アフリカの食事 〜タンザニア編〜

海外現地のことを理解するには、まずは食から。
何を食べているかで、現地の方々の暮らしや農業事情、加工食品などの産業の発展具合など、いろいろなものが見えてきます。

3回目の今回は、東アフリカでケニアに継ぐ経済大国、タンザニアから。
ドイツ領だったタンガニーカ(第一次世界大戦後にイギリス領)とイギリス領だったザンジバル島が1964年に統合して出来た国です。

かつてドイツ領だった歴史もあり、ビール製造が盛んです。
タンザニアでは主に、「キリマンジャロ」「セレンゲティ」(国立公園があるタンザニア北部の地名)、「サファリ」という3種類のビールが楽しめます。
銘柄のシールを並べてみました。

私は軽くて少し甘く飲みやすいサファリが好み。

タンザニアでは、どんな料理が食べられているのでしょうか?

まずは主食。
ウガリかライス、あるいはフライドポテト

おかず。
フライした魚かチキンが一般的。

こちらはライスとフライしたチキンの定食。

この定食で大体3,000〜6,000シリング(約150円〜300円)。

ウガリとはとうもろこしを粉にしたものにお湯を加えて練った、白くて柔らかいもの(場所によってはキャッサバの粉で作る)。

レストランで定食を頼むと、主食の周りに3種類の副菜がついてきます。

1.Mboga(ンボガ、ホウレンソウの炒め物)
2.Maharage(マハラギ、赤い豆を煮たもの)
3.Mchuzi(ムチュジ、トマトベースのカレーのようなスープ)。

主食をメインのおかずと食べるのに加え、周りの3つの副菜と右手で混ぜて食べます。
なお、ウガリはたまに食べる分にはイケますが、正直お米の方が美味しいです。
現地の友達に聴くと、ダルエスサラームでも最近はウガリよりも米を好む人が多く、米の消費量はどんどん高まっている様です。

こちらはライス+チキンのムチュジ+マハラギ+ンボガ+フレッシュジュースの定食。

隣に座った兄ちゃんと仲良くなってセルフィー。

外を出歩けばこういうことが1日1回はあります。
アフリカでしか味わえないわちゃわちゃ感、癖になります。
ちなみに、この兄ちゃんとはWhat’s upで繋がったところ、日本からiPhoneを買って来てくれ、というオーダーがたくさん来ています。
これもよくあること。

こちらはウガリ+牛肉のホイル焼き+ンボガの定食。

「ピリピリ」という赤い唐辛子をつぶしてペースト状にしたものと合わせて食べます。

こちらは、ライス+フライしたティラピア+ムチュジの定食。

ウガンダで食べたティラピア(こちらを参照)と違い、かなり小ぶりなティラピアです。

こちらの手前にある料理は、Ndizi(ンディジ、または「プラテーン」とも呼ばれる様です)と言われる料理用の甘くないバナナ(青いうちに使用している)と牛肉を炒めたもの。

このンディジはまるでジャガイモの様な味、食感です。
塩気のある料理に使用されていても、全く違和感がありません。
このプラテーンを使った、トマトベースの肉煮込みシチューがあります。

もぐもぐ。

こちら、現地で会社を複数社経営し、子供が10人いるという現地の知人のお宅にお邪魔させて頂いた際にご馳走してもらった料理。

テーブルに料理を並べてくれます。

ダルエスサラームは港街なため魚市場が近くにあり、新鮮な魚介類が手に入るため、とっても美味しいです。

なおこの方、写真から分かる様に、ムスリムの方です。
礼拝にも、近くまで連れて行ってくれました。
この方のお宅には5回くらい遊びにいったのでとても仲良くさせてもらっていて、ラインで連絡を取り合ってます。
子供が10人いるだけでなく、時間の使い方や家族とは何か?などいろいろと教えてくれる、人生の大先輩。
なので、尊敬の意を込めて「ファザー」と呼んでます。
写真には無いのですが、お庭にマンゴーやアボカドはどしどし生ってます。

