてルワンダ・キガリは有望なオプションと見ています。

 

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ギニアのもう一つのセキュリティ問題!それはズバリ【呪術】

スーライと呼ばれる伝統的なお香。壺に熱した炭を入れこのお香を焚きます。西アフリカ全般で使われており、ギニアでは魔除け悪霊払いとして使用されています。

こんにちは。ギニア共和国、コナクリからイヌワリアフリカ代表 バー由美子です。

雨季真っ盛りのギニアですが、自宅にいる時は晴天、でも私が外出しなければならない肝心の日には何故か大雨嵐になるというパターンが続いています!

お陰様で、引き続き日本の業者様方からアフリカンプリント布の製品や布のご注文を沢山頂いたりと、仕事も順調で、大雨の中アフリカンプリント布を探しにコナクリ中のあらゆるマルシェを駆け巡ったり、パートナーを組んでいる仕立て屋のアトリエを行ったり来たり忙しくしておりました。

予定していた日本への荷物輸送手配も終わり、やっと少し落ち着いた時間が取れたので、ようやくこちらに記事を書かせて頂く事が出来ました。

先日モザンビークの有坂純子さんの記事「アフリカ起業と安全」にとても共感したのと、有坂さんの記事を読ませて頂くうちに私がギニア移住をしてからずっと悩まされて来たことは別の意味でのギニアならではのセキュリティ問題だなと思ったので、ちょっと怪しい内容になりますが、今回思い切って書いてみることにしました。

もちろん普通に強盗や泥棒には気をつけています

ギニアでも、日本人は白人と見なされ、当然お金持ちだと思われています。
ましてや我が家の場合、ギニア人の夫はギニア人たちの憧れの国である日本で10年生活したのちに、職が無くて危険を冒してまでボートピープルになって海を渡ろうとする人が後を絶たないこのギニアにわざわざ戻って生活している訳ですから、こちらの人たちからしたら当然お金持ちだからなんだろうと思われる訳です。
ギニアでは白人でなくてもお金持ちは身代金目当ての誘拐もされますし、お金持ちの家でなくたって泥棒が入るなんて日常茶飯事ですからお金持ちや外国人の家、マンション入り口には大抵ガードマンが常時警備しているんです。
ですから、私も本当に親しい人以外には自宅を教えないようにしていますし、こうした防犯に対してのセキュリティ面には最新の注意を払い生活しています。
フェイスブックの投稿から住処を知られ泥棒に入られるケースが多いという事で、わたしはギニア在住の人とはフェイスブックでは繋がらないようにしたり、当社イヌワリアフリカのフェイスブックページはギニアでは非表示になるようにしています。
本来であればギニア国内で当社の活動のアピールをもっとしたいのですが、目立つといろいろなターゲットになる可能性があり目立たなければならないのに目立てないというのが起業していて大きな悩みの一つでもあるのです。

でもずっと戦って来たギニアならではの問題とは・・

何故目立ってはいけないのか?それは普通の防犯の他にギニアならではの大きな問題があるからです。
かなりマニアックな変な話ではあるのですが、これはギニアだけではなくギニア周辺諸国でよくある話のようです。(バーさんちょっと怪しい!って思わないでくださいね笑)

私たちがギニア移住をしてから一番苦労しているものとは、ズバリ「嫉妬による呪い・黒魔術」です。移住する前からですが、ギニア人の夫と結婚した後にまず最初に夫に言われたことは、ギニア人は優しいし親切に見える、でも顔は笑っていても心の中は違う人もいる、優しそうだけどその一方で嫉妬心が醜く人を羨む気持ちで、呪術師のところへ行き呪いをかける人達がいるから気をつけて欲しいという事でした。

*それが親しい誰かであっても、他人から食べ物飲み物をもらってはいけない(口に入れてはならない)。→毒を盛られる時がある、呪いの薬を入れられる可能性がある。

*髪の毛、爪を誰かに取られてはいけない。→呪いの薬を作る素材となる。
*両親の名前を他人に教えてはならない。→呪いをかける方法に使われる。

気をつけなければならない事はその他沢山あるのですが、この3点は特に注意するように言われてきました。
私は現地のアフリカンダンスの舞踊団のメンバーとしてギニア人のダンス仲間と共に踊りを通して何年もほぼ毎日のように一緒にを過ごして来たのですが、ギニアでは小さなお菓子でさえ仲間と分け合って食べる習慣がありみんながお菓子やパンなどをちぎって渡してくれる時にそれを断るのに気が引けて、最初のうちは食べたふりをして手の中に隠したりしてましたが、途中からは夫にわからないから食べちゃえ。。と食べてしまったこともあります。
親しい友人の家に遊びに行くとご飯をどうぞと出されますが、でもお腹壊してるからと嘘をついて食べなかったりこれかなり大変なんです。
この人なら大丈夫?、大丈夫じゃない?を見極めるのが本当に大変なんです。
いつも誰かを疑っているようなのも気分がよくありません。

