挨拶をこえて
勤務していたラジオ局までは直線距離で10分くらいだが、近所のおばちゃんやバイクタクシー(ここではゼミジャンという)の運ちゃんたちに声をかけられながら向かうので1時間ぐらいかかる。
「おはよう」に始まり「よく寝れた?」「気分はどう?」「なにしにいくの?」「彼女はできた?」「ここで好きな人はいないのか?」「今夜あいてたら飲みに行かないか?」など、挨拶をこえて、立て続けに質問される。
わざわざ家から飛び出してハイタッチしてくる人、クラクションを鳴らして近づいてくる人、子どもたちから今日の意気込みを聞かれたり、マルシェでは体の具合を心配してもらったり。
シンプルに、コミュニケーションにかける時間が長い。お互いがお互いをよく知っているコミュニティが、そこにはある。豊かさって何だろう。幸せってなんだろう。自問自答はつづく。