ところ変わってダルエスサラームのスーパーでは、こんな感じでナッツ類が量り売りされています。

タンザニアではカシューナッツやアーモンドなどのナッツ類が豊富に収穫されます。
また、パイナップルやマンゴーなどの南国系フルーツの収穫量も多く、スーパーでドライフルーツなどがたくさん売ってます。

これは(ちょっと地味ですが)、スーパーで買ったSambusa(サンブーサ)というミンチと玉ねぎが入ったサモサ。

味付けが塩味のみなので、肉の旨みが味わえる一品で、地味に好きです。
揚げたてだと皮もパリパリ。

ちなみに、現地食で胃が疲れても、ホテルの食事はこんな感じで普通なので安心です。

(@Tanzanite Executive Suites

最後に、タンザニアといえばキリマンジャロコーヒーが有名ですよね。
道を歩けば、コーヒーポットを持った兄ちゃんが甘いお菓子とコーヒーをセットで売っています。
こんな感じで小さなカップに注いでもらって、道中で小休憩します。

ちなみに、タンザニアはコーヒーだけでなく紅茶も多く収穫されます。
こちらはスパイス入りの紅茶をカラフルなアフリカの布で包んだ一品。

お土産にオススメ。

以上、つらつらと書いてしまいましたが、タンザニアの食関連レポートでした。

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アフリカの歩き方 〜怪我の経験から学ぶ〜

初めてアフリカに渡航した際、タンザニアで左腕にガラスの破片が刺さった、という経験をしました。
今回はアフリカで暮らす、または旅行する際に役に立つかもしれない?経験談をご紹介。

アフリカでは現在、54カ国中、だいたい半分くらいの国でウーバーが使えます。
タンザニアも、ウーバーが使用出来る国の一つ。

ある日、タンザニア・ダルエスサラームの5つ星ホテル「Hyatt Regency, The Kilimanjaro」の前でタクシー(ウーバー)を待っていました。
やってきたTOYOTA CARINA Tiの助手席にいつもの通り乗り込み、「普通の人が閉めるくらいの強さで」ドアをしめた瞬間、事件発生。

「バリーンッ」

助手席の窓ガラスが、一気に全壊。

あまりにも突然の出来事に、

「え、何??!!襲撃??!!撃たれた??!!」

一瞬、本気でそう考えました。

2、3秒後、何が起こったのかが分かってきます。

「あ、窓ガラスが割れたんだ。」

同乗した仲間2人とドライバーも同じ認識を持ち、皆、顔を見合わせます。

僕としては、
「えー・・・・。。そんなことってあります。。」

という気持ちでしたが、ドライバーは
「何してくれとんじゃ?我?」
みたいな雰囲気を出してきている(口で「チューチュー」ならす。いらだっている時に現地の人はよくやる)。

結論としては、窓ガラスが割れた理由は単純に「劣化して(元々)亀裂が入っていたから」だったのですが、日本だったら運転手さんから「わー、なんてことをしまったんだ、お客様、お怪我されていませんか?!」という展開に、90%以上の確率でなることでしょう。

んでもって、実際に怪我しているんです。
左腕3カ所から流血している。
割れたガラスの破片が刺さったのでしょう。
その時の流血画像はここでは控えますが・・。

こっちとしても、非が無いので、
「何してくれとんじゃ?」
という気持ちになる。

しかし、ここは(その時は)初めてのアフリカ。
経験が無い中、無茶をするわけにいきません。
運転手が、僕らを変なところにつれていき、
「おれの窓ガラスをどうしてくれとんじゃ?修理代200万TZS(約10万円)よこせや」
といわれて、怖いお兄さん達に取り囲まれてすごまれる可能性も考えられます。

仲間が「ここは、まずどこかに停車して、現地に詳しい仲間を呼ぼう」と提案してくれ、近くの駐車場に停車し、知り合いの現地人を呼ぶことに。

(↓こんな感じでどんどん知らない人が集まってきて、仲裁にあたろうとしだす。後で仲裁料とか要求するつもり。)

現地の方がかけつけてくれて、スワヒリ語で仲介に入ってくれた結果。。
なんと!
こちらが50000TZS(約2,500円)支払うことで勘弁してもらえることになりました!

