アフリカ×京都の商品をつくる

アフリカ×京都の商品をつくる。アフリカの素材、ケンテに京都の伝統技術を駆使した染めを融合させる。大将は早速、白地のピュアケンテの製造に入ってくれた。

京都の染めを入れるには1cm単位の調整が必要だ。ケンテは、13cmから15cm程度の幅の布を10枚つなげて1枚の布に仕立てる。したがって、出来上がりの幅は130cmから150cmとなる。しかし、京都の職人技を入れようと思えば、112cmから長くても114cm幅に収めなければならない。

 

かつて、着物産業で栄えた京都・嵐山にはたくさんの染工場がある。染工場は大きく2つに分かれる。①小幅と呼ばれる90cm幅のものを染める工場と、②広幅と呼ばれる112cm幅のものを染める工場である。①は着物に用いられ、②は洋服に用いられる。圧倒的に①の工場のほうが全国的にも多いといわれ、②の工場で、かつ手の込んだ染めができる工場は、世界広しと言えども京都にただ一つしかない。

 

ぼくは②の工場に染めをお願いする約束をしている。大量生産・大量消費の流れのなかで、②のような広幅の手染めのものは衰退していた。職人の手仕事が、ここでも失われつつあった。業界全体では衰退傾向にあるものの、そこの職人技は一級品である。

わざわざフランスのパリから、エルメスやルイヴィトンの担当者が、通訳とエージェントを引き連れて、その工場を訪れる。そこしかできない仕事があるからだ。パリコレクションでも大きな評価を得る仕事が、京都にはある。

 

その一級品の京都の職人技を、西アフリカ地域の最高級品とされるケンテと融合させる。それはアフリカの職人と京都の職人とのコラボレーションでもある。

課題を解決しようとするとき、最終財が売れなければ解決には向かわない。だからこそ、できあがりの商品には魂を込める。そんな商品は、きっとお客さんにも響く。

 

そんな思いを、ケンテ職人の大将にぶつけた。「1cm単位の仕事はこれまで受けたことがない。臨むところだ。」

京都の職人にも連絡を入れた。

「おまえホンマにやってるんかいな。帰ってきたらすぐこっち来い。いの一番にやったるさかい」

 

彼らの職人魂に、火がついた。