人より目立つと呪われる

でも、呪い、黒魔術、白魔術、占い師、呪術師の存在はギニアでは人々の暮らしの中に普通に根ずいていており、全然珍しいことではないのです。
事実なのは私も身を以て体験してきたのでこれを思い過ごしや迷信だとは思っていません。
ギニアでは本当に今のこの時代でも黒魔術が横行しています。
さっきまで元気だった人が突然死したり、病気になったり、いきなり気が触れたりします。
有名になった人、外国に行く予定の人、外国から帰ってきた人、事業が成功した人、外国人と結婚した人、みんなに羨ましがられる対象になったら嫉妬の対象、呪いの対象になります。

友人知人ならまだ分かりますが、驚きなのがギニアでは親子、兄弟同士であっても自分より成功して欲しくないという妬みからその呪いをかけるということ。
一夫多妻の家庭では妻同士の争いで呪いを使うことも多いとよく聞きます。
ダンス仲間はミュージシャンのミュージックビデオに出演しテレビに多く出るようになったら体調が悪くなったり悪いことが起きるようになって怖い、呪われているかもしれないと悩んでいた時もありました。
知り合いの男性は外国人と結婚し海外で暮らしていたものの離婚しギニアに戻ってきてから気が触れてしまいました。
外国人と結婚したら、妬みで呪いの標的になり離婚するように呪われる。
外国に行く事が決まったら、飛行機に乗る日は親しい人にも秘密にし旅立った後に後日報告することも当たり前です。先に知らせると呪いで邪魔される可能性があるからです。

こういう話は周りにいくらでもあります。

庭をコンクリートで埋める理由

我が家でもその呪いにずっと悩まされてきました。
まず移住後住んでいる家の敷地や部屋から私たちを呪う為の道具が度々発見されることがありました。
その見た目は日本の神社のお守りの中に入っているような小さな紙だったり魔力を持った薬を紙を皮や布で包んだ物だったりします。大抵は庭の土の中に埋めてあったり、木の根元にあったりします。
誰かが家の中に侵入し、床に穴を開け呪いの道具を入れていったこともありました。

移住後に夫の家族と一緒に暮らしていた頃も、職がなく生活が大変な若者たちを数人我が家に同居させ、彼らの生活の面倒を見ていた頃もそんなことが度々ありました。
自分たち以外の人の出入りが可能な場合は誰がそんなことをしたのか特定も出来ないし誰かを疑うのも嫌だし、はやり誰かと同居するのはやめようと決め、引越しを機に私たち夫婦と子供たちだけで暮らすことになり、それ以降呪いの道具が発見されることはなくなりました。

こういう呪いの類は掃除をしていている時に偶然見つける時もありますし、何か変だなと思ったら呪術師を家に呼び彼らが不思議な力を使い見つけ出すというパターンもあります。
ギニアではそういった呪い対策で、庭の土の部分を全てコンクリートで埋めてしまう家も多いんです。

呪術師に作ってもらった魔法の薬と共に体を洗う時に使用する黒石鹸。スポンジとしてヤシの繊維のたわしを使います。この石鹸は悪い霊や呪いを洗い流すと考えられています。

ギニア人の生活に欠かせない呪術師の存在

先にも書きましたが家に呪いの道具を隠す以外でも呪う方法は沢山あり、人々は「何かおかしい!呪われてるかも!」的な奇妙なシチュエーションが訪れると助けを求め呪術師の元に行きます。
そして身体や精神の状態が悪くなった時も呪いが原因かもしれないので、一般の病院にいくより先に呪術師の元へ助けを求めて行く事も多く、そういった場所では薬草での治療と共に呪術的な治療を施すところもあり西洋的な視点から言えば、そんなのはただの思い込みなんじゃないか?と思われるかもしれません。でも一概にそうは言えないんですよ!実際それで良くなるケースを沢山見てきました。

