“DIALOGUE + ”に参戦 めざせプナン人!

 来月、展示会に出展する。3月10日(水)~14日(日)に京都伝統産業ミュージアムで開催される「Kyoto Crafts Exhibition DIALOGUE+」、昨年に引き続き、今年もお世話になる。この1年で、ぼくたちはめちゃくちゃ強くなった。強くなったというのは、コロナ禍の激動で、なにがあっても大丈夫だという謎の自信が芽生えたこともあるし、アフリカ・トーゴ共和国が生んだスーパー仕立て職人・デアバロさんと出会えたことで、商品展開にかなりの幅ができたこともある。これからも新たな出会いをつくれるように、いろいろ準備している。

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 当日は「出会いに乾杯プロジェクト」と銘打って、ちょっとしたプレゼントを用意しようと思っている。なんか最近は贈り物って、やっぱいいなと思うことがあって、ついあげちゃうことが多い。それは、ぼくがやりたいからやってるだけなのだが、しばらく経ってから「あのときもらったんで」とお返しをくださることがある。そういう中長期的なやり取りって、なんかいい。いつどんなかたちで返ってくるかはわからないけれど、結果的に、長いお付き合いになったりする。
 そう思うと、結構ぼくたちは短期的に物事をやり取りしてしまってる気がする。長く続けていくためには、お金をもらうよりも先に、こちらから贈り物をするほうがいいのかもしれない。いま西陣のお店でも、仕立てのオーダーを受けて、お金を払ってもらい、商品をお届けするという流れになっているから、まずなにかをプレゼントしてみようかと思う。見方によれば、弊社は倒産の危機に瀕しているとも言えるけど、ほどほどに実験してみたい。

 人類学者の奥野克巳によると、プナン人のあいだでは、いろんなものをすぐさま分け与える人物のことを「大きな男(lake jaau)」、ビッグ・マンと呼ばれて、共同体のアドホックなリーダーとなるらしい。(『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』p.69)いろんなものを循環させていくことに興味があるぼくとしては、やってみる価値がある。めざせプナン人。


 というわけで、3月の展示会では、プナン人としてオリジナルのプレゼントをもって臨む。もちろん、併せて自信作の商品サービスをもっていく。ヨソではできない技術をふんだんに盛り込んだ西田さんの京友禅に、デアバロさんの仕立て技術で制作した洋服、ここに至るまでの奮闘をまとめた書籍、素材となる布地の生産プロセスを体感する企画。このコロナ禍で、知恵を絞って、汗を流し、歯を食いしばって生み出してきた。ぼくたちの本気が、まだ出会ってない誰かの心に届きますように。トシハルファイヤーーー!!!

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アフリカ布や京友禅で服を仕立てるお店

📮京都市上京区東西俵屋町144 京都西陣ろおじ内
🕚(金)(土)(日)11:00〜18:00
📞090-6373-3203(代表・中須)

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