現地法人を設立しました
土地が決まって、その土地を耕すところから店づくりはスタートした。ハンマーと鍬とスコップと。マンパワーで掘り起こす。これまであまりスコップなんて握ったことがなかったので、すぐにマメができた。マメが潰れて血が滲んだのは中学生ぶりだ。
炎天下での作業は過酷を超えて、危険ですらある。日差しが痛くて、首と腕に軽く火傷を負いながら土を穿つ。セメントを購入して、土を混ぜてコンクリートブロックをつくる。近くに流れる小川から水を汲むのも一苦労である。なんて自分は体力がないのだろうと情けなく思いながら、周りのサポートは強力で、人が人を呼んで、ものすごい数の人たちが助けてくれたりした。
「トシは約束を守るために帰ってきたんやろ。俺も約束する。トシが日本に出発するまでに完成させる。」とリシャは笑って、ぼくは泣いた。行動を起こせば起こすほど、自分の無力さを知る。知るからこそ、まわりと一緒にやらないと前に進まないことを痛感する。気づけば40-50人体制で店づくりをしていた。
ぼくが大してお金を持っていないことは、周知の事実であったので、ペンキ塗りの友だちが「出血大サービスだ」と社名を綺麗にプリントしてくれた。なけなしのお金を渡そうとすると、人差し指と人差し指を交差するようにして、「俺とお前は繋がっている。金じゃない、友情だ」と突き返された。
そうして出来たお店は、みんなの思いが詰まっている。トーゴ共和国で、日本人第一号となったお店のまえで、ぼくたちはビールで乾杯した。
[現地法人情報]
ETS : AFURIKA DOGS
adresse : sur la route d’Atakpamé non loin de lycée de Kpodzi à côté de bar Albatros Kpalimé, TOGO
tél : (+228)93 31 11 58, (+228)98 41 17 09