呪術師には呪いを請け負う呪術師もいるし、呪いを断ち切ってくれる呪術師もいます。
呪術師は薬草や動物の体の一部や金、その他あらゆる自然の素材を使い人々の願いを叶える魔法の薬を作ったり、呪いを跳ね返したり悪いものから身を守る薬やお守りも作ってくれる、イメージとしては映画の魔法使いのおばあさんような存在でもあります。
海外在住のギニア人でも、悪い事が立て続けに起こったり呪われてるかも?と思ったり、事業をうまくいかせたい時などはギニアの呪術師に国際電話をしていろいろお願いをするそうです。

サッカーのワールドカップの時にアフリカのチームには呪術師がついていて彼らの魔力によってチームが勝つというような話をネットで見ましたが、まさしくそういう事がギニアでは普通に行われています。政治関係者などお偉いさんにはもちろんすごい強力な呪術師が付いているそうです。

私は今までこうした事をこの目で見て体験してきたので、呪術的な方法全てがインチキなのではないと思っています。
近所で盗難があった時に犯人を割り出す為に呪術師を呼び、呪術で犯人を割り出してもらう場面を見た事がありますし、バラフォンという魔力を持つ伝統楽器を使い妖怪をおびき出しやっつける儀式も普通の民家で行われています。

ギニアには「ゲゲゲの鬼太郎」みたいな世界が普段の生活で当たり前のように存在しているんです。

ギニアでは鶏、ヤギ、羊は食用以外の大切な使い道がある

ギニアでは鶏やヤギがいろいろな場所で販売されていますが、それは食べる為だけに販売されているのではなくサクリフィス(捧げ物)として購入する人たちの為でもあります。
サクリフィスとは、いろんなパターンがありますが、上に書いた自分の願いを実現させたい時や、呪われてしまった時に呪術師の元へ行くと、呪術師からどんな色のメスの鶏を何羽飼ってきて捧げ物にしなさい、とかヤギ一頭を捧げ物としなさいとアドバイスが出され、その指示通りの鶏や動物を買い祈ってから捌いて食べる神様、悪魔、妖精、精霊たちの為のものです。

ギニアの家庭の庭には鶏やヤギがうろうろしていますがそれも食べる為に飼っているのではなく、
そのサクリフィスの為だったり、呪術的な意味で家に置いている事も多いのです。

私たちもこの呪い問題のお陰で、何羽の鶏、羊、ヤギ、牛を購入した事でしょう。
けっこう高くつくんですよ!

そんな訳で事業をしていても目立たないように・・

ということで、ギニアの人たちは日々自分を守る為にいろいろ苦労している訳です。
そして私たち夫婦は私が日本人の国際結婚なのでもっと妬みを持たれる為、こうした呪い問題に常につきまとわれています。
さらに事業をしているともなるとまた嫉妬の対象になる可能性が大きい為に変な気を使ってきました。

現在もギニア国内での商品販売を考えているところですが、正直躊躇してしまう気持ちがあります。
目立たなくてはならないけれど、目立っても良いのだろうか?と。

アフリカンプリント布屋さんにて。布屋のマダムたちはいつも娘にとても優しくしてくれます。

それでもギニアが大好きです

呪いや黒魔術が横行するギニア、かなり怖い体験もしてきましたが、それでも私はそんな人間臭いギニア人が好きですし、ミステリアスな闇の部分があるからこそ、このギニア独特の魅力があると思うし、わたしはギニアを嫌いにはなれません。
それにギニア人みんなが嫉妬深く呪いをかける訳ではありません。
ギニアの人たちは本当に人懐く冗談好きで優しい人がいっぱいです。
わたしはこれからも大好きなギニアで大好きなギニア人たちと一緒に仕事をしていきたいと考えています。

これが日本人だけでギニアで暮らしているのであればこんな悩みも無いのかもしれません。
他のアフリカ諸国で起業されている方々はどうでしょうか?こんな問題が起きた事ってありますか?