・・・ん?
なんでおれが払うんだ??

というモヤモヤ感はかなり残りましたが、仲間もいるし、無茶は出来ない。
ここは大人しく、飲むことに。

お金をそのドライバーに支払って、知人の車で病院に向かうことになりました。

事前に旅行傷害保険に加入していたので、病院に向かう車の中で最寄り(笑)の南アフリカ支店に電話するも、全然つながらず。。
仲間が友達に電話してくれて、そこ伝いで日本の窓口に連絡してもらい。
日本にいる友達の彼が、日本の保険会社窓口担当と話しているのを、彼のマイクで拾ってもらって、私が窓口担当と話す、みたいなややこしいスキームで会話。
結果、「こちらに非がないのにお金を支払っても、それは補償対象外となります。しかも、支払ったエビデンスもありませんし。」という至極全うだけど大変クールなお答え。
「まあ仕方ないか・・。次回からはVISA GOLD付帯の傷害保険だけでいいや。。」と感じるボク。

現地の病院に到着し、とっても素敵な荒治療を受けました(不快になる方もいるかと思うので詳細は敢えて割愛します)。
治療後、こんな感じで包帯ぐるぐる巻きに。

そこで、細菌やウイルス感染による二次被害を防ぐため、抗生物質が処方されました。
「強い薬で肝臓に負担がかかるので、アルコールは2週間控える様に」との指示。

おかげで、その時の残りの滞在期間中はビールおあずけでした。

・・とまあ、初回、アフリカへ渡航した際に、こんな軽い洗礼を浴びたのでした(それ以外は何事もなく無事で過ごせました)。

それから僕がアフリカを歩く際に実践していること。
タクシーに乗車する際は、
「窓ガラスにひび割れや亀裂が入っていないか?を軽くチェック」
「半ドアにならない範囲で優しく閉めてあげる」

の2点。

未だに左腕に傷跡は残っていますが、これも経験として消化されていきます。
僕は痛い目に合わないとなかなか学べない人なので、ネガティブな経験も「(回復力がある若いうちに)早めに」「最小限のダメージで」得ておきたい。
なので、こういったアクシデントは無いにこしたことがないけど、個人的には「面白い経験が出来てラッキー」と思ってしまう節があります(家族や周囲の人には怒られますが)。

何が起きるか分からないぜ、アフリカ。
を、最初に体感した経験でした。
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アフリカのGDPのカラクリ

2017年度のタンザニアの一人当たり名目GDPは、111,751JPYであり、日本の約2.6%となっています。

(日本の2017年度、一人当たり名目GDP4,319,376JPY

参照:

http://ecodb.net/country/JP/imf_gdp2.html

http://ecodb.net/country/TZ/imf_gdp2.html

1タンザニアシリング = 0.0480412JPYで計算

しかしながら、貿易の拠点ダルエスサラームでは、高級車が街を走り、生活レベルも先進国並みという人もいたりします。

もちろん、ごく一部の人であり、日本の平均的な生活水準には及びませんが。

しかしなぜ、こんなにもGDPがマクロデータ上、低く表示されるのでしょうか?

現地のタンザニアやザンビアの何人かの友人・知人に聞いてみました。

すると、こんな応えが返ってくることが多かったです。

「アフリカでは、(データとして)拾いきれていない取引が非常に多い。田舎の方だと物々交換が主流なので、お金を介した取引がなされていない。」

とか

遊牧民などは、牛がアセットだからね・・。」

とか。

つまり、通貨を介さない取引で生活が成り立っている地域も未だに多く、それがGDPとして反映されないため、極端に低く見える、ということの様です。

アフリカでもその国の消費地となる都会だと、この様なことはなく、基本的に通貨を介した取引がなされています。

おそらく、都会だけで一人あたりGDPを計算すれば、「日本の2.6%」という結果にはならないはずです。

マクロデータはあくまで目安として捉えること。

加えて、数字の裏にある背景を捉えておく必要がある。

そんな事例です。