今回は相当怪しい記事でしたが、お許し下さい!
そして、怖がらずにギニアに是非いらしてくださいね笑。

バー由美子
Inuwali Africa Guinée Conakry SARLU 代表
NPO法人一期JAM ギニア支部代表
NPO法人一期JAM 理事

Inuwali Africa イヌワリアフリカ HP  
Inuwali Africa イヌワリアフリカ ネットショップ
イヌワリアフリカのギニアツアー専用 HP
NPO法人一期JAM  https://www.ichigojam.org

こちらが呪術的な力を持つバラフォンという伝統楽器です。ギニアの歴史の中でのバラフォンの不思議な力の伝説がいろいろと語り継がれています。

コワーキングスペースの物件選定

こんにちは、室伏陽です。

現在、アンドアフリカが準備を進めている「アフリカスタートアップのインキュベーション事業」について、物件選定の様子を書かせて頂きます。

 

前回、当事業の背景や、南ア・ヨハネスブルグのブラームフォンテインという場所でコワーキングスペースの展開準備を進めている点、書かせていただきました。

http://entre-africa.jp/yo_murofushi/7035.html

 

今回は、ブラームフォンテインで実際に選定中の物件を、写真と共に公開しちゃいます。

 

快晴のブラームフォンテイン。

いざ、物件選定へ!

 

 

候補1:◯

Neighbourgoods Marketという商業施設ビルの3階

・広さは330㎡(かなり広いです)

・ロケーションはブラームフォンテインの中心地

・個割スペースが無いため、パーテーションで仕切ってミーティングルーム、通話ルームなどを確保する必要有り

ここでは、3050人くらいの会員がシェアオフィスとして利用可能。

また、イベント会場としての利用も可能で、投資家や大企業とのネットワーキング、ピッチングイベントを開催していく計画です。

これは、投資家やクライアント候補企業へのまたとないアピール機会になるため、アフリカの起業家やスタートアップからすると非常に価値があると思っています。

 

こんな感じでかなーり広いです。

 

窓からの眺め。ブラームフォンテインのシンボルの1つ、ネルソン・マンデラの壁画も一望出来ます。

 

ドアのセキュリティシステムもしっかり備え付けられています。

 

 

候補2:◎

・候補1と同じビルの4階

・面積は同じだけど、既にパーテーションによって3つの部屋が確保されている

・さらに、エアコンの充実度も候補1より高い

・価格は候補1と同じ

・結論的に、候補1よりベター、と判断

 

 

受付もおしゃれ。

 

駐車場もあります。

 

ビルの外観。

 

 

候補3:◎

・ロケーションはブラームフォンテインの中心地

・既にかなり出来上がっている印象

・シェアスペースの他に5つの部屋がある

コワーキングスペース利用、イベント会場利用だけでなく、ミーティング室・通話ルーム・個割オフィス利用も可能

・眺めも良い

・家賃は候補1・2よりやや安く、4より高い

・唯一、外から入り口が見つけづらいのが欠点

 

オフィス内への入り口(外からの入り口はこれとは別)。

 

これからクリーニングはかけるものの、綺麗な内装、良く整備された構造。

 

 

ミーティングルームとして利用出来そうな部屋。

 

 

同様に、個割オフィス利用に適した部屋。

 

スタンディングでの仕事を好む人用の部屋、または電話部屋、休憩スペースなどでの利用が出来そうな部屋。

 

スペース内にトイレ(男女別)もついてます。

 

キッチンスペースもあるので、コーヒーサーバーを設置出来ます。

 

 

バルコニーもついてて、休憩用途で自由に使えそうです。

 

外の眺め。

ヨハネスブルグのシンボルであるネルソン・マンデラ橋も見えます。

 

 

候補4:△

・ロケーションはブラームフォンテインの中心地

・築100年の物件で、かなり古いが、(入居する場合は)大幅にリノベーション予定(こちらのコスト外)

・家賃は4候補の中で最安値

・下のフロアは現在は教会が使用しているが、より広い場所を求めて来月移動予定とのこと

 

ヨーロッパ風の内装。

 

個割オフィスとして利用出来そうな部屋。

 

やっぱりヨーロッパ風の階段。

 

 

 

・・といった感じで、現在は候補2と候補3とで迷っています。

 

候補2についてはオーナー側と価格交渉中です。

月々の家賃支出は、我々の様な吹けば飛ぶ零細企業にとって非常に大きいため、ここはかなりシビアに交渉しています。

 

候補3についても同様で、価格交渉中です。

南アフリカでは、家賃は毎年更新されるのが普通なため、まずは1年目の家賃に焦点を絞って議論を進めています。

 

今月~来月頭くらいには決める予定です。

 

今後の展開をお楽しみに!